ラベル 京都 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 京都 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2022年5月8日日曜日

京都の庭と観客(その5;南禅寺・日向大神宮)

 前日に引き続き、行動制限のないゴールデンウイークの京都見物の三日目です。

最終日の今日は、タイトルに立ち返り、庭を中心に見て行くということで、東山の名園を多く持つ南禅寺へ行きます。

地下鉄東西線の蹴上(けあげ)駅を出て右側に下って行くと、すぐにレンガ造りのトンネルが出てきます。(何故かは知りませんが、トンネルの名前は「ねじれまんぽ」)


ねじれまんぽをくぐると、南禅寺の塔頭である「金地院」の裏口から入った形となり、100mほど坂を下って行くと、左側に金地院境内にある東照宮の門が見えるようになります。

東照宮からは中に入れないので、その先の金地院の入口で拝観料を支払って入ります。

明智門という唐破風様の門をくぐると、順路は時計回りに池泉式の庭を回って行きます。

そして、さきほど外から見た門の前を通って着いた池の向こう側の斜面の上には、徳川家康の遺言により建てられたとされる東照宮があります。

日光と久能山のものに比べると修復されておらず、年月を隠せませんが、家康の遺髪と念持仏が祀られている由緒のあるものとのことです。

東照宮の右手にある門を抜けて小さな階段を下ると、入場してきた方向に大きな方丈が見えてきます。

方丈の前に広がるのは、狩野探幽や快慶、長谷川等伯画伯などの数ある名作や重要文化財の茶室「八窓席」にも勝る国の特別名勝、「鶴亀の庭」です。
伝ではなく正真正銘の小堀遠州作の名庭。

いちいち能書きを垂れるのは野暮な空間ですので、方丈の縁側に腰掛けたり、板間に上がったりして、無観客の時間をゆっくりと過ごします。
いやー、これは驚きでした。
受付のおじちゃんを含む職員3名と観客2名に数十秒間会った以外は、誰もいませんでしたので、思わず長居をしてしまいました。

金地院を退出して、来た道を先へと進むと、すぐに本来の入口から出てくる形で南禅寺の境内となります。
そばにある中門・勅使門の横を抜けると巨大な三門があり、奥の法堂へと続きます。

法堂の右手にはレンガ造りのアーチ橋があり、上を琵琶湖疏水が流れていました。
アーチの下には和服姿のカップル(稀に女性同士も)が思い思いにスマホ撮影に余念がありません。
ここまでは無料ゾーンで誰でもやってくることができました。

この先は、本日の目的である南禅寺の方丈周辺の庭園を見物することにします。
入場料を支払い、法堂奥にある本坊から廊下伝いに国宝の方丈へと向かいます。

先ずは建物の東側に広がる、伝小堀遠州作といわれる方丈庭園。
数名の観客が玉砂利を見ながらのんびり座って時を過ごしています。

奥のコーナーを右折した南側にあるのが、小方丈庭園で、ここからは人通りがぱったりと途切れて無人の空間が広がります。

さらに先へと進むと、方丈庭園から見て建物の裏側となる場所には、六道庭が広がります。

六道庭は、このキャラクターが鎮座する回廊の屈曲部を中心に、上を走る廊下でいくつかの小庭園に区切られています。

これは方丈に接する部分。

そこから西側へとクランク状に廊下が伸びており、不識庵や麝心亭などの茶室が立っています。

規模が大きく、多彩さが際立っており、見飽きることがありません。
そして腰掛ける場所が少ないためか、人も居ない(たまに通過するだけ)のでゆっくりと堪能できました。

さて、最後にもういっちょう。
山門の隣に入口がある天授庵の庭にも行ってみたいと思います。

こちらは、方丈の前庭となる東庭と、書院にある南庭という趣の異なる2つの庭で構成されています。

2つ並んだ門(表門と山門)のうち右側の山門で受付を済ませ、正面の庫裏前を左折して方丈の横を通ると、表門の裏側から広がる枯山水の東庭に到着です。

日中の気温が上昇したこの日は、北向きの庭が日陰となり過ごしやすいためか、大勢ではないものの十名ほどの人々が縁側でのんびりしていました。
本日訪れた他の枯山水の庭と比較して面積はかなり小さいですが、滞在者の根の張り具合は最も強固です。

西側は、表門から入って来た時に、方丈までやってくる間の飛び石が通る造りとなっています。

縁側で枯山水に見入る人の前をずんずん通り抜けると、池泉回遊式の書院庭園があります。

水と空間の配置が絶妙に感じられる庭で、他の回遊式庭園と異なり、樹木が上に張り出した日光の指し具合が程よく、広い空間を独占できる人の少なさ(常時1~2名くらい)も相まって、まさに異空間を彷徨う雰囲気があります。

東庭に戻って見学終了です。

さて、蹴上駅への道を引き返して帰路につきますが、先ほどくぐったトンネル「ねじれまんぽ」の前に「インクライン」の標識があったので、その方向に向けて登ってみたところ、ねじれまんぽの上は、ケーブルカーのようなレールの跡地でした。
ここでも南禅寺のアーチ橋の下に居たような和服姿のカップル(稀に女性同士)がたむろしてスマホの撮影に余念がありません。

