2023年2月19日日曜日

アヤメ平(BCスキー;スキーパーク尾瀬戸倉から中退)

 2023年の連休狭間の週末に、静かな山旅を求めて尾瀬の山にでかけました。







国道120号線(奥利根ゆけむり街道)の日光-尾瀬(国道401)分岐付近にある「道の駅尾瀬かたしな」のトイレの窓からは、尾瀬ヶ原手前の山並みが見渡せます。
右側のピラミッド型の荷鞍山から左側へと続く平たんな尾根の一番低いところが富士見峠で、そのすぐ左側にある樹木の生えていない白いあたりの上にあるアヤメ平を目指します。

5:00を回ってから走行開始した関越道は、昨年同様事故が相次ぎ、3回の事故渋滞を乗り越えて降りた沼田I.C.から先の国道120号線も信号の度に渋滞が続き、スキーパーク尾瀬戸倉に到着したときは既に10:00を回っていました。
ほとんどが危険が少ない樹林内の歩行だし、天気も良いので多少時間がずれても大きな問題はないだろうと、スキー場の一番左側にある第4ペアリフト沿いの林道を歩き始めます。
二月に入ってから大きな寒波が二回ほど襲来し、2日前にもまとまった雪が降ったはずなので、積雪量は十分。
それよりも気になるのは三月中旬並みと予想されている高温です。

先行者のトレースがついたなだらかな林道を一時間少々歩くと、トイレの建物が雪に埋まった富士見下に到着します。
ここから林道は5回ほどヘアピンカーブが続く、通称十二曲がりの林道をカーブをテキトーにショートカットしながら登って行きます。
トイレを直進して最初のカーブまで行ってしまいましたが、上の写真の建物付近から闇雲に上に登って行っても、問題なく林道沿いを歩くことができそうです。

標高1490m付近で林道が右にヘアピンカーブするところから、正面の小さな沢状地形を登って行くと、そのまま田代湿原に導かれます。

湿原の左側に沿って奥まで進み、そのまま平坦地を北東に直進していくと、先ほどの林道に合流し、等高線に沿ってだらだらと高度を上げていきます。

先行者の方は恐らく6名で、スノーシューの一人は田代湿原引き返し。
スキーヤー2名は標高1600mくらいから冬路沢の方へ滑走していったみたいで、残りの3名の方が林道を富士見峠の小屋まで登り、そこからアヤメ平へと向かいました。
自分はそれらの方々のトレースを使用させていただき、富士見小屋へと向かいます。
本当は遠回りせずに林道の途中から直接アヤメ平に登りたかったのですが、トレースを少しでも外れると(外れなくても経っていられないくらい付着するのですが、ラッセルすると信じられないくらい)、凄まじい勢いで湿雪がスキーに付着し、たちまち巨大な雪の棒になります。

なので、トレースを一歩も外れることなく、アヤメ平の雪庇の下までやってきましたが、出発時に快晴だった空は一面曇って吹雪いてきました。
せっかく自分も含めてみんなが固めてくれたトレースが、この湿雪で埋まってしまい帰るのがおぼつかなくなるととても困るので、ゴールまで一時間くらいに迫ってきてはいるものの、ここで引き返すことにしました。

落ちてくる雪庇に巻き込まれなさそうな尾根状でシールを外して、林道のトレースの上を滑って帰ることにします。

冬路沢のなだらかな斜面を見下ろしながら、絶妙な傾斜の林道を滑り始めます。
滑り出したとたんに雪は止んでしまいました。
ちょっと残念な気もしますが、ラクチンなのでそのまま下ってしまいます。

滑りが悪い湿雪と、固められたトレースの絶妙なコンビネーションで、だまって立っているだけで平均時速15kmくらいのスピードを保ちながら自然に滑って行きます。
林道沿いの景色を見回しながら、あっという間に田代湿原に帰還しました。

田代湿原からは多少スピードが上がり、お好みによりショートカットのスキーを交えながら、往路のトレース沿いを行くと、林の向こう側に富士見下のトイレが見えてきました。

硫黄沢沿いの林道を下ってスキーパーク尾瀬戸倉に戻りました。


●2023年2月18日(土)
スノーパーク尾瀬戸倉 (10:10)
→富士見下(11:30)→田代湿原(12:20)
→標高1750m引き返し(14:05)
→富士見下(14:50) 
→スノーパーク尾瀬戸倉(15:10)



2023年2月14日火曜日

三本槍岳(BCスキー;マウントジーンズ那須から)

 2023年の建国記念日の週末は、直前(2月10日(金)の朝から翌日早朝にかけて)に南岸低気圧が関東地方に久々の積雪をもたらしましたが、平野部では土曜日朝から溶けてしまいました。

ただ、山地にはそれなりの雪が降ったはずなので、普段はあまり雪が積もらない関東太平洋側の山に様子を見に行ってきました。

先週行った群馬県の鹿俣山で、たんばらスキーパークのリフトを使い、その楽ちんさに味をしめたため、今回もスキー場のトップから登り始めることができることを条件に、那須の最高峰、三本槍岳を選びました。
もともと降雪が少ない那須で、快適な滑走ができるかどうか?

