2017年10月21日土曜日

大荒川谷~雁坂嶺 (沢登り)

2017年は、夏休み入りからお盆、9月の連休と、ことごとく台風や雨にたたられて、水量豊富な沢に出かけることができなかった。
気付けば一度も泊まりのお出かけをしていない。
終わってしまった夏を埋め合わせるために、体育の日の連休に、奥秩父に出かけることにしました。



低山でも最高気温が20℃を超えなくなったこの頃、泳いだり濡れたりせずに山深い雰囲気を味わえるところはないかと探して、入川支流の大荒川谷に決定。

国道140号線の豆焼橋付近にある「出合いの丘」に自家用車を停めて、折り畳み式自転車で出発します。


国道140号線を秩父方面へ7kmほど下ります。
目指す入川林道の入口は、雁坂峠方面から下ってくると(下の写真の右の道)、右へUターンする形となり、見逃してスルー。
栃本へ分岐する道路標識で行き過ぎに気付き、登り返してきます。

実は200m雁坂峠側には大きな看板があったのですが、まったく頭に入っていませんでした。

入川林道の上り坂が始まるあたりに自転車をデポし、歩き始めます。
トラウトオン!入川(入川渓流観光釣場)のすぐ先でゲートがクローズしています。


渓流釣場の先の林道分岐からは、入川沿いの森林軌道跡を歩きます。
軌道跡の入口に「登山道土砂崩れのため通行止め」の表示がありました。


軌道の跡地は平坦で歩きやすいですが、2000年前後の写真にしっかり写っている枕木は完全に埋もれて、レールのみが見えています。

途中でハンターが一人、登山道脇の岩に腰かけていました。

「どこまで行かれますか?」

小荒川谷の出合いまでです。
この奥にも仲間の方入っていますか?

「あと4人居ますが、そんな奥まではいきませんよ」

ところで、通行止めって書いてあったんですけど、通れるかどうかわかりますかね?

「ああ、それは、そこのことですよ、全然問題ないでしょ。」


さらに先に進むと、軌道跡の上で仕留めた若い鹿を解体しはじめようとしている仲間のハンターと遭遇。
5人が登山道沿いにバラけて猟をしているみたいですが、釣り師は観光釣場から奥では気配すら感じません。このあたりの禁漁は10月頭からなのでしょうか。

入川の取水施設を見下ろして少し行くと、釣場から1時間少々で赤沢出合いに到着です。



本来ならここから入川本流を遡行したいところですが、水温・気温とも低く、全身水に浸りたくないので、またの機会として登山道を進みます。


登山道は赤沢を吊橋で渡り少し高度を稼いだ後、しばし赤沢の右岸をトラバースしていきます。


かなり赤沢沿いに進んだなと思う頃、左手へ分岐して柳小屋目指して登る標識が見えてきます。
分岐に先ほどのグループのハンターが一人張っていました。彼が最後でもう奥に人は居ないとのことです。

登山道は入川左岸の高いところを目指してどんどん登って行きます。
ピンクテープがあちこちに付けられており、迷うことはないのですが、違うところに進んで行く踏み跡も見かけられ、逆方向から来るときは注意が必要かもしれません。
ここなんかも下りの登山道は右の木のマークの方なのですが、踏み跡は何故か直進。
どこ行くんだろう。
やがて登山道は入川より150~200m高い左岸斜面をトラバースします。
地形図の1212m点の尾根を横切って少し行ったところで、壊れかけた目印の道標が登場。
赤沢出合いから1時間20分でした。


この道標を背に入川に向けて下ります。


明瞭な踏み跡を下って金山沢出合いに到着です。
渓流観光釣場から3時間。出合いの丘を自転車で出発してから3時間半が経過しました。


入川に右岸(写真左手)から流れ込む金山沢を遡行します。


10分ほど進むと、釜が続くゴルジュ状の地形が始まります。


2つ目の釜の先で両岸が狭くなり,,,


深い釜とツルツルの側壁になります。


ここは何としても泳ぎたくないところですが、右岸に都合よくロープが垂れ下がっているので、ありがたく使わせていただきます。


あとの釜は全て横を簡単に通過することができます。




この滑り台だけが、一目見ると難しそうですが、左壁に細かいがしっかりしたスタンスがあり、登ると何と細いシュリンゲまでついていました。





標高1230mくらいで、深くておおきな釜のゴンザの滝。


左岸の巻き道を使い、続く滝とゴルジュをまとめて巻きます。



真ん中のゴツゴツした岩を横切りながら、木の根元の看板のところに降りてきます。


すぐに次のゴルジュの入口です。
中には3メートルほどの小さな滝が2つ見え、その気になれば越えることができるのかもしれませんが、濡れるのが嫌なので右岸の巻き道を進みます。


