2019年6月16日日曜日

藤野15名山 (駅北側5座)

2019年の6月16日に、藤野15名山の駅北側にある5つのピーク(生藤山、茅丸、鷹取山、小渕山、岩戸山)を登ったときの記録です。
東京側の矢沢林道から、沢登りを行った後に引き続き始めたので、突然稜線上の三国山付近から始まっていますが、ご了承ください。


ここは東京都側から軍刀利沢を遡行して上り詰めた、三国山(さんごくさん)の山頂付近です。
写真右の木段を登ると、すぐそこが三国山です。
先ずは三国山とは逆方向の左(東)側に隣接する二山へ。


梅雨を彩る花が咲く登山道を少し登ると、、、


あっという間に生藤山に到着です。
南側のベンチに乗って背伸びをすると、なんとなく展望がありますが、基本的には藪に覆われた山頂です。


さらに先へと進むと、5分くらいで次の茅丸山頂に到着です。
ここも展望はありませんが、ベンチが多く休憩によさそうです。


ここから来た道を引き返して、最初の写真の階段を登ると、三国山の山頂です。
結構な人数のハイカーが昼食の支度にいそしんでいるのを横目に、写真右奥の甘草水方向へと下ります。


稜線上を甘草水まで行かずに、手前で右方向に折れると、急斜面を一気に下って、軍刀利神社の奥の院に到着します。
社のそばに、ここだけ巨大な桂の木が生えていて、なんとなくパワーを感じるスポットです。


社殿はそこから少し下ったところにあり、ここまで車道が登って来ています。


車道をどんどん下って井戸の集落を目指します。
このときは何も知らずに、思いのほか規模の大きな神社だなとしか思わなかったのですが、山梨県でも相当由緒ある神社とのことです。
https://www.yamanashi-kankou.jp/rekitabi/jisha/spot/265.html


車道を下っていくと、間もなく県道522号線(棡原藤野線)にでます。


先ほどまで居た三国山に背を向けつつ、県道を上野原方面へと下ります。


本当は、次の鷹取山登山口に近い沢井入口まで、公共交通機関で行きたいところですが、休日日中のバス便が非常に少なく、立派な舗装道路を歩いていきます。

途中にある石楯尾神社です。
藤野、上野原一帯には同名の由緒ある神社が数社あるようですが、この石楯尾はさほど有名な方ではなく、むしろ傍にあるバス停の名前(石楯尾神社前)がハイカーに知られています。


さらに県道を下り、突き当たりの交差点「井戸入口」を左折すると、間もなく右手に出てくる登山口に入ります。
登山道は最初は登り坂が多く、高度を稼いでゆきますが、


その後は雑木林の中の平凡な山道となります。


鷹取山に到着。
峰台跡との表示がありましたが、それらしき痕跡は感じられませんでした。
また、周囲の見晴らしは無く、どことどこを相手に烽火が交信されたのかは、ちょっと想像がつきませんでしたが、


途中の木立の間からは上野原の市街地らしき景色が見られたので、視界を遮るものがなくなれば、中央線沿線の御前山のどれかと連絡できたに違いありません。


さて、森の中をどんどん先へと進みます。


緩やかにアップダウンしながら、里山の稜線を歩き、残る二山を通過します。



岩戸山を過ぎると、径は下りとなり、藤野の市街地へとどんどん下っていきますが、その途中に良好な展望ポイントがありました。
相模川の谷を挟んだ南側の山腹に「ラブレター」が見下ろせます。
その周辺には京塚山や金剛山といった、駅の南側にある15名山が。さらに遠くには丹沢主脈の展望が広がります。
ここに至るまでの間は低山の藪山の中を、高速道路の騒音を聞きながら単調に歩いてきた印象が強く、なんでここに「名山」が3つなのかと思うこともありましたが、ここにきてなんとなく納得です。


最後は藤野神社の階段を下ると、駅はすぐそばです。


あと、この階段。結構急で長いです。
ちなみに、下山時は神社手前で右へと下ると車道で巻けます。


帰路の交通の便が良いところでした。


●2019年6月16日(日)
三国山(11:15)←→生藤山・茅丸(往復)
→三国山(11:45)→軍刀利神社(12:20)
→井戸バス停(12:40)→沢井入口(13:20)
→鷹取山(13:47)→小渕山(14:28)
→岩戸山(14:58)→藤野駅(15:41)

思い立ったらすぐ行ける。 首都圏近郊のその他のハイキング記録はこちら


さて、都県境の稜線から藤野駅まで、おおよそ5時間弱で5つの15名山に登ったことになります。
今回は別の計画終了から途中参戦となった形ですが、最初から15名山のピークハントを目的とした場合、どこから登りはじめると良いかを考えてみると、、、

