2020年11月16日月曜日

三階滝沢・中ノ沢 (沢登り) 前半:三階滝沢下降

 伊豆山稜線の近くにある大滝川(仁科川水系)の支流にある”三階滝”は、踊子歩道の旧天城トンネル付近にある”二階滝”と名前の響きが似ているため、今まで天城にあるものだと錯覚していましたが、天城山脈の西側、西伊豆町の猫越岳の南側にありました。

ちなみに、安達太良山を流れる湯川にも同名の滝がありますが、こちらは遠く離れたところにあるため勘違いすることはありませんね。

WEBで”伊豆”の”沢登り”を検索すると、三方滝付近で分岐する中ノ沢と三階滝沢の記録が一緒に登場するので、古くから地元の愛好家に遡行(または下降)されているものと思われます。でも、記載内容からいまひとつ難度が読み取れず、出かけるきっかけが見つけられずにいましたが、2020年の夏に発刊された沢登りのガイドブック(「新版東京起点沢登ルート100」山と渓谷社)に同沢のガイドが信頼できる内容で掲載されたのを機会に、シーズンオフとなりつつある11月に出かけてみました。


仁科川支流の大滝川源流にある三階滝沢と中ノ沢は、三方滝付近で二手に分かれて猫越峠に向けて並流しており、沢登りの対象は県道59号線(伊東西伊豆線;西伊豆町松崎で駿河湾に注ぐ仁科川に沿って走る道路)の下側となります。

首都圏から行く場合は、伊豆縦貫道・各種有料道路を経由して月ヶ瀬I.C.から何らかの方法で仁科峠まで登り、松崎に向けて下っていきます。

西天城高原で県道410号線と分岐してからは林道のように道が狭くなりますが、舗装が途切れることはなく、遡行対象の沢に架かる2つの橋(滝見橋と三階本谷橋)を渡って200mほど下ると左(東)側の路側に退避場所がでてきます。

そこにクルマを止めると、道路の反対側に”三階滝沢歩道”と書いてある表示板があり、ここが三階滝への入口となります。

2つの沢はお好みでどちらを下っても/登ってもよく、今回は行きませんでしたが、下流の大滝へ行く歩道を使用すれば、両方を登る(または下る)ことも可能みたいです。

今回はガイドブックのおすすめに従い、三階滝沢を下降してから中ノ沢を遡行して県道まで登り、道路を歩いてここまで戻ってくることとし、先ずは三階滝沢を下降する記録から開始します。
後半に遡行した中ノ沢の記録はこちらのページに記載してあります。

というわけで、さっそく道路脇の表示板から植林の中の径を下っていきます。

道路から三階滝までは10分足らずで到着します。
最後の滝手前で横の岩壁が崩れた瓦礫で径がなくなっていますが、沢登りのゴーロ歩きと大差ありません。

滝の下に到着すると、なかなかの水量を落とす立派な滝です。

時折県道を走り抜けるバイクのエンジン音を聞きながら沢支度をして、さっそく下っていくことにします。

植林の中を流れる沢は多少荒れ気味ですが、特に困難な場所はなく、5分ほどで小滝が現れ始めます。

最初の滝の右岸側にはトラロープが張ってあったので、使用しなくとも下降できそうではありますが、せっかくなのでありがたく使わせていただきます。

以降、中ノ沢出会いまでは右岸に歩道の跡が続いていました。
ただ、ちゃんと歩けるかどうかは歩く人によりますので、以降の写真のところどころで状況を写していきたいと思います。

横にトラロープが張ってあった滝も含めて、先ずは3つの小滝が数十メートル間隔で続きます。
下の写真は3つ目の小滝で、左岸の岩をクライムダウンしましたが、基本的に全ての滝を右岸の径跡でパスすることができます。

3つ目の滝から下は谷が一旦深くなるので、沢沿いの植林の中の径跡を下ります。

しかし、立派な径跡を漫然と辿ってしまうと、藪越しに滝を見下ろしながら全て通過してしまうことになるので、所々で沢に降りて見物していくことにします。

この滝はどんな感じなのか近寄ってみましょう。

うまいことルートを選べばクライムダウンできたかもしれませんね。
遡行する場合は楽しく登れるような気がします。

意外なほど小滝が連続します。

径もあるので、使えばどんどん行程がはかどります。 かね??

一旦、人の生活感が感じられそうな苔むした河原となりますが、すぐに次のゴルジュとなります。

滝が連続するところにはナメもセットで用意されており、飽きることがありません。

平易なところは径跡に頼らず、なるべく沢の脇を行くようにしましたが、多少足が濡れるところはあるものの、浮石が少なく歩きやすい河原が続きます。

突然、歩いてくださいと言いたげな平らな岩盤が右岸に登場するので、導かれて上を歩きます。

なんと、岩盤の上には小さなガードレール支柱のような杭が等間隔で打ってありました。
金属のポールはどれも根元から下流側に倒されていますが、この杭がまっすぐ立っていたころ、ここは誰が何のために訪れていたのでしょうか。

支柱が埋まっていた岩盤を下流側から見るとこんな感じです。
この写真を撮ったすぐ横の右岸には、戸建て住宅が数件建てられるくらいの平地があり、炭焼きの跡のような石積みが残っていました。

炭焼き?の平地から下は、径跡がさらに明瞭となり、割とすぐ先で沢が右曲するところからナメとなります。
そして右岸の歩道跡は流れのすぐ脇を桟道のように並走しはじめます。(腐っているのでナメを下った方が楽ですが...)

ナメはすぐに滝となって落ちていきますので、径跡に戻って滝の下に出ることにします。

降り立ったのはガイドブックの写真にも掲載されている6mのナメ滝でした。

6mナメ滝の下も2つほどナメ滝が連続しています。
これはすぐ下にある滝。

次の滝は腐った桟道で下ります。
木は朽ちていますが、その下にある基本構造は工事用の鉄パイプなので、パイプが通っているであろうところを狙って足を置くと安定して歩けました。

桟道の上からの眺めはこんな感じ、木が朽ちてさえいなければ遊歩道気分となります。
あ、当然このコース全て遊歩道や登山道ではありませんので、沢登り同様自己責任でお願いしますね。

そして最後は、直接降りられそうにない大きな滝がでてきますので、遊歩道(跡)は落ち口の横から右岸の林の中に入り下っていきます。

林の中を下っていくと沢にでますが、この沢が直下で三階滝沢と分岐する中ノ沢です。
この沢を登って帰ることとなりますが、すぐ下流に橋が架かっているので一旦下ってみます。

橋は軌道跡だったみたいで、そのまま鉱山跡と思われるトンネルの跡に続いていました。

鉱山跡から下を見ると左岸から滝が落ちています。

この滝が今まで下降してきた三階滝沢です。
上に登って先ほど落ち口の横を通った三方滝を見物していくことにしましょう。
出合の滝の上へは、左脇にある足場を登って簡単に行くことができます。

足場を登ると、そこは短いナメとなっており、すぐ先に大きな三方滝が登場しました。

20mはあるでしょうか。
今回の2つの沢で最も大きく水量も多い滝でした。
もう少し近寄ってみましょう。

まさに前半のフィナーレとなる三方滝を見た後は、鉱山跡の前を戻って左俣である中ノ沢を遡行します。

続く中ノ沢遡行の記録はこちら。

●2020年11月15日(日)

県道59号線三階本谷橋(8:35)→三階滝(8:45)→三階滝沢下降→三方滝(10:40)→中ノ沢遡行→二層ハング滝(12:30)→県道(滝見橋;13:30)




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