2022年11月28日月曜日

高尾山ハイキング(南東北高尾山稜;八王子城跡~堂所山~大垂水峠~草戸山~高尾山口駅)


首都圏の紅葉も最終盤を迎える11月末の飛び石連休の晴れた日に、近所の高尾山周辺にお出かけしました。
高尾山とそれに続く奥高尾縦走路は秋の行楽による大混雑が予想されるので、なるべく最小限にとどめて、その周辺部を中心にシーズン最後のもみじ狩り?です。

というわけで、タイトルは単なるゴロで南東北としていますが、福島県に高尾山があるわけじゃないよ。

ここはJR高尾駅からバスで10分ほどにあるバスの終点、八王子城跡バス停です。
週末と祝日だけバスが運行しています。
バス停があるお城のガイダンス施設からスタート。

先ずはせっかくなので城跡見物です。
大手門跡の階段を登って林道と並走する古道を行くと、その林道を渡る橋の先には御主殿跡の平地があります。
昔はここから山頂に抜ける山道が通れたのですが、立入禁止になっていたので、下にある滝を見て林道を引き返します。
この寄り道の分だけあとでツケが回りますが、まだそんなことには気付かず、登山口の鳥居から仕切り直しのスタートです。

曲輪の跡がある尾根を30分ほど登ると、眼下が開けて山頂となります。

トイレの奥に見える神社の先が本丸跡ですが、見晴らしが無いのでお隣の松木曲輪で景色を見ながら先ずは一服。
松木曲輪脇のトイレの横の踏み跡から富士見台を目指します。
入口の道標はありませんが、下って行くとすぐに分岐ごとにわかりやすい標識が整備されています。

人工的に作られたと思しき大きな堀切で隔てられた詰城を経由し、15分ほどのアップダウンで富士見台に到着です。
ここは小仏関跡や梅林からの登山道が合流するところで、分岐の標識からの展望はありませんが、小仏の方へ50mほど行くと富士山が見える方角だけが伐採されていました。
さてここからは、通称「北高尾山稜」と呼ばれる尾根を、奥高尾縦走路の堂所山目指して延々と歩いて行くことになりますが、多くのガイドブックや先行の皆さんの報告通り、植林の中の単調な上り下りとなります。
ですので、景色の変化は全くと言ってよいほどなく、道標の画像の羅列が続きます。

548m三角点には全く気付かずに尾根を行くと、4つ目くらいの凸(地形図の562m標点)を越えた数百m先で林道があらわれ、小下沢沿いへ下る径を分ける狐塚峠までの400mくらい並走します。

狐塚峠の先4つ目くらいの凸、612m標点には「杉の丸」という道標が立っていました。

「黒ドッケ」は恩方の夕やけ小やけに下る分岐で、ここから先はほんの少し自然林が登場します。

黒ドッケと関場峠の真ん中くらいにある580m凸には「大嵐山」の標柱。

三本松山から下ると、小下沢沿いの林道の終点「関場峠」となります。

関場峠から堂所山までの間は、左の小下沢側は植林、右の案下川水系は明るい自然林となります。

八王子城跡から寄り道・休憩込みの4時間で堂所山に到着です。
縦走路から少し離れているのに、何故か急に人が増え、休憩用のベンチは全て占領されていました。


堂所山から小仏城山までの区間は、奥高尾縦走路を行きます。
予想通り登山道は大混雑でした。

景信山は午後1時を回っているのに休憩する余地なく、そそくさと次なる小仏城山へと進みます。

小仏城山も混雑は相変わらずでしたが、山頂直下の分岐を大垂水峠方面に分かれた途端に、これまでの喧騒が嘘のように静かになります。

大垂水峠の歩道橋を渡り、次の「南高尾山稜」に入ります。
どこからはじまるのかわかりませんが、このあたりから「関東ふれあいのみち」のマイルストーンと道標が出現しはじめます。