①藤野駅からバスで和田か鎌沢入口まで行き、佐野川峠を経由して三国山に登る
 (バス停から三国山まで2時間)
②藤野駅からバスで和田に行き、山の神・連行峰を経由して茅丸まで登る
 (バス停から茅丸まで2時間40分)
③上野原駅から石楯尾神社バス停まで行き、佐野川峠を経由して三国山に登る
 (バス停から三国山まで2時間弱)
④藤野駅からバスで陣馬登山口まで行き、陣馬山に登った後、和田峠経由で茅丸まで行く
 (バス停から茅丸まで4時間10分)…2時間余計に歩いて+1山(陣馬山)ゲット
⑤お隣の相模湖駅から明王峠、陣馬山経由で茅丸まで行く
 (相模湖駅から茅丸まで5時間40分)…4時間弱余計に歩いて、矢の音、明王峠、陣馬山含む全8山ゲット

どれがおトクか/良いかは、個人の体力と価値観次第ですが、、、
ちなみに、私はどれもやるつもりはありません。
タイトル登山を意識して、仕事の延長みたいなスタンプラリーをするよりも、もっと楽しめる方法があると思うようになってきたので…。

藤野駅の南側に連なる山々を歩いてみると、なんとなく実感できると思いますよ。
藤野駅の南側にある15名山の記録はこちら。



2019年6月2日日曜日

自家用車で登る百名山 ~その24~ 立山(BCスキー)

2019年の山スキーシーズンもいよいよ最終盤です。
北東北か北海道以外の特殊なエリア以外からは既に雪消えているはずですが、どこか日帰りで行けるエリアは残っていないかしら。
お金に糸目をつけずに、時間を買う感覚で、ここならどうでしょうか?


立山黒部アルペンルートの起点。長野県大町市の扇沢駅から電気バスに乗って富山県側を目指します。
トンネルの中で県境を越えて、すぐに富山県へと入ります。


トンネルの中にある黒部ダム駅下車し、下り坂のトンネルをしばらく歩くと、、


黒部ダムの上を歩いて対岸に渡ります。
目指す立山方面はまだまだ残雪が多く、真っ白です。


対岸のトンネル内で地中を走るケーブルカーに乗り、黒部平駅でロープウェイに乗換えます。
乗換えの待ち時間を利用して、駅の屋上にある展望台から地中をくぐり抜けて来た後立山連峰を望みます。
こちらには意外と雪はありません。


振り返ってみた立山連峰は、まだ豊富な残雪に覆われています。
左肩下がりの稜線の左側にある小さなコル(雪が一番多く残っているあたりで、「東一ノ越」という場所です)の向こう側から、ここに戻ってくるのが今日の目標です。
手前側の駅に近いところはブッシュが多くなっていますが、この近くまで滑走してくるには十分な量だと感じます。


ただ、雪面の表面状態が遠くからではよくみえないので、ロープウェイの中から確かめようとしますが、展望の良い窓際は先客に占められてしまい、人込みの隙間からチョロチョロ覗きます。
あまりよく見えません…


ロープウェイからトロリーバスに乗り換え、室堂ターミナルに到着しました。
長いトンネルを抜けて降り立ったところは一大観光地で、美女平方面からは観光バスが続々と到着して人が吐き出されてきます。


先ずは、振り返ると見える雄山に登るべく、御山の右側にある一番低い部分「一ノ越」へと向かいます。


大部分の人々は室堂周辺の観光で留まりますが、それでも雄山方面を目指す登山者数は多く、しっかりしたトレースが続きます。


登っている途中の右側に見える浄土山も多くの残雪に覆われています。


室堂から1時間少々で一の越山荘の建つ一ノ越に到着です。


左(東)側にあるトイレの方向にある雄山へと向かう稜線上には雪が全くありません。
ちなみに、この写真に写っている稜線右側の雪渓は、かなり上からここまで滑ってこれるくらい雪が残っていました。


