2022年12月31日土曜日

房総ハイキング (請雨山・烏場山)

 2022年の暮れに千葉県の鹿野山周辺にハイキングに行きましたが、比較的早い時刻に終了したため、近所の山に寄り道しました。


鹿野山から鴨川へと行く途中にある、鴨川と南房総(旧和田浦)の低山です。

先ずは長狭街道沿いに流れる加茂川沿いの請雨山からです。


●請雨山

ここは国道410号線、君鴨トンネルの南(鴨川)側にある国道旧道の入口です。
現在の君鴨トンネル開通後は通行止めとなり徐々に廃道化がすすんでいますが、ゲートのバリケードが簡単に持ち上げられるためオフロードバイクが頻繁に走行しています。
君津側から訪れたので勝手がわからず、ゲート前にクルマを停めましたが、ほんの少し鴨川側へ下るとすぐに広い駐車スペースがありました。

410号線の新道と長狭街道沿いの平野を見下ろしながら旧道を登って行きます。

君鴨トンネルを見下ろしながら通過すると、すぐに稜線が近づいてきます。

旧道は林道高山線が分岐するところからも通行止めとなっていますが、コーンが除けられてみんな勝手に通行しているみたいです。

右折して高山線を行きます。
実は、最初に目指しているのはタイトルの請雨山ではなく、安房高山です。
何で高山がタイトルになっていないかというと、登れなかったからです。

林道をしばらく行くと、右側に大作方面へ下る古い標識がありましたが、径がどこにあるのかはよく見えませんでした。

そのほんの少し先で、左手に安房高山への登り口がひっそりと表示されています。

5分ほど登ると祠の立つ稜線に出ます。展望は全くありません。
ぱっと見の雰囲気でここが高山だと思い込み、展望を求めて西側の尾根を少し行ってみましたが、展望が得られる気配は全くなく、次の請雨山目指してあっさり引き返してしまいました。
あまりの期待外れに帰ってみてから検索してみたところ、高山山頂には標柱があるとのことなので、到着する前に引き返したことになります。
恐らく、祠のピークからもっと北側に行くと高山がある??? かもしれません。

さて、次なる請雨山へ行く径は林道高山線を戻り、旧国道をもっと西へ行ったところから折り返すことになりますが、そうするとかなりの遠回りとなるので、ショートカットして東側から直接登ることにします。
というともっともらしいのですが、実はこのとき請雨山は地形図の322m標点だと誤解しており、単に間違った場所に早く着こうとしていたというのが本当のところです。

先ほど前を通った大作への分岐表示をさらに100mほど林道を引き返したところにある最初のカーブの尾根を登ることにします。

尾根上の薄い踏み跡を登って行くと322m標点に到着しますが、林道側の斜面が地滑り気味に見晴らしが効いて長狭方面が見える以外は、案の定何もありません。
ここで勘違いに気付き、反対側の斜面を下って西へと進みます。

322m標点の凸を下ると、そこには何と手摺が設置された径跡のようなものがあり、西隣の凸へと続いています。

手摺沿いに登ると、コンクリート製の階段まで登場し、小さな広場がある赤い鳥居に出ました。

鳥居の前からは、正面の愛宕山の方向にだけ、このコースで唯一の展望がありました。

鳥居奥の階段の上はツインの祠が立つ広場となっており、その更に奥にも大小の祠がありました。
恐らくここが愛宕神社といわれる請雨山ではないかと思います。
祠の由来を知りたくて彫字を探しましたが、奥の大きなものの側面に建立者と思われる人名が列記されている以外に読めるものは見えませんでした。

鳥居の前をさらに西へと下ると、登って来た旧国道の先に降り立ちます。
この道路、国道だった割には随分荒れているなと思いながら歩いていると、先ほど右折した林道高山線の分岐の少し手前で、請雨山の下を貫く形でトンネル(今は通行禁止)が分岐していました。
なるほどね。

ちなみに、往路に歩いた林道高山線から請雨山方面を見ると、こんな感じとなっています。
樹木の無い禿げた斜面の上部に先ほどの手摺が見え、禿げた部分の下にかつてはクルマが登れたかもしれないくらいの道の跡があるので、その昔は高山線から手摺沿いに鳥居まで行くのがメインの参拝ルートだったものが、何らかの事情で通行できなくなったのかもしれません。
同日朝に訪れた九十九谷に続く無計画と混迷の低山徘徊を一旦終了して、次は愛宕山の反対側にある烏場山へと向かうことにします。

●2022年12月29日(木)
旧国道410号入口(11:20)→林道高山線分岐(11:45)
→林道高山線→安房高山(12:20)→320m標点(12:40)
→愛宕神社(12:50)→林道合流点(13:00)
林道高山線分岐(13:08)→旧国道410号入口(13:23)



