2026年5月28日木曜日

鳥海山(BCスキー;鉾立から御浜小屋引き返し)

 去り行くスキーシーズンを惜しむべく、日本海 豪雪の山で今季ラストの滑走へ。


秋田/山形県境にある鉾立山荘に到着しましたが、登山口には溶け残った雪が少々残るのみとなっていました。
滑走道具を持っている酔狂な人は全くいないかと思って周囲を見回したところ、何と地元ナンバーのボーダーが2名、出発準備をしていたので、「ここ、最近来ましたか?」と尋ねてみると、「一週間前にハイキングで来た時に思いのほか雪が残っていたので滑りに来てみた」とのことだったので、気を取り直して出発。

完璧に雪が消えた登山道は200mほど先で雪渓を横断します。
…この雪渓は鉾立の駐車場までつながっていますが、その先で登山道とは断絶してしまうので、利用せずにしばらくは登山道を行きます。

5分ほど登った見晴らし台からは、眼下の奈曽川の谷に落ちる白糸の滝と、登山道が登って行く台地が展望できました。
登山道で前後した地元の方と会話すると、温暖化が進んだここ数年は、快適に滑れるのはブルーライン開通直後までで、夜間閉鎖が解除される5月中旬頃には雪渓が寸断されたりかなり荒れてくるとのことでした。
また、西の鉾立・大平と比べると北東の祓川方面の方が残雪量は多いと考えた方が良いとのことです。
次回があるかどうかはわかりませんが、参考とさせていただきましょう。

1341m三角点付近で、ようやく雪の上を歩けるようになりました。
雪面に打たれた赤旗に沿って登って行くと、標高1500mちょっとのところで多くのハイカーが左上の雪渓へと乗り移って行きます。
スキーを持っているこちらは、なるべく雪の上を進みたいので右寄りに進んでいくと、鳥海山の山頂が見えてくる頃にこちらの残雪もどん詰まりとなり、露出した木道の上を50mほど歩いて向こう側の雪に乗り移り、尾根に露出した登山道のすぐ東側の雪の片斜面を登って行くと、眼下に鳥海湖が見下ろせてきました。

振り返ると南折川の谷の下に庄内平野が広がり、雪を抱く月山が望めました。
ここまで来ると御浜小屋・御浜神社は目の前となります。

小屋に到着すると反対側は仁賀保から由利本荘の海岸が見晴らせ、海の上には男鹿半島の山々が展望できました。

対岸の海上に浮かぶのは飛島でしょうか。

展望は抜群なのですが、鳥海山へと続く扇子森方面の稜線に雪は全くありません。
それに、風速20m/s超の強風が吹き続けており、シートラしたリュックがしばしば風に煽られるので、ここで引き返すことにしました。

鳥海湖を見下ろす雪の上でスキーを装着し、登って来た右側の残雪の縁を滑り始めます。

木道を歩いて再びスキーを着けると、日本海の大展望を見ながら滑ることなります。

ただ、楽しい滑りはあっという間で、再びスキーを担いで登山道を下ります。
登山道が大変歩きやすく整備されているのが救いでした。
登山道を歩く時間は、登りも下りも同じだったのは何故だろう?

●2026年5月23日(土)
鉾立山荘駐車場(象潟口登山口;9:15)
→1341m三角点(10:00)
→御浜小屋(11:35~11:50)
→1341m三角点(12:10)
→鉾立山荘駐車場(12:55)



オマケ…酒田観光…

シーズン最後のスキーがあっという間に終わってしまったので、せっかく遠くまで来たついでに酒田の街を観光してみました。

山居倉庫の案内所でもらった観光ガイド・28-29ページの市街地マップに従って街歩きしてみました。
倉庫の中には入れませんが、ここは「おしん」の舞台だったとのこと...
ちなみに私は放送時に高校生だったため、見てません(当時は録画機器もありませんでした)が、90年代半ばに南陽市の十部一山でハンググライダーの練習をしている二十歳前後のおしんを見たことがあります。

酒田港から続いてくる倉庫の前の川を渡ると、観光スポット間の整備された道路を歩いて5分ほどで本間家旧本邸に行けます。(それ以外の市街地周辺の主な観光スポットも全て徒歩で回れます)
入場料がちょっとお高め(¥1,100/大人)ですが、まあ次に来ることはないということで...

