2021年4月28日水曜日

自家用車で登る百名山 ~その32~ 至仏山(BCスキー)

 冬期間は通行止めだった尾瀬の入口である鳩待峠への道路は、2021年春は4月23日に開通となりました。

5月中旬以降からは一般車通行止めとなり、連休中は混雑するため、連休前の短い期間のみ、自家用車で峠まで行けると思い、わざわざ平日に休みをとってでかけたのですが....


朝7時すぎに鳩待峠と大清水の分岐である戸倉に到着すると、さっそく鳩待峠の駐車場は満車との看板が道路に掲げてありました。

やっぱり同じことを考える人はたくさん居るみたいで、かなり出遅れてしまいました。

戸倉の駐車場(乗用車1日¥1,000)にクルマを停め、入口に停まっているシャトルバスにこれまた片道¥1,000を支払って乗り込みます。

シャトルバスは、満員(8名)の乗客を乗せて、鳩待峠の駐車場に到着です。

この時期のバス停は駐車場までで、ここから上にある休憩所(登山口)まで舗装道路を歩きます。ちなみに、朝いちばんで乗り込んで峠に駐車する場合の料金は一台¥2,500みたいです。


シャトルバスを降りて2分ほど歩いた休憩所前にある登山口です。
正面奥が尾瀬ヶ原への下り径で、至仏山へは左の雪の斜面を登っていきます。

右手の樹間に本日の目標の至仏山を見ながら、春の良く締まった雪の緩斜面を登ります。
随所に登山道を示す赤布が設置されており、大人数が残したトレースとともに、迷う心配は全くありません。

歩き始めて1時間弱で1867m三角点手前の急登を過ぎると、周囲の樹林が徐々に薄くなり、真っ白な至仏山が全貌を現わすようになります。

樹林を完全に抜け出ると、眼下に尾瀬ヶ原が見下ろせるようになりました。

先ずは目の前に立つ至仏山手前の、あのピークを目指すことにします。
地図には小至仏山と書いてありますね。

小至仏山手前で山頂を右手に巻くトレースを離れて小至仏山に立ちます。
奥の至仏山がすぐ横に見えます。

そして、めったにない珍しい(と思われる)快晴の下に絶景が広がります。

至仏山の右(南東)斜面の先には尾瀬ヶ原。その向こうに尖った燧ケ岳、その左手は会津駒ヶ岳をはじめとする山並みでしょうか。

登って来た背後には白根山、皇海山などの日光・足尾の山々。

そのさらに右には中央奥の赤城山。右手前へ武尊山、笠ヶ岳が続きます。

お、武尊山の左上部にひょっこり顔をだしているのは富士山でしょうか。

さて、小休止の後は目の前の一面の雪原を滑ることにしましょう。
ちょうど尾瀬ヶ原の右隣、中央の丘の上部がハゲているのは横田代?それともアヤメ平でしょうか。
こっちの方向にスタートです。

ひょいひょいと4~5回くらいターンすると、あっという間に山頂下を横切るトレースを突っ切って大斜面の中央に出ます。

雪の一枚バーンは、少し(標高差200mほど)下ると、徐々に針葉樹の先端がひょこひょこ頭を出すようになります。

小至仏山の山頂から標高差300mほど滑ったこの辺りで一旦ストップ。

アヤメ平よりも少し低いくらいの高さですかね。
ここからもう一度登りなおすことにします。

小至仏山の右側にある至仏山めがけて平坦で微妙な起伏のある雪の中を登っていきます。

山頂の標高差50mほど手前で振り返ると、右の小至仏山から左下へと続く先ほど滑った大斜面が一望できました。

至仏山の山頂は、平日にもかかわらず大賑わいです。

山頂からは今まで見えなかった奥利根から越後の山並みが一望です。

左側から拡大してみます。
眼下に見える湖は奥利根湖(八木沢ダム)、その奥は谷川岳周辺でしょうか?
中央左奥は浅間山ですね。

その右手は、巻機山周辺の越後の山々。

さらに右は魚沼の山々から尾瀬の奥に連なる平ヶ岳まで、真っ白な山々が連なっていました。

そしてその反対側が、今までずっと見えていた尾瀬・会津から日光・足尾にかけての山々です。

めったにない好天で絶景を堪能したので、そろそろ帰ることにしましょう。

山頂の尾瀬ヶ原側はどこでも滑れる巨大斜面ですが、今度は少しスピードを上げてみたいのと、ゴールの鳩待峠に近いとの理由で、登って来た左(南東)側の斜面を滑ります。

横に見ていた小至仏山があっという間に遥か頭上へと遠ざかりました。

途中からワル沢の右岸尾根に入るべく、右側寄りに滑っていきます。

下るにつれて木が多くなってくるので、ターンも短めとなります。

当初はワル沢とオヤマ沢の中間尾根を滑走するつもりだったのですが、樹林が濃く、雪面の多い方へと滑っているうちに、ワル沢沿いに追いやられてしまいました。
沢が割れているところがあるので、極力近寄らないように雪の多い場所を選んで滑って行きます。