●烏場山

南房総市と鴨川市の境界に立つ烏場山は、近年「花嫁街道」と名付けられた和田浦からの登山道がシニアハイカーに人気みたいですが、和田浦からは片道5kmくらいの長丁場なので、ピークハントだけを目的とする方針に従って?反対側の五十蔵(南房総市和田五十蔵)からの最短ルートをピストンします。
五十蔵からの登山道はほぼ鴨川/南房総市境沿いに設置されています。

鴨川市畑谷側に広がる小さな棚田の上にある稜線のどこかにある山頂を目指します。

畑谷は日本の山里の原風景にも見える、とても癒される景色が広がるところで、田畑の畦道には早くも水仙が咲いています。
花の香しい風が吹き抜ける棚田を行きます。
今年の水仙開花は相当早いのではないかしら。

登山道は森の端を進むとすぐに植林の中を登って行き、あっという間に稜線上の花嫁街道に合流します。
山頂と反対の方向にちょっとだけ行くと第三展望台なる場所があるので、立ち寄ってみます。

いや~、ここからの眺め、いいですね。
右下の小さなソーラーパネルが登山口です。
大展望が広がるわけではないですし、そんなに高くもなく、登山口で聞いた草刈り機の音が間近に聞こえるようなところですが、何故か心が休まります。
むしろ里が近いのがその理由なんでしょうか。

山頂付近に自衛隊の峯岡基地がある千葉県最高峰の愛宕山が正面に見えます。

その左側に連なるこの山々は、御殿山周辺(中央)と伊予ヶ岳(右)かしら?

山頂方向に引き返します。
照葉樹の大木の先には、地元の皆さんの愛着がこもった、ちょっと手を加えすぎ?くらいによく整備された山頂がありました。
「花嫁街道」というネーミングが先行してシニアのロマンを掻き立てる?烏場山ですが、和田浦と五十蔵を繋ぐ山径は、花嫁も通ったかもしれませんが、最も通行したのは五十蔵の小学校に通学する生徒だったそうです。
明治のはじめ、和田浦に学校が無い時代には、地域で数少ない小学校があった五十蔵へと、子供たちが(当時はそのような呼び名はなかった)「花嫁街道」を通学した と聞くと、今の感覚では方向が逆じゃないのか? と思うのですが、恐らく当時としては工業に近い林業が盛んだった山間部の方が人口も多く、経済的にも進んでいたのかもしれません。

先ほど第三展望台で聞こえてきた五十蔵の草刈り機の音は、そんな時の流れや、行き交った子供たちの思いも運んで来たのでしょうか。

山頂からはちょっとだけ海が見えます。

朝から道迷いの一日でしがた、最後に訪れた休憩を含めて一時間足らずのコースで、とてもゆっくりできました。

東京湾の反対側に帰ります。

●2022年12月29日(木)
五十蔵(13:55)→花嫁街道合流(14:10)
→第三展望台(14:15)→烏場山(14:20)
→五十蔵(14:40)


この日の朝に訪れた鹿野山・九十九谷の様子はこちら


思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら

2022年12月30日金曜日

房総ハイキング (九十九谷(鹿野山))

2022年の暮れも押し迫った平日に、房総半島・鹿野山にある九十九谷にお出かけしました。

きっかけは、書店で立ち読みしていたYとK社の山の雑誌(11月号)の季節の山歩きコーナーに紹介されていたからです。
確かここはもともと荒れていたところに数年前の台風で廃道同然になっていたと思ったのですが、全国区で紹介されるからにはきっと安心・安全に整備されなおしたのだろう、と思い立ちました。
記事のサブタイトルが「静寂に浸る晩秋の山」となっていたのが、今から考えるとちょっと引っかかるのですが...


ここは君津市の九十九谷展望公園の駐車場です。
マザー牧場がある鹿野山上の平坦地の東端にある公園では日の出前からなのか、日の出前だからなのか熱心に人が集います。

重なる山襞の間を埋める朝霧に陽が差し込む幻想的な風景がここの売りですが、師走の冷え込んだ時期にもかかわらず、この日の霧はいまいちでした。

今日の目的は、展望台の名前にもなっている足下に広がる黒い谷の中です。

朝日が差し込み周囲が明るくなると、下の谷間は一層暗く、そこに闇夜が止まっているかのように感じられます。

展望広場から県道93号線(久留里鹿野山湊線)を下ったところにある秋元城(小糸城)址への登り口にある駐車場からスタートです。

鹿野山への登り口である郵便局の交差点のすぐ先にある西粟倉の信号を右折して小糸川沿いに400mほど歩いた先にあるPGAゴルフクラブの表示を右折し、ゴルフクラブへの道路が川を渡っていく手前を右に入って川沿いの舗装道路にはいります。

上から見下ろすと真っ暗だった谷の中から見上げる山上は輝いて見えます。

林道は、罠が仕掛けられたかつて川床だった場所を通りながら、1㎞ほど川沿いを進んで行き止まりとなります。

終点の左側に何故かコンクリート製の橋が架かっていますが、その先に道はなく、薄い踏み跡が右岸沿いに進んでいきます。

踏み跡はインゼルの様な湿ったところへと入って行くため、最初は登山道とは思えずに20分くらい周囲を捜索しましたが、間違いなく右岸の湿地の踏み跡が正解です。
白いテープ(何故かプラスチックが溶けかかっているのですが、)のマーキング沿いに進んでいきます。