運動靴に履き替え、スキーセットを背負って一の越山荘を後にします。


少し登ると室堂周辺の大雪原が見下ろせるようになります。


こちらは反対側(一ノ越南東側)の御山谷です。
見渡せる範囲で豊富な残雪が続きます。
後ほどこの谷を下って黒部平へと向かう予定です。


岩だらけの稜線には、恐らく昨夜から今朝に降ったであろう新雪が薄く積もっています。


ただ、積もったといっても、運動靴でも問題ない程度の量です。


一の越山荘から登ること45分ほどで、山頂付近にある巨大な社務所が目前となります。


先ほどまで目の前に聳えていた浄土山(右)、龍王岳(左の小さな凸)が眼下に見下ろせます。


広い広い室堂平。


南方の遠くに見える尖っているのは槍ヶ岳ではないでしょうか。


山頂付近の岩には小さなエビのしっぽのような氷が付着し、地面も固く凍り付いています。


とりあえず一番高いところにある神社へ。


とーちょーです。


神社の先にはまだまだ立山連峰が続きます。


東側の眼下には、サル又のカールへと続く、豊富な残雪を蓄える御前沢が見下ろせます。


室堂平の先の富山平野・富山湾は雲海で多少視界が遮られています。


それでは、この大きな社務所の手前側から裏へと回り込むことにします。


アイゼンを装着してアイスバーンとなっている社務所の脇を通り抜けると、剱岳へと続く稜線が良く見えます。


眼下に広がる雪面を滑るべく、急な岩場を下っていきます。


こんな感じで下り、先ずは登って来た稜線の左(北)側にある雪渓の上部にでます。
ちなみに、登ってくる登山道の隣に見える北側の雪渓は、室堂までつながっています。


そこからは、右側にある山崎カールへと半分雪に埋もれたガレ場を横切るように下ります。


遥か下には滑りつくであろう雷鳥沢キャンプ地のテントがゴマ粒、というより芥子粒よりも小さく望めます。


凍結面と腐れ新雪が交差するカール頂部の急斜面はバックステップでそろりそろりと下り、雪質が安定したローソク様の岩の上にあるここでスキーを装着してスタートします。


少し滑ると左手に雪庇の尾根がそそり立ちます。


傾斜が少し緩やかとなると、どこからともなく2つのシュプールが現れました。


適度に急で爽快な斜面を一気に滑っていくと、


二段目のギャップ(急斜面)に突入します。
進路を北寄りにとると、先ほどのシュプールはどこかへ消え去り、ここからは大斜面を独り占めです。


右手前方に聳える真砂岳方面もいろいろ滑れそうな斜面があります。


表面は多少黒ずんだところもあり、古いシュプール痕も多少見えますが、表面はほぼ面ツルの良好なザラメ雪斜面が続きます。


最後となる三段目のギャップを滑り切ると、、、


左手遠くに先ほど居た山頂からはどこにあるのかわからなかった室堂山が現れ、


正面は雷鳥沢まで緩斜面となります。
直滑降で勢いをつけて滑ると、たちまち本当にすごいスピードがでます。


冷静に振り返ってみると、単に感覚がマヒしていただけで、まだ結構な斜度がありました。
遠くの雪面にホコリが落ちているように見えるところに目をこらすと、


こちら側から登っていくスキーヤーの人たちでした。


今度こそ直滑降で、止まりそうになってからはスケーティングでギリギリまで進み、雷鳥沢キャンプ地そばこここまでやってきました。


左手にあるギャップの左側は、もうテントが立っているキャンプ場です。


さて、ここからは浄土沢の谷沿いに、室堂山荘を右に見ながら雪の上をまっすぐ一の越山荘方面に向かうか、遊歩道を通って室堂山荘の前まで行くかの選択となりますが、はじめての立山なので、観光地見物を兼ねて遊歩道沿いに室堂方面に戻ることとします。

ということで、キャンプ場前の雪の斜面を雷鳥沢ヒュッテ目指して登っていきます。
登っている途中からは、スキーを滑り始めた雄山山頂付近が良く見えます。


斜面を高度差200m弱登り、30分足らずで雷鳥沢ヒュッテ前の広場に到着です。
雷鳥平の対岸に雷鳥沢が見晴らせる好展望。

ここからは石畳が完全に露出した遊歩道です。


遊歩道は2回大きくUターンしながら谷を迂回していきます。
距離的にはかなりの遠回りとなることに気づきます。


室堂との標高差がほとんどないエンマ台からは、完全な観光地となりました。


地獄谷を見下ろしながら、自分もすっかり観光気分に浸ります。
スキーを担いではいますが…


多くの方が雷鳥撮影に熱心です。


続いて登場するミクリガ池。


対岸の室堂ターミナル方面には多くの人々が行き交っており、時折風に乗っていろいろな国の言葉が聞こえてきます。


こちらは通行量の少ない池の東岸を通って室堂山荘に着きます。
右手遠方には室堂ターミナルが見え、すぐに登山開始したときと同じルートを辿ります。


4時間前に通ったところを、同じ方向に向けて歩きます。


午後の日差しを反射して光り輝く浄土山の雪面を、数名のスキーヤーが滑り降りています。


一の越山荘に到着です。


今度は一ノ越をそのまままっすく突っ切り、御山谷を滑走します。


右手に龍王岳を見ながら、程よい斜度の平滑な斜面を快適に滑り降りて行きます。


ただ、このまま滑り切ってしまうと、ダムから遥か離れた黒部湖岸まで行ってしまいます。
また、帰りに越えなければならない東一ノ越へとつながる雪渓がある確証が持てないため、左岸上部をトラバースする登山道へ登れる雪面が目視できるこのあたりで早めに登山道へと登ることとします。


