房総半島南部の山間を旅すると、岩を掘ったままの状態の狭いトンネルとしばしば遭遇することがあります。
小湊鐡道の南部にはそのようなトンネルがまとまってあるとのことなので行ってみることにしました。春の花の時期は多くの人で賑わう小湊鐡道の飯給(いたぶ)駅は、年末にイルミネーションが施されますが、昼間は人っ子一人居らず閑散としていました。
将棋の駒のような形の穴は「観音堀り」と呼ぶんだと書いた案内板があります。
中の壁は掘ったままの岩盤で、まさに素掘りですが、照明が常時点灯されており、住民の日常生活で使用されていることがわかります。
側面の切削跡を見てもさきほどの第一トンネルとは趣が違いますね。
というわけで、そのまま林道を直進していくと永昌寺トンネルに到着しました。
1898年に掘られたトンネルは、これまでの3本の中で最も長く、最も古いものですが、奥が将棋型の素掘りなのに対して入口はカマボコ型のコンクリート製で、ここだけ新しい感じがします。
第二トンネルを抜けると、同じ山を並行してトンネルで抜けてきた小湊鐡道と一旦並びます。
GoogleMapではちょうどこのあたりに「浦白川のドンドン」と記載されており、真下をショートカットする川が流れていることになっているので、見物しようと周囲を徘徊しましたが、ドンドンのある川面はかなり下にあり、下り口と思われるピンクテープはあったものの急降下かつブッシュが激しかったのであきらめることにします。
ちなみに、先ほどの柿木台第一トンネルは翌年に、第二トンネルは二年後にできたそうです。
反対側の出口は月崎駅前を通る県道172号線に面しており、クルマが走り抜けていくのが見えました。
トンネル出口を右へ400mほど行くと月崎駅です。
今度は駅の西側にあるトンネルへと向かうべく、県道をそのまま直進していきます。
今度は駅の西側にあるトンネルへと向かうべく、県道をそのまま直進していきます。
チバニアン(2026年6月いっぱいまで見学休止中)の入口を過ぎて、クオードの森(旧いちはら市民の森)の入口を右折。
下り坂の下に見える天馬橋を渡ったところにあるブルーベリー農園の入口を入ります。
一方のブルーベリーの径も草に埋もれつつあり、歩いて行くと何と舗装道路にでました。
この舗装道路は目的の月崎トンネルへと向かう林道月崎1号線で、こちらのトンネルめぐりも舗装道路完備みたいです。
蛇行する川に沿う林道脇には川廻しと思われるトンネル水路が掘られており、最初は珍しいと思って撮影していましたが、カーブごとに出てくるので途中でやめました。
ちなみにこのブルーベリーの向かい側には駅への道標が立っていますが、この径は2025年末時点では荒廃しているので、舗装道路で来るのがおススメです。味気ないですが...
どやらこの林道沿いの平地は、かつて全体を蛇行していた川の河床跡みたいです。
白い壁を過ぎると月崎トンネルに到着です。
このトンネルは二連で、途中で天井が開いていました。
5分ほどで短い台山第二トンネル。
トンネルを出るとクオードの森の遊歩道の階段がありました。
天井が崩落して開いたとの説もありますが、個人的な感想としては計画的な掘削+切通しのように感じます。
左側の崖の上から下りてきました。↑
管理事務所への途中にある蛇行跡の馬蹄形の池の横にはショートカットの水路があります。
これはわかりやすい。
そして、キャンプ場への道の途中には素掘りのトンネルが。
こんなにあるんなら最初からここだけでよかったな。
観音掘りのはないけど。
広い駐車場もあってすぐ近くにクルマも停められるし。
飯給に停めておいたクルマ回収に、月崎から一駅分鉄道に乗りました。
思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら。
●本日の反省…歩いたが、実は乗用車向けだった?
行く前は道路事情がわからなかったので駅から徒歩で行ったが、クオードの森にあるトンネル以外は全て車道にあり(当然舗装道路)、ドライブで行けたではないか。(但し柿木台第二トンネルと永昌寺トンネルの2つは車高が高くかつ車幅が狭い軽自動車推奨)
普通に考えると、どれも現役なのだから当たり前か...
歩いても二時間ちょっとだったが、クルマだと30分かからないかも...
当地は近隣の養老渓谷と三島湖周辺に並ぶ素掘りトンネルの密集地だけあって、種々の形態のトンネルを一通り見ることができた。
マニア以外はこのくらいでいいか...
●2025年12月12日(金)
飯給駅-(20分)→柿木台第一トンネル
-(10分)→永昌寺トンネル-(10分)→月崎駅
-(15分)→林道月崎1号線
-(15分)→月崎トンネル-(5分)→台山第二隧道
→クォードの森・きのこコース→さくらコース
-(25分)→芝生広場-(10分)→管理事務所
-(15分)→月崎駅










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