2025年11月22日土曜日

神山・日金山~伊豆山(ハイキング)

 11月も半ばとなり、どんどん冷え込む毎日。箱根の山に初雪が降った翌日に出かけてみました。



神山

小田原駅から一時間近くバスに揺られて到着した箱根園から、先ずはロープウェイに乗って駒ケ岳山頂へ。

ロープウェイの駅を出ると、神社が建っているいる正面の丘が駒ヶ岳山頂です。
昨日薄く積もった雪は全て消えたみたい。

箱根園を見下ろす反対側。

左側の元箱根港の先は、箱根峠と西伊豆の山々でしょうか。

平坦な山頂部をさらに反時計回りに歩いて行くと、伊豆半島と左手に駿河湾。
真鶴半島が見えるか見えないかくらいに霞んでます。

芦ノ湖の反対側の小田原方面を見下ろすところまで来ました。

更に左側は明星岳の向こうに丹沢山塊、尖った大山。

神社へと登ります。

絶景を堪能したので、もう帰ろうかといった感じですが、雲が途切れてタイトルの神山が見えました。

ロープウェイ駅の脇から神山への径を行くことにします。

最初はトレンチの脇に整備された登山道。
昨日の雪が解けて泥だらけとなっているかと思いましたが、それほどではなく、快調に進みます。

神山とのコル付近になると笹原となり、防ヶ沢への登山道が分岐します。

直進して登っていくと、分岐から30分ほどで展望の無い神山山頂に到着しました。

2015年の大涌谷の噴火以来、ここから先は閉鎖されています。
というか、ここまで歩いてきた登山道が再開されたのも今年(2025年)の3月末からでした。
本当に久々の神山登頂。

帰りは、駒ヶ岳を左に見ながら防ヶ沢へと下りました。
登山口を出ると、県道75号線の反対側のすぐ右方向に、芦ノ湖畔へと下る径があるので下って行くと、湖尻と箱根園を結ぶセラピーロードという舗装道路に出ます。

箱根園へと向かうと、途中にある九頭竜の森という公園施設があり、¥600払って入ると奥に九頭竜神社がありました。

神事がある日やモータボートで来る場合は入場料は不要とのことです。
何もない今日はひっそりと静かな面持ちで、背後の森に散らばるコテージの残骸が不気味です。

大きな桟橋がありますが、ここに船が着くことはあるのでしょうか。

セラピーロードを30分歩いて箱根園に到着。

思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら

●2025年11月20日(木)
駒ヶ岳ロープウェー頂上駅(9:55)
→駒ヶ岳(10:10)→防ヶ沢分岐(10:25)
→神山山頂(10:55)→防ヶ沢分岐(11:20)
→防ヶ沢登山口(12:00)→九頭竜神社(12:25)
→箱根園(12:55)

GPXファイルのダウンロードはこちら。


箱根園に戻ると、まだお昼休みの時間帯だったので、寄り道しようかと思い向かった箱根神社や元箱根は大混雑でした。

平日というのに飲食店にもなかなか入れないので、脱出することにします。


日金山(十国峠)~伊豆山

出入りするバス全てが満員の元箱根で熱海駅行きの伊豆箱根バスに乗ると、このバスに限って何と乗客は自分だけでした。
貸し切り路線バスで走ること30分で到着した「十国峠登り口」からケーブルカーに3分乗ると十国峠に到着です。
南関東・甲信・静岡の旧10か国が見えるのでこの名前だそうですが、18世紀後半に観光宣伝目的でそれまでの「丸山」という山をこの名前にしたそうです。
それって、江戸時代じゃないですか...
江戸時代にここが観光名所となったのは不思議に感じますが、丸山を含めたこの地域全体が日金山と呼ばれる(今でもそう呼ばれていますが)一大霊場で、当時も観光地だった熱海に近くて展望も良いということだったみたいです。
そして、思っていたイメージを遥かに超える文句なしの360°大展望が広がっていました。

先ずは北から。
バスで走ってきた県道20号(熱海箱根峠)線沿いの笹の尾根の向こうに見える神山には雲が懸かっています。

その左側の西は、富士山・愛鷹山に残念ながら雲が懸かっていますが、それ以外は良く見えました。

沼津・三島の市街地や、沼津アルプス・伊豆三山・西伊豆方面が手に取る様に望めます。

南側はスカイラインが通る伊豆の山々。

東側は、これから下って行く岩戸山の左下に真鶴半島と真鶴の街が見下ろせます。

それでは、ケーブルカーとは反対側の、遠くにお墓が見える方へと下って行きましょう。

一番手前に見えていた巨大墓碑だと思っていた構造物は、トレーラーの宿泊施設(施設名称はグランピング)で、脇に源実朝の歌碑がありました。
源頼朝の次男で鎌倉幕府の将軍だった実朝は、同時代屈指の和歌の名人だそうです。
この歌碑の歌は
「箱根路を わかこえくれは(我が越え来れば) い津のうみや(伊豆の海や) おきの小島に 波乃与る遊(波の寄る見ゆ)」

もうちょと下ると展望台のようなものがあったので登ってみます。
ここは姫の沢公園という熱海の大規模な公園の最頂部に相当するみたいです。

十国峠から下って来た↓左側の道路の脇には、古代からの霊場にふさわしく、大規模な墓地が広がっていました。

反対側は網代辺りの海岸。

東光寺の標識に向けて下って行くと、10分ほどで東光寺に到着しました。
本堂の両側に不気味な石像が立っています。

右側は閻魔大王。

左のこちらは誰だっけ? 脱衣婆(だつえば)?
追い剥ぎみたいな名前ですが、地獄に引き込む係だそうです。
地獄の入口に立つ二人を撮影していると、何だか足下がゾクゾクしてきました。
足下をみると、踏んでいた四角い枠型の石が、何と、地獄の入口だったとは...