おっ。こちら側の斜面には雪が全然残っていないぞ…
早めに登山道を歩いてよかったか。


と思いきや、途中3か所くらい、残雪を横切りました。
恐らく東一ノ越の直下くらいまで滑走しても、問題なく登ってこれたと思われます。
なんだか少し損した気分ですが、不案内な土地ではまあ仕方ありません。

雪渓のそばでは雷鳥がのんびりしていました。


登山道を進むと、間もなく1カ所だけ低くなっている東一ノ越が見えてきました。


一ノ越から1時間もかからずに東一ノ越に到着です。


見下ろすタンボ平の、雪が消えた先にロープウェイの駅舎が見えます。
あとは、あそこまで滑り降りるだけです。


今までずっと右手に眺めて来た獅子岳、鬼岳、龍王岳の面々ともお別れとなります。


左手に立山の山並みを見ながら、、、


恐らく今シーズン最後となるであろうドロップ。


出だしはボウルの壁面のような急斜面です。



縦ミゾを乗り越えながらボウルの縁を滑り降りると、


ロープウェイ駅のある左手方向に向けて進みます。


トラバース気味に滑る立山の東面は意外に急です。


ブッシュの隙間を通って左側の雪面に移ると、、、


一層激しくなる縦ミゾでジャンプしながら斜滑降していきます。
縦ミゾが深いギャップではすっ飛びそうです。


振り向くと越えて来たデコボコ斜面が続いていますが、ドロップポイントの東側(下の写真では左側)に続く尾根の斜面には、たくさんのシュプール跡がついています。


みんなあっち側を滑っているのでしょうか。
隣の芝生ではありませんが、こちらよりも縦ミゾが少ないように感じられます。

いや、明らかにミゾが少ないぞ。


しまった。
でも、ここまで来てしまっては仕方ないので、ロープウェイに近寄り、


駅舎を真下に見る位置までやってきました。


ところがここまで来ると、雄山斜面からデブリが流れてきています。


一番滑りやすい凹んだ地形は当然の如くデブリの流路となっていました。
ロープウェイの社内からはよく見えなかったのですが....


そして、デブリのない斜面にはストライプ模様の一層激しい縦ミゾが、、、


縦ミゾとデブリブロックが交差するところを、モーグルの要領で細かいターンを続けながら下り、ブッシュのなかから運よく登山道の切り払いを発見してロープウェイ駅前の園地に到着です。


駅の職員以外は誰もいない静かでのんびりした駅前で道具を片付け、ケーブルカーに乗るべくスキーを袋にしまいます。


駅舎に入る前に滑り降りて来た斜面を仰ぎます。
こうやって見ると、アルペンムードに富んだ大斜面で、まさに山スキーの醍醐味が....
縦ミゾやデブリが無ければ、やたらトラバースが長くなければの話ですが。


終電のケーブルカーに乗って山を下ります。


人々が終バスへと引き上げ、誰も居ないダムの上を歩いてバス乗り場へと向かいます。



ダムを渡ったところでやってきた関電の職員の方に「ケーブルカーに乗ったのはお一人でしたか?」と聞かれました。
「はい」と答え、二人で無人のダムを後にします。


午後6時近くなってもまだまだ明るい扇沢の駅から、春が終わり、新たに訪れた次の季節の中へと戻ることとします。


●本日の反省
①お金(交通費)をたくさん使ってしまった。
 まあいいか。時は金なり。
②ちょっと欲張りすぎた?
 最後の一ノ越~黒部平は余計だったかも。
 わざわざ縦ミゾ&デブリワールドに行かずとも、室堂周辺でもう一本滑り、トロリーバスで帰った方が良かった?
 でも、室堂の終バスは黒部平よりも1時間近く早いので、満足には滑れないだろうし、それに、東一ノ越周辺の雪面の情報なんて確実にはわからないので、どっちもどっちかも。
 いや、もしかすると、朝見たときにタンボ平の雪面が荒れているのを評価する目がなかった? トロリーバスとロープウェイの片道運賃のバイアスで、、、
 そこですか....

●2019年6月1日(土)
室堂ターミナル(9:05)→一ノ越山荘(10:20)
→雄山(11:15)→山崎カール滑走→雷鳥沢キャンプ場(12:30)
→雷鳥荘(12:55)→立山山荘(13:50)→一ノ越山荘(14:45)
→御山谷滑走→登山道→東一ノ越(15:30)→滑走
→タンボ平(黒部平駅)(16:30)




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