2023年5月29日月曜日

別府地獄めぐり

 梅雨入り前の週末に、有休をつなげて別府観光です。

九州は仕事で何度か行ったことがあるものの、観光では初めてです。

なので、定番中の定番。世界を代表する観光地で地獄めぐり。

別府湾の奥に広がる別府には福岡空港から高速バス「とよのくに号」で2時間ちょっとです。
下の画像で下に見下ろせる道路が大分高速道路で、左の道路沿いが別府湾S.A.、中央部の海岸が地獄めぐりの地に近い別府観光港。右の平地が別府駅周辺です。
別府行きの高速バスは、国内線ターミナル又は地下鉄の福岡空港駅から、無料のシャトルバスで国際線ターミナルに移動すると、1時間半くらいの頻度で博多からやってきます。
バスは全席指定の予約制で、旅行した2023年の春にはハイウェイバスドットコムでWEB回数券を購入すると、片道×4回分が¥9,200となり、偶数人数で往復する場合はかなりお得(というか全ての公共交通の中で最安)です。

別府では温泉の噴気孔のことを「地獄」と呼んでいるそうで、街中の各所にある噴気孔を回れば「地獄めぐり」と言えますが、最もポピュラーな「地獄めぐり」は、別府地獄組合が運営する7か所の観光地化された地獄で、¥2,200/大人の共通券で全部入ることができます。
ちなみに、個別に入場すると何円かは忘れました。

それではさっそく「龍巻地獄」からスタート。

龍巻地獄は、約40分毎に噴出する間欠泉で、何もなければ熱水を30mほど噴き上げるとのことですが、残念ながら飛び散らないように4メートルほどの高さで岩で抑えられています。

事前にWEBに乗っている写真を見たのですが、静止画だとなんのことだかわかりませんでしたので、動画をちょっとだけ。

龍巻地獄のすぐ隣は「血の池地獄」です。

売店の中を抜けると、湯気を吹くトマトケチャップが溜まったような池があります。
よくよく見ると、赤いのはお湯ではなく池の底に溜まった泥のようにも見えます。
7か所の地獄のうち、龍巻地獄と血の池地獄の2つだけが、他とは少し離れた場所(野田)にあり、公共交通機関を使うと少々時間の制約が生まれます。

全ての地獄には十分な規模の駐車場があるので、この時は全箇所をレンタカーで回りましたが、バスのみを使用する場合で半日未満という時間制約があるときは、鉄輪(かんなわ)にある残りの5か所のみか、その中の代表的なものを見物することになります。

それでは、鉄輪に移動して「かまど地獄」から。

ここは完全なアトラクション施設ですね。

他の地獄に色や形を似せたミニチュアの地獄がそろっていました。

さすがに龍巻地獄に相当する間欠泉は無いので、その代わりにガイドのおじさんが熱水に向けて線香の煙を送り、水蒸気を煙に変えて見えるようにするアトラクションをやっていました。

かまど地獄の道路を挟んだ向かい側には「鬼山地獄」があります。

ここも100℃近い水蒸気が噴出しており、周囲が煙って見えません。

ただ、熱湯の噴出はここだけで、実質はワニの展示場所です。
ワニはたくさんいましたが、撮影し忘れました...

鬼山地獄の入口前の「みゆき坂」のすぐ下には「白池地獄」があります。

これが白色かは主観によって分かれるところかと思います。
池以外には淡水魚の小規模な水族館がありました。

残るは「海地獄」と「鬼石坊主地獄」の2か所です。
この2つは、かまど地獄から見て白池地獄とは反対側の、坂の上側に2つ並んであります。

海地獄の茅葺屋根の入口を入ると、大きな緑色の池があります。
この色が海なのか?と思いますが、この緑色の池の奥。上の画像の左端にちょっと煙が上がっているところが海地獄です。

