2022年12月12日月曜日

房総ハイキング(三石山~元清澄山~妙見山~石尊山) 後半;清澄寺から七里川温泉

 房総半島南部の丘陵を歩くハイキングの後半、妙見山・清澄寺から麻綿原を経て石尊山(七里川温泉へ下山)までの記録です。

片倉ダム・三石山から清澄寺までの前半の記録はこちらです

清澄寺の見物を終えて正門(仁王門)に戻ってきました。
麻綿原への道は門の前の舗装道路を道なりに登って行きます。

門前集落の先で舗装が途切れた一杯水林道は、寺の敷地の北側を時計回りに巻いて行きますが、入口でいきなりゲートが閉まっていました。
土砂崩れにより危険なため通行止めとのことです。
車両のみの通行止めにしては両脇も固くガードされているため、歩行者も通れないのかと思いますが(全面通行止めなので、誰も通れないことは当たり前なのですが、「全面」が人もクルマも全てなのか、林道全面を車両が通れないことを意味するのか、自己都合の勝手な解釈で)ちょっといけるところまで行ってみることにします。

林道は時折右の海側の展望が開ける以外は、整備された普通の林道で、電柱が倒れているものの土砂崩れは見当たりません。

ところが、麻綿原が近づいてきて右下を神明川沿いの舗装道路が並走するころになると、突然一か所崩れていました。
土砂崩れの上には何者かの薄い踏み跡がついているものの、真ん中あたりの2~3歩がスリッピーで、足を滑らせると30mほど下の道まで止まらなそうです。
これは全面的に通行を止めなくてはアブナイ。

土砂崩れの場所は麻綿原側の林道入口のすぐそばで、こちら側のゲートも固く閉ざされていました。

ゲートの横をすり抜けて舗装道路を左へ登って行くと、10分ほどで麻綿原天拝園の入口となり、お寺とその向こうの丘にお堂の様な建物が見えてきます。

目的地の天拝園はどこなんだろうと思って道標を見ると、フェンスの向こう側でヤブの中を指しているので、仕方なく丘の上の六角堂(正式名称がわからないので仮称です)に登ってみると、好展望が広がっていました。

六角堂から舗装道路に下ってくると、対面に登って行く小径があるのに気付いたので登って行くと、神社があり、初日山・天拝園との表示がありました。

本物の天拝園からはさらに素晴らしい展望が開けます。
先ほど居た六角堂との位置関係はこんな感じです。

内浦山県民の森や養老川源流方面のジャングルも見渡せます。

神社の裏手に道標があったので、石尊山へと向けて入って行きます。

トレイルは一旦先ほどの舗装道路と並走して下り、道路と接するここから本格的に山の中へと入って行きます。
時刻は午後二時半近くで、冬至まで二週間ちょっととなった午後の日差しが傾きかけてきます。

さて、これから入って行く麻綿原高原から石尊山までの区間の麻綿原歩道は、標高300m前後のこれといった特徴のない鬱蒼とした丘が続く場所で、千葉の山林でも最も深い箇所の一つです。
なので、知名度は低く知る人は少ないと思うのですが、今から20年ほど前の確か2003年に、この山域で発生した30名ほどのシニア団体の遭難騒ぎが「麻綿原高原」の知名度を一気に上げ、当時山歩きなどしていなかった自分も、それがきっかけでここのことを知ることになりました。
遭難騒ぎ直後に道標が整備されたとのことですが、その後の年月の経過や2016年の台風被害の影響がどうなっているかなど、不確定要素を含めて、二の舞(日没時間切れ)にならないように祈りつつ、いざ突入。

というわけで、これといった特長がなく、ランドマークも乏しいここから先は、径の状況の記載が主となります。
ですが、なんせどこの景色も同じようなもので違いがあるのかないのかわからないので、最初にポイントとなる場所を地図でマーキングしておきます。
尚、地図に記載されているメモは通過した日の個人の感想ですので、その後の経時変化や人それぞれの着目点によって印象が大きく異なることがあります。
記載内容や現地での事故には責任を一切負いませんので、実際に行かれる場合は自己責任で状況を判断し、ご自身の能力で行動願います。

麻綿原歩道に入ると間もなく、真根沢支線歩道との分岐がでてきます。
石尊山への麻綿原歩道は右折して北へ下って行きます。

さらに左に真根坂歩道を別けると、その先の不動明王の石があるところで左(西)から広い道が合わさりますが、そちらはロープが張っており、石尊山は右側の小径です。

麻綿原歩道は三石山-元清澄山間と同様、鞍部は土橋のように整地され、石の尾根は切通しが入っていますが、何となく荒れた感じで、凸を巻いていく径もアバウト気味です。

356m標点の西側を通過して下って行くと、正面の径は植林の中を横瀬方面に下りて行きますが、石尊山へは植林手前の小さな道標に従って掘り込まれた径を左下へカーブしながら下って行きます。
荒れ気味の斜面を西に斜降すると稜線に戻るので、北へ行くとこのコース唯一の見どころ?となる巨木のゾーンとなります。

