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2025年2月13日木曜日

六甲山 (ハイキング)

 2025年の2月半ばに、六甲山中の有馬温泉付近にある紅葉谷の滝群が数年ぶりに大規模に凍結したというウワサを聞いて、はるばる関西へと出かけました。

紅葉谷へは、阪急芦屋川駅から六甲山最高峰を経由して向かったため、六甲山系を縦断する形となり、大変長文となってしまいました。

通ったルートはおおよそ以下の通りで、10時間半の放浪の備忘録をだらだらと記載していきます。
芦屋川駅から高座の滝、芦屋地獄谷を経てB懸尾根から風吹岩
風吹岩から高座谷を経由して奥高座滝、キャッスルウォールから荒地山
荒地山から雨ヶ峠、東おたふく山を経由して六甲山最高峰
六甲山最高峰から極楽茶屋跡を経由して紅葉谷の滝見物後に有馬温泉

それでは、
芦屋川駅~高座の滝~芦屋地獄谷~B懸尾根~風吹岩

阪急線芦屋川駅の改札を出た左側の出口から、芦屋川の右岸を上流方向に向かって歩き始めます。

要所にある道標に従って40分ほどでロックガーデン入口のゲートに到着。

ゲートのすぐ先にある高座の滝の前を通りすぎて、見下ろす滝が隠れる頃に登山道を離れて左手の砂防堰堤上の川原に降り立ち、「切らないで」と書いてあるワイヤーを切らないように潜り抜けたところから芦屋地獄谷が始まりました。

巻道の様に見える踏み跡を右岸に見送ると、早速二段の滝が見えてきます。
下段は流れの左脇、上段は右側の足場豊富な岩から落口に向けて斜上しました。

標示が消えた標識の様な板が残っていますが、ここは一応登山道なのでしょうか?

右側の階段状をどこからでも登れます。

ここも右の階段状ですが、逆層の傾斜がきついので落口の右横を通る感じで通過。

二日前の降雪が薄っすらと残る中を行くと流側しか登れなさそうな小滝が見えてきました。
流れのすぐ右脇を登ると、意外と濡れませんでした。

その上のこれは階段を3段登って岩の斜面へ。

流れのすぐ左が階段状でした。

高座の滝から15分少々で、ちょっととぼけた表情の梅谷第二砂防ダムに行き当たります。
想像していたよりもかなり大きいのに驚きながら、振り返ってすぐの左岸の岩に切ってあるステップを登ってダムの上へ。
ここから地獄谷とは分かれて尾根に取り付きます。

岩に階段状に切ってあるステップに足を合わせてぐいぐい登ります。

上に雪が積もったダムを見下ろすくらい登ると、尾根の向こう側にあった西宮や尼崎の街が見えてくるようになってきました。

フリーで登るのを躊躇するような壁には、

左側にちゃんと巻き径がついていました。
B懸尾根と呼ばれているらしいこの岩尾根は、この先要所で必ずと言ってよいほど左側に巻き径がありました。

周囲で一番高いと思われる岩頭に立つと、行く手の風吹岩と思われる場所に立つ鉄塔に向けて、所々に岩が突き出しています。

それでは、風吹岩目指して岩の尾根を行きましょう。

所々でザレた柔らかそうな岩の尾根は、急降下したかと思うとまた急登といったアップダウンを繰り返してゆきます。
ステップが切ってあったり、歩いて踏み固められた跡を選んで先へと進んでいきます。

少しの距離を進むにも数メートルから10メートル程度の岩を上り下りするため、なかなかくたびれます。

左側に巻き径が続きますが、ぱっと見地獄谷の方へと下って行きそうに思えたので、岩稜に執着しながらステップと思われるところを選んで進んでいくと、スパッと足下が切れているところが増えてきました。

この赤ペンキ跡がある岩は、隙間に生えた木にしがみついて下りてきました。

徐々に荒れてきたかなと思い始めたところで岩稜は突如無くなり、藪の中の踏み跡を少し行くと、突然ロックガーデン中央稜の登山道に飛び出しました。
本日の目的の一つだった万物相は恐らく見逃してしまったみたいです。

仕方なく中央稜登山道を風吹岩まで登り、休憩します。ここまで駅から2時間。


風吹岩~奥高座滝~キャッスルウォール~荒地山

風吹岩で休憩を終え、中央稜登山道を300mほどロックガーデン側に引き返した左側にあるここから高座谷へと下ります。

陽が射さず凍結した登山道が高座谷に降り立ったところにある堰堤の標識を上流側へ切り返し、谷を遡るとすぐに奥高座滝とキャッスルウォールの分岐となる道標に着きます。
先ずは左の奥高座滝へ。

