2017年9月23日土曜日

長平沢~社山 (沢登り)


敬老の日の3連休を襲った台風は、月曜日の未明に足早に東北地方へと抜け、関東地方は台風一過の好天となりました。
高い山の山頂付近を覆っていた雲も、7:00頃にはすっかり晴れて、真夏に戻った様な強い日差しが照りつける一日です。

夜の強風で飛ばされた小枝が散乱する道を走って足尾へ。

桐生から群馬県を北上するわたらせ渓谷鐡道に沿って進むと、隣の栃木県日光市に入ります。


終点の間藤駅から、更に渡良瀬川沿いを遡る道路の終点ゲート手前にある銅親水公園の駐車場に車を止めてスタート。


公園のすぐそばからゲートがクローズです。


この横断幕のところで支沢をコンクリートスラブ上の飛び石で渡り、すぐに安蘇沢林道を左に分けます。


古い石堤が続く九蔵川の林道

親水公園から一時間ほどで足倉沢の出合に。
地形図とは異なり道は足倉沢を渡らず、長手沢と合流した後のスラブの上を横断しています。

少し早いが、ここで沢靴に履きかえて渡渉し、先へ。

すぐに長平沢への林道が左後方へと分岐。
・・写真は分岐から見た長手沢の砂防ダムと沢沿いに続く林道。



長平沢林道は草いきれとガレに覆われている。


尾根を回り込んで長平沢の谷に入る。
3つ穴の排水管の上を通り右岸へ


ヘアピンを折り返すと間もなく林道終点。

そこから見える長平沢の最終堰堤群。 どれも簡単に横から越えることができます。



最後の堰堤を越えて5分くらいで滝場が始まります。
最初は3m。左から巻く。



そのすぐ上の10m。下の3mと併せて巻きます。


巻き道では他の各氏のブログに記載されているチクチク刺さる棘の植物は、そんなに感じられませんでした。
季節的なものなのか、親切な誰かが刈り払ってくれたのか。。。
(その後チクチク棘は多少出現するものの、避けて歩ける程度であった。)

しばらく単調な沢が続いた後、4つの滝が連続します。
最初の2つは傾斜がきついのと、水流が激しいのとで、速やかに右岸の巻き道を行く。


(その後の2つも右岸を巻けるように感じる。)



次の樋状は流の右から取り付くが、滑るのと手掛かりが乏しいのとで上へと追いやられ、結局巻いたみたいに。


4つ目は一瞬水をかぶるが左の流側を快適に登れる。


またしばらく進むと7m滑滝。
突っ張りで行けそうだが水量が多く濡れそうなので流れの左に取り付くが、逆層気味なのとヌメるのとで、気付くと結局乾いたリッジ状を登ることに。



ここまでは巻いてばかりだ。


ここから沢は明るく開けて、


行く先に小さな岩壁が立ちはだかるのが見える。


岩に近付くと、左側が2段12mの滝となっていた。
傾斜が緩いのでどこでも登れる。



すぐに左岸から落ちる枝沢の先に30m大滝が出現する。


稜線との高度差400m程度の開けた場所で豊富な水量を落とす堂々とした姿は、
どことなく異空間の雰囲気を感じさせます。



水を空中に吐き出す落口以外は、緩い傾斜を自由に登れます。


ここからが難関。
オートフォーカスがなかなか合わない。。。とモタつく間に全身ズブ濡れに。
左側の方が良かったか。。。



落口を這い上がると、上は数メートルの緩やかな滑滝様となり終わります。

振り返ると高さ約40mからの展望。


先を見ると、木立の隙間から次の滝が見えます。


この緩傾斜の滝の上にちらりと見えるのが、、、


1500m二俣の二条20m。


水量が多い方の右股の右壁を登ります。
(巻き道は行ってないが、右にあるみたい)



滝上はこんな感じで、そのまま右股を登ります。


すぐ上の1550m二俣も右へ。


更に1600m付近で二俣状の地形となりますが、ここも右を選択し、


社山の南東尾根上に立つべく、東へ向けて登り続けます。

南東尾根の1670m付近に到着。
出発点の三川ダム周辺が見下ろせます。



その右側には皇海山へと続く足尾の山並み。


ここで沢装備を解除し、社山に向かう展望の尾根を登ります。


東(右)側に中禅寺湖が見えてきます。


その下には九蔵川(利根蔵沢)の源流沿いに林道が。


輝く笹原を登り続けていると、なんだか登山道と並走している様な気がしてきました。


真上に登るとすぐに登山道に出て、1分で社山の山頂に到着。


山頂標識裏の木立の合間から奥日光を望む


さて、出発地である銅親水公園を目指して下山しますが、どうしたものか。
道の整備状況を優先すると、半月峠から深沢古道を行くルートですが、出発点まで5時間超の長丁場です。・・・それって、ここまで来る時間よりも下山の方が長いってことか。。。