先ずは「もみ太郎」の名がついた巨木。

その先にヒメユズリハの保護樹。
楪としてはかなりの大木ですね。

しばらくいくとこれは「もみじ太郎」か?
麻綿原と石尊山のほぼ中間点となる282m標点の先にルート最大のトラップがありました。
(画像はありません)
登山道が北から西向きに曲がる290mの凸は、地形図では南西側に巻き径が描かれていますが、この径は一部消失しており、現地のピンクテープは290m凸に一旦登らせてから西へと降りるよう誘導していますが、凸からの下降方向が切り返しとなっているため、気づかずに尾根を直進して310m標点の方へ誘導されてしまいました。
310m手前で尾根が二手に分かれる(標点は北の左側)のと、マーキングが無くなっているのとでルート外れに気付き、慌てて引き返しましたが、切り返して下るところが意識してもわかりにくいと感じました。

それ以降は迷うところはないと思います。
白い壁の下を横切って小倉野の人家への分岐に近付くと、稜線の切り払いはぐっと広がり、人工物が増えて人里が近くなったことを実感します。

難所を越えてほっとする一方で、日没がどんどん近づいてきます。

たどり着いた石尊山直下は、麻綿原側から山頂に直登する径はなく、北東方向に山頂下をトラバース気味に迂回して、Uターン後にアンテナを2つ通り過ぎ、黄昏直前の山頂に到着です。

山頂すぐ西側の石祠群(大山阿夫利と大小天狗)からは、ヘッドライトを点灯して風化した石段を急降下し、湿っぽいトレンチ状の参道を駆け下りて七里川温泉に下山しました。
おつかれさまでした。
ちなみに、温泉から片倉ダムへは、デポしておいた自転車でクルマを回収しました。
いやー、これ、途中で中断する場合はどうやって家に帰るんだろう。

前半(片倉ダム、三石山、元清澄山から清澄寺の区間)はこちら。

思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら

●本日の反省
計画も下調べも、とても雑だった。
というか、無計画に近い。
・片倉ダムの通過時間に制限があるとは知らずに出発時間ロス
・一杯水林道が通行止めとは知らなかった
・麻綿原林道は運よくほぼノートラブルで通過できたが、道に迷って一時間くらいロスして暗くなってたらどうなったんだ?
・一方で、清澄寺では貴重な日照時間を削ってのんびり寺見物。
 ただ、結果的にこのお寺見物が本日ほぼ唯一の意義のように感じられたのも事実だ。
 …だったらクルマで寺見物にだけ行こう。

元清澄山周辺と麻綿原歩道は、房総南部特有の森林が続く自然豊かなところで、じっくり味わうととても興味深いところだった。
ただ、どのような手段にせよ交通の便がとても悪く、前者は金山ダムか片倉ダムからのピストン、ないしは元清澄山直下で一瞬関東ふれあいの道と共用となる田代川林道の通行止め区間を通って「道の駅ふれあいパーク・きみつ」から周回。後者は麻綿原高原か七里川温泉からのピストンくらいしか考えられない。
公共交通機関(又は乗用車2台で回収)は、恐らく「道の駅ふれあいパークきみつ」と清澄寺しかなく、この区間をスルーハイクした場合は半分が林道歩きとなる。
(石尊山周辺に至っては公共交通が全くない)
それぞれ実行した場合をイメージしてみると、なんだか無謀な計画と大差ないようにも感じるが...

休日に28kmくらい・9時間以上歩いて、途中の寺院以外で人にあったのが5回(狩猟の軽トラ3台とハイカー2組3名)だけだったことを振り返ると、もしかしてハイキングする場所じゃなかったのかも?

●2022年12月10日(土)
片倉ダム(宮の下ピクニック園地;7:30)
→三石山展望台(8:10)→地蔵峠(9:15)
→清澄山分岐(9:55)→元清澄山(10:15)
→清澄山分岐(10:45)→元清澄入口(10:25)~郷台林道~
→清澄寺(12:40)→妙見山(13:15)~一杯水林道~
→麻綿原高原入口(14:00)→初日山・天拝園(14:15)
→麻綿原歩道入口(14:25)→もみ太郎(15:00)
→標高282標点(14:25)→小倉野分岐(16:10)
→石尊山(16:40)→七里川温泉(17:05)




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