左岸の踏み跡を数分ほど登ると、沢が二俣となり、右俣が壁状になっていましたが、水は流れていません。

反対の左俣は、チョロチョロ流れがあり、一応三段滝と言えなくもないかなといった感じでした。
はて、奥高座滝はどっちだろ?
どっちでもなくて他にあったのを見逃してたとしたら、ちょっとがっかり。

分岐まで戻りキャッスルウォールへと向かいます。
ルンゼの先が見た目登れなそうだったので、左の踏み跡へと進んだら間違ってました。
ルンゼ正面を塞ぐ大岩そのものに径がついていました。

迷わずにまっすぐ登ればすぐに岩壁の下に出ます。
ビレイヤーが居ればそれほど難しくはなさそうですが、一人でフリーはちょっとためらわれます。

取り付きを探すと、左側に梯子の様なステップが切ってあるチムニーを見つけたので、ありがたく使わせていただくことにします。

が、このチムニー。奥の方のどん詰まりで傾斜が急になり、足場も乏しくなりそうです。

行き詰ったところを左のカンテに回り込んで...
お隣のルンゼの向こう側を見ると、

巻道みたいな踏み跡にピンクテープがぶら下がっているのが目に入ったので、恐る恐るトラバースしてテープがある場所へ。

以降は踏み跡を行くとあっという間に登山道に到着しました。
左の梯子岩の方へ。

さて、次なる目的の岩梯子ですが、登山道は岩を急登していくものの、それらしきものは見当たりません。

代わりと言ってはなんですが、あったのは木の梯子。

巨岩の下で見晴らしの良くなった場所からは、六甲アイランド方面が良く見えました。


巨岩をテキトーに這い上ると、先ほど休憩した風吹岩の鉄塔をちょっと見下ろすくらいの高さとなりました。

あとは笹薮の中の緩やかな登山道で荒地山に到着です。


荒地山~雨ヶ峠~東おたふく山~六甲山最高峰

荒地山からは魚屋道で六甲山最高峰を目指すべく、なかみ山へと向かったつもりでしたが、気づけば黒岩方面へと下っているではありませんか...
これでは元の高座谷に戻ってしまう。

慌てて荒地山に引き返して魚屋道に合流し、ゴルフ場の横を通過して雨ヶ峠まで。

雨ヶ峠からは東おたふく山を回って行きました。

山頂を突っ切り、土樋割峠を左折して林道を通って七曲りの下の渡渉点へ。

七曲りは、所々に石段はあるものの、一か所ある崖崩れの迂回路以外は歩きやすい緩傾斜の道が、その名の通りスイッチバックでコンスタントに登って行きます。
魚屋道に出て以降、どこを通ってもとても歩きやすくつくられた道ばかりでした。

県道明石神戸宝塚線が通る一軒茶屋に到着。
六甲山最高峰は、車道を渡った目と鼻の先です。
荒地山からここまで、道迷いを数えなければ二時間半。

巨大アンテナが立つ南東以外の展望がありました。


六甲山最高峰~極楽茶屋跡~紅葉谷~滝見物~有馬温泉

六甲山最高峰を後に、今回神戸にやってきた目的である紅葉谷へと向かいます。

最高峰からの眺めを後に、先ずは県道に着きつ離れつ続く全山縦走路を六甲ガーデンテラス方面へと行きます。

ガーデンテラス手前の県道から紅葉谷道へと入り、すぐの番匠屋畑尾根との分岐を右へと下って行きます。

下りに下って標高600mほどになると、正面に「う回路」の看板がでてきて、登山道は右折しますが、バリケードの先には登山道よりも濃い踏み跡が続いています。
看板の右上を見ると、「キケン 七曲滝 蟇滝 初心者無理」と手書きで書いてあります。
ここが七曲滝への入口。
う回路の先に入ると、径は小さな沢状を下り、すぐに3つに分岐します。
右が崩落して通行できなくなった径、正面が(恐らく)蟇滝の下流へと下る径、左が七曲滝への径です。
左に入るとすぐに二又となり、ロープが連打してある左が七曲滝への最短ルートで、右はその下流にある蟇滝を見下ろしながら滝横をトラバースして七曲滝へと続く径。