半月山(右肩に大きな駐車場がある山)の手前のコル(半月峠)まで登り返した後、右へ続く尾根を辿り、一旦間藤駅近くに降りた後、車道を引き返してくるのだが、、、


現在の時刻は13:30。
クルマにたどり着くのは日没後かなりの時間が経過してからとなります。

とりあえず、歩きながら考えることにしよう。
コースタイムの設定が長すぎるだけかも知れないし。。。

阿世潟峠への下りは中禅寺湖と男体山を見渡す絶景が広がる道でした。


ここに来るまでは単なる下山路としてしか意識していなかったので、想定外のうれしい大パノラマです。
台風の名残の強風が湖面に織りなす波紋に、思わず何度も立ち止まって見入ります。



竜頭の滝らしきものも見えるよ。


50分近くかかって阿世潟峠に到着。
ハイキングマップと同じ時間がかかってます。


これでは先が思いやられる。

仕方ないので、ここから一気にゴールへショートカットしよう。
峠の看板から南へと下る踏み跡に突入。



中禅寺湖南岸に連なる山地の最下部にあるこの峠から、中宮祠領だった足尾へと続くこのルートは、両地域を繋ぐ最も古くからの要路であったが、明治期の足尾鉱山の煙害による森林荒廃により廃道となったことをあとから知ることになる。

ちなみに、代替路として開かれたのが当初下山に使用するつもりだった半月峠からの深沢古道だそうである。

そんなことは知らない自分は、峠を下り始めて5分と経たないうちに踏み跡を見失う。
尾根周辺の樹木が少ない斜面を踏み跡と勘違いしながら(というか思い聞かせながら?)、峠から南へとまっすぐ下り、長手沢源流最上部の5m滝がある1330m二俣に降り立った。



両岸とも歩けそうな地形ではないので、沢足袋に履き替えて沢を下ることとする。
地形図をもう一度よく見直すと、破線で示された径路はここの左俣の上部を渡り、本流の右岸を下るみたいだ。

途中で降りてくる歩道を拾えるといいなと思いながら沢を下って行くと、このあたりで左岸に明らかに人工物であろう石垣を発見。

しめたと思い、這い上がって石垣沿いに歩いてみるが、荒れた疎林と獣の足跡が続くばかりで、思い出したように石垣が現れるものの、通路なのか砂防施設なのかもよくわからない。



しばらく下って行くと、1180m二俣の少し上で、焚火跡がある砂防堰堤に到着した。


堰堤の右岸に歩道を発見し、


下るとすぐに対岸に渡渉して1190mで左岸から合流する枝沢にあるもう一つの堰堤の脇に登る。
ここが車道の終点となっていた。


崩壊がすすむ長手沢沿いの車道を、足倉沢出合目指して進む。



1147mを過ぎたヘアピンカーブのあたりから、普通の速度で歩ける場所が増えてくる 


970mの長手沢・利根倉沢出合い付近の橋は半壊。


渡った対岸の林道も消滅しているので、少しの間川原を歩くと林道が復活。
左に見えるのは往路の林道分岐で上に見えた長手沢最上部の堰堤。


5時間以上かかって長平沢林道の分岐に戻ってきました。

西日に照らされる足倉沢出合いを、足尾へと引き返す。      

松木渓谷への分岐より



●本日の反省
計画に無理があった
往路よりも長い下山路を設定し、案の定計画変更となった。
行動中はもっと出発を早くすれば良かったのかとも思ったが、冷静に考えるとエスケープルートとしていた阿世潟峠越えを下るのは(あたりまえだが)最も合理的で、むしろ事前の情報収集を真面目にしておくべきだった。
ただ、情報を持っていればより良い結果となったかというと、どうだろう。
自分が通過したところ以外の状況がわからないので、誤った認識かも知れないが、森林復帰時に使用した構築物が崩壊しながら緑に埋もれて行くこの山では、どこを通っても似たり寄ったりの様な気がする。


2017年9月18日(月)
銅親水公園(8:30)→久蔵沢林道→長平沢林道分岐(9:50)
→長平沢林道終点(10:30)→(長平沢遡行)
→30m滝(11:50)→社山(13:35)→(登山道)
→阿世潟峠(14:25)→阿世潟峠越下降(途中から長手沢
源流下降)→林道終点(15:20)→長平沢林道分岐(16:10)
→銅親水公園(17:00)

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