2024年2月29日木曜日

箱根旧街道 (ハイキング)

 2024年閏年の2月最終週末に今季3回目の南岸低気圧が通過し、首都圏山沿いにシーズン2回目の降雪をもたらしました。

特に日曜深夜の降雪は箱根中腹より上で10cm前後積もり、多くのクルマが追突・立ち往生を重ねた模様です。
一夜明けた月曜日に物見遊山で降雪を見物しました。

雪が去った朝の箱根湯本駅前は、町にも周囲の山にも雪は見当たらず、クルマも夏タイヤで走っています。
定時運行されている路線バスに乗って先ずは畑宿へ。

路線バスの終点、畑宿バス停の目の前が箱根旧街道の入口で、少し先の一里塚から石畳が始まります。

山と高原地図に「宙づり石だたみ」なる標記があるあたりには、ヘアピンカーブが交差しながら通過する箱根新道と東海道(現県道732号線)の上を石畳で渡って行きます。
昨夜立ち往生した放置車両が残されているものの、車道の除雪された部分はすっかり雪が消え、照り付ける日差しで湯気が立ち上ります。

見晴茶屋の辺りから積雪量が増えて、ハイキングコースは一面雪で覆われてきました。

猿滑坂を越えたあたりからは、除雪されていないハイキングコースは、踝から脛くらいの積雪となり、ラッセルしながら進むと、甘酒茶屋に到着しました。
ちょうど屋根の葺き替え工事中でした。


街道を行き交う人々のために、どのような過酷な環境下でも毎朝7:00から営業開始する茶屋で甘酒とお餅をいただき、温まります。
お客は従業員の顔見知りのおじさん一人(お客ではないかもしれませんが...)だけで、のんびりした雰囲気です。

甘酒茶屋から先少しの区間は特に積雪が多かったため、一旦車道を歩きます。
道路の下には滑って転落したクルマが横たわります。

石畳が車道を横切るところから再び石畳に戻り、杉木立の峠を越えてお寺の脇から国道に出ると、海賊船が出航する元箱根港は目の前です。

到着した元箱根は、除雪されたのかそれとも気のせいなのか、通り抜けてきた二子山の山麓よりもかなり雪が少なかったです。
海賊船乗り場はインバウンドのツアー客の人々が、昨夜の道路通行止め騒ぎもどこへやらで雪に大喜びでした。

湖畔を歩いて恩賜箱根公園へと行ってみます。

展望台からの眺めも、あまり雪が積もっている感じがしませんねえ。

二子山方面だけがちょっと白いです。

海賊船乗り場や神社の賑わいとは裏腹に、関所跡は閑散としていました。
インバウンドが価値を感じるツボはどのあたりにあるのでしょうか?

今度は海賊船乗り場の反対側にある箱根神社へ。
日本人が列を作って参拝しています。
ひとりずつのろのろ参拝するのでいつまでたっても順番が回って来ず、仕方なく湖畔へ。

鳥居に行ってみると、撮影しようとするインバウンドの長蛇の列が。。

ハイカーが取り付く島もない混雑なので、お玉が池へと向かうべく雪深い二子山麓に戻ると、ぱったりと人が居なくなりました。

県道沿いとはいえ、普段から人の気配が薄いお玉が池は、人っ子一人おらず、林業の軽バン一台の轍が残るのみ。

湖畔の遊歩道から精進池へと行くことにします。


杉木立の中を緩く登る遊歩道は、六道地蔵バス停の駐車スペースの前で国道1号線に出ました。
つい昨年まで建っていた遺跡の保存整備記念館(歴史館)は跡形もなくなっていました。

記念館の跡地から池畔に下りて、六道地蔵に行ってみます。

国道の下をトンネルでくぐると地蔵堂があり、中には結構大きなお地蔵さんの摩崖仏がありました。

トンネルを戻って、その先にある俗称多田満仲の墓とある宝篋印塔。

続くこちらは二十五菩薩像。
半ば雪に埋もれ、よくよく見ないと彫ってある仏像に気付けません。

国道の反対側にも2つほど彫ってあります。
ここまでの石仏たちは雪の中で誰にも見てもらえず寂しそうですが、どれも国の重要文化財とのことです。
ただ、途中「八百比丘尼の墓」や「応長地蔵」など、他の文化財の横を通ったみたいなのですが、何故か気づきませんでした。

またまた国道をトンネルでくぐると、バス停の名前にもなっている曽我兄弟の墓がありました。

お墓近くの雪上で待つと、路線バスが20分間隔でやってきます。
インバウンド客満載の車中に強引に割り込んで湯本へと下りました。

思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら


●近年のインバウンドの皆さんは、欧米系ばかりでなくアジア系の富裕層と思しき人々も、公共交通機関で独自の旅をする方が多いのに驚きました。
 バスの運転手さんも、「おい、ちゃんとカードタッチしてくれよ」といったくらいの、業務に必要な英語が話せます。

 何の情報を手掛かりに集まってくるのかはわからず、居場所はまだ海賊船と鳥居の下くらいに限られますが、これくらいの情報収集力と行動力があれば、彼らが雪の峠を越えて日本人が居ない甘酒茶屋やお玉が池を歩く日が近いかも。

●2024年2月26日(月)
畑宿バス停(8:40)→甘酒茶屋(9:35~10:00)
→元箱根港(10:40)→恩賜箱根公園(10:55~11:20)
→箱根神社(11:45)→お玉ヶ池(12:30)
→精進池(13:05)→曽我兄弟の墓バス停(13:45)