左の径では数名のおばさんがもたついていたので、右の径へ行くと、すぐに右下に蟇滝が見下ろせるので、頼りげないFIXロープ↓を伝って下流の右岸斜面を下り、滝見物です。

七曲滝へは、元の場所に登り返して、こんな感じで滝上をトラバースしていきます。

蟇滝のすぐ上は二俣となっており、左俣を覗くと右斜面に氷結した七曲滝が見えました。

七曲滝へと行く前に、右俣にちょっと寄り道してみましょう。
ゴルジュ状の右俣を入るとすぐに沢は左に直角に曲がり、少し先の左岸から↓この滝が落ちてきています。
右側に看板が掛かっており、「蟇谷の雄滝」と書いてありました。

雄滝を見送りもう少し上流へと行くと、二段の滝で行きどまりとなりました。
雌滝という名前かなと思い表示板を探しましたが、それらしきものは特に見当たりませんでした。

引き返して左俣の七曲滝に到着。

水がじゃあじゃあ流れてはいますが、立派に氷結していました。
ラッキー。



さて、「う回路」の看板まで一旦戻り、紅葉谷道を下って行くと、右岸の二連堰堤から白石谷が流れ込んできます。
白石谷の川原に降りて、二連堰堤を右岸から巻くと、堰堤上の堆積広場の左側にあまり凍結していない白石滝が落ちてきていました。

滝の下ではルリビタキが番兵の様にこちらをにらんでいます。

残る百間滝・似位滝は、白石滝のすぐ下流で合わさる右俣にあります。
正面が涸滝状に見える右俣は、左に直角に曲がり小さなゴルジュとなります。

濡れると寒い冬はゴルジュを右岸から巻いて、斜降バンドをFIXロープで降りて沢沿いを遡行していきます。

凍結した左岸枝沢の先にある小さなゴルジュは、左岸のFIXを頼りに濡れないように通過して、ユルいⅤ字の谷をチェーンスパイクのグリップをごまかしながら登って行くと、次の左岸枝沢の奥に氷瀑となった百間滝が見えました。

これは見事!

シャンデリアの様と表現する人が居ますが同感です。
はるばる来た甲斐がありました。

百間滝を見物した後は元の沢に戻り、更に上流へ。
正面が狭い枯沢となり、これでおしまいかと思うと、

本流は右に折れており、すぐ上が似位滝でした。
こちらは今居る沢よりも一段高い場所にあるので、FIXロープのお世話になって滝へと近づきます。

百間滝とは少し趣が異なるちょっとワイルドな様相。

これはこれでなかなか良いですね。
何はともあれ、凍ってくれていてよかった。
紅葉谷道に戻り、有馬温泉へと下ります。

ロープウェイ駅の横にある鼓滝公園の奥にある鼓滝に寄ってみます。

想像していたよりもずっと大きかった。
そして、思っていた以上に駅から離れていた...

温泉街を抜けて帰ります。

有馬温泉から新神戸は、六甲山をブチ抜くトンネルですごく近いことを知りました。
30分もかからないのね。

●本日の反省…いろいろ見逃した
 万物相、岩梯子、新七右衛門などなど、その名を広く知られた場所を見ずに/気づかずに通過してしまった。
 いや、もしかすると、通ったのにそれだと思わなかったものもあるかも... 下調べ不足を反省。
 それでも、それらを割り引いておつりがくるほど、変化に富んだとてもいいところではありませんか。
 関東と比較するとアプローチがほぼ無いのもGOOD!

●2025年2月10日(月)
芦屋川駅(6:20)→高座ノ滝(7:00)
→芦屋地獄谷→梅谷第二砂防ダム(7:30)
→B懸尾根→スヌーピー岩周辺(8:00)
→ロックガーデン中央稜登山道(8:15)
→風吹岩(8:20~8:35)→奥高座滝(8:50)
→キャッスルウォール(9:00)→登山道T-5(9:20)
→荒地山(9:45)→黒岩(往復;10:00)
→黒五谷分岐(10:30)→雨ヶ峠(11:00)
→東おたふく山(11:20)→土樋割峠(11:30)
→本庄堰堤北側分岐(11:40)→一軒茶屋(12:25)
→六甲山最高峰(12:35)→極楽茶屋跡(13:20)
→蟇滝(14:05)→蟇谷の雄滝(14:20)→七曲滝(14:30)
→蟇谷白石谷出合(15:00)→白石滝(15:05)
→百間滝(15:18)→似位滝(15:24)
→炭屋道合流点(16:00)→鼓滝(16:18)
→有馬温泉駅(16:50)


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