この冬一番の冷え込みが日々更新され続ける12月の初旬。
金曜夜の首都圏に冷たい雨が降った後の一瞬の寒気の緩みを狙って、新雪が積もっているはずの八ヶ岳へ。
チェーン規制開始となる中央自動車の小淵沢I.C.で一般道に降り、県道11号線の上り坂の途中でチェーンをつけて観音平口のゲートまで。
前夜うっすらと積もった雪の上には二人の先行者の足跡が。
しかもこの二人は道の駅の方から歩いてやってきたみたいです。
舗装された林道を行く足跡と別れて自然歩道ハイキングコースの方へと右折すると日が登ってきました。
左折してハイキングコースの防火帯を、南アルプスの山々を背に登ります。
正面には目指す権現岳が朝日に輝きます。
防火帯は途中から登山道に変わり、ヒカリゴケの岩屋の前を通って観音平に到着。
ここからは登山道を行きます。
観音平から一時間弱でベンチのある「雲海」に。
ここで先行者の方一名が休憩していました。
二人組かと思っていたら、別々で先頭の方とは顔を合わせてはいないとのことでした。
以降はこの方と前後しつつ進みます。
雲海から一時間弱で押手川の先にある展望スペースに。
さらに一時間半で静まりかえる青年小屋に到着です。
ここに至る途中の、編笠山の山腹をトラバースする登山道の途中で、先頭の方のトレースが消えてなくなりましたが、なぜか小屋で復活していました。
トレースを使用させていただきながら最後の樹林帯を登り、標柱の立つノロシ場に到着です。
ノロシ場から見上げるニセギボシ(西ギボシ)と、奥に見える阿弥陀岳。
ニセギボシの右奥には権現岳の山頂部も見えます。
そして、これまで閉ざされていた下界の視界が一気に広がりました。
ニセギボシの岩壁に見守られながらアックスとクランポンを装着し、南面(右側)を回り込む登山道を歩いて山頂のすぐ裏手に出ると、
目の前にギボシ(東ギボシ)が登場します。
背後の権現小屋も間近に見えます。
振り返るとニセギボシの先には諏訪湖が。
登山道は稜線上を進んだ後、ギボシの南側を巻いて登って行きます。
山腹を登ると、だんだん岩の露出が多くなります。
振り返ると、南アルプスの山々がほぼ同じくらいの高さとなってきました。
コーナーを曲がると、傾斜が急となりクサリ場が始まります。
雪が横一線に付いているところが登山道で、鎖はほとんど見えていました。
クサリ場を通過して稜線に出ると権現岳は指呼の間です。
ここからギボシのピークまでは50メートル足らずですが、細い稜線に新雪が中途半端に貼り付いておりちょっといやらしいので、そのまま権現岳に進もうとすると、向こうから人がやってきました。
もしやトレースをお借りしていた本日最初の先行者の方かと思い声をかけると、ギボシを目指して天女山から来られた方でした。(後にSNSでsprout氏であることがわかりました)
ここで会ったのも何かの縁なので、やはりギボシに登って行くことにします。
リッジの新雪をかき分けてギボシの山頂に到着。
先へと続く尾根は立場川本谷へと落ちていきます。
そして眼下には登ってきたトレースのついた尾根が。
遮るもののない山頂からは、周囲が全て見渡せます。
雲がかかる赤岳を左に見ながら権現岳を目指します。
だんだん空が暗くなってきました。
山頂からは、引きつづき南側の景色が良く見えます。
三ツ頭の先に甲府盆地。
こちらはさっきまで居たギボシ。
さて、来た道を引き返すことにします。
雲海から一緒に登ってきた方はキレット小屋まで進んで泊まるとのことなので、権現小屋で別れを告げます。
下山するにつれて、一段と風が強くなって雲は暗くなり、八ヶ岳の山々も徐々に雲に覆われてきました。
ノロシ場の少し上で立場川の谷を見下ろします。
青年小屋を見下ろす陽だまりで装備を解除。
あとは長い下山のハイキングです。
針葉樹の暗い森をひたすら下ります。
雲海からは登路とは異なる富士見平への登山道を下り、
富士見平からは舗装道路を歩いて、夕暮れのゲートまで戻りました。
●本日の反省
体力の低下を痛感した。
あわよくば赤岳まで行けるかもしれないと、かすかな期待をしていたものの、自宅の出発と小淵沢でのチェーン装着にもたつき、アプローチでも遅々として進まず、あっという間に時間を食いつぶして、青年小屋の遥か手前で期待は粉砕された。
まあ、その分山頂付近でゆっくり過ごせたからいいか。
帰ってきてヤマレコに記入し終えると、「最近の登山で会ったかも?」の項目に、最初のトレースを刻まれた方の投稿が。
自分よりも年長のsandyouさんは、終電を使用して午前一時に小淵沢の駅を出発し、暗闇の編笠山巻き道でのロストをリカバーして、夕方までにな・なんとオーレン小屋まで到達したとのことです。恐るべし。
素晴らしい熱意と体力に思わず拍手!!!