こちらは市街地の西側にある相馬楼という建物。
舞娘茶屋と竹久夢二美術館というタイトルもついていて、コンセプトがいまいちわかりませんが、休日以外の日は不定休が多く、この日も閉まっていました。

相馬楼からワンブロック離れたところにある「山王くらぶ」。
国の有形文化財となった旧料亭で中を見学可能ですが、入場料(イベントにより金額が変わります)が必要なのでパス。
周囲は古い歓楽街ですが上記画像の2軒以外は放置された飲食店や娯楽施設の廃墟がほとんどでした。

すぐそばの丘の上には駐車場が整備された日和山公園があります。
山居倉庫と本間家以外の貴重な観光地ですが、市民の憩いの場の性格の方が濃厚で、町の文化財や関係する記念碑をなんでも集めた感がありました。

移築されてきた旧白崎医院という建物。中には入れません。

下日枝神社の隋神門。

奥の社殿は江戸天明期の立派なもの。

社殿の横にある「旧光丘文庫」。
こちらも入れません。光丘文庫そのものはどこかに移転していったみたいです。

海口寺は湯殿山の元末寺とのことですが、ここの売りは左側の鉄筋コンクリート造の「即仏堂」にある即身仏(ミイラ)。
時間が遅いので今回はパス。

お約束の「おしん」関連碑もありました。

雑然&古色蒼然とした公園周辺で唯一気を吐く複合施設「日和山小幡楼」は、明治・大正期の料亭をリノベーションして2021年にオープンしたこの街最高評価の商業施設で、酒田のハイカラな印象はほぼ全てここの料理で〆たことによりもたらされます(個人の感想です)。

近年はクルーズ船も入港し、温暖なアジア諸国民を対象とした雪国の生活体験などでインバウンド観光客が徐々に増えているとはいえ、山形県全体でも年間19万人の海外訪問者は東京都の1%。

「おしん」が海外でも人気を博したとのウワサを耳にしたことがありますが、ここを歩いているとその話にも現実感が湧いてきません。

がんばれ酒田。

2026年5月21日木曜日

真砂沢・雷鳥沢(BCスキー)

 2025年末に寒波に襲われることはあったものの、2月以降は春の様な陽気が続いた2026年の冬は、その後も雪不足が続き、ゴールデンウイークにはほとんどのエリアのシーズンが終了してしまいました。

残るは積雪量・交通費共に国内トップクラスの、あのエリアのみか?


長野県大町市の扇沢ターミナルから4種類の乗り物を乗り継いで、インバウンドで賑わう室堂に到着。

久々のスキーなので、先ずは足慣らしとして、最高峰雄山(↓左の山)のお隣の浄土山の右にある真っ白なスロープを登ります。

登り着いた先の雪原は室堂山という名前が付いているそうです。

左は浄土山。

登り着くと、正面の視界が一気に開けました。

左手の浄土山から続く尾根に龍王岳、鬼岳、獅子岳が並び、その先の五色ヶ原の奥には槍ヶ岳が見えるではありませんか。

時計回りに視界をずらすと、鍬崎山の遥か先に白山も見えます。

更に右側は室堂周辺。

手前の真っ白な国見岳と称名川の向こう側の大日岳・奥大日岳。

一面雪に覆われた雷鳥沢の向こうに、剱岳が頭だけひょっこり。

それでは、その雷鳥沢に向かって、眼下の立山室堂山荘の前を横切って滑って行きます。

滑って来た斜面。

室堂山荘を過ぎると、右下に地獄谷の噴煙で黄色く変色した浄土沢の谷が見下ろせるので、テキトーなところから沢沿いに下って、ブルドーザーの跡に降り立ちました。

振り返ると沢の上流には山崎カール。

下りきったところから雷鳥沢キャンプ場はすぐ先で、キャンプ場から雷鳥沢の右岸尾根を登って行く人たちが蟻のように見えます。

自分も蟻の行列に加わって登って行くと、どんどん背後の展望が開けてきます。

標高2600m手前くらいで斜度が増すところでスキーを担ぎ、登って行くと、間もなく本日の宿となる剱御前小舎に到着。

裏側の剱沢の光景が目に飛び込んできます。

チェックインして部屋に入ってもまだ午後2時前だったので、散歩がてら剱沢の上部を滑ってみることにしました。

別山へと向かう登山道の途中の雪庇がないところから滑り始めます。

剱沢はどこまで滑っても終わりが無いので、剱沢キャンプ場までで止めておきます。
周辺はどこも滑り放題。

小舎に登り返してまったりと過ごし、今日は終了。

五竜岳の横から登ってくる朝日を見て朝食を食べていると、6:30を過ぎていました。
この日の小舎で朝食を食べたのは3名のみで、ほとんどの人は未明からどこかへ出発してしまったみたいでした。

