2019年5月26日日曜日

自家用車で登る百名山 ~その23~ 燧ヶ岳(BCスキー)

ゴールデンウイークが明けて2週間以上が経過し、初夏の日差しが照り付ける中、前週末のSNS情報で「まだ雪が豊富に残っている」とのウワサを聞きつけて、尾瀬の燧ヶ岳へ。


福島県桧枝岐村の奥に位置する御池駐車場からスタート。
駐車場の両側には分厚い残雪が残り、期待させるのですが....

先ずは御池の登山口がわからず、うろうろ。
多くの人たちが駐車場入り口方向にある御池ロッジへと向かうので、つられてそちらへ行き、案内所とおぼしき小屋でスタッフの人に尋ねると、ここに居るのは沼山峠へ向かうバスに乗る人たちで、燧ヶ岳へ直接登る登山口は駐車場の奥にあるとのことでした。

なので、広い駐車場を反対の端まで移動しなおして、下の写真の場所から入山します。


ただ、登山道入り口付近は中途半端に地面が露出しているので、御池田代の方には行かずに駐車場の南側から直接雪の上を歩きだします。

残雪を拾いながら広沢田代を目指します。


200mも歩くと広沢田代への急登がはじまります。


この急登では途中一か所、沢が露出するところで雪が途切れるため、ブッシュを漕ぎました。
もちろん、帰路もブッシュを漕ぎながら下ることに。


傾斜が緩くなってくると、残雪が少ないところでは木道が見え始めます。


すると間もなく広沢田代に到着しました。


広沢田代は一面残雪に覆われていましたが、北側の一部では地面が露出しだしているところもありました。


広沢田代を過ぎると、また同じような急登となります。
田代が見下ろせるくらいまで登ると、展望が開けて桧枝岐川の対岸に続く会津駒ヶ岳をはじめとする山々が一望できるようになります。


もうあと一登りで熊沢田代です。


熊沢田代の入り口に到着すると、何と木道が露出していました。


木道を進み、その先のブッシュを抜けると、反対側の景色が開けて燧ヶ岳の山頂部が見渡せますが、眼下の熊沢田代は雪が残っておらず、木道が露出しています。


スキーを担いでブーツで木道の上を歩きます。


田代中央部の池の向こうには越後駒ヶ岳をはじめとする魚沼方面の山々が、たっぷりの残雪で連なります。


こちらは反対側の帝釈方面。
手前の田代は雪で覆われていますが、遠くの山々には雪はありません。


田代のはずれからは、雪の斜面を山頂目指して登っていきます。


山頂直下部は雪渓が縦方向に溶けて分断されています。


沢の中にだけ残った雪を見下ろします。
どこまで滑って行けるのでしょうか。


さきほど通過してきた熊沢田代(写真左下)の右側に見える東田代も雪で覆われていますが、その周辺の森は、どのくらい雪が残っているのか、ここからではよくわかりません。


山頂の直下で雪はなくなったので、登山道を5分少々歩いて爼嵓の山頂に到着です。
すぐ西隣にはもう一方の山頂である柴安嵓。その先には全く雪のない尾瀬ヶ原が見えます。


こちらは南側の尾瀬沼です。
沼へと続く長英新道沿いにも比較的雪が残っていて結構滑れそうですが、沼までは滑っていけなそうなのと、山頂から一旦残雪が途切れるので、後回しにすることとします。(結局滑らなかったのですが....)


沼の左側に続く山麓はほとんど雪は残っておらず、萌える様な緑の樹海が続きます。


その左手のこれまで登って来た方向には会津駒ヶ岳をはじめとする会津の山々。
さらに左遠方に小さく見えるのは奥只見湖と守門岳周辺の山でしょうか。


さらに左手には魚沼方面の山々が見渡せました。


さてそれでは、さきほどスキーをデポした山頂下まで戻り、東面の硫黄沢源頭部を滑ることとします。
出だしは凹状地に残った残雪を滑ります。


荒れていない適度な斜面をどんどん滑走していきます。


左手(北側)からの残雪を合わせて、谷へと入っていきます。



沢型の地形が明瞭になってくると、残雪は徐々に狭まり、雪面が荒れてきました。


この辺りまで来ると、沢の底部はデブリ跡と思われる黒くて固い雪質となります。


それでも荒れた斜面を下っていくと、標高差で約300mくらい下ったところで、谷の中も残雪が途切れがちとなってきたので、左岸の弱点を狙って尾根の上へ乗ったここで滑走終了とします。


