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2024年3月10日日曜日

鍋割山・塔ノ岳 (ハイキング)

 南岸低気圧の通過が多い2023~2024年の冬。

3回目の降雪が明けた翌日に地元丹沢にお出かけしました。

登山口まで家から2時間かからない地元です。

小田急線渋沢駅からバスに乗り、終点の大倉で下車して目の前の山守茶屋の横に入ると、バス停前の賑わいがぱったりと途絶えて道行く人も居なくなります。

歩く人はいないものの、辻ごとに標識が完備された道を1時間ちょっと行くと、最初の渡渉となる二俣に到着します。

渡渉とはいえ木橋が架かる勘七ノ沢を渡り、その先で本沢を渡った先のミズヒ沢渡渉点で車道はおしまいとなりました。

せっかく近くまで来たので、記念にミズヒ沢の大滝を見物していくことにします。
ミズヒ沢左岸の明瞭な踏み跡を10分も歩かないうちに、落差約20m(そんなに高くはないように感じますが...)と言われるミズヒ大滝がありました。

登山道まで戻り、鍋割山荘のペットボトルの水を3本ほどザックに詰めて、登山道を登り始めます。

20分ほどの後沢乗越で寄・栗の木洞からの登山道を合わせると、登山道は鍋割山に向けて一気に登り始め、高度を上げるごとに残雪が増えてきました。

ちょっと泥っぽいところがあったものの、爽快な雪の尾根を乗越から1時間ほど登り、鍋割山に到着です。

週末のお昼どきにしては、うどん待ちの行列はそれほど長くなく、同様に名物の富士山や相模湾の展望も申し分ありません。

山頂で小休止したのちに、塔ノ岳へと向かうべく鍋割山稜に入ります。

鍋割山稜に入ると通行する人がぐっと少なくなり、よく締まった雪に埋もれた登山道を、左に丹沢の雪景色、右に海岸線を見ながらのんびりと歩きます。
絶景を見ながら静かで清浄な雪景色の中を歩くまさに稜線漫歩。
ここまで登って来た人だけが味わえる空間が続きます。

振り返ると、先ほど居た雪の山荘の向こうにずっと富士山が眺められます。

塔ノ岳の方に進むにつれて、表尾根の向こうに湘南の街並みが見えてきました。

秦野や伊勢原の町もすぐ眼下になってきました。



1時間少々の至福の山稜歩きをすると、右手から大倉尾根が迫ってきて、登山道の喧騒が聞こえてきました。

金冷シで大倉尾根の登山道と合流すると、2車線の登山道が狭く感じられるくらいに一気に人口が増えました。
塔ノ岳山頂はすぐそこです。

大勢の登山客でにぎわう塔ノ岳からは360°の大展望が広がります。

歩いてきた鍋割山稜の遠くには箱根・愛鷹・富士山。

その右は丹沢主稜の山並み。

反対側の表尾根方向です。

大山の左肩には横浜の街。その左側にはぼんやり東京都心が望めました。

大山の右手は三ノ塔の先に湘南・江の島。
スカイツリーやシーキャンドルまでは識別できませんでしたが、視界良好です。

絶景を満喫したので、大倉尾根を下山します。
上から見下ろすと雪が白くてキレイそうでしたが...

標高1300mの花立山荘付近から下は、残雪が消える標高500mほどまで泥の登山道となりました。
これが快適な雪の稜線歩きの代償か。

●あまり良い評価を耳にしない大倉尾根だが、最近とんと通った記憶がなく、前に来たのは何時だったか記録を遡ってみると、何と2017年の秋だった。
 6年ぶりではないか。しかもその時は花立山荘から下り始めて、途中で戸沢に下りてしまったため、ほんの少ししか歩いていない。
 道理で記憶にないはずだと思う一方で、その花立山荘が思っていたよりもかなり高い場所にあったことに驚いた。

●2024年3月9日(土)
大倉バス停(8:40)→二俣(9:50)→丸木橋(10:10)
→ミズヒ沢大滝(10:30)→後沢乗越(11:05)
→鍋割山(12:10)→大丸(13:15)→金冷シ(13:25)
→塔ノ岳(13:40~13:50)→花立山荘(14:20)
→堀山の家(15:00)→大倉バス停(16:30)



2024年2月29日木曜日

箱根旧街道 (ハイキング)

 2024年閏年の2月最終週末に今季3回目の南岸低気圧が通過し、首都圏山沿いにシーズン2回目の降雪をもたらしました。

特に日曜深夜の降雪は箱根中腹より上で10cm前後積もり、多くのクルマが追突・立ち往生を重ねた模様です。
一夜明けた月曜日に物見遊山で降雪を見物しました。

雪が去った朝の箱根湯本駅前は、町にも周囲の山にも雪は見当たらず、クルマも夏タイヤで走っています。
定時運行されている路線バスに乗って先ずは畑宿へ。

路線バスの終点、畑宿バス停の目の前が箱根旧街道の入口で、少し先の一里塚から石畳が始まります。

山と高原地図に「宙づり石だたみ」なる標記があるあたりには、ヘアピンカーブが交差しながら通過する箱根新道と東海道(現県道732号線)の上を石畳で渡って行きます。
昨夜立ち往生した放置車両が残されているものの、車道の除雪された部分はすっかり雪が消え、照り付ける日差しで湯気が立ち上ります。

