2017年2月25日土曜日

梅ヶ瀬渓谷~石尊山 (ハイキング)

季節風が強くて寒い厳冬期は、晴れててヒルの活動が休止した房総の丘へハイキングへ。

JR東日本の「休日おでかけパス」なら、たった¥2,670で対象区間の普通席が1日乗り放題。
近所にある神奈川県の駅から千葉方面の区間ぎりぎりまでを往復すると楽勝で元がとれます。


※梅ヶ瀬渓谷は2023年9月の台風13号の影響で、同年11月現在閉鎖されています。
 現状を市原市観光協会養老渓谷駅前観光案内所などに確認の上お出かけください。

というわけで、市原市の五井駅まで行って小湊鉄道へと乗り換え、終点から1つ手前の養老渓谷駅に到着。

紅葉の季節は賑わうのでしょうが、季節外れの真冬とあっては人影もまばらで、下車したのは10名足らずで、乗客は観光客(この時期に?)のみ。地元の人らしき方は乗っていませんでした。

ちなみに、五井駅の改札で駅員さんに片道切符を見せたら、怪訝そうに本当に片道だけでいいのかを確認されました。
途中の上総牛久から先は運行本数もまばらで、観光目的の人だけが、それ用の乗車券で利用するみたいです。


この季節にこんなところまでなにしに来るんだろうと思いますが、そこはお互い様。
鄙びた駅前の通りを通って、線路の裏側に回り込み、先ずは梅ヶ瀬渓谷を目指します。


ところどころにある案内標識に従い、舗装された田舎道をてくてく歩きます。


駅から40分程で大福山へと登る舗装道路と別れ、谷沿いの土の道を行くと、駐車スペースの先から川の流れに沿った道になります。

ところどころに蛇行をショートカットするトンネルが掘られていますが、三間川や小櫃川にあるような大規模なものではなく、わざわざ掘る必要性が疑われるようなものばかりです。


この地の名前となった梅の花が咲きますが、花をつけていた木は数本のみで、後で出てくる大福山の四阿のそばにあった石碑の蘊蓄と比べるとずいぶんと貧租でした。


谷は次第に細くなり、ところどころで垂直の岩壁になります。


こんな感じで流れを何度も飛び石で渡りながら進みます。
全体的に、同じエリアにあるキンダン川や梨沢を二回りくらい・・・いや5~6周りチンけにしたようなイメージです。

特別な準備を必要としないハイキングで、沢の雰囲気を感じるには丁度よい場所なのでしょう。


と思っていたら、突然フル装備の沢登りの集団に追いつきました。
このいでたちで今歩いてきた真冬のハイキングコースをじゃぶじゃぶ辿ってきたのでしょうか。
寒い中をご苦労様です。



ブログによく書かれている「旧日高邸」なる場所へ行く道にはロープが張ってあったので、谷を歩くのはやめ、大福山へと登ります。

歩道を登って先ほどの舗装された林道と合流するところには四阿が建っており、横に日高邸の何たるかが書かれた石碑がありました。


大福山の鉄製の展望塔は、この舗道を駅の方へ行ってすぐのところにある登り口を3分くらい上ったところにあります。

※大福山展望塔は2023年11月現在老朽化のため立入禁止となっています。
 現状を市原市観光協会養老渓谷駅前観光案内所などに確認の上お出かけください。

展望塔の上から、いままで通ってきた梅ヶ瀬渓谷を見下ろします。
周囲にはどれがどこだか見分けがつかない房総の丘が続きます。


その中のアンテナの鉄塔が建つ平らな丘が、これから目指す石尊山(せきそんさん)です。


振り返って北側を見ると、、、


東京湾の向こうに東京のビル群が霞んで見えます。
列車を乗り継いでずいぶん遠くまで来たもんだ。


女ヶ倉林道を南西へと進みます。


林道の山側は、脆い岩質の山を削り取ったままのもので、ユンボの爪の跡?が模様の様に続きます。


大福山林道と出会うT字路を左折し、右側に大規模な処理場を見ながらすすみ、この写真の入口の先で坂畑林道を右に分けて左方向へ。


舗装が途切れたり、また舗装されたりする林道をひたすら歩きます。


途中、林道加茂線の合流を左に見送り、この斜めの地層を下ってゆく先で、戸面蔵玉林道のトンネルの上を越えて、Uターンして戸面蔵玉林道のトンネルの間に合流しますが、その手前のUターンの屈曲付近で、右にあるバリケードが設置された古い林道に入ります。