南高尾山稜は近年、業界出版社出身の山の編集長が設定した「セブンサミッツ」なるものがあるので、またまた山中の標識撮影をはじめます。

先ずは一番大垂水峠側にある大洞山です。

大洞山から先は南側の津久井湖までの間に時折自然林があり、黄葉が見られました。

次のコンピラ山も縦走路上に山頂があります。

7つの山頂が全て縦走路上にあるのかと思い、巻き径を無視して稜線歩きを続けていると、今度は無名峰が登場します。
これは明らかにセブンサミッツではなく、なんだか損した気分で上り下りのあげく巻き径に合流します。
しかし、ここから一転して中沢山、入沢山、泰光寺山の3山は、山頂が縦走路から外れているので、巻き径策は通用しなくなります。

下の写真は中沢山の観音像です。
中沢山は、東側にわかりやすい標識があるので、気づかずに通り過ぎる可能性は低いです。
(西側にも目立たないですが標識があり、山頂を通り抜けることができます。)

中沢山と入沢山の中間くらいに、このコース唯一の展望が開ける「見晴台」があり、ここで一服します。
ちなみに、南高尾山稜は北高尾山稜とは異なり、随所に休憩に適したベンチが設置されています。

次の入沢山は山頂を通り抜ける径が無く、唯一縦走路からのピストンとなりますが、表示が小さくてうっかり通り過ぎてしまいそうです。
下の写真のベンチが入口の目印です。

3分ほどの急登で、ベンチとテーブルが整えられた「天空レストラン」があります。
(営業している店舗ではなく、飲食物は持参する必要があります)

大垂水峠から南側で展望が開けるのは、先ほどの見晴台とここの二か所だけでした。

次の泰光寺山も登山道が通過していますが、立派な巻き径もあり、かつ山頂への入口の表示が分かりにくいので、うっかり通過注意です。
巻き終わったところでそれに気づき、あわててコンクリートの急階段を登って、戻るように登頂です。
ベンチと山頂表示以外は特に何もありませんでした。

峰の薬師への分岐の先に、4本の登山道が集まる三沢峠の広場があり、そこから草戸山方面へと行くとすぐに榎窪山となります。
標柱以外何もない というよりも、ここが山頂なのだろうかといった場所です。

城山湖の外周をセブンサミッツ最後の草戸山へと向かいます。
本沢ダムのダム湖(ちなみに城山ダムの湖は津久井湖)で、揚水式発電所の城山発電所用の水を夜間の余剰電力で津久井湖からくみ上げる城山湖??の周囲は公園化されており、遊歩道と四阿などの施設が整備されていますが、ダム湖は樹間から稀にちらっと見えるだけで、何よりも遊歩道の傾斜が半端ありません。

この急登降の階段の一段の高さは太腿くらいあるのではないだろうか。
20km以上歩いてきたカラダに容赦ない階段トレーニングの最後に草戸山に到着です。

朽ちて使用禁止となって久しい櫓のある草戸山周辺には、どこからやって来たのか日没間際なのにぱらぱらと散策する人が居ます。
町田市の大戸や町田街道に近いので、近所の人が散歩がてらにやってくるのかもしれません。

日没も近いのでこのまま大戸に下りてしまうとどうなるのかを検索してみると、降りた先はバス便が少なく、駅までも意外と時間がかかるため、帰宅時間優先で高尾山口駅へと向かうことにします。

そんなことをしているうちにも、日没は容赦なく迫り、草戸峠から先は薄暮の登山道を行くことになりました。

しかもこの登山道、結構な登り返しが何度かでてきます。
東高尾山稜という呼称が正式にあるかどうかはわかりませんが、単なる下山径ではなく、まさに山稜でした。
4年くらい前に一度通ったことがあるけど、その時はそんなこと感じなかったのになあ。

日もとっぷり暮れたころに到着した四辻から高尾山口駅は指呼の距離です。
そういえば、小仏城山付近からずっと「関東ふれあいのみち」の道標に書いてあった「梅の木平」ってどこなんだろう?

