消雪が早い2018年。各地の春スキーエリアが続々と滑走適期を終える中、残る期待は最後の大物。身近な日本最高峰の富士山へ。
WEBサイトの各種情報ではやはり雪はかなり少ないらしいが、例年なら6月中旬まで滑走できるとのことなので、なにはともあれ行ってみよう。
富士スバルラインの終点、5合目から望む山頂。
この山はどんなに工夫しても自家用車の出る幕はここまでですね。
うぅ~む。白い部分がほんのちょっとしかないが、本当に滑れるのだろうか。
土産物屋のおじさんに「おい、気をつけてけよ!」と声をかけられ、思わず「ハイ」と気を新たに出発。
先ずは眼下に富士吉田・山中湖方面を見下ろしながら、幅広いトラバース道を行きます。
往復合わせると2時間弱で、このトラバース道が結構長いです。
シェルターを潜り抜けた少し先に今は閉まっている登山指導センターがあり、そこから本格的な登りが始まります。
ここまで来ると、本日のお目当ての吉田大沢が頭上に見えます。
上部は一面の大雪面。
そして、登山道と平行に細長い残雪がかなり下まで伸びていそうです。
これはもしかすると、、、
ひたすら夏径と同じコンディションの登山道を登って行きます。
シーズンに備えてでしょうか、ブルドーザー道を整備していると思われる重機が標高3,000メートル付近まで活動していました。
予想していたことではありますが、頂上が近付く気配は一向にありません。
むしろ先ほどより遠のいた?
いろいろ考えても疲れるだけなので、何を考えても/どうやっても5時間かかるんだとあきらめ、心を無にしてひたすら登ります。
よって、今何合目に居るかも、ここがどこなのかもわかりません。
気のせいか徐々に下界に雲が増えてきたように見えます。
天気予報は関東全域で「曇り」ですがこのことでしょうか。
いくら登っても変わらない風景が続きます。
7合目を過ぎたあたりからでしょうか。
吉田大沢が眼前に広がるところがあります。
そして、ときたま下界の雲が大沢を這い登って視界を覆うようになりました。
登山道の斜面に建つ最後の山小屋。上江戸屋でしょうか。
ここまで来ると完全に雲の上となりました。
多くの人が7合目以降漸次ブーツやスキーに履き替える中をだましだましアップシューズで登ってきましたが、ここでブーツを装着します。
他の登山者に従い、雪が厚く積もった須走側のブルドーザー道上周辺を登ります。
あともう少し。
先ずは吉田側の頂上、久須志岳に到着です。
順調に来れたので、噴火口の周りを辿って一番高い剣ヶ峰へ行ってみることにします。
河口湖方面を見ながら、反時計回りに鉢めぐりをします。
半周しかしないのでめぐりとわ言わないかもしれませんが、
剣ヶ峰側の山頂は雪がたっぷりです。
剣ヶ峰直下の雪面を斜上して、、、
日本の最高地点に着きました。
せっかくはるばる登ってきたので、記念にお釜を滑ります。
山頂石柱の20メートルくらい下にある物置小屋の様な建物の横でスキーを装着し、登山道上の雪をちょっとの区間滑り、一気にお釜の中へ。
山頂方向から入るお釜は適度な急斜面で、エッジをガシガシ効かせて一気に滑り降ります。
途中ところどころに雪に隠れた小さな裂け目がありますが、ここにスキーが平行にハマらないように注意。
あっという間にお釜の底に到着です。
ちなみに中央右下に居る不自然な逆さUの字は、たまたま頂上で一緒になったスキーヤーです。(クマではありません)
彼はスキーをゴツゴツ言わせながら底まで滑ったのですが、自分はもったいないので、ここで滑るのをやめて歩きました。
剣ヶ峰以外の噴火口周囲は崖に囲まれていました。
ところどころにアイスフォールもかかっています。
想像以上に巨大で、コンパクトカメラでは魚眼モードでも周囲を一度に撮影することはできませんでした。
なので、分解して撮影。
これは滑降してきた剣ヶ峰の方角。
以降時計回りで、
白山岳方向。
こっちは久須志岳です。
これは浅間岳?