右岸の木々の隙間が空きはじめたところで、平坦な尾根に乗りオヤマ沢(南)側へと切り込むと、すぐにオヤマ沢の渡渉点となりました。
写真手前の中州の様に残っている雪の上を無事渡り、対岸の斜面を登ります。

ちょうど山の鼻への電線が沢を横切る真下でした。

雪の上を少し登ると、山の鼻から鳩待峠へ向かう登山道を人が歩いているのが見えました。

滑り降りてきた大斜面を木々の間から見ながら、ハイカーの後をついて鳩待峠に向かいます。

登山道を10分少々歩いて鳩待峠に到着です。
渡渉してから10分もかからないと思っていたのですが、標高差700m超を一気の滑走と、最終盤の樹林内急回転の連続で、思った以上に足にきていたみたいで、最後の登りはヘロヘロでした。

鳩待峠でシャトルバスを待つ間に撮った今日の滑走面です。

2つ並んだ平坦なピークそれぞれから、中間にある斜面を滑りました。

戸倉を出たときは本当に雪があるのかを心配していましたが、雪解けが早いといわれる今年でも残雪たっぷりで、絶好の天候により、雪質も最高のザラメとなり、この上もない好条件で滑ることができました。
休日に来たら、すごくこんでるんだろうなぁ。


●2021年4月27日(火)
鳩待峠(8:10)→小至仏山(10:10)
→滑走(ワル沢源頭)→登り返し(10:25)
→至仏山(11:40~11:55)
→滑走(ワル沢周辺)→オヤマ沢横断(12:30)
→鳩待峠 (12:50)



2021年4月25日日曜日

金時山・明神ヶ岳 (ハイキング)

首都圏の日帰りハイキングのド定番、箱根の「金時山」です。

時期もゴールデンウイークを一週間後に控えた4月下旬です。

ど真ん中・直球のハイキングに行ってきます。


小田原と御殿場を結ぶ国道138号線沿いにある公時神社に隣接するゴルフ練習場の駐車場からスタートです。
午前8時すぎに到着したときは、練習場前の駐車場は既に満車で、あわてて残り数台分の空きとなっていた国道向かい側に停めます。
料金はどちらも¥500です。
老若男女、家族連れ。様々な人々が登山道に向かっていきます。
追記;本稿記載直後の2021年4月28日に、県道731号線(矢倉沢仙石原)通称「はこね金太郎ライン」が開通し、同ライン矢倉沢峠トンネル足柄側出口にある駐車場から約一時間(標高差340mくらい)で金時山へ登れるようになった模様です。
金時山のみを目的とされる方は計画前にルート確認をお勧めします。


登山道に向かう人達ばかりではなく、降りてくる人も結構います。
スタートしてすぐの神社の脇を通る時点で、早くも数組とすれ違い、以降山頂までは頻繁にすれ違いと抜きつ抜かれつを繰り返すことになります。

ゴールデンウイーク前後はスミレの季節でもあります。
日当たりの良い登山道の脇には薄紫のスミレが点々と咲き続けています。

標高1000mに近付くと、スミレに混じってキンバイのような黄色い花も増えてきます。

神社を出発してから、花を見ながら登ること約一時間20分ほどで金時山の山頂に到着です。

ほんの少し煙っているものの、北の富士山から南の大涌谷・神山までキレイに見渡せました。

散りかけている山頂のマメザクラを横に、お隣の明神ヶ岳へと向かうべく、先ずは登って来た径を引き返します。

明神ヶ岳へは、神社からの径が稜線にでる分岐(登山地図の「公時神社分岐」)を直進して下っていき、金時山よりも標高330mほど低いところにある矢倉坂峠まで、さらにどんどん下っていきます。
あまりに一気に下り続けるため、麓の仙石原に着いてしまいそうに感じるくらいで、実際、神社から山頂までの標高差の6割近くを失います。