思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら

●本日の反省
・距離を勘違いしていた。
南北高尾山稜共に、高尾山から景信山くらいの距離感のイメージでいたところが、実際はかなり長かった。
途中でなんか変だと思って気づいた時には遅かった。(せめて景信山くらいで気づこう)
距離と時間を積算して登山計画を簡単につくってくれるアプリが普及して久しいが、完全に取り残されてしまいました。

ポピュラーな奥高尾縦走路以外の登山道は、単調で起伏が多かった。
特に北高尾山稜の富士見台と堂所山の間は、標高差50m前後の起伏が単調に繰り返されている上に、展望は全くなく、紅葉などの彩もほとんどなかった。
それにしても展望は本当に少なく、南高尾山稜で二か所、北高尾山稜に至っては八王子城山を除くと皆無と言っていいほど無く、中間で連絡用に通った奥高尾縦走路に集中していた。
ということはあらかじめわかっていたので、心理的なダメージは無かったが、感覚としてはジムのトレッドミル上に居続けるのに近く、体力よりも胆力が試される場所かもしれない。

●トレラン天国
そういったこともあってか、ハイカーよりもトレイルランナーの方が目についた。
自分と同じ速度のハイカーと違って追い越されるからそう感じたのかも知れないけどね。
・黒ドッケ近くを歩いていたら、背後でクマが木から落ちたような鈍い衝撃音が響き、あわてて振り返ると、トレイルランナーが転倒していた。
・高尾山口目指して下っていたら、何者かが暗闇の中から地響きを立てながら荒い息遣いで突進してきたので、慌てて身を伏せてかわそうとしたらトレランだった。

ところで、「西高尾山稜」ってあるのかしら?

●2022年11月27日(日)
八王子城跡ガイダンス施設(8:25)→御主殿跡(8:45)
→八王子城山(9:20)→詰城・大堀切(9:45)
→富士見台(10:00)→狐塚峠(10:48)
→杉の丸(11:10)→黒ドッケ(11:20)→大嵐山(11:35)
→三本松山(11:50)→関場峠(12:00)→堂所山(12:25)
→景信山(13:15)→小仏峠(13:45)→小仏城山(14:00)
→大垂水峠(14:45)→大洞山(15:10)→コンピラ山(15:20)
→無名峰(15:30)→中沢山(15:40)→見晴台(15:50)
→入沢山(16:15)→西山峠(16:25)→泰光寺山(16:35)
→三沢峠(16:50)→榎窪山(16:52)→草戸山(17:12)
→草戸峠(17:25)→四辻(18:30)→高尾山口駅(18:45)




2022年11月14日月曜日

塩原滝めぐり

関東周辺の山々が紅葉ピークに差し掛かる2022年11月12日に、塩原温泉付近にお出かけした別の用事が早く終わったので、国道400号線沿いの観光滝巡りをしました。

もみじ谷大吊橋から塩原温泉までの区間にいくつかある滝をまとめて見物しようという魂胆ですが...

ここは栃木県那須塩原市にある塩原ダムです。

ダム湖の上には「もみじ谷大吊橋」という観光用の歩道吊橋が架かっており、両側が園地となっています。
ちなみに、今立っている右岸(南)側の向こう岸に国道が通っており、観光用の駐車場がありますが、クルマで矢板寄りのこちら側にやってくる人はあまり多くないみたいです。

観光用に植えられたイロハモミジは紅葉のピークです。

吊橋の通行料は一人¥300で、徴収ゲートは対岸にあります。
なので、歩いて渡らずに、クルマで道の駅「湯の香しおばら」方面からぐるっと回って国道400号線を塩原温泉方面に向かいます。

国道400号線を塩原温泉方面に向かい、「もみじ谷大吊橋」の入口を過ぎるとすぐ左側に「蟇(がま)石園地」の駐車場があります。
駐車場の看板に周辺の観光地図がありましたので、さっそく地図に従って回顧(みかえり)の吊橋を渡り、回顧の滝を見物に行きます。