2024年2月25日日曜日

四阿屋山 (ハイキング)

 早春の開花期を迎えた秩父の山へ。


早朝からご同輩のハイカーで賑わう、埼玉県小鹿野町 道の駅「両神温泉薬師の湯」からスタート。

県道37号(皆野両神荒川)線を北へ100mちょっと行くと、温泉の名前にもなった法養寺があり、薬師堂の裏を左折して山居へと登る舗装道路に入ります。

すぐに右手に「友好之林」なる中華風の門があり、ここが鳥居山コースの登山口となっているみたいですが、薬師堂コースを登りたいので通り過ぎていきます。

友好乃林の向い側にある花菖蒲園は、入口にロープが張ってあったのでパスして舗道を歩いて行くと、薬師の湯開発記念碑が立つ駐車場のような場所までやってきました。
どうやら薬師堂コースの入口を通り過ぎてしまったみたいです。

慌てて石碑の奥にある橋を渡ると、対岸を少し下ったコテージ群の中に登山口がありました。

登山道は少し登ったところで道の駅の裏手から登ってくる径を合わせて、さらに10分少々でさきほどの舗装道路に出ました。
林道に出たのはすぐ奥に駐車場がある場所で、四阿屋山への径は道路のヘアピンカーブに張り出した目の前の尾根を登って行きます。

左下に人の気配が感じられる径を行くと、高圧線鉄塔の下で視界が開け、そのすぐ先で山居広場への分岐となります。

山居広場を指す左の分岐へと入り植林の中をトラバースすると、すぐに周囲が開けて、蝋梅と梅が咲き乱れる園地となりました。
ここが山居広場と呼ばれるところでしょうか。

下を見るとフクジュソウも咲いていました。
そういえば、どこかに福寿草園の看板もあったような気がするが、この広場のことなのでしょうか?
ここまでならドライブでも気軽にやってくることができます。

さて、いよいよここからがハイキングっぽくなってきます。
先ずはあちこちにある「あずまや山」の標識のうちのどれか一つから急坂を登り始めます。

たまたま展望休憩舎の前を通りました。
展望は... もう少し木を切った方が良いかもしれませんが、ランチ休憩には快適な場所でした。
ちなみに、周辺の案内図は、埼玉県のサイトにあるこのハイキングマップがとてもわかりやすかったです。

休憩舎から更に急登を登ると、一旦傾斜が緩くなった植林の中に両神神社奥社があり、この社の裏手から山頂に向けて一気に急登となりました。

前夜の雪が残るじめじめしてスリッピーなクサリ場を登って行くと、大堤へと下る分岐の先で山頂に到着です。

山頂からは両神山だけが良く見えました。

狭い山頂からの下山は、一旦引き返して山居vs大堤分岐を大堤の方へ直進していきます。

濡れて滑りやすくなった細い尾根の上をしばし進むと、クサリがあらわれてきました。

最初のクサリ場は、急な登山道で滑っても下まで落ちていかないように、親切な感じで設置されていました。

一旦植林の中に降り立ち、

すぐ下のナイフリッジを左(東)直下から巻くと、

その下の小凸からはワンランク急傾斜のクサリ場となります。

クサリは最後に小さなルンゼに吸い込まれて、

山居への巻き径が分岐する植林に降り立ちました。

山居への分岐から下は、植林内の浅い沢状地形に沿ってのんびり下る登山道となり、大堤バス停の広場の前に降り立ちました。

ここからはデポしてあったチャリに乗り、セツブンソウを見物することとします。
舗装道路を小森川上流方向に1kmも行かないうちに、橋の向こう側に駐車場が見えて来ました。

入場料¥300を払って中に入ると、うつむいたりうずくまった姿勢のまま固まった人たちが並んでいます。

何があるんだろう?

自分もうずくまって目を凝らすと...
前夜の雪や雨で湿った花々は、春の日差しで見る見る乾いていきますが、乾いたのは花ばかりではなく、風にあおられた周囲のスギ林からは黄色い噴煙が立ち昇り始めました。

慌てて帰路に着きましたが、小鹿野の町には既に黄色いモヤがかかっており、秩父市街に到着するころには盆地全体に黄色の暗雲が立ち込めていました。
遅かった。

思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら


●本日の反省
地表近くに咲く節分草をカメラに収めようとしゃがみ込んだら、呼吸が苦しかった。
きっと発達した腹部の贅肉が呼吸を圧迫していたのだろう。
そのあと急に立ちあがったらめまいくらくらだった。
なぜだろう。

春の開花期の奥社から先は落石注意
両神神社奥社からの登山道は、上で人が落とした石が降ってくる場所を通っている。
恐らくこの時期だけだと思うが、大賑わいの花見客ついでの登山客が山頂近くで無造作に石ころを落とした(又は自分が落としたことにすら気付かぬ)まま、下に何も告げない光景を見かけた。
クサリ場は自分が落ちないことに注意が向きがちとなるが、頭蓋骨めがけて落ちてくる落石にも注意しましょう。

●2024年2月24日(土)
道の駅両神温泉薬師の湯(9:10)
→薬師道コース入口(9:23)→車道出合(9:40)
→山居広場(9:55)→両神神社奥社(10:15)
→山頂(10:30)→つつじ新道
→山居分岐(11:10)→登山口(11:30)
(自転車)→セツブンソウ自生地(11:35~12:00)
→道の駅両神温泉薬師の湯(12:10)



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