インクラインのレールを上まで登ったところには船溜まりがあり、その脇では向こうから流れてきた水が、インクラインの横にある太い配管にごうごうと吸い込まれていきます。

船溜まりの先で水路を渡る橋(名前は大神宮橋)の上から上流を見ると、水が流れ出してくるトンネルがあり、その中を進んでいくと思われる遊覧船が停泊していました。

せっかくなので、橋の上にある大神宮にも行ってみました。
遊覧船の止まっていた橋から15分ほど登って行くと、平安遷都以前からこの地に鎮座する「日向大神宮」が立っていました。

日が暮れると真っ暗となるようなところに建っている無人の社ですが、これまで見てきた京都の建物とは趣が異なる、独特の雰囲気を持った建築でした。

大神宮橋から下ると、すぐに蹴上駅があります。

●2022年5月7日(土)

2022年5月6日金曜日

京都の庭と観客(その4;三千院・銀閣)

 前日に引き続き、ゴールデンウイークの京都旅行の二日目です。

今日6日は平日なので、昨日のような雑踏が無いことを期待して大原へと向かいます。


円町から203系統の市バスで出町柳駅まで行き、京都バスに乗り換えて終点の大原で下車します。

京都のバス1日券を使用しましたが、大原は対象エリアの外なので、追加料金¥330/人を降りるときに支払います。

バス停から上り坂を歩くこと10分ほどで三千院に到着です。


受付で拝観料を払うと、書院、客殿、宸殿の順に、連結された主要部の建屋を巡ります。

宸殿をでた正面には有清園という名のついた池泉回遊式の庭園があり、その中に阿弥陀三尊が安置された建物(往生極楽院)があります。

庭園の中を奥へとすすみ、弁天像の坂を登っていくと、紫陽花が植えられた庭園が広がっており、アジサイのかわりに大原菊という花がたくさん咲いていました。

さらに奥へと進むと不動菩薩像が安置されている「金色不動堂」がありました。
ちょうど不動様の開帳期間中で、護摩を焚いている奥に拝見することができました。

不動堂の上にある観音堂が境内の最奥・最上部となり、ここで引き返すこととなります。

が、何か大切なものを忘れているような気がします。

それは、最近のこのお寺のアイコンとなってパンフレットの表紙を飾っている、コケがついて地面に埋もれかけているあのお地蔵様です。
花に見とれており、どこにあるのかもすっかり忘れていました。
昨日世界遺産を見逃したばかりなので、二の舞とならないように、境内を探し始めます。


あったあった。
阿弥陀堂から弁天像へと抜ける間の庭にたくさん置かれていました。
さっき横を通ったのに、全く気づきませんでした。
わらべ地蔵というそうです。

有清園の先から外へと出て、宝物館を見学して昼食とします。

食事は参道入口にあるこのお店(芹生)で摂りました。
3日間で唯一の京都らしい手の込んだ料理をリーズナブルなお値段でいただきました。

30分に一本のバス時刻に合わせて、大原の里を歩きました。

さて、バスで出町柳まで戻り、今度は203系統の路線で祇園方面へ向かうと、すぐに銀閣寺道のバス停に到着します。
バス停から飲食店やお土産屋さんの並ぶ参道を歩くこと10分弱で銀閣寺に到着です。

拝観料を支払って中門をくぐると...

いきなりメインの建物の前にでます。

庭園に敷かれた砂(なのか玉砂利なのか)の意匠が独特ですね。
銀沙灘(なんて読むんだ?)というのでしょうか。

あの円錐形の盛土は向月台?

教科書や観光パンフレットではわからない銀閣と方丈・銀沙灘の位置関係はこんな感じです。

方丈の隣には、銀閣と共に建設時から残る建物、国宝の東求堂が立っています。
さて、ここまでうだうだ説明してきましたが、実際の境内の様子は銀閣寺のウェブサイトにある「バーチャルツアー」がとても優れもので、こちらを見た方がとても分かりやすいです。(最初から言えよ... スミマセン)

というわけで、ここからはバーチャルツアーを補足する場所のみを掲載します。

それぞれの建物と東側の山に囲まれた場所が庭園となっています。

しかし、自分が感じた銀閣の最大の特徴は、この展望所からの眺めでした。
名所から街を見下ろすところはあれども、名所と街を両方見下ろすところ(しかも普通に順路の一部です)はあまりないのではないでしょうか。

下ってきて銀閣の裏側を通って帰路に着きます。

●2022年5月6日(金)

平日ということもあり、人影はまばらでしたが、団体客が乗りつけるとやはり騒々しくなりますね。

次の日に訪れた南禅寺の様子はこちら

New

三岩岳(BCスキー)

 国道352号線を檜枝岐村へと向かうと、高畑スキー場の先で小豆温泉スノーシェッドの手前にふくしま国体の表示が立つ登山口があります。 三岩岳と窓明山を周回して巽沢山からここに戻ってくる登山道は、橋の手前の広くなった路肩か、2つ先のスノーシェッドの中にある分岐にある空地にクルマを停め...

Tips