あとは尾根上の雪の多い個所を辿って登り返すこととします。


登り返しているうちに、さきほど滑ろうかと思った長英新道方面への未練もだんだん薄くなり、お帰りモードで右手の方へと移動しながら登ります。


最後はこのブッシュに阻まれて、直登していくと、、、


往路のトレースに合流したので、ここからスキーを装着して登路沿いに滑走を開始します。


ところどころでブッシュが多い個所があったものの、熊沢田代までは、一気に快適な滑走です。


山頂部をアップで振り返ります。
左手のスカイラインのブッシュの向こう側を滑走し、中央の広い雪面の右端を登り返してから、細いブッシュを2つ横切り、中央右側の細い残雪を滑り降りて来たことになります。


熊沢田代からは一旦スキーを背負って、木道を登り返します。


その先は、樹木をポールに見立てて滑り降り、広沢田代へ。


地面がでていないところを選んでジャブジャブ広沢田代を通過した後の急斜面途中でスキーはおしまいとなしました。


シートラを引っかけながら御池の平坦地まで下ってくると、森の木々は新緑の若葉が一杯です。


来週には消えてしまうであろう残雪を拾いながら、森の中をしばし彷徨います。


のんびり適当に歩いていると、駐車場のだいぶ御池ロッヂ側にでました。


御池から下の国道両脇にはほとんど雪は残っておらず、雪解け水が流れるばかりです。


桧枝岐を過ぎると、周囲は緑一色で、冬の気配すら残っていません。
関東のスキーシーズンは今日で終わったみたいです。


●本日の反省
 来るのが遅すぎた。
 乃至は、もっと残雪の多いところに行かなくては....
 でも、それってどこだろう。 日帰りできるところには無いようにも感じるが....
 とはいえ、それなりの距離は滑走できたのでよしとするか。

●2019年5月25日(土)
御池(8:10)→広沢田代(9:05)→熊沢田代(10:10)
→燧ヶ岳(爼嵓:11:25)→硫黄沢源頭滑走
→標高1,980m登り返し(12:00)→登山道(13:00)
→往路滑走&歩き→御池(14:40)



2019年5月13日月曜日

自家用車で登る百名山 ~その22~ 乗鞍岳(BCスキー)

ゴールデンウイーク明けの週末に、長年の懸案であった山スキーの本場である乗鞍岳にでかけました。

当初は暖冬と言われた2019年の冬ですが、四月以降は寒気が居座り、悪天候が続いたため、たっぷりの残雪を期待しながら国道158号線のトンネルに挟まれた「前川渡」の信号を左折し、県道84号線をひたすら登ります。


一般車両は三本滝レストハウスまで乗り入れ可能で、そこの駐車場は位ヶ原山荘行きのバスを待つ人々でほぼ満車状態でした。
バスを待つ間に大勢の人たちから情報収集すると、前週末のゴールデンウイーク最終日は季節はずれの雪でこのバスは運休。昨日の土曜日は運行していたものの雪質がいまいち(パウダーとストップ雪が交差するスッテン転倒バーン)だったとのことでした。

路上に机を出しているアルピコ交通の職員の方からチケットを購入して列に並びます。
観光センター始発のバスにこんなにたくさんの人が乗り切れるのかと不安に思っていると、三本滝始発と思われるものも含めて4台のバスが到着し、係員の指示に従って乗ると全員が着席できました(たぶん)。