さて、下ってきた7倍の時間をかけて登り返します。
富士宮側の下界はすっかり雲に覆われました。
剣ヶ峰からは、吉田大沢を滑るべく、白山岳と久須志岳の中間目指して一気に滑走します。
下降周囲のこの部分は残雪が多く、コルまでとは言わないものの、近くまで一気に滑って行けます。
滑り終わって振り返るとこんな感じ。
ここから登り返し5分足らずで滑走開始点です。
さて、いよいよ本日目的の吉田大沢です。
スピードに乗って10回くらいターンすると、滑り出したところ(中央部の稜線の低い所の奥)は瞬く間に遠ざかり、見えなくなります。
傾斜に従い右方向に行くと、往路に通ってきた山小屋の列が目に飛び込んできます。
山小屋の列を右に見ながら真下の雲海に突っ込むみたいに滑って行きます。
が、雲に突っ込むはるか手前で、雪が少なく、雪上に砂礫がみるみる増えてきました。
標高3100m付近で、まだまだ滑れるとは思っていたものの、雪面下の石を何度か踏みつけて、結構な衝撃を食らいました。
だんだんスキーがもったいなくなってきて、”もうやめよう”と思ったところで、雪渓の右端に5人のスキーヤーが装備を外しているのを発見。
自分もご一緒させていただくことにしました。
たまたま居合わせた人に釣られて到着した終了点ですが、撤収作業の合間によくよく観察すると、ここより下ってしまうと50メートルほど下で石間みれの雪が一旦途切れ、その先は右岸の登山道との間に崖が連なっていて登山道に戻るのに苦労しそうです。
非常によく考えられた絶妙の終了ポイントであることがわかりました。
もしスキーを外す人が目に入らなければ(いなければ)、帰るのが相当遅れたと思われます。
皆さんありがとうございました。
さて、そうは言っても、登山道との間には脆くて急なスコリアの斜面が続きます。
登山道へとスキーを背負ってガレの斜面をトラバースする間が本日の核心部となりました。
雲の上を折り返して下る登山道を、スキーヤーたちが重りを背負ってトボトボ下って行きます。
お疲れさまでした。
●本日の反省
覚悟していたことではあったが、予想通り滑走区間が短かった。
そうはいっても、この時期600mを超える標高差を一気に滑ることができる場所は多くないが、その直後に800mの山登りをした感覚は適切なのだろうか。
しかも10㎏近い追加の重りをつけて。。。。
あ、あとお釜の分もそれに足さなきゃ、、、
オマケが多すぎやしないか?
毎年来ている人の話によると、年によっては、あと高度差700m近く滑り降りてくることもできるとのことなので、かなりのアルバイトとなった。
あくまでコンディションが良いときとの比較ではあるが。
最後に、あれだけ大きな噴火口の中をボウルの底まで滑り降りたのは長い人生で初めての経験だったし、たぶんもう無いだろう。
でも、できればもう一度くらい行ってみたいな。
もっと下まで滑れて、アイスバーンでないときに。
2018年5月26日(土)
スバルライン五合目(7:30)→久須志神社(12:40)→剣ヶ峯(13:35)
→お釜滑降(底;13:55)→剣ヶ峯(14:30)→白山岳/久須志岳コル(15:15)
→滑降・吉田大沢→滑走終了(標高3100m付近:15:35)
→登山道下山→スバルライン駐車場(17:55)
2018年5月27日日曜日
2018年5月4日金曜日
針ノ木岳 (BCスキー)
2018年ゴールデンウイーク前半戦は、5月1日となってもまだまだ晴れて暑い日が続きます。
もっと雪が豊富に残る場所を求めて、白馬から南下し、例年遅くまで雪渓が残る針ノ木岳へと向かいました。
立山アルペンルートの長野側の出発点。トロリーバスの扇沢駅手前にある市営駐車場にクルマを停めてスタート。
スキーを担いで舗装道路を歩き、観光施設を兼ねた大きな駅舎の左側にある登山道から入山します。
雪がところどころに残る泥道の登山道は、スキーがブッシュにまとわりついて鬱陶しいですが、トロリーバスが運行する道路とトンネルは歩くなとのことなので、恨めし気に木立から見ながら進みます。
やがて登山道は舗装された関電の作業道に出て、もう一度舗道をショートカットします。
そして、沢沿いの舗装されていない林道がでてきたら、舗道とは別れて沢沿いに左岸を進みます。
この林道は標高1540mくらいで橋となり対岸に渡ったところから雪に埋もれはじめました。
相変わらずスキーがブッシュに引っかかるのを少し我慢して進むと、沢沿いは開けてきて、左岸斜面の雪が安定して積もっている高さにあるトレースを進みます。
標高1670m付近で右岸から大沢が合流し、ここから先の谷は厚い雪で完全に覆われました。
雪の上を針ノ木峠に向かってどんどん登ります。
スキー場の初心者・中級者ゲレンデくらいの適度な斜面が続いていきます。
マヤクボ沢との合流点に到着しました。
写真中央に直進すると針ノ木峠へ。
右側の広い雪面が針ノ木岳へ直接突き上げるマヤクボ沢です。
マヤクボ沢上部を見ると、かなりブッシュが見えています。
ブッシュ漕ぎが嫌なのでちょっと躊躇いましたが、先行するハイカーとスキーヤーがブッシュの一番細いところ(写真中央の少し左手のあたり)に向かっていたので、様子を見ながらフォローさせていただくことにしました。
ブッシュに入って行った人々が戻ってこないので、自分も突入してみると、這松を数メートルほど越えると先の雪面にでることができました。