この通行止めの林道は、ほぼ地形図の通り南南東に進み、235m三角点の少し手前にある貯木場の様な広場で終わり、そこから先は普通の山道となる。

↓林道終点からすぐのところにある三角点。


この登山道の様な立派な道は、ところどころにピンクテープのマーキングをつけながら(道標はなし)尾根上を南西へと弓形にカーブして250m凸の南東面をトラバースし、ほぼ尾根沿いに国道465号線のトンネルを目指して南南東に進んでゆくが、トンネル手前の上り坂を避けて右手の黄和田畑の方へ下っていく。
途中何故かトレイルランナーとすれ違う。(一体どこからどこへ向かうどこの人なのか。。。)


トンネルの上を目指して尾根を登って行くと、台地状の植林地となり、南端で視界が開けて目指す石尊山のアンテナが望める。


ここからトンネルの真上へは細くて急なザレ尾根を下って行く。


急坂を下りきったところで、南側から登山道の様な道が合流している。
トンネルの南側出口を起点とする地形図に記載がある道と思われる。


右手から他にも2本ほどの踏み跡が合流し立派な歩道となり、頂上付近の平坦地まで登った後は杉の植林の中を進む。


植林地の左の木立の間からアンテナ施設が見えると、ほどなく石尊山の看板が立っています。
平坦な林の中ですが、「房総の名山」?とのことです。。。


さて、七里川温泉に向けて下ろうと林の中を少し歩くと、石祠がありました。
3つも立っている山頂を見たのは初めてで、特に真ん中の大山阿夫利は大人の背丈を超える巨大なものです。
運んできたものか、この場所で作ったものなのか、いづれにしても相当大きな労力をかけて制作・設置したと思われます。

これが名山の所以か。


ここからは参道の階段をお約束通り滑ったり、踏み外したりしてよろけながら一気に下ります。


山自体も、石の製作物も風化が激しいです。


20分ほどで温泉の脇に下りてきました。


黄和田畑の国道465号線より、下ってきた石尊山を望むと変哲の無い丘で、アンテナの建つ頂上付近は一段低く見えます。


あとはバスも通らない休日の国道を、亀山ダム目指してひたすら歩きます。

ヒトデ状に細い湖面が分岐する亀山湖を橋で何度か渡り・・


亀山ダムに到着です。


湖岸のホテル(右側の白い建物)で温泉に入って、汽車で帰ることにします。



JR久留里線の終点である上総亀山駅は、ダムから徒歩10分少々で、ガラガラのディーゼルカーが木更津まで(途中久留里で乗り換え)通じていました。

※JR久留里線は2023年11月現在廃線協議中です。運行状況を確認の上お出かけください。
 また、同線は全線でSUICA等のプリペイドカードが使用できません。

●2017年2月20日
養老渓谷駅(10:30)→梅が瀬渓谷入口(11:20)→大福山(12:30)
→(女ヶ倉林道分岐12:40)→大福山林道合流(13:00)
→蔵玉林道終点(13:20)→国道465トンネル上(14:10)
→石尊山(14:30)→七里川温泉(14:50)→亀山ダム(16:10)

思い立ったらすぐ行ける。 首都圏近郊のその他のハイキング記録はこちら


●本日の反省

①のりてつ 恐るべし
「休日おでかけパス」をフル活用しようと、あえて遠くに行ってみたが、乗車時間の長さにうんざり/やってみてびっくりだった。
特に久留里線を使用した帰路は、横浜まで4時間近くを要し、切符代より数百円分多く乗ろうとすることそのものが目的化しそうでヤバかった。
木更津で乗った電車が横須賀行きで、2時間近く爆睡できたのが良かったものの、新幹線に乗れば同じ時間で広島くらいまで行けるではないか!
「乗り鉄」と呼ばれる人たちはある程度の頻度でこれをやってるとは。。。

②車道・林道歩きばかりで退屈?
地元の神奈川とは異なり、上り下りが少ない(よって車道も多い)千葉の山?は、思った以上に距離が稼げる。・・・何も考えなくとも短い時間でそれなりの距離をさくさく進むことができる。

が、その代わりほとんどが舗装道路や林道歩きとなってしまった。
出発が遅い時刻だったので短めの距離にしたが、石尊山からそのまま先の山道へと進めば、清澄寺までは余裕で到着できて、もう少し変化があったに違いない。
まあ、フリー切符の範囲外だから行かないけどね。

石尊山以南の麻綿原、清澄山方面の記録はこちら。

2017年2月12日日曜日

早戸大滝 (積雪期ハイキング)

2月9日に関東平野にも小雪を降らせた寒波は、その後も日本上空に居座わり、建国記念日の週末になっても晴れているのは、関東くらい。
ということで、数少ない晴天の百名山ハントをもくろみ、丹沢山を目指しました。



自家用車の性能をフルに生かして最短距離を狙うべく、標高700m超まで車道が通る早戸川林道を通行しようとしますが、早速林道入り口にあたる国際マス釣場先のゲートが閉まっています。

