2023年4月25日火曜日

焼山(BCスキー;北面標高2000m引き返し)

 




3月以降はGW前後並みの温暖な気候が続いた2023年は、4月中旬より若干の寒の戻りがあったものの、どんどん雪解けが進んでいきます。

確実に雪が残る場所を目指して、日本海から直接立ち上がる豪雪の山に出かけてみることにしたのですが...

ここは新潟県糸魚川市市街地の東端を流れる早川に沿って走る県道270号線のどん詰まり。
笹倉温泉の少し先にある「ゆのかわうちキャンプ場」の先の橋を渡ったところにある砂防堰堤です。
ここから通行止めの表示がある林道焼山線を歩いてスタート。

舗装道路が出たり隠れたりする林道を30分くらい歩いたところにあるゲートの杭あたりから路面がほぼ雪で埋まってきます。

林道をショートカットできるほどの積雪は既に消え去っている代わりに、段々斜めに急傾斜の残雪が続くようになり、うっかりスリップするとスイッチバックの一本下の林道に落下しそうな道をしばし進むと、標高800mを越えたあたりからつづら折りの林道は開けた緩斜面に変わりました。

林道のカーブをブッシュに遮られながら無駄にショートカットしていくと、標高1000m付近で正面に焼山を望む場所から一旦下り坂となり、その先で広場状に開けたアマナ平にでました。

砂防堰堤が連打された焼山川を右に見ながら、大きく迂回していく登山道(といっても雪に埋もれて見えませんが、)をショートカットし、1210mの小凸西側の小さな沢状地形を登ると、緩い振子状の凹地の正面に焼山が望まれる北面台地の端にでました。

すぐに目の前には広い台地が広がります。
正面の焼山は、豊富な残雪が残り白く輝いています。

が、よくよく見ると、広い雪のバーンが広がる一方で、所々に雪が途切れています。
この先の結論を先に書いてしまうと、下の写真の様になります。
青い実線が今日のルートで、赤い×印の場所で引き返しました。
本来の目標としては、青の点線に沿って行けるところまで行きたいと考えていましたが、ここから見るだけでも5か所で雪が寸断(西側を大きく迂回していけば3回に減るかもしれませんが...)されており、なかなか先が思いやられそうです。
ちなみに、赤い点線は一時間ほど先行していた登山者が登って行ったルートで、彼らと会うことがなかったのでその後どうなったかはわかりませんが、ここで見る限りは明らかに雪が途切れている様に感じられました。

左に火打山を見ながら台地をひたすら登って行きます。

右手の高松山が同じくらいの高さとなると、樹木は完全になくなりましたが、その代わりブッシュがちょこちょこお目見えしてきます。

真上に見える岩稜の一番右の岩塊の右に行きたいところですが、雪面の右側はずっとブッシュが出ており、ブッシュ漕ぎをしなくてはいけません。
どこか通り抜けられるところはないかとうじうじ探しながら登り詰めますが、結局どうにもならず、思い切ってブッシュを漕いで岩塊の右に出ました。

地形図の2260m標点すぐ西側の毛虫印のU字溝内の標高2000地点です。
ここをまっすぐ登るとクラックに当たるのでもう一本西(右)の雪面に行きたいのですが、そちらもブッシュ漕ぎとなるので、時間的にもこの辺りが潮時と考えて下ることにします。

眼下には登って来た北面台地よりもブッシュの少ない巨大な雪原が広がっていおり、とても快適に滑れそうですが、この雪原と帰路の北面台地の間には、側面の雪が消えた巨大なU字溝が横たわっています。

どうしようかとも思いますがまあいいや。
昼闇山を左に見下ろしながらとりあえずまっすぐ滑って行くことにしましょう。

滑り始めて少しすると、北面台地に続く右の雪面との間を遮るブッシュが薄い箇所を発見。
向こうと違ってこっちからはブッシュの濃淡がわかりやすいですね。

スキーを脱いでブッシュを突っ切り、北面台地の上部に帰還し、適度な斜度の大斜面をがんがん飛ばします。

一気に標高が低くなり、傾斜も緩くなってきます。

縦溝が出てきた平坦な斜面まで下りてきて、滑り降りた斜面と焼山の噴煙を振り返ります。

火打山方面との間に割って入るU字溝もほとんど雪が消えて、往来が遮断される寸前の状態です。
平年ならGW過ぎの様相ですが、近年は寡雪の年が多く(特に2009年、16年、20年はそもそも雪があまり積もらなかった)、それを考慮に入れるとこれが平年並みかしら?