栃木県那須町にある「マウントジーンズ那須」は、抜群のアクセスの良さから大人気のスキー場です。
東北道の那須高原S.A.のスマートI.C.から県道305号線を登ると、あっという間に「どうぶつ王国」の先にあるスキー場に到着です。

夏タイヤで到着した駐車場からは、エスカレーターでチケット売り場に登ります。
ゴンドラ1回券をオーダーすると、本当に片道でよいのか(帰りは乗らないのか?)と念を押されてから、隣のサービスカウンターで登山届の記入を指示されるので、素直に従います。

ゴンドラ山頂駅で降りると、すぐ上には何故かドッグランがあり、そこから圧雪車が固めた道が続いていますので、歩いて行くと、今は使用されていないスキー場跡のリフト終点手前で圧雪が終わります。
そこでキーを装着し、登ってすぐの展望台のある丘が、地形図の1462m標点です。

展望台からはトレースに従って西へと一旦少し下った後に、そのまま「中の大倉尾根」を登って行きます。

背の低い樹林の中をしばらく行くと、やがて視界が開けて周囲の山々が見晴らせてきました。

正面のスダレ山(下の写真左側)に向かって歩く方向の右側には、福島県西郷村にある赤面山の稜線が続きます。

スダレ山の左側は、朝日岳、茶臼岳といった那須を代表する山々です。

赤面山と同じくらいの高さとなる1714m標点付近まで登ってくると、ところどころでうるさかった灌木がほぼ無くなり、雪面バーンが斜度を上げてきます。

左手を振り返ると、鬼面山の先の関東平野には薄い雲海が広がっていました。
雲の上へと登って行きます。

稜線近くまで登ると、視界を遮るものがぐっと少なくなり、周辺が見渡せるようになりました。

右手には真っ白なピラミッド型の旭岳と、その奥に連なる鶴沼川沿いの山並みが見えてきました。
スキー滑走のみが目的であれば、ここから引き返すか、一本北側の尾根にある前岳、赤面山へと滑るのが良いと思います。

目指す三本槍岳は、手前の斜面だけが真っ白でスキーができそうですが、基本的にトレッキングの山です。

先ずは右手に清水平と呼ばれる平地を見ながら、微妙に凹凸がうねる台地を行きますが、ごらんの通りブッシュより上の雪は強風でほとんど飛ばされており、ブッシュを踏みながらのシール歩行となります。(ツボ足だとあちこちで踏み抜いてしまいます)

アリの行列の様に続くハイカーと共に雪面を登って行くと、一気に展望が開けていきます。

振り返ると、これまで歩いてきた平らな台地と那須連山が見下ろせるようになります。


斜面を登りきると、西側の三倉山、大倉山など、大峠の西側の山並みが登場し、奥に山頂の小さな丘が見えます。

この平地を歩いているときはかったるかったけど、見下ろすと、雲海を従えた景色は壮観です。

多くのハイカーで賑わう山頂に到着。

北西側には会津の南側、下郷の盆地が見下ろせます。

それよりも気になるのは、大峠まで下って行く尾根と、その向こう側の流石山付近の純白の斜面です。
標高差は、ここから峠まで400m、そこから流石山までは300m弱ですが、それ以上にダイナミックに感じます。
ちょっと滑ってみたいですね。
どの時期にどうやってアプローチするのが一番よいのでしょうか。

こちらはその左手にある男鹿岳周辺の山々ですかね。
その奥の遠方は日光。そこから右へ尾瀬~会津駒ヶ岳でしょうか。
いや~、天気は最高です。

展望を満喫したので、往路を引き返します。

またブッシュの平原を横切って、、

しかしここ、何とかならないのかな?
まあ、スキーで来るなってことですね。

さて、帰りのスキー滑走ですが、登ってくるときに正面に見えたスダレ山の東斜面のどこを滑るかを物色しながら引き返します。
ブッシュが最も少なくて面ツルなのは下の写真の緑色のライン(いわゆる黒川源頭)なのですが、結果的に赤いラインを滑ることになります。

先ず、緑ラインのドロップポイントに向かって、登山道を外れてブッシュの中を下って行くのですが、たどり着いた急斜面は予想通り3月中旬並みの気温と日差しを受けて、前日朝までに積もった雪がボロボロです。

どこかコンディションの良いところはないかと物色しながら、登山道の少し下側を並走しながらズルズル高度を下げているうちに、結局登山道上のブッシュが途切れるところまで下りてきてしまいました。
景色は最高なんですけどね。

もう面倒なので、ここから登山道沿いに、一番雪の多い部分を滑ってしまうことにします。

見た目は十分。中身は、モナカ雪時々片栗粉。所によりカチカチバーン といった斜面を一気に滑り降ります。
スピードを上げるとバラエティーに富んだ条件が頻繁に入れ替わるので、なかなかエキサイティングです。
横を下っていたハイカーからは、タコ踊りみたいに見えたことでしょう。

それよりも難関だったのは尾根が平坦になってからで、あまりターンすると止まってしまうので、なるべくスピードを維持しながらブッシュを回避するのですが、表面のモナカに引っかかるのと、たまに表面下の雪が空洞状となっているところでバランスを崩すのとで、3回転倒しました。
しかも全て顔面や上半身から雪に突っ込む派手な転びで、全身雪まろけ。

最後の1462m展望台手前でカラダ中の雪を払い、スキーを担いで到着した展望台で大休憩です。
ふぅ。

あとは圧雪されたコースを滑って、チケット売り場で下山の声を掛けて終了です。
スキー場は大賑わいで、ゴンドラ乗り場は長蛇の列でした。
そういえば、前日の土曜日は祝日だったのでその影響かも。

●2022年2月12日(日)
マウントジーンズスキー場・ゴンドラ山頂駅(9:00)
→中の大倉尾根→1856m標点(11:20)→三本槍岳(11:45)
→引き返し→1856m標点(12:10)
→マウントジーンズスキー場・ゴンドラ山頂駅(13:30)
→スキー場内滑走→チケット売り場(下山報告;13:40)











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