バスは除雪された舗装道路をおおよそ30分間登って位ヶ原山荘に到着しました。
ここから登山スタートです。


山荘から先の舗装道路を100m少々歩いた先にある右側のここから、みんな続々と雪の上を歩きだします。


疎林の中を少し歩くと、真っ白な斜面を登り始めます。
右側の雪面の奥に見えるのはレーダーのある摩利支天岳でしょうか。


山荘から標高差100m少々登ると、平坦な位ヶ原の上にでます。
残雪豊富な乗鞍岳が目に飛び込んできました。


その左側には洗面器を伏せたような形の高天ヶ原も見えます。


一旦摩利支天岳と朝日岳とのコルの手前に見える「肩の小屋口」の方角に向かいます。


肩の小屋口のトイレあたりから振り返ると、自分と一緒にバスから吐き出された人々が続々と登ってきます。


摩利支天岳とのコルには向かわずに、朝日岳と蚕玉岳のコルを目指して雪の急斜面を登ります。


おー、アリの行列みたいです。


山荘を出発して1時間半ほどで朝日岳ー蚕玉岳コルに到着です。


ここからは東側だけに雪が残る斜面を、蚕玉岳へと登ります。


すぐに最高地点である剣ヶ峰が見えるようになりました。


右手には剣ヶ峰の奥に位置する大日岳と、その右手に豊富な雪を蓄えた権現池の窪地が続きます。


山荘を出発してから2時間少々で剣ヶ峰に到着しました。


登って来た方向を振り返ると北アルプスの山々が連なります。


さて、どうしたものかと周りを見回します。
お隣の大日岳の雪面があまり滑られていないように見えたので行ってみたいのですが、そちらの方向は岩場なので直接向かうことはできず、高天ヶ原とのコル経由で行けないかと覗くと、コルの雪面は大きく分断されています。


頂上からは見えない直下の足元で雪がつながっていないかと思い、物色しながら南東斜面を滑り降ります。

が、結局雪はつながっておらず、高天ヶ原とのコル付近まで滑ってきました。


こうなったら仕方ないので、コルのガレを渡って大日岳に向かうことにしました。


右側に先ほどまで居た剣ヶ峰を見ながら、大日岳とのコルへと登ります。


先行者のトレースを辿りながら、山頂の岩の右側から回り込んで、、、

御嶽山を望む大日岳の頂上に到着です。


右手には真っ白な権現池が見下ろせます。
高度差はさほどありませんが、時間に余裕があれば是非滑り降りてみたいところです。


こちらは剣ヶ峰(右)から左側へ続く登路で辿って来た稜線。


さて、それでは眼下に見える登って来た雪面を滑ることとします。
雪は剣ヶ峰とのコル側と、高天ヶ原方面に直接下る側の2カ所に残っていますが、安全を見て登って来た剣ヶ峰側を下ることとします。


先行するシュプールが2本ありますが、大雪渓側は違って、ほぼ一面手つかずの雪面です。


下まで滑って、もう一方の雪面を見上げると、後続のパーティーが登っていきます。
下から見上げると、滑っていないこっちの方が快適そうに見えます。
隣の芝生効果なのでしょうか....


引き続き緩い斜面をコルへと下ります。


またガレを歩いて渡り、南東斜面の下に戻ってきました。


ここからは、目の前の谷である前川本谷を滑っていけば、三本滝レストハウスまで一気に滑っていけるはずですが、まだ正午をすぎたばかりなので、もういっちょどこかを滑りたいと思います。


なので、剣ヶ峰を左に見ながら山腹を行けるところまでトラバースして滑ることにします。


ブッシュの少ない斜面を降りてくるシュプールと何本も交差しながら、肩ノ小屋口付近まで滑ってきました。


少し登り返すと、往路で横を通ったトイレがすぐ先にあります。
さて、どうしようか。
この山域のメインスロープである大雪渓は滑っておかねばならないでしょう。


というわけで、また先ほどと同じ斜面を登って、朝日岳ー蚕玉岳コルに到着です。
2時間前と同じところにやってきました。


2時間前と異なるのは、日が多少傾きかけてきたところと、アリの行列の皆さんが往復通過したために雪が荒れていることです。
おやつを食べていると、隣ではトレッキングツアーのガイドがお客さんにヒップソリの使い方を説明しています。
見本を見せると滑り出したガイドとほぼ同時に滑走を開始したのですが、ヒップソリのスピードは速く、スキーでも追いつくのは大変です。
そして、大雪渓はいたるところにヒップソリ軍団が滑走した跡の縦ミゾが仕掛けてあり、スキーの行く手を阻みます。