血の池地獄やかまど地獄と同様、売店の中を通り抜けたところに地獄がありました。



入口の方にある緑の池との位置関係はこんな感じです。

ちなみに、海地獄の園内には、売店と反対側にこの赤い地獄もありました。

赤い地獄のそばには蓮を育てている温室もあるよ。

最後にお隣の鬼石坊主地獄です。


庭園風の園内には泥の中からポコポコお湯が沸きだす池が4か所ほどありました。
観客も少なく、最ものんびりできるところでした。

ちなみに、地獄めぐり7か所のうち、国指定名勝なのは鉄輪の海地獄と白池地獄、野田エリアの龍巻地獄、血の池地獄の4か所。
足湯があるのは鉄輪の海地獄、かまど地獄、鬼石坊主地獄と野田の血の池地獄の4か所でした。

鉄輪の5か所は、交通の便が比較的良いのと、300mくらいの範囲に固まってあるので、回りやすいです。
博多や福岡空港から高速バスでやってくる場合も、白池地獄のすぐ裏にある国道500号線の「鉄輪口」バス停で降りることができます。
別府駅から一番わかりやすいのは、西口の3番乗り場から1時間に2本ほど出るサファリ線(行先はAPU、サファリ、仙人田など)で15分ほどです。(行先と所要時間は異なりますが、東口からも複数の路線があります)

下車するバス停は、鉄輪か海地獄前ですが、海地獄前で下車した方が下り坂なので楽ちんで、一番下にある白池地獄からそのままみゆき坂を下り、名前がいでゆ坂に変わったところにある「地獄蒸し工房 鉄輪」で食事をするのもいいかもしれません。

ただ、地獄蒸し工房も、周辺の観光施設と比較するとかなり良心的ではあるものの、いわゆる観光施設のカテゴリーに入り、地獄蒸しの体感が主となります。

なので、一番安いコースで済ませてから地獄蒸し工房を出ると、目の前に「鮮魚店の居酒屋」なるお店が。
思わず引き込まれてみると...
「お魚自慢」の看板に偽りなし。
メニューには揚げ物が多いですが、鮮魚を注文しましょう。
外れることはないと思います。

さて、ここからはオマケです。

別府駅から鉄輪を通り過ぎて、サファリ線のバスをそのまま乗り続けると、APU(立命館アジア太平洋大学)の1つ前に「十文字展望台前」というバス停があります。

展望台の看板に従って5分ほど歩くと、

アンテナ群の先に大展望が開けました。

日本夜景遺産なるものに登録されているそうで、夜に来ることができればもっと良かったかも。

ついでに夜景スポットをもう一つ。
別府駅から徒歩15分くらいのところにある別府コンベンションセンター(B-Con Plaza)内にあるグローバルタワーです。

別府公園を挟んで市街地とすぐそば。
一人¥300で地上100mからの展望が手軽に体験できます。

さっき居た十文字展望台の方や鶴見岳も間近に見えるよ。
3月~11月は夜9時まで登れるそうです。
北浜のホテルから歩いて夜景に見来れたな...

家に帰って来て週末が過ぎたら、何と西日本は梅雨入りしてしまいました。
最後の晴れ間だったのね。

●行った日:2023年5月26日(金)


2023年5月21日日曜日

芦川すずらん群生地~黒岳 (ハイキング)

GW連休が明けて梅雨入り前までの期間に花期を迎えるすずらんは、北海道以外の土地で見ることはとても稀ですが、首都圏からすぐといっても良い距離に本州ほぼ唯一といってもよい天然の群生地があり、以前から行ってみたいなと思っていました。

というわけで、お隣の県、山梨県笛吹市、芦川の群生地まで行ってみました。


河口湖から県道719号(富士河口湖芦川)線の若彦トンネルと抜けると、そこは芦川沿いに続く同名の山里で、すずらんの開花期には群生地を指す標識が設置されていて、要所に誘導員が配置されています。

誘導に従って集落の最奥にある群生地に到着。
観光用駐車場の手前に右折を示す登山者用の駐車場があったので、表示に従って簡易舗装された林道を少々登り、十数台分のスペースにクルマを停めてスタートです。

