2025年2月25日火曜日

栃木市まちなか 歴史的建造物ウォーク

 栃木県栃木市は、関東に6件しかない「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている蔵のまちとして比較的有名になってきましたが、どんな感じなのでしょうか。

真冬に訪れてみることにしました。

県境を接する茨城県西部の古河と結城を訪れた足で、JR両毛線の栃木駅に降り立ち、北口の「巴波川方面」と「蔵の街大通り方面」を分ける案内標を見て少々迷います。
蔵の街はあ巴波川沿いにあるのではなかったのか?

まあどちらでも同じところに着くんだろう と左の巴波川方面へと行くと、早速蔵の街遊歩道なる通りが出てきました。
ふむふむ、これで蔵の街に行けるんじゃないかな。

しかしながら、そもそも「蔵の街」ってどこのことを指すのでしょうか。
栃木市全体が蔵の街って触れ込みだった気もしたのですが...

遊歩道の名前とは裏腹に特に蔵が見えてくるわけでもない寂れた街中を、蔵を探して彷徨いながら北上していくと、遊歩道沿いの水路は大きな川に合流(正確には水路が大きな川からの分流)し、県道沿いに古い建物が見えてきました。

幅の広い巴波川の船着き場のような場所近くにある白壁の建物群は、塚田歴史伝説館という登録文化財の観光施設で、外観は栃木市のアイコンである川と蔵の街のイメージそのものですが、ここは目的の重要伝統的建造物群保存地区ではないことが後でわかります。

そうとは知らない今は、入場料を払って中へと入ると...
ゴム製の電動人形がお出迎え。
民謡の様な音楽と脈絡のない解説のテープが流れます。

それでも登録文化財だけあって、豪商の旧家のような立派な建物が並びます。

庭園のある母屋では老人夫婦に設定されたと思われるゴム製人形がだべります。

気を取り直して先へ進みましょう。
川沿いを北上すると、東武百貨店の建物に入る市役所の手前に「横山郷土館」がありますが、そうとは知らずにあっさり通り過ぎます。

市役所を過ぎて2ブロックほど行った県道同士の交差点付近から、巴波川との間を斜めに入って行く道路が、旧日光例幣使街道で、ここからようやく嘉右衛門町伝統的建造物群保存地区がはじまります。

街道の左側にある一軒モルタルの木造店舗と見世蔵。
舘野家

大貫家

緩くS字状にカーブしていく街道沿いには、古い建物が散在してきます。

川方向に向かうT字路脇に立つ、木造真壁出桁造店舗
天海家

その向かいが立派な蔵が立ち並ぶ岡田記念館でした。

記念館というワケありげな名前につられて、うっかり中へと入ると...

入館料を徴収された敷地の主な建物は修復工事中でした。

そして、料金所の隣の売店で、うんちくを長時間聞かされることになります。
中身はこの街は昔は栄えていて、この家は由緒ある家田だというローリングで、固有名詞がいくつか登場しますが、どれも嚙み合いません。

それで、見学できる物件はどれかと聞いてみると、先ずこの「市村理髪店」日本で最初(という説明でしたが、栃木県で最初)の床屋で、文化遺産(ではなくて理容遺産(なんじゃそりゃ))。
うぅ~ん。もうちょっと整理整頓した方がいいんじゃないでしょうか...
中に放置された自販機の方が価値がありそうに感じてしまいます。

代官屋敷だから入ってみろと言われましたが、倒壊の危険を感じたので、入ったふりだけ。
時空が歪んだこの空間。よく立入禁止にせずにやってられるな...

そそくさと退出すると、少し離れた川沿いにある「翁島別邸」にも入場券で入れるから行けと言われたので行ってみたら、工事業者が立入禁止にしてました。
もういいかと思いますが、既に栃木駅に引き返すよりも新栃木駅の方が近い場所となっていたため、新栃木への道すがら、例幣使街道に戻って残りを見物することにします。


木造店舗と見世蔵が多いですね。
落合荒物店

平澤商事

平澤商事の並びの神社の境内に入ってみると、
神明神社神楽殿

二軒置いてKAEMON BASEなるガイダンス施設がありました。
人気が無くてオープンしているのかが怪しいのと、岡田記念館の痛い経験の記憶からパスして庚申塔のY字路付近へと進みます。
石塚清次郎商店

野尻家

庚申塔を過ぎると、しばらくは平凡な地方都市の風情となり、街道の左側にこの街最北の文化財「油伝味噌」が見えてきました。

味噌はあまり使わないので中には入りませんでしたが、清潔感溢れる店構えと大きな敷地から、真面目に努力して事業を営んでいる姿勢が感じられ、ちょっと安心して駅へと向かいました。
油伝味噌

●本日の反省…本当にここでよかったのか?
 栃木市は「蔵の街」としてPRされており、観光協会のキャッチフレーズも「蔵の街として知られる栃木市。数多くの歴史的な建造物や史跡。」となっているが、歩いている間ずっと、本来の観光対象と違う場所を間違って回っているのではないか感じていた。
 帰りの東武線で改めて観光協会のおすすめモデルコースを見ると、塚田歴史伝説館や岡田記念館などが載っており、的外れな場所を彷徨っていたわけではないことがわかり安心した??
 この妙な感覚を味わったのは隣接する茨城県の2市を訪れた直後だったからだけではないような気がする。
 がんばれ、栃木。

思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら

●2025年2月21日(金)
栃木駅(13:20)→塚田歴史伝説館(13:45)
→嘉右衛門町伝統的建造物保存地区(14:15~)
→岡田記念館(14:20~14:40)
→KAEMON BASE・伝建地区ガイダンスセンター(14:50)
→油伝味噌(15:00)→新栃木駅(15:20)

GPXファイルのダウンロードはこちら。


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