ここから先は場所を選べば頂上まで雪の上を行けそうです。
ブッシュを避けながら登るにつれて、雪原は広く、急傾斜になってきます。
振り返ると今まで登ってきた針ノ木雪渓が眼下に一望できます。
雪渓はカール状の地形の下の方で、出合からスバリ岳コルへと直登する写真左下の雪面とつながっているみたいで、帰りはあそこを通るとずっと滑っていけそうです。
稜線まであともう少し。
写真は蓮華岳と針ノ木峠方面。
ようやく稜線にでました。
山頂は指呼の間です。
稜線の裏側の高瀬湖や野口五郎岳周辺の景色が飛び込んできます。
5分ほどで針ノ木岳山頂に到着。
眼下に黒部湖が横たわります。
お隣のスバリ岳とその先の北側へ連なる山々。
それでは、眼下の広い雪面を滑って引き返すことにします。
予定とおり途中でスバリ岳方面へ移動して写真右の急な雪渓を滑り降りてきました。
あっという間に針ノ木峠との分岐に到着。
ここからも緩斜面がずっと続きます。
急な場所がないので、休憩なしで一気に滑って行けてしましました。
最後はブッシュを避けながら滑り、を渡ったら林道を歩いて扇沢でゴール。
●本日の反省
今日も特にありませんでした。
もう少し早起きして針ノ木峠の裏にある針ノ木谷も滑ってみても良かったかも。
2018年5月1日(火)
扇沢(7:30)→針ノ木沢横断(8:30)→大沢出合(8:15)→針ノ木雪渓
→マヤクボ沢出合(10:20)→マヤクボ沢→稜線(頂上直下;12:00)
→針ノ木岳(12:30)→滑降・マヤクボ沢→針ノ木雪渓(13:00~13:35)
→扇沢(14:10)
もっと雪が豊富に残る場所を求めて、白馬から南下し、例年遅くまで雪渓が残る針ノ木岳へと向かいました。
立山アルペンルートの長野側の出発点。トロリーバスの扇沢駅手前にある市営駐車場にクルマを停めてスタート。
スキーを担いで舗装道路を歩き、観光施設を兼ねた大きな駅舎の左側にある登山道から入山します。
雪がところどころに残る泥道の登山道は、スキーがブッシュにまとわりついて鬱陶しいですが、トロリーバスが運行する道路とトンネルは歩くなとのことなので、恨めし気に木立から見ながら進みます。
やがて登山道は舗装された関電の作業道に出て、もう一度舗道をショートカットします。
そして、沢沿いの舗装されていない林道がでてきたら、舗道とは別れて沢沿いに左岸を進みます。
この林道は標高1540mくらいで橋となり対岸に渡ったところから雪に埋もれはじめました。
相変わらずスキーがブッシュに引っかかるのを少し我慢して進むと、沢沿いは開けてきて、左岸斜面の雪が安定して積もっている高さにあるトレースを進みます。
標高1670m付近で右岸から大沢が合流し、ここから先の谷は厚い雪で完全に覆われました。
雪の上を針ノ木峠に向かってどんどん登ります。
スキー場の初心者・中級者ゲレンデくらいの適度な斜面が続いていきます。
マヤクボ沢との合流点に到着しました。
写真中央に直進すると針ノ木峠へ。
右側の広い雪面が針ノ木岳へ直接突き上げるマヤクボ沢です。
マヤクボ沢上部を見ると、かなりブッシュが見えています。
ブッシュ漕ぎが嫌なのでちょっと躊躇いましたが、先行するハイカーとスキーヤーがブッシュの一番細いところ(写真中央の少し左手のあたり)に向かっていたので、様子を見ながらフォローさせていただくことにしました。
ブッシュに入って行った人々が戻ってこないので、自分も突入してみると、這松を数メートルほど越えると先の雪面にでることができました。
ここから先は場所を選べば頂上まで雪の上を行けそうです。
ブッシュを避けながら登るにつれて、雪原は広く、急傾斜になってきます。
振り返ると今まで登ってきた針ノ木雪渓が眼下に一望できます。
雪渓はカール状の地形の下の方で、出合からスバリ岳コルへと直登する写真左下の雪面とつながっているみたいで、帰りはあそこを通るとずっと滑っていけそうです。
稜線まであともう少し。
写真は蓮華岳と針ノ木峠方面。
ようやく稜線にでました。
山頂は指呼の間です。
稜線の裏側の高瀬湖や野口五郎岳周辺の景色が飛び込んできます。
5分ほどで針ノ木岳山頂に到着。
眼下に黒部湖が横たわります。
お隣のスバリ岳とその先の北側へ連なる山々。
それでは、眼下の広い雪面を滑って引き返すことにします。
予定とおり途中でスバリ岳方面へ移動して写真右の急な雪渓を滑り降りてきました。
あっという間に針ノ木峠との分岐に到着。
ここからも緩斜面がずっと続きます。
急な場所がないので、休憩なしで一気に滑って行けてしましました。
最後はブッシュを避けながら滑り、を渡ったら林道を歩いて扇沢でゴール。
●本日の反省
今日も特にありませんでした。
もう少し早起きして針ノ木峠の裏にある針ノ木谷も滑ってみても良かったかも。
2018年5月1日(火)
扇沢(7:30)→針ノ木沢横断(8:30)→大沢出合(8:15)→針ノ木雪渓
→マヤクボ沢出合(10:20)→マヤクボ沢→稜線(頂上直下;12:00)
→針ノ木岳(12:30)→滑降・マヤクボ沢→針ノ木雪渓(13:00~13:35)
→扇沢(14:10)
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