2017年12月9日(土)
観音平口(6:45)-(自然歩道ハイキングコース)→観音平(7:45)
→雲海(8:35)→押手川(9:20)→編笠山巻き道経由青年小屋(10:55)
→ノロシ場(11:30)→ギボシ(12:35)→権現岳(13:00)
→ギボシ(13:00)→青年小屋(14:10)→押手川(15:15)
→雲海(15:50)→富士見平(16:35)→(舗装道路経由)観音平口(17:15)
2017年12月17日日曜日
登録:
投稿 (Atom)
ページ
New
三岩岳(BCスキー)
国道352号線を檜枝岐村へと向かうと、高畑スキー場の先で小豆温泉スノーシェッドの手前にふくしま国体の表示が立つ登山口があります。 三岩岳と窓明山を周回して巽沢山からここに戻ってくる登山道は、橋の手前の広くなった路肩か、2つ先のスノーシェッドの中にある分岐にある空地にクルマを停め...
Tips
-
塩原温泉を流れて那珂川町馬頭で那珂川に合流する箒川。その支流赤川は、途中で流入する冷泉の青色とその泉質が赤く染める岩肌が有名ですが、WEBで検索してもあまり遡行記録が出てこないのと、たまにある記録も結構な強者によるものばかりだったので、興味はあれども長らく敬遠していましたが、思...
-
首都圏から半日で散歩できる多摩丘陵のハイキングの記録です。 今日は小田急多摩線のはるひ野駅から、「多摩よこやまの道」と多摩ニュータウンの遊歩道の一部を経由して、多摩センター駅まで歩きます。 はるひ野駅南口に降り立ったら、先ずは右手(西側/多摩センター側)にある歩道の跨線橋を渡り...
-
昨年2020年に引き続き、コロナ禍のゴールデンウイークは三浦半島をハイキングします。 2020年は半島先端に近い三浦富士から畠山まで の区間を歩きましたが、多くは街中の散歩となってしまったので、今年は起伏が多く車道が通っていない通称「三浦アルプス」と呼ばれている地域を中心に歩い...
-
前月 に引き続き、2020年7月刊行のガイドブック「東京起点沢登りルート100」に新載された葛野川水系にある大菩薩の沢に行ってきました。 今回は奈良子川(地形図での表記は小俣川)支流のニカイ谷です。 奈良子川の流域には、猿橋から小菅村へと続く国道139号線の途中にある奈良子バ...
-
梅雨明け後の一週間も山間部は夕立が続き、沢の水がどの程度減ったかの予想がつかないため、もともとあまり水が流れていない、北秋川の支流を選んで沢登りに出かけました。 初級向けの小沢「シンナソー」が目的ですが、遡行時間が2時間程度と非常に短いため、行く前に北秋川の向かい側にある月夜見...
-
風が強い冬晴れの一日は、森や木々に囲まれて温暖な多摩丘陵をハイキングしましょ。 今日は東京都が神奈川県に半島のように飛び出た町田市の北部を歩きます。 それでは、小田急多摩線の栗平駅からスタートです。 駅の改札をでてまっすぐ進むと、正面に低い丘が連なっています。 川崎市麻生区のこ...
-
長かった2020年の梅雨は、8月に入ってようやく明けました。 待ちに待ったシーズン開幕ですが、長期間にわたって例年の数倍の降雨をため込んだことによる増水を警戒して、先ずは「歩く」沢へと出かけました。 国道411号線(青梅街道)の古里附を(東京方面からの場合)右折して、青梅線(東...
-
梅雨も明けて夏本番となったと思う間もなく8月。 うかうかしていたら夏も終わってしまいます。 そこで、少し遠出をして信越地方の百名山 妙高山へ遠征です。 本サイトは極力自動車を用いて登山する趣旨でタイトルを設定していますが、ここに記載されているのはスカイケーブルから一般登山道を...
-
秋も本格化してきた10月の最終週に、大菩薩沢の源流に行ってきました。 大菩薩峠付近の石丸峠を水源として、長峰(ながね)を挟んで土室川と並流しながらその南側を流れる大菩薩沢は、葛野川の最源流で、葛野川地下発電所付近でマミエ沢(マシュ沢)と合流してからは小金沢と呼ばれて、2005年...
-
2021年の山の日は、東京2020開催の影響で8月第2週末に移動して3連休となりましたが、台風が接近してきました。 連休初日の土曜日の午前中までは天気が持ちそうなので、半日で終了できる短いコースに行くことにします。 山梨県北杜市のサントリー工場敷地の南際を流れる釜無川の支流神宮川...