最後にのこのこ小屋を出て別山へと向かいます。

右手に立山連峰、左手に昨日滑った剱沢を見ながら、ショートカットのトラバース道が通行禁止の別山南峰へと登り、

南側の真砂沢に滑り込めそうな場所を探して彷徨いますが、今一つ確信が持てず、結局登山道を真砂岳方面に下って、コルに降り立ちました。

別山からガレを下りきってすぐのここから滑り始めます。

滑り始めて5~6回ほどターンすると、スタートした稜線があっという間に遠退きます。

が、一方で下の風景にさほど変化は無く、自分が全く進んでいないように感じます。

それでも、横に見るコルの稜線が徐々に高くなっていくことから、下に動いていることがわかるようになってきました。

沢の中央まで滑り降りて、正面に鹿島槍ヶ岳を見ながら滑って行く広い谷の中央部は、これといった目印が無く、ひたすら緩い放物線状の雪原なので、先ほどからマヒしていたスピード感がどんどん失われていきます。

ちょっと後ろを振り返ってみようとブレーキをかけて止まったつもりでも、全然止まっておらず、酔っ払いの様にヨロケながら尻餅をつきました。

極めてユルいバナナ形の左カーブを曲がると、正面は白馬岳となり、徐々に谷が狭まってきました。

両壁の角度が40°くらいまで急になると、本日唯一の難所の滝となります。
遠方からでもザアザアと水が流れる音が聞こえてくるので、気づかずに落ちることは無いと思いますが、側壁にクラックが入っており、斜滑降時に躓かないように注意が必要でした。
クラック部が崩落しても、右岸(写真左)側にまだ雪が残っており、支点となる樹木も生えているので、通過できないことはないでしょう。

滝から下も不安を煽るビジュアルが続きますが、両端の要所にしっかり雪が残っており、斜滑降で通過できました。

滝から3~400mくらいでしょうか。正面が行き止まりとなり、左岸から沢が合流してきました。

こんな大きな支流なんてあったかなと思いながら滑って行くと、何と剱沢でした。
滑り始めてから30分足らず。思いのほか早い到着です。

剱沢を埋めるデブリの上から、滑って来た真砂沢を振り返ります。
なんか平凡な見た目ですね。

すぐ下には真砂沢ロッジの石垣が見下ろせました。
ここから剱沢を標高差1,000m登り返していきます。

登り始めてすぐに右岸から落ちてくる別山沢。
どこからエントリーするのかよくわかりませんが、真砂沢ほど雪不足の心配がなさそうな見た目です。

その上で左岸から合わさる長次郎谷。

次はモニュメントの様な巨岩がある平蔵谷。
ここでまだ4割も登り返してません。…ここまでの疲労度をあと2回繰り返すと別山乗越に着くといった感じ…

このあと徐々に歩く速度がカメとなり...

昨日滑り降りてきた剱沢キャンプ場までが(真砂沢出合から)3時間。
↑左下の谷からでてきました。

やっと朝出発した剱御前小舎に到着。
ふぅ~。

小屋に預かってもらっていた荷物を回収し、雷鳥沢を滑って帰ります。
雷鳥沢キャンプ場のテントが胡麻粒よりも小さくてホコリみたいです。
室堂への帰路を楽にすべく、なるべく浄土沢に近い左方向に、極力摩擦を減らして滑り込み...

ここから浄土沢を登って行きます。
いやーこのダラダラ登り、精神的に毎度長いよね~。

たっぷり一時間半かかって室堂山荘に到着。

シールを外して室堂ターミナルまで最後の滑走です。


●2026年5月15日(金)
室堂(9:30)→室堂山(10:20~10:30)
→雷鳥沢キャンプ場(10:55)
→剱御前小舎(13:10~13:50)
→剱沢キャンプ場(14:30)→剱御前小舎(15:30)
●2026年5月16日(土)
剱御前小舎(6:40)→別山南峰(7:10)
→コル(7:30)→真砂沢滑走
→剱沢出合(8:00)→別山沢出合(8:30)
→長次郎谷出合(8:45)→平蔵谷出合(9:30)
→剱沢キャンプ場(11:00)→剱御前小舎(12:00)
→雷鳥沢滑走(12:20~12:55)→浄土沢登行
→立山室堂荘(14:25)→室堂(14:30)


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