見晴茶屋の辺りから積雪量が増えて、ハイキングコースは一面雪で覆われてきました。

猿滑坂を越えたあたりからは、除雪されていないハイキングコースは、踝から脛くらいの積雪となり、ラッセルしながら進むと、甘酒茶屋に到着しました。
ちょうど屋根の葺き替え工事中でした。


街道を行き交う人々のために、どのような過酷な環境下でも毎朝7:00から営業開始する茶屋で甘酒とお餅をいただき、温まります。
お客は従業員の顔見知りのおじさん一人(お客ではないかもしれませんが...)だけで、のんびりした雰囲気です。

甘酒茶屋から先少しの区間は特に積雪が多かったため、一旦車道を歩きます。
道路の下には滑って転落したクルマが横たわります。

石畳が車道を横切るところから再び石畳に戻り、杉木立の峠を越えてお寺の脇から国道に出ると、海賊船が出航する元箱根港は目の前です。

到着した元箱根は、除雪されたのかそれとも気のせいなのか、通り抜けてきた二子山の山麓よりもかなり雪が少なかったです。
海賊船乗り場はインバウンドのツアー客の人々が、昨夜の道路通行止め騒ぎもどこへやらで雪に大喜びでした。

湖畔を歩いて恩賜箱根公園へと行ってみます。

展望台からの眺めも、あまり雪が積もっている感じがしませんねえ。

二子山方面だけがちょっと白いです。

海賊船乗り場や神社の賑わいとは裏腹に、関所跡は閑散としていました。
インバウンドが価値を感じるツボはどのあたりにあるのでしょうか?

今度は海賊船乗り場の反対側にある箱根神社へ。
日本人が列を作って参拝しています。
ひとりずつのろのろ参拝するのでいつまでたっても順番が回って来ず、仕方なく湖畔へ。

鳥居に行ってみると、撮影しようとするインバウンドの長蛇の列が。。

ハイカーが取り付く島もない混雑なので、お玉が池へと向かうべく雪深い二子山麓に戻ると、ぱったりと人が居なくなりました。

県道沿いとはいえ、普段から人の気配が薄いお玉が池は、人っ子一人おらず、林業の軽バン一台の轍が残るのみ。

湖畔の遊歩道から精進池へと行くことにします。


杉木立の中を緩く登る遊歩道は、六道地蔵バス停の駐車スペースの前で国道1号線に出ました。
つい昨年まで建っていた遺跡の保存整備記念館(歴史館)は跡形もなくなっていました。

記念館の跡地から池畔に下りて、六道地蔵に行ってみます。

国道の下をトンネルでくぐると地蔵堂があり、中には結構大きなお地蔵さんの摩崖仏がありました。

トンネルを戻って、その先にある俗称多田満仲の墓とある宝篋印塔。

続くこちらは二十五菩薩像。
半ば雪に埋もれ、よくよく見ないと彫ってある仏像に気付けません。

国道の反対側にも2つほど彫ってあります。
ここまでの石仏たちは雪の中で誰にも見てもらえず寂しそうですが、どれも国の重要文化財とのことです。
ただ、途中「八百比丘尼の墓」や「応長地蔵」など、他の文化財の横を通ったみたいなのですが、何故か気づきませんでした。

またまた国道をトンネルでくぐると、バス停の名前にもなっている曽我兄弟の墓がありました。

お墓近くの雪上で待つと、路線バスが20分間隔でやってきます。
インバウンド客満載の車中に強引に割り込んで湯本へと下りました。

思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら


●近年のインバウンドの皆さんは、欧米系ばかりでなくアジア系の富裕層と思しき人々も、公共交通機関で独自の旅をする方が多いのに驚きました。
 バスの運転手さんも、「おい、ちゃんとカードタッチしてくれよ」といったくらいの、業務に必要な英語が話せます。

 何の情報を手掛かりに集まってくるのかはわからず、居場所はまだ海賊船と鳥居の下くらいに限られますが、これくらいの情報収集力と行動力があれば、彼らが雪の峠を越えて日本人が居ない甘酒茶屋やお玉が池を歩く日が近いかも。

●2024年2月26日(月)
畑宿バス停(8:40)→甘酒茶屋(9:35~10:00)
→元箱根港(10:40)→恩賜箱根公園(10:55~11:20)
→箱根神社(11:45)→お玉ヶ池(12:30)
→精進池(13:05)→曽我兄弟の墓バス停(13:45)



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