2000mまでしか行けなかったものの、それより下は滑走に全く支障がない十分な残雪。
いや、この縦溝が結構足腰に来たな。まあそれは贅沢というものでしょう。
あっという間に北面台地を滑り降り、アマナ平へとブッシュを避けながら下ります。
さよなら焼山。

見下ろすとクマが走っていたアマナ平をスキーを漕ぎながら通過し、一旦登り返してからは、林道の緩斜面を自動走行していきます。

九十九曲りが近づくと雪が切れる箇所が出始め、徐々にスキーを着脱する頻度が高くなり、最後の3曲がりくらいからはスキーを担いで車に戻りました。

スタートからスキーを使える/最初のヘアピンカーブのいくつかをショートカットできるくらいの雪が残っているくらいがちょうどよい(山頂付近までスキーを使える?)かもしれません。
ただ、台地上部のちょうどよい斜度の斜面まで行ければ、アマナ平付近での中断はあるものの標高差1000mの滑走ができるので、満足度は高いです。

●2023年4月23日(日)
ゆのかわうちキャンプ場対岸の堰堤横(6:10)
→第一ゲート(七曲り途中;6:40)
→第二ゲート(標高800m林道分岐;7:20)
→アマナ平(8:25)→北面台地下端(9:10)
→大曲(10:55)→標高2000m引き返し(13:00)
→アマナ平(13:55)→第二ゲート(14:20)
→第一ゲート(14:40)→出発地(15:05)





2023年4月14日金曜日

越後駒ヶ岳(BCスキー)

 


2023年3月18日に奥只見シルバーライン冬季通行止めが解除されたものの、最長3.9kmの17号(明神)トンネル内のT字路から抜ける銀山平は通行止めが続き、三週間近く経過した4月5日に、ようやく石抱橋方面への往来が可能となりました。(船着き場方面は本日時点でもまだ通行止め。シルバーライン自体も18:00~翌朝6:00までは通行止めです。)

銀山平出口から突き当りT字路を右折した先にある国道352号線(樹海ライン)の石抱橋は、橋のすぐ先で枝折峠への除雪が開始されたばかりで、雪がぎっしり着いた道路の反対側は、雪崩の危険により路駐禁止となっていました。

先ずは、石抱橋を渡った先の広い河岸を上流へと進みますが、6年前に通行できた川沿いの林道は消失していたため、仕切り直して未除雪の国道を登り、最初のヘアピンカーブを直進して林道を進みます。

対岸に森林公園の施設と荒沢岳を見ながら歩くこと一時間ほどで骨投沢を橋で渡ると、間もなく左岸から柳沢が流れ込んでくるので、林道を道なりに進んで柳沢を渡ると、正面に道行山の尾根が見えてきます。
左側に張り出してくる小尾根の二番目が登る尾根です。
上の写真の一番左側の白い尾根(最初の尾根)も、もちろん登って行けます。

目的の尾根は取り付きが比較的急なので、左側の沢沿いから徐々に登ると、左隣に最初の尾根を見下ろしながら登って行くようになります。

反対の右(上流)側には、帰路に滑り降りてくる柳沢の源頭が見えます。

が、上流からデブリが流れてきているのと、その下流側の屈曲部では両岸とも底雪崩のブロックが落ちているのが見えました。
柳沢を滑った経験がないので、この状態で滑り抜けられるかが大変気になるところですが、結論を先に申し上げると、十分滑走することが可能でした。