巻き道は一気に登り、ここに降りてきます。


巻き終えて10分で小荒川谷の出合いに到着。
右俣の金山沢はここから大荒川谷と名前を変えます。


テントサイトは大荒川谷の両岸に、造成工事で作ったような立派なものがあります。
これは左岸のサイトから小荒川谷の滝を見下ろしたところ。


その対岸にあるこちらのサイトに泊まることにします。


薪は豊富にあるのですが、前日まで降り続いた雨のせいなのか、季節柄なのか、燃え方がショボいものばかりでした。。。。
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次の朝。
稜線目指して出発!
目の前の小滝を越えると、そこには燃料となる倒木の山が。。。 こっちに泊まればよかった。


水量の豊富な谷を進みます。


瀬や釜を越え、距離にして500mほど進むと、標高1400m付近に美しい10m滝。
この谷を象徴する光景と感じるのは私だけでしょうか。


左岸の巻き道を進みます。


すぐに地形図のガレマークとなり、沢が左曲すると中二俣までの間に滝が連続するようになります。


先ずは苔むした二段滝。


上の段は流れの右を登ります。(右側壁も登れそうです)


次は変則の二段滝。
下段の小滝の手前が深い釜となっており、半島状の左側をへつって通過。


奥の二条滝は左右真ん中ともに急な箇所があり、登れなさそうですが、


左の流れの奥に入っていくと,,,


低い階段状となり、簡単に通過できました。


すぐ上には15m滝があるのですが、


滝下の川原に居た二頭のカモシカが驚いて逃げ、そのうちの一頭が滝の巻き道らしきところに止まってしまいました。
そこどいてくれないかなぁ。たのむよ~
笛で威嚇しますが、居座り続けます。


仕方がないので、ここを登って行くか。。。
流れの右横の傾斜が緩い所を登りますが、出だしがいきなりシャワーじゃない。トホホ


ホールドは大きくしっかりしているのですが、、


15mは高い。


落ち口の上は小滝が連続していました。




カモシカの滝を登って10分で1570mの中二俣です。
右俣へ





苔むす倒木の上から次世代の森が育ちはじめています。


1660mの開けたところにある15m滝


巻いていきます。


1790m三俣まではところどころにナメや小滝が現れます。




二段17m。


この滝も左岸を巻きます。


上段は美しい簾状です。
あと10分ほどで三俣。


1790m三俣は左俣に入ります。


倒木が増えてきますが、見た目ほど厄介ではありませんでした。


最後の滝。


越えるとすぐに沢はガレで埋まります。


そのままま道なり(というか沢なり)に登って、1950mで左から押し寄せるガレの方へ。


沢が進みにくくなるところから、針葉樹の幼木で覆われる右岸の斜面を、登りやすそうなところを選んで登って行きます。


やがて林床はフカフカのコケとなり、


背の低い笹となると間もなく奥秩父主脈縦走路に到着です。
地形図の2178mと2180mの間のコルあたりでした。


2180m点に駆け上がると、見下ろす広瀬湖の先の雲海に富士山がお出迎えです。
ここで沢装備を解除。


出発した”出会いの丘”を目指して下山開始です。
とは言っても、最初は雁坂嶺への登りから。。。


雁坂嶺

雁坂峠

雁坂小屋で大休止
黒岩尾根の登山道へと進みます。
途中分岐して5分くらい上ったところにある黒岩展望台から、秋が始まりつつある雁坂峠方面を振り返ります。
この登山道を下るのは3回目ですが、雁坂峠に立ったのも、この展望台に上ったのも今回が初めてでした。


単調だが良く整備された登山道をひたすら下り、、、


豆焼橋に帰ってきました。
出会いの丘は目の前です。


●本日の反省
出発時に自転車で入川林道入口を通り過ぎてしまったくらいでしょうか。

気温・水温が低くて少し寒かったけど、
薪は濡れててよく燃えなかったけど、
釣りはしなかったけど
全体的に何となく地味な印象の沢だったような気もするけど、
アプローチも下山も長かったけど
過ぎ去った冷夏を惜しみながら水と緑に浸った二日間の余韻は、過去に滝川や豆焼沢からこの道を通って帰ってきたときに勝るとも劣らない。


2017年10月8日:
国道140号線出合の丘:8:50)ー(自転車)
→入川渓流観光釣場(9:20)
→赤沢出合(10:30)-(登山道途中から入川へ下降;11:50)
→金山沢出合(12:15)→(金山沢遡行)→ゴンザの滝(14:20)
→小荒川谷出合(15:05泊)
10月9日:
泊地(7:00)→(大荒川谷遡行)→1570m二俣(8:30)
→1790m三俣(9:30)
→登山道(奥秩父主脈縦走路・破風山東側2178m付近:11:00)
→雁坂峠(12:10)→雁坂小屋(12:30)→(黒岩尾根登山道)
→出会いの丘(15:45)



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