間もなく対岸への丸太橋がありますが、腐っていて体重をかけると折れそうなので、付近の渡れそうな場所から渡渉します。

渡った先の左岸を行くと、白い岩壁が見えてくるので、その対岸を見ると、一か所踏み跡の様な物が斜面を登っていきます。
もう一度右岸へと渡り、この踏み跡を登ります。

トラロープを頼りに斜面を登り稜線に出ると、踏み跡は一旦比較的明瞭となり、間もなくウバメガシ二本と腐った道標がある160m標点に着きます。

160m標点から先は踏み跡は少し荒れてきて、小さな稜線の右(北)側をトラバース気味に進んだ後で、倒木の根本から右隣の稜線に乗り換えます。

乗り換えた先の稜線は、倒木はあるものの径は明瞭となりますが、2つ目の160m凸(最初の160m標点を数えると3つ目の凸)を北で巻くところが崩れています。
崩れたトラバースの踏み跡は通れなくもなさそうですが、一旦スリップするとストンとどこまで落ちていくのかがわからない房総特有のコワさがあるので、160m凸から見下ろしながら回避して行きます。
この凸を越えたところから径は太くなり、最初に尾根に当たるところからは明瞭な林道跡となって西(左)側へとトラバースしていきます。

今日の目標は白鳥神社がある展望公園なので、ここからは林道跡は行かずに正面の尾根を北西に向けて登って行きます。
(ガイドブックなどでは、この尾根に取付く場所を「林道合流点」と呼んでいる様です)

踏み跡がある尾根を標高80~90mほど登ると、南から北上してくる尾根と合流します。
この尾根の分岐は、逆方向から下ってくると気付かないだろうなあ。

合流した尾根を更に標高差50mほど登ると、傾斜が急になだらかとなり、鹿野山ゴルフクラブの東端にでます。
ゴルフコースの境界フェンスは、ゴルファーのコースアウトを防ぐだけの目的で設置されたもので、その低さと目の粗さは飛来するボールの防御が全く期待できず、ここから展望公園までの間が今回最も危険な区間となりました。

ティーグラウンドの位置と向き、ティーやグリーン上のプレイヤーの有無などから、ボールが飛んでくるタイミングの危険予知をしながら、展望公園に到着です。

足下には九十九谷が横たわります。

日の出を見た駐車場に戻って、デポしていた自転車に乗ります。
クルマを回収する前に山上の寺社見物をしていきます。

先ずはお隣にある白鳥神社。
鳥居の先を横切るゴルフカートの通路の奥が社殿で、そのまた奥を登って行くと日本武尊草薙の石碑がありました。
たぶんここが白鳥山の頂上?
だとすると、千葉県で標高379mのここより高いところは408mの愛宕山レーダードーム周辺だけという場所です。

次は県道を700mほどマザー牧場側に行った神野寺に参拝です。

関東最古のお寺とのことですが、我々の世代には70年代終わりにあったトラ脱走事件の方が記憶に残るところです。
…虎が脱走したことよりも、それがきっかでで中止となったマザー牧場のコンサートに出演するはずだった忌野清志郎が、代わりに渋谷で実施した「トラ追悼コンサート」によってトラ事件を知りました。

最後に、そのまた先にあるはずの春日峰を参拝しようとしたら、国土交通省のゲートが閉まっていました。

この後で訪れた請雨山と烏場山の記録はこちら


思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら


●本日の反省
①春日峰、春日神社はどこだ?
 帰ってきてから確かめてみると、明らかな下調べ不足でした。
 神社は春日峰の国交省のゲートの近くにあるみたいです。
 しかし、白鳥神社/白鳥峰と春日神社/春日峰を勘違いしてSNSに書いている人の方が多いような気がする。
 もしかして、勘違いしているのは自分の方か?

②またしても、登山道で道迷い
 同じ千葉で今月2回目の道迷い。
 まあ、今回は「迷った」というよりも、「探した」に近いからいいか。

九十九谷の登山道は、千葉県標準仕様のワンダーランドでした。
奥多摩や丹沢の登山道をイメージして行かないようにしましょう。
径の状態はむしろ、丹沢などで登山道から木の棒などで通せんぼして分岐している作業径に近いです。その作業径からはさらに別の作業径が分岐していて...

●2022年12月29日(木)
秋元城址駐車場(7:20)→林道入口(7:35)
→林道終点(7:55)→迷走~尾根取付(~8:25)
→160m標点(8:40)→林道合流点(9:10)
→ゴルフコース敷地横(9:25)→九十九谷展望(9:30)
→白鳥神社・379m標点(日本武尊草薙剱;9:50))
以降自転車
神野寺(10:00~10:20)→春日峰入口(10:25)
秋元城址駐車場(11:00)




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