このゲートは積雪のため去年の11月中旬から閉鎖されていたそうです。
林道も十数センチの雪が積もっていました。

仕方がないので、雪の林道を歩いていくことにします。
寝坊で出発が遅れたため、既に時刻は9時近くとなっており、先が思いやられます。


3日前に横浜市内でも降った雪は、街中では道路や芝生に積もることはなかったのですが、ここに来る途中の鳥屋あたりでは今なお路肩に雪が残っており、早戸川沿いもフカフカに?積もっていました。


見上げる丹沢稜線も、この冬で最も白く染まっています。


一時間少々歩いて魚止め森の家(旧丹沢観光センター)につきました。
人気がなく、ひっそりとしています。


この施設は、十数年前まで釣場やキャンプ場などを営業していたらしいのですが、今は誰が何に使っているのでしょうか。。。


さらに林道を行きます。
早戸川を渡る橋の付近から、車両も通れなくなり、ハンターの車の轍も途絶えて、先行者数名の足跡だけが残ります。

丹沢の奥深く、稜線の一番高い所に囲まれた場所に入ってきました。


森の家から30分ほど林道を歩き、林道終点の近い「伝道」につきます。
ひっそりとした周囲とはちょっと場違いな案内板が立っています。

早戸大滝までは厳しい道のりだそうです。

ここからは山道を行きます。


造林の仕事径のような歩道が雪で埋もれており、すぐに見失ってしまいました。
適当に林の中を登って行きます。


南側の尾根を越えると、今にも倒れそうな小屋が建っており、道は小屋の前を通り過ぎて早戸川の左岸の高い位置を進みます。
小屋の前の小さな看板に「←雷平15分」と書いてあります。(ウソつき。。。)


15分ほど歩いた後に、雪にすっぽりと埋まった早戸川の河原に下りて、渡渉しながら進みます。


林道のゲートを出発して2時間と少しで、原小屋沢が合流する「雷平」に着きました。
ここは左股の本流を行きます。


沢はだんだんと細く・狭く、そして転がる石はだんだん大きなものになってくるような気がします。


時折、雪に埋まる大岩の隙間にすっぽりとはまったりしながら、雷平から進むこと約1時間。
左側から合流する小さな沢の奥を見上げると、半ば凍り付いた大滝がありました。


積雪のせいなのか、年をとって体力が落ちたからなのか、雷平からは、昔雪のないときに来た時の倍くらいの時間がかかりました。


計画では滝の右岸の巻き道を登って、そのまま稜線まで登る予定でしたが、この先雪が一層深くなるであろうことと、寝坊と林道閉鎖のため正午となってしまったことで、この先はあきらめ、引き返すことにします。

滝の下で湯を沸かして昼食を摂っていた単独行の男性も、私と同じく稜線を通って本間の頭から早戸川林道へ下る予定だったそうですが、ここまで時間がかかりすぎたので、引き返すとのことでした。
この日大滝までたどり着いたのは我々二人だけだったみたいです。


単に引き返すのも癪なので、原小屋沢にある雷滝を見物して帰ることにします。

こちらは早戸川本流よりも雪の量が少なく、赤ペンキのマーキングもところどころよく見えて、順調に進みます。

左から合流する本谷沢を見送り、巨岩の流れを右から巻くと。。。


すぐに雷滝が見えてきました。


冬季のためか水量は少ないですが、美しい簾状のいかにも滝らしい滝です。


水を飲みに来る動物たちの足跡をたどり、滝壺まで行ってみます。
水量が少ないとはいえ、間近で見ると落ち口から水を吹き上げ、結構な迫力です。

雪のない時期は、滝と沢の轟々という音が谷に響き木々を揺らしていましたが、雪が山を覆う今は、積もった雪が音を吸い取り、誰も訪れる人の居ない静けさの中で、直接話しかけてくるようです。



今度こそ、来たコースを帰ることにします。



●本日の反省

計画が甘かった。というより、まるで及びじゃない。
①雪が多くて疲れた
 雪があることはある程度予想はしていたものの、想像以上の積雪量で、沢沿いの整備されていない道を長時間歩くのは大変だった。
②林道が通行止めだった
 これはあらかじめ知っていたことではあるが、知ったのが前日の夜では...
③寝坊した
 この日の朝に目覚まし時計の電池が切れた?
 平日の会社に行く日じゃなくてよかったのか悪かったのか。



2017年2月12日(日)
早戸川林道ゲート(8:46)→本間橋(9:50)→伝道(10:15)
→雷平(11:00)→早戸大滝(11:55)→雷平(12:35)
→雷滝(13:00)→雷平(13:25)→本間橋(14:30)→林道ゲート(15:15)

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