満開のナナカマドを見ながら、駐車場すぐ横の群生地に入ります。

観光用に整備された群生地は、白樺を中心とした気持ちの良い樹林で、林床をよくよく探すと場所によってはスズランがひっそりと咲いています。

ただ、咲き方はほんとうにひっそりで、最も開花密度の高い場所でも、立って見下ろすとこんな感じです。

北海道の代表的なそれ用の観光地とはずいぶん印象が異なります。

むしろ開花期が重なるミヤマキンポウゲや、シーズンが終わりつつあるスミレ(スミレサイシン?)の方が存在感がありました。

他にも、イチゴ類やマイヅルソウ、イカリソウがスズランよりも優勢なように感じました。

スズランが咲くエリアはあっという間に見終えてしまったので、電流柵を抜けて斜面の上の方へと向かいます。

群生地の周囲は誰かが着々と手を入れて、森の外観改善に勤しんでおられます。

林内を登るとすぐに新道峠への舗装道路に出たので、峠への分岐を見送って登るとすぐに黒岳への登り口に到着です。

黒岳を示す標識はこれだけでした。

登山道は、小さな沢状地形に沿って気持ちの良いブナ林を登って行きます。

ちなみにこのあたり、秋の紅葉もなかなか味があってよいところです。

日向坂(どんべい)峠からの稜線の径を合わせると、ミツバツツジの密度がぐっと高くなってきました。

黒岳山頂が近づいてくるとツツジは一旦少なくなり、美しいブナとミズナラの混交林が雨に煙ります。

山頂付近に立つ標識で、今通って来た森が県の美林であったことがわかりました。

山頂から200mほど河口湖(南)側にある展望台に行ってみましたが、展望はありませんでした。

参考までに、晴れているとこのような展望が開けています。

そのかわり、まるで庭園に植えられた園芸種の様な鮮やかな色のツツジが咲き乱れていました。

雨の尾根径を新道峠の方へと進みます。

時折ミツバツツジが咲く尾根を行くと、15分毎に、すずらん峠、破風山を過ぎていきます。

破風山の先にあった謎のカメラスタンド。
天気が良ければ謎ではないと思いますが...

晴れた日にカメラスタンドにカメラを置くとこんな感じですね。

破風山から15分くらいで新道峠あらためFUJIYAMAツインテラスに到着です。

黒岳側にファーストテラス、新道峠にセカンドテラスがあり、立派な建造物でできた両者が、これまた立派な遊歩道で結ばれていました。
当然ですが展望は全くありません。

にもかかわらず、大勢の観光客が居て、ガスで覆われた今日はこの看板で展望を満喫していました。

晴れているときのファーストテラスはこちら↓

セカンドテラス(新道峠)はこんな感じです。

こんな日に雨中の峠に居るたくさんの人々は、このバスに片道¥200を払って、新道峠の100m(標高差10mちょっと)下まで運ばれてきます。
すずらん群生地から上の一般車両通行止め区間を走るこのバスは、時刻表を見ると一時間に1本くらいの頻度でしたが、この日はもっと頻繁に(休日は毎時2本?)見かけました。

芦川の集落からここまでは、こんな感じで全て立派に舗装されています。
ゴールデンウイーク前から11月下旬までの期間に旧芦川村の中心と峠の間で運行されますが、芦川への公共交通の便があまりないため、すずらん群生地の広い駐車場までマイカーで来るのが便利だと思います。

バス停がクルマを停めた場所よりも向こう側みたいなので、自分は舗装道路を少々下り、途中から登山者駐車場へとショートカットして戻りました。
すずらんはちょっと期待通り(期待しすぎると期待外れ)でしたが、雨でしっとりした美しい森とミツバツツジの最盛期をのんびり堪能することができました。

駐車場まで下ると青空が広がる暑い日でしたが、稜線は(富士山も)ずっと雲の中の一日でした。


●2023年5月20日(土)
芦川・すずらん群生地駐車場(9:05)
→林道→登山道入口(9:45)
→黒岳(10:30)→すずらん峠(10:55)
→破風山(11:10)
→FUJIYAMAツインテラス(新道峠;11:25)
→舗装林道→登山道(11:55)
→すずらん群生地駐車場(12:05)

思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら




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