2025年11月9日日曜日

男鹿川 坂本沢 (沢登り)

猛暑が長く続いた2025年の夏も、10月半ばを過ぎると一気に気温が低下して早い冬の訪れが予感されるようになりました。

そろそろ沢登りも納め時となってきたので、行く秋を惜しみつつ、水に濡れない紅葉の沢へ。ヒルもいなくなっただろうしね。


野岩鉄道の川治湯本駅付近で男鹿川を渡るべく90°にカーブする国道121号線から、日光市消防本部川治分署の横の道へ入り、川沿いを行ったところにある釣り人用の立派な駐車スペースにクルマを停めて沢支度し、上流方向へ。

少し歩いた坂本沢に架かる橋から川原を歩いて行くと、右岸の林道と合流(最初から林道を行けばよかった...)し、砂利採取場だったと思われる最終堰堤上で道はおしまいとなるので、左俣に入ると、すぐに最初のゴルジュに到着しました。

落口にCSが挟まったゴルジュ入口の立派な4m滝は、流れ沿いの左壁を登ります。

滝上の巨岩川原の先にある大きな釜を持つ二条4m滝はすぐ左横から巻き、

三段8m滝を右の岩のスロープから通過するとゴルジュは終わり、一旦周囲が開けた様に見えましたが、すぐに巨岩が転がる谷となりました。

巨岩の中を縫って進むのは面倒なので、最初から左岸の落ち葉の斜面をトラバース気味に歩いて行きます。

巨岩が無くなって平凡な川原を10分ほど行くと、標高677m付近で左岸枝沢が二条の滝で落ちてきて、間もなく両側が崖となった函の中を行きます。
側壁が切り立ってはいるものの、水量が少なく流れは平凡で、普通に歩いて行けます。

小滝の先で再び周囲が開けたところには、ナメというほど平滑ではない岩盤の流れが断続し、炭焼釜跡が散見されました。

花に乏しい晩秋の山に彩を添えるシロヨメナが点在します。

標高690mくらいで左岸枯沢が出合うと、両岸が徐々に迫ってきて傾斜が増し、770mで沢が東方向へと90°近く向きを変えると、大岩の滝が登場しました。

釜を左からヘツって、湿った岩盤を登って行きます。

すぐ先で流れが右折したところには、深い釜の向こう側に二段6m滝が控えていました。
釜の右側をヘツって取り付けなくもなさそうですが、今日の気温と水温でもしものことがあったらとても悲惨なことになりそうなので、右壁の裏側を小さく巻いて滝の左岸側のテラス状を歩いて行くことにします。

こんな感じで滝を見下ろしながら通路の様な岩の上を歩いて行けますが...

ハング気味の上段を超える時のホールドがのっぺりしており、もしものときの低体温症が気になってとても緊張しました。

冷静に振り返ると、滝の10mくらい下流にある右岸の土斜面からもっと簡単に巻けたような気もします。

二段滝の少し先は左岸の上に平地が広がり、どうやってここまで持ってきたのか(あと用途も)不思議な大きなタイヤ付きの炭焼釜跡があり、800m二俣(というよりも右岸枝沢出合か?)が見下ろせました。

再び平凡な川原を行くと、835m左岸枯沢出合のやや先で、この沢最大となる8mスダレ状滑滝が登場しました。

釜の左縁をヘツって行き、傾斜の緩い部分で滝を横断して右側の亀裂を登って行きます。

8m滝のすぐ上は二段の滝が続きます。
上の方の滝は左側の岩の窪みから巻きましたが、

振り返って冷静に見ると、流れのすぐ左脇も登れそうですね。

退屈な沢を10分ほど行くと、直線の滑滝が見えてきました。

釜の右縁を通って、浅く右上する泥のヌメヌメルンゼから巻きます。

その上にある巨大ボール状CSはとても登れませんが、左のすぐ横を歩いて通過。

そしてCSを境に、徐々に根性トレーニングモードへと切り替わって行きます。

一つ一つはとても登れない大きさの岩が徐々に谷を埋め尽くし、、

1070m左岸枝沢出合付近で流れが北東向きに変わると、一層大きさと大雑把さを増して急登させてくれます。
この巨岩群の標高差は長く見ても150mほどしかないのですが、通過に一時間近くを要しました。

サボっていたつもりは無く、手こずったり行き詰って後戻りすることもなかったのですが、距離・標高差と時間・疲労感が不思議なくらい一致しない謎の空間です。

そして、もうすぐ沢登りが終わる頃になって8m滝がひょっこり登場。

虹がかかっているではありませんか。
トポには登れないと書かれているこの8m直滝は、近年SNSに直登した記録がたくさん掲載され、直登が常識みたいな感じになっていますが、巨大岩塊を越えてきた後で、更にズブ濡れになって登る気力がみんなよく残っているもんだと感心します。

トポ(「東京起点 沢登りルート100」(宗像兵一・山と渓谷社))では右岸側壁の間を乗り越えるとありますが、ジメジメ湿った岩の右か左かどっちだろ?
まあ、どちらも大差ないか。

上にはもう一つ7m滝があり、同様に虹がかかっていますが、こちらは階段状なので、どこからでも登れます。

7m滝上の転石谷を登ると、すぐに平坦な場所にでました。

右岸には作業小屋の様なものが立ち、左岸上の平坦地にはフェンスやハウスといった農業施設が並んでいるのが見えます。

そして、コンクリートの水路2つが合流するところから先は水泳が必要となるので、ここで沢登りを終了しました。

右岸斜面を登り、左俣?のコンクリート溝と左側に続くフェンスの間を通って行くと、フェンスの扉が出てきたので、開けて林道に出ます。
ガードレールがあるところが左俣の橋です。

林道は少し先で右俣を渡り、

鶏頂開拓地の舗装道路にでるので、南へ進み、大下沢を渡る橋の手前を右折。
この周辺は旧高原新田宿の跡地で、電柱の横には仏像が立っています。
右折して倉庫の脇を直進していく道の脇には、会津西街道の名残を示す宿場の問屋屋敷跡の礎石や廃寺となった温泉寺の墓地跡がありましたが、そんなこととは知らずに、なんだろう程度の感覚で全てスルー。

突き当りに出てきたゲートの向こう側に進みます。

最初はどこに行けばよいか少々戸惑いますが、フェンスに沿って右へと行くと開拓地の道路沿いにあった電線が見えてくるので、電柱に沿って下って行くと、道がどんどん明瞭になってきました。

電柱ラインは標高870m付近で林道に合流。

ヘアピンカーブを回った先で川治への歩道が右方向に分岐し、

平方山遊歩道の駐車場に降り立ちました。
看板左側の急斜面から下りてきました。

通行止めとなってはいないものの、乗用車での走行はとてもできそうにない舗装道路を、川治温泉へと下ります。

●2025年11月7日
男鹿川駐車スペース(8:40)
→坂本沢最初の堰堤(入渓;8:55)
→最終堰堤(9:05)
→最初のゴルジュ(9:15~9:27)
→巨岩帯(9:35~9:50)
→標高677m左岸枝沢出合(10:00)
→大岩二条滝・6m二段滝(10:48~11:00)
→標高800m右岸枝沢出合(11:05)
→8m滑滝・二段滝(11:30~11:35)
→7m樋状・5mCS滝(11:45~11:55)
→8m直瀑(12:55)
→コンクリート水路(脱渓;13:30)
→鶏頂開拓地防護柵(14:05)
→平方山遊歩道駐車場(15:23)
→駐車スペース(15:50)


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