本尊の地蔵菩薩への参拝を早々に済ませて、誰もいない境内を立ち去ります。

地獄の入口からまっすぐ下った最初の分岐。
右に設置してある茶色い案内板を読むと、かつて日金山は死者の魂が集まる場所と言われていたそうで、今歩いている尾根は地中に居る龍(口が走り湯で尾が芦ノ湖だそうです)の背骨に当たると書いてあります。
それでは、背骨を通って走り湯に行ってみましょう。

すぐに末代上人の宝篋印塔という文化財が道端に登場します。
末代上人とは平安時代の富士山信仰の修験者とのことですが、なぜ熱海に江戸末期の年号が彫られた塔が?

次の分岐は岩戸山へ行くべく左へ。
直進は土沢・姫の沢公園の中心部がある方面へと向かう「石仏の道」ですが、石仏はもういいや。

高圧線鉄塔の向こうに雲が取れた神山が見えると、すぐ先は岩戸山です。

分岐を左に登って行くと、山頂で、熱海の市街地と初島が見下ろせました。
熱海城もくっきり見えるよ。

道標に従い伊豆山・七尾方向へと下ります。
岩戸山からの下りは、良く整備された登山道なのですが、徐々に地面が固く締まった赤土となり、これがとても滑りやすく、2回尻餅をついてしまいました。

伊豆山・七尾の表示を頼りに下った最後は、舗装された林道に降り立ちます。
進行方向は泉・本宮上分方面へと十国峠伊豆山線方面に大迂回していき、反対側は行き止まりで、これまで道標指していた伊豆山・七尾方面は、、、

あれ?廃道ではありませんか。

仕方が無いので、直下にある県営七尾団地方面へと強引なショートカットを敢行しますが、急斜面の猛烈なブッシュで通行困難なことに加え、所々にフェンスが登場し、私有地への無断立入が懸念されるような場所で、詳しく掲載することができませんし、そもそも岩戸山から伊豆山へ直接行くことはおススメできません。

というわけで、ヘトヘトになったあげく最後はここにたどり着きました。
路線バスだけが猛スピードで走りすぎる以外は往来がない舗装道路を下り、七尾の宅地の向こう側にある伊豆山神社本宮に来ました。
本宮が何の場所かは伊豆山神社のサイトを見てね。

夕闇迫る参道を伊豆山神社へと下ります。

舗装道路に出たかと思うと、すぐに分岐が。
神社への近道と書いてあった右のヤブの中を選択して、石ころだらけの径を下って行くと、神社の駐車場の鳥居が見下ろせてきました。

明かりが灯り始めた伊豆山神社に参拝。
空が明るいうちに何とか到着できました。

こちらは境内にあった腰掛石。
源頼朝・政子夫妻がここに座って愛を語り合ったそうですが、江戸時代に焼けてなくなったと書いてあった先ほどの本宮が健在だった鎌倉時代(いや、そのころは平安時代か?)は、ここに神社があったのでしょうか?
もうちょっと引いたアングルで撮ると、ピンク色のハートが立てかけてある鳥居が写っているはずですが...
そういえば、泥だらけの手をざぶざぶ洗った手水舎で、水を吐いていた龍の色も覚えていません。(二匹いた記憶はあるのですが。)

クタクタなカラダでゴールの走り湯に向けて標高差150m・800段超の階段を一気に下ります。

●本日の反省…十国峠と伊豆山神社は別々に行きましょう。
 伊豆山神社は応神・仁徳期に十国峠付近に創建され、本宮の地を経て現在の社殿にやってきたらしい(諸説あり)ですが、現在はこれらの地が分断されてしまっていることがよくわかりました。
 日金山東光寺付近の解説版のうんちく(走り湯と芦ノ湖を結ぶ龍の背骨の尾根)も、地図を見ると、尾根でつながってなんかいないじゃん。
 伊豆山神社が掲げる「神徳・由来」も霊験あらたかな語彙が躍るものの、いつ何がどうしたのか意味不明。そういえば、平成前半までは親戚に一人くらい、古い知識を脈絡なくひけらかすおじさんがいましたが、近代以前の観光ってそんなものかも。

 なのですが、二ヵ所ともとてもいいところでした。
 あと、本宮まで行くときはクルマのほうがいいですよ。わざわざ行かなくてもいいけど...

●2025年11月20日(木)
十国峠(日金山;14:10)
→東光寺(14:40)→岩戸山(15:10)
→湯河原-伊豆山神社分岐(15:40)
→伊豆山神社本宮(16:10)
→伊豆山神社(16:35)→走り湯(17:00)

GPXファイルのダウンロードはこちら。

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