2022年8月17日水曜日

特別名勝ってどんなところ?(東京の特別名勝3庭園)

2022年のお盆休み後半は平日となりました。

暑くて混雑するお盆はあまり遠出をせずに過ごそうかと思う一方で、月曜日の15日は公共施設がお休みで、出かけても買い物するくらいしかすることがないと思っていたところ、同じ公共施設でも何故か公園や庭園は開いていることに気付きました。

東京には都の公園協会が管理する公園・庭園だけでも64か所あり、博物館や美術館が閉まっているお盆の月曜日には貴重な存在ですが、その中に全国に36か所しかなく、関東地方に3つしかない「特別名勝」なるものがあるとのことなので、この機会にその三か所を拝見したいと思います。

尚、これらの特別名勝の由来やうんちくなどは既に多くの情報が公開されていますので、ここでは単純な散歩の風景のみの記載にとどめます。

①六義園

東京メトロ南北線駒込駅の2番出口を出たすぐ横に六義園の入口がありますが、閉まっているため、本郷通りを南へ400mほど歩き、庭園敷地をぐるっと回った裏側くらいにある入口から入場です。

真ん中にある池の周りを時計回りに一周する感じで歩いてみます。

心泉亭なる日本家屋の先に池が登場します。

ここから見るだけではわかりませんが、対岸の橋の右側に見えるのは島だそうです。

池の中の小さなアーチ状の岩には蓬莱島という名前がついてるそうです。

「千鳥橋」を渡って池の畔を時計回りに行きます。

橋の下の入江の奥には滝見茶屋という四阿が見えます。

池の西側で道は岸に沿ったものと山道に分かれるので、一旦「尋芳道(はなとふこみち)」という暗く湿った山道に入り、「つつじ茶屋」という四阿の前から池畔に戻ります。


吹上茶屋という売店の前からは、最初に池に出た岸が右手の対岸に見えます。


白鷗橋を渡り先へと進むと、池の中島を先ほどとは反対側から見ることになります。

岸の背後には藤代峠という名の小高い丘があり登って池を見下ろすことができます。

渡月橋という石橋を渡ると、入場してきた入口が近づいてきます。


②小石川後楽園

小石川後楽園は、その名の通り東京ドームができる前にあった球場名の由来となった庭園で、東京メトロ丸の内線・南北線の後楽園駅の横にあるドームに隣接しています。

出入口は東西二つの門が利用でき、今回は駅の反対側にある西門から入って、ドームに接する東門へと抜けることにします。

サービスセンターなどがある西門を入ると、正面には庭園の奥に曇天と同化したドームの屋根が見えます。

そのまま直進するとメインの池に突き当たります。
それではここも、池を時計回りに回って行きましょう。

先ずは裏側に蓮の畑があるあの橋の上に行きます。

蓮が咲いている向こうは小さな丘(小廬山という名前がついているそうです)になっていて上に登れそうなので行ってみます。

どっち側から行くのが近いかわからないので、涵徳亭という建物と「大堰川」なる小さな池がある左側から回り込んでみます。

浅い池を飛び石で渡っている途中、奥に「通天橋」という赤い橋が見えます。
京都の東福寺にある有名な橋とに似たようなデザインで同じ名前ですが、大きさがずいぶん違います。

飛び石を渡った先で小さな丘の上に立ち、先ほどの蓮畑を見下ろします。

丘の裏手を行くと、「得仁堂」という名前の水戸黄門が建てた(木像を安置した?)お堂があり、

引き続き森の中の小径を行くと、「円月橋」という石橋があります。
(橋は渡れませんでした)
このお堂と橋は、画像をグーグルレンズに入れると固有名詞がヒットするので、きっと由緒ある有名なものなのでしょう。

菖蒲田のところから池畔に戻ります。

右手から水音が聞こえてくるのでちょっと行ってみると、メインの池(大泉水)にせせらぎが流れ込んでいました。
奥の小さな砂防ダムのようなものが「白糸の滝」だそうです。