途中適当なところで左側へ、本日2回目の大トラバースを敢行し、摩利支天岳の先の不消ヶ池の下あたりまで滑ってきました。
ちょうど夏は車道のようなトラバースの登山道があるところです。


たった今滑って来た大雪渓周辺ですが、、、


拡大してみると、たくさんのトレースやシュプールが、まるで田起こししたみたいです。
これは、滑る時期か斜面をもっと選んだ方が良いですね。。。
剣ヶ峰の南東面と大日岳を滑った直後だけに、余計そのように感じられるのでしょうか。


滑りついた場所から上に登ると、不消ヶ池があります。


池の上に滑り降りて、目の前の不動岳を見上げます。
うらやましい、幸せそうなシュプールが4本。
今日は時間的に厳しいので、是非次回に取っておきたいと思います。


左側の摩利支天岳北面も、もう少し時期は早ければ一面のバーンとなり楽しめそうです。
高度差はさほど無いようですが。


せっかくここまで来たので、畳平の方を回って帰ることにします。


立派な車道のような登山道を歩きながら不動岳を振り返ります。


登山道の左側(不動岳の北側)にある畳平の観光施設は、すでに除雪が完了し、突貫工事のような音が響いていました。
その向こう側にある亀ヶ池へと滑る恵比寿岳の東斜面もなかなかダイナミックそうです。


畳平と鶴ヶ池を左に見ながら行くと、すぐに鶴ヶ沢の最上部となる県境広場に着きます。


長野県側からやってくるエコーラインはまだ除雪されていませんでした。


この看板のあるところが、長野と岐阜の県境です。


東側のなだらかな鶴ヶ沢を滑ります。
出発地の位ヶ原山荘と除雪がすすむエコーラインの下部を見下ろしながらスタート。


途中の適当なところから右側へトラバースを開始します。


なんだか斜滑降ばかりしていますね。
振り返ると、鶴ヶ沢から横切って来た大きな斜面です。


これも横切った不動沢です。
どれも素晴らしい斜面です。横切るだけではもったいない。


だけど、日没が近づいてきたので、残念ながらトラバースを続けます。
時間あたりの距離だけは稼げます。
向こうに見える平坦な位ヶ原の上にうまく乗っかるべく、なるべくロスを少なくして、登り返しが約10mの場所まで到達。


あとはひたすらスキーコースを三本滝目指して滑ります。


最初は高速道路のような緩斜面をひたすら直滑降で。


徐々に斜度が増し、ブッシュも増えてきて、まっすぐ滑れなくなってきます。


最後の方はゲレンデ横に残る残雪を辿って、、、


舗装道路を30mくらい歩いて進むと、


舗道の向こう側は、バスに乗った駐車場を見下ろすところでした。
最後に少しだけ残った雪の上を滑って駐車場の前に到着です。
朝はあんなに一杯だったクルマは数台を残すのみとなっていました。


下山してきた「すずらん通り」にある「湯けむり館」付近から望む乗鞍連峰。
左端の高天ヶ原周辺から、右端凹部の鶴ヶ沢までの間をスキーの滑走性能を生かして移動したことになります。


●本日の反省
 あそこも→ここもと、少々欲張りすぎたか。
 でも、だいたいの山域と、魅力的な斜面はなんとなくわかったので良かった。
 最初はこんなものだとしておこう。

 乗鞍岳は、看板に偽りなしの山スキーのメッカ、というかパラダイスでした。
 残雪シーズン随一と言える(かもしれない)好条件の日に行けてラッキー。

●2019年5月12日(日)
位ヶ原山荘前(9:15)→大雪渓→蚕玉岳→剣ヶ峰(11:30)
→南東面滑走→高天ヶ原のコル周辺→大日岳(12:30)
→東面滑走→肩ノ小屋口(13:10)→大雪渓登り
→朝日岳-養蚕玉岳コル(14:10)→大雪渓滑走
→肩ノ小屋口→不消ノ池(15:00)→鶴ヶ池(15:20)
→鶴ヶ沢滑走→トラバース→位ヶ原→ツアーコース(16:00)
→カモシカゲレンデ経由三本滝レストハウス(16:30)



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