2022年5月6日金曜日

京都の庭と観客(その4;三千院・銀閣)

 前日に引き続き、ゴールデンウイークの京都旅行の二日目です。

今日6日は平日なので、昨日のような雑踏が無いことを期待して大原へと向かいます。


円町から203系統の市バスで出町柳駅まで行き、京都バスに乗り換えて終点の大原で下車します。

京都のバス1日券を使用しましたが、大原は対象エリアの外なので、追加料金¥330/人を降りるときに支払います。

バス停から上り坂を歩くこと10分ほどで三千院に到着です。


受付で拝観料を払うと、書院、客殿、宸殿の順に、連結された主要部の建屋を巡ります。

宸殿をでた正面には有清園という名のついた池泉回遊式の庭園があり、その中に阿弥陀三尊が安置された建物(往生極楽院)があります。

庭園の中を奥へとすすみ、弁天像の坂を登っていくと、紫陽花が植えられた庭園が広がっており、アジサイのかわりに大原菊という花がたくさん咲いていました。

さらに奥へと進むと不動菩薩像が安置されている「金色不動堂」がありました。
ちょうど不動様の開帳期間中で、護摩を焚いている奥に拝見することができました。

不動堂の上にある観音堂が境内の最奥・最上部となり、ここで引き返すこととなります。

が、何か大切なものを忘れているような気がします。

それは、最近のこのお寺のアイコンとなってパンフレットの表紙を飾っている、コケがついて地面に埋もれかけているあのお地蔵様です。
花に見とれており、どこにあるのかもすっかり忘れていました。
昨日世界遺産を見逃したばかりなので、二の舞とならないように、境内を探し始めます。


あったあった。
阿弥陀堂から弁天像へと抜ける間の庭にたくさん置かれていました。
さっき横を通ったのに、全く気づきませんでした。
わらべ地蔵というそうです。

有清園の先から外へと出て、宝物館を見学して昼食とします。

食事は参道入口にあるこのお店(芹生)で摂りました。
3日間で唯一の京都らしい手の込んだ料理をリーズナブルなお値段でいただきました。

30分に一本のバス時刻に合わせて、大原の里を歩きました。

さて、バスで出町柳まで戻り、今度は203系統の路線で祇園方面へ向かうと、すぐに銀閣寺道のバス停に到着します。
バス停から飲食店やお土産屋さんの並ぶ参道を歩くこと10分弱で銀閣寺に到着です。

拝観料を支払って中門をくぐると...

いきなりメインの建物の前にでます。

庭園に敷かれた砂(なのか玉砂利なのか)の意匠が独特ですね。
銀沙灘(なんて読むんだ?)というのでしょうか。

あの円錐形の盛土は向月台?

教科書や観光パンフレットではわからない銀閣と方丈・銀沙灘の位置関係はこんな感じです。

方丈の隣には、銀閣と共に建設時から残る建物、国宝の東求堂が立っています。
さて、ここまでうだうだ説明してきましたが、実際の境内の様子は銀閣寺のウェブサイトにある「バーチャルツアー」がとても優れもので、こちらを見た方がとても分かりやすいです。(最初から言えよ... スミマセン)

というわけで、ここからはバーチャルツアーを補足する場所のみを掲載します。

それぞれの建物と東側の山に囲まれた場所が庭園となっています。

しかし、自分が感じた銀閣の最大の特徴は、この展望所からの眺めでした。
名所から街を見下ろすところはあれども、名所と街を両方見下ろすところ(しかも普通に順路の一部です)はあまりないのではないでしょうか。

下ってきて銀閣の裏側を通って帰路に着きます。

●2022年5月6日(金)

平日ということもあり、人影はまばらでしたが、団体客が乗りつけるとやはり騒々しくなりますね。

次の日に訪れた南禅寺の様子はこちら

2022年5月5日木曜日

京都の庭と観客(その3;平等院・金閣)

 前回の京都訪問以来、1年半が経過しました。

コロナ禍による2年連続の行動制限が解除されて、3年ぶりに自由に往来できるようになった2022年のゴールデンウイークに、2泊3日の観光にリトライです。

早朝に横浜を出発して、京都駅で奈良線に乗り換えて宇治までやってきました。

表示に従って駅から15分ほど歩いて平等院に到着です。

どの門からも、入門するとすぐ目の前が鳳凰堂です。堂が正面から見える場所には既に大勢の人が集っています。


皆、真正面のできるだけ近いところに集中していますが、お堂の中の阿弥陀様の顔が見えるところでお願いごとをするとかなうとのことです。
近寄ってみると、サッカーの試合で勝てますようにと言っている少年をはじめ、それぞれが願い事を口にしています。

そのまま鳳凰堂と池の周りを時計回りに回って行くと、「鳳翔館」という博物館があります。
撮影禁止のため残念ながら画像がありませんが、建物も展示物も素晴らしいところで、是非ご自身の目でご覧になることをお勧めいたします。

鳳翔館を出ると、鳳凰堂の裏面が浄土宗のお寺となっており、お賽銭を伴う参拝はこちらでするみたいです。

鳳凰堂を一周ぐるっと回ってきておしまいとなります。

せっかくですので、平等院周辺を散策することにします。

平等院の正面の方向には宇治川が流れており、塔の島と橘島という細長い中州が2つ連なって、宇治公園となっています。
橘島から朝霧橋をいう橋で対岸に渡り、ちょっと寂しげな宇治神社という神社に参拝しました。
神社からは「さわらびの道」という道路を通って戻りましたが、ずいぶんたくさんの観光客とすれ違いました。
皆どこに行くのだろう?

JR宇治駅に戻り、続いて最も有名なこのお寺へと向かいます。
円町に宿をとった関係で、アクセスは京都駅JR嵯峨野線へと乗り継ぎ、円町駅から204か205番の市バスで「金閣寺道」まで来ました。
一点豪華な定番の光景です。
このブログの初回を飾った2016年以来、今回が約6年ぶり2回目の訪問です。

これは金閣以外の数少ない見どころ「陸舟の松」ですが、周回路からほんの5m離れているだけで、誰も見物していませんでした。

ここからは一旦金閣の裏側に回り込んで、背後の丘に乗りながら入場口の方向へと引き返します。

初日はこれで引き揚げます。

●2022年5月5日(祝)
 良く晴れた子供の日は、どこへ行っても人がたくさんで、世界遺産はベルトコンベア式の回遊見学に近い状態でした。

●本日の反省
 ・すぐそばまで行った世界遺産を見なかった。
 世界遺産の「宇治上神社」の目の前まで行ったのだが、そうとは気づかずに引き返した。 
 本文中にも書きましたが、「宇治神社」の帰り道で「さわらびの道」を歩いているときに、すれ