さて、尾根は次第に緩やかとなり、左を並走する尾根と少し先で合流して道行山へと登って行きます。

尾根が合流するところから振り返ると、出発した銀山平が遠くに見下ろせ、進行方向には駒ヶ岳が白沢の谷を隔てて再登場します。

道行山へと続く尾根は、所々で残雪が極めて細くなったり亀裂ができていたりするので、都度露出した登山道から回避します。

細い尾根の急登が終わると道行山はもうすぐです。

尾根に取り付いてから二時間。石抱橋から三時間のスローペースで到着した道行山ですが、ここからが本番。

まずは稜線を距離にして5~600mほど一気に滑り降り、山頂付近の雪が割れた小倉山へとたらたらと登ります。

小倉山山頂手前をトラバースして通過すると、山頂手前の高みとなる前駒に向けて広い段々の雪稜を登って行きます。

少し平坦な百草ノ池(もちろん池は雪に埋まっています)から最後の急登を登ると、左側の谷はこれまでの白沢から、荒沢岳に向かって流れる滝ハナ沢に替わります。

ここも滑走ルートですが、かなり土砂が流れ込んでいて滑るには適さないように感じます。

そうこうしているうちに1763m標点の通称「前駒」に到着。
それまでも見えてはいたものの、山頂付近のドームが全て見晴らせる様になり壮観です。

滝ハナ沢源頭の畝る局面を左側に見ながら、小さな割れ目を越えて山頂への最後の一登りです。

既に源頭を滑走した人たちがものすごい勢いで山頂へと登り返していきます。

自分はフラフラになりながら、最後の急斜面でスキーを担いで急登を登ると、すぐに雪解け水が豊富に流れる駒の小屋に到着です。

小屋から山頂まではあっという間でした。

来た方角を振り返ると、見下ろす権現堂、白い守門・浅草岳。

その右にはずーっと見ながら来た荒沢岳から続く奥利根から尾瀬への山々です。

山頂でお会いした方は、オツルミズ沢の源頭を滑走していきました。
自分もできれば続きたいところですが、体力・時間ともに限界なので、往路を引き返すことにします。

下りは早い早い。
小倉山を越えてから二時間半くらいかけて見てきた景色が、どんどん後ろへと飛んでいきます。
ここまで往路の六分の一の時間だで。
やっぱオツルミズ沢をちょっと滑ればよかったか?

小倉山の下をトラバースした後は、道行山へと登る距離を極力減らすべく、緩斜面の稜線を勢いをつけて滑って行きます。

ここから30分くらいは我慢の登り返し...

道行山で最後の大休憩です。

まだこの先でも見えるけど、四方を一気の見晴らしはここで見納めです。

それでは、柳沢へ最後の滑走。
上から斜面を下向きに撮影するとそんなに急には見えませんが、
出だしは結構な傾斜が続きます。

左岸から沢が合流する右カーブへと一段ギャップを下りて滑って行くと、枝沢のすぐ上で、下から見た時に不安を煽ったデブリが止まっていました。

カーブして荒沢岳に向かって滑って行くと、左岸から何か落ちてきてますね。

右岸斜面を斜滑降でクリア。

すぐの右カーブの先で、今度は右岸から。

ハイエースくらいのブロックの下を難なく通過。

デブリの先には往路の記憶を想起させる風景が広がります。

ここまで来ればもう安心。
沢が徐々に割れてきて往路のトレースに合流します。

あとは一時間の単調な林道歩くと、石抱橋が見えてきました。

枝折峠への国道は500mくらい除雪が進んでいました。

シルバーライン管理事務所の脇には、房総ではクリスマスに咲いていた水仙が、その隣の桜と一緒に花盛りでした。


●2023年4月13日(木)
石抱橋(7:40)→骨投沢出合(8:30)→柳沢出合(8:45)
→稜線(9:45)→道行山(10:50)→小倉山(11:25)
→百草の池(12:20)→前駒(13:00)→駒の小屋(13:30)
→越後駒ヶ岳(14:00~14:10)→前駒(14:20)
→小倉山(14:35)→道行山(15:20)→柳沢→石抱橋(16:40)




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