園地駐車場のトイレ横から遊歩道の階段をぐんぐん下るとすぐに出てくる吊橋を渡った先に、対岸の滝を眺めることができるベンチがあります。

崖の中を横切る旧国道の下から噴き出す立派な滝です。

駐車場まで戻ったら、今度は回顧の滝の上を走る道路沿いの滝を見に行きます。
看板の地図には、がま石トンネルの川側を並走する旧道沿いには何も書かれていませんが、トンネル入り口から左に分かれる旧道に入り歩いて行きます。

すぐにトンネル(回顧隧道)とセットで出てくる橋の手前の看板の横から沢沿いに径があるので、登って行くと遊歩道が横切る滝があります。

特に名称標記の様なものは見当たらず、脇に不動尊が設置されています。

さらに遊歩道を奥へと行くと、すぐにもっと立派な滝が見えてきました。

ここにも名前を示す表示は見当たらず、落口の先で遊歩道は通行止めとなっていました。

引き返して旧道を行きます。
回顧トンネルの川側にも並走するさらなる旧道があり、そこに何故か立松和平の文学碑なるものが設置してありました。
碑の横からは先ほど回顧の滝を見るために渡った吊橋が見下ろせました。
その奥にある鉄塔は、もみじ谷大吊橋でしょうか。

この旧道は、理由はよくわかりませんが「大正浪漫街道」という名前が付いており、紅葉の名所として案内されているみたいです。

見事な紅葉の道路を行くとすぐに「仙髷の滝」と表示がある、漢字が読めない滝がありました。

さらにもう少し先にはまた別の滝がありました。
ここも名前の表示はありませんでしたが、野点(のだて)をする風情の出店があり、係の人が帰り支度にせわしないです。
観光協会のサイトによると連珠の滝と呼ばれるところなのかもしれません。

さらに次へと進むべく国道400号線(下塩原バイパス)を横断して旧道をすすみ、猿岩洞(トンネル)をくぐると...

なんと、留春の滝へと続く径は駐車場も含めて工事でクローズされていました。

というか、箒川に架かる滝へと下る径は、大規模な砂防工事と思われる構築物のためなのか、それとも消失してしまった径のための工事なのか、いずれにしても跡形もありませんでした。
というわけで前半戦終了。

次は温泉側に固まってある上流の滝群を見に行きます。
こちらは、旧国道の両側に駐車スペースがあり、トイレも完備されている竜化の滝駐車場を利用するのが便利です。

まずは、竜化の滝への遊歩道の下にあるこの滝。
旧道の橋の上から見下ろすことができますが、これが「ふせつ(ワープロで変換できないのでローマ字のひらがな書きで失礼)の滝」か?

とてもよく整備された遊歩道を登っていくと、すぐに「風挙の滝」がでてきます。
ここはちゃんと表示があるので名前がわかりました。
それにしても、どの滝も漢字や読み方が変なのはなぜだろう?

風挙の滝を脇の階段から越え、流れ沿いの遊歩道を少し行くと、岩壁の手前でスノーシェッドの歩道版のような囲いの下に入ります。

短いシェッドをくぐった先は、この遊歩道の終点にしてメインスポットの竜化の滝でした。
これは説明不要の堂々たる様相です。
あちこち行ったけど、ここだけで良かったかも。

さて、よくわからなかったり、行けなかったりが多かった滝巡りの最後に満足できたところで、遊歩道を下って旧国道に出ると、見下ろす箒川の激流の際に佇むカップルが...

おおっ。あそこに立つと、恐らくこんな光景が見えるに違いない。

ということで、最後にあそこまで行ってみることにします。

箒川に沿って流れを見下ろしながら駐車場の方に戻ります。

駐車場付近から釣り人用の踏み跡で川原に下りることができます。

降り立った河原を下って行くと。

想像通り、ないしはそれ以上の眺めでした。

落ちたらとても厄介なことになると思いますが、足下がとても安定しており、うっかり足を滑らせるという感覚ではありませんでした。

良い子はまねしないでね。
写真撮影する人もあたりをふらふらしており、思いのほか人がやってきます。

滝つぼで釣りをする人が見えますかね。ヒットしたところはみませんでした。
ちなみに、ここはキャッチ&リリース区域だそうです。

そういえば、これが布滝だったのか?

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