2つの山の最低鞍部となる矢倉沢峠の少し手前から、明神ヶ岳(左後方の平坦な部分)方面を望むと、スズタケの斜面の中にこれから進む道が登っていくのが見えます。

休業中の「うぐいす茶屋」が立つ矢倉沢峠では、金時登山口バス停へと下る径が分かれます。
というか、金時山の登山道から明神ヶ岳方面への径が分かれるというのが実態に近く、茶屋の裏から明神ヶ岳へと向かう径に入ると、登山者の数がぐっと(10分の1よりも)少なくなりました。

登り返すスズタケの径から金時山を振り返ると、あちらも山裾は一面の笹原です。

見晴らしの良い道をグングン登っていくと、金時山全体が見えるようになり、その左側にある長尾山の右肩から富士山がニョッキリ頭をだしてきます。

登るにつれて、富士山はだんだん背が伸びてきて、以降だんだん小さくかつ雄大という相反する要素の両方を強くしていきます。

だんだん背丈が高くなるスズタケの中の径からは、時折箱根の中央火口丘と大涌谷の噴煙が見え、時折振り返ると富士山が見えることがあったりします。

登山道が凸を通過するところには、展望が切り開かれた場所があり、仙石原や芦ノ湖などがあるカルデラの底が見渡せます。
天空というにはかなり低いですが、山麓の様子が手に取るようにわかる高さからの眺めは、平凡な言い方ですが、自分がガリバーになった気分です。

深い笹の間を進む苅川峠から、登山道は正面の平坦な火打石岳の左(北)側を巻くように続き、笹原は林へと変わっていきます。

火打石岳を巻いた後、登山道は明神ヶ岳山頂に向けて、標高差250mほどを登り続けます。
平坦な山頂部に乗る少し手前にある展望が開ける場所から、先ほど出発した金時山を振り返ります。
富士山は本当に大きく成長しました。

山頂付近の平坦な径沿いには、ドウダンツツジの仲間がたわわに花をつける木が散在しています。

ところどころにあるマメザクラ(ハコネザクラ?)は最後の花期のようです。

明神ヶ岳の山頂は多くの人々で賑わっていました。
部活かなにかかと思うような若者の集団もあり、それまで歩いてきた径の、たまにトレランの集団とすれ違う程度だった静けさとの違いに驚きます。

小休止したら、宮城野へと最短ルートで下りましょう。
平坦な山頂の尾根を500mほど歩くと、登山道は宮城野めがけて一気に下っていきます。

明神ヶ岳は金時山よりも40mほど低いですが、降りる宮城野はスタートした公時神社よりも200mほど低いところにあるので、登った以上に下ることが実感できます。

自然林の中を下った後にでてくる、別荘地脇に続く暗い階段の径が更に長さを助長します。

宮城野の集落の外れに降り立ってからも、標識が要所に設置されていて迷うことはありません。
また、本日のコースは全体に道標が完備されており、字を読み間違えなければ迷うことはありません。

最後は、箱根登山バスの営業所前に出ます。
セブンイレブンと中華料理店の向かい側にあるこの建物の前がバス停で、御殿場プレミアムアウトレット行きに乗ると、公時神社の前で降りることができます。
ただ、御殿場行きのバスは本数が少ないので、あらかじめ時刻を調べておくか、桃源台行きのバスで「仙石」で下車し、国道を乙女トンネル方向へ1㎞弱歩いて神社に停めたクルマに戻ることになります。

思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら


●2021年4月24日(日)
公時神社(8:20)→金時山(9:35~9:45)
→うぐいす茶屋(10:30)→明神ヶ岳(12:45~13:00)
→宮城野(14:45)




●本日の反省
人が多かった。
まあ、春の良い日に定番かつ人気のハイキングコースを選んだので当たり前だが。。
ちなみに、金時山は季節や条件の良し悪しにかかわらず、毎日登る人も相当居るそうなので、休日ならいつ訪れても密傾向となることは避けられないと思う。
2つの山どちらも、ガイドからは外せない定番だけあって、視界が開けてさえいれば期待を裏切らない展望得られるので、行くか行かないかは人の多さ(と、茶屋が必要な人は金時山)の好み次第だと思う。

2020年の山の日に撮影

個人的には2つの山の中間にある矢倉沢峠と明神ヶ岳の区間が、展望がよく変化に富んでいて、とても気に入っている。

金時山のピークハントに拘らなければ、明神ヶ岳側からスタートして富士山を見ながら矢倉沢峠へと徐々に下っていくのもおススメだ。

但し、もしかすると登山道の混雑によるバイアスがかかった感想かもしれないので注意してください。

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