池を離れて東門へと向かうべく、赤門の前を過ぎると、内庭という池のある庭園にでます。

池の西側(今まで歩いてきた大泉水がある方向)には後楽園と書かれた唐門が建っていました。

ということは、今居るこの池は後楽園ではなく、その入口の手前にある庭ということですかね。
帰ってから検索してみると、江戸時代には隣に見えるドームの場所に水戸藩邸があり、この池までが藩邸の裏庭で、門から先が後楽園とのことです。

ちなみに、後楽園全体が(どこが起点か忘れたのですが)中山道を京都へ向かう道のミニチュアだそうです。
門をくぐることはできませんが、横を通って裏へと進むと正面にでてくる中央の池(大泉水)が琵琶湖なんだって。
さっき見た東福寺と同じ名前の通天橋がゴールだったのかもね。
そして、その手前で飛び石で渡った藻にまみれた大堰川は嵐山の桂川? まさかね。

東門を出て、藩邸(ドーム)を抜けて駅に戻ります。



③浜離宮恩賜庭園

最後は中央区にある浜離宮恩賜庭園です。
ここは東京のど真ん中にあるため、交通の便は各種ありますが、後楽園からのアクセスが簡単な新橋駅から2つある出入口のうち北側にある大手門口へと向かうことにします。

新橋駅の汐留口から、途中右手に日テレの気配を感じつつ半地下の広い通路をカレッタ汐留目指して進み、地上にでて電通本社ビルの裏側に回り込んだところから第一京浜を渡ったら、入口はすぐそこです。
築地川を渡る大手門橋を渡って入場します。

入場したらまっすぐ進み、「三百年の松」を左に見ながら内堀を渡って行くと、お花畑にでます。

さらに直進していくと水上バスの発着場があり、正面突き当りは「将軍お上がり場」の表示がある東京湾(隅田川河口)となります。

横堀水門を渡って隅田川の下流方向に歩いて行ってみます。

庭園内は隅田川と並行して「瀬入の池」という名前の横堀があります。

その横堀と川に挟まれた芝生を隅田川沿いに南へと歩いて行きます。

防潮堤の向こうにはお台場のテレビ局が見えますね。

まっすぐ歩いて行くと、汐留川に突き当たるところが富士見山という小さな丘になっているので、登って、やって来た方向を振り返ります。

豊海と月島の高層ビル群を現代の借景とした広大な芝生庭園が見下ろせます。

こちらは瀬入の池に浮かぶ茶屋がある中島と汐留のビル群。

橋を渡って中島まで行ってみます。
この茶屋は3方向から橋でつながっています。

西側の橋を渡って広い馬場の跡を横切り、敷地の南西端にある新銭座鴨場まで行ってみます。

向こう側からこっちが見つからないという鴨場の目的により、眺めは限られています。
ちなみに、庭園内にあるもう一つの庚申堂鴨場も似たような眺めです。

それでは瀬入の池をぐるっと回って帰ることにします。

入場した大手門から新橋駅へと向かいます。
それにしてもカレッタ汐留がある電通本社ビルからは、常に圧を感じます。
威圧的な形なのか、それとも潜在バイアスがあるのか??

●2022年8月15日(月)

暑い日でした。
池の水は濁っていましたが、どの庭園も国を代表する文化財の名に恥じない素晴らしい景観でした。
「特別名勝」の庭園24か所のうち半分以上の14が京都にあるとのことですが、そのほとんどが宗教施設で造園管理が徹底されているのに対して、東京の3件はパブリック施設であり、庭園の維持管理面では少々劣る感は否めませんでしたが、京都の寺院にはない広大な緑と、空の広がりと、周囲を取り囲む高層建築群のコントラストが新鮮でした。
特に浜離宮恩賜庭園は、徳川将軍の罰当たり的に贅沢な不動産物件がウォーターフロントの再開発群と織りなすアバンギャルド感満載の空間で、世界でここにしかない唯一無二の場所となっていました。
(ちなみに、庭園以外に、日本三景などの自然景観を対象とした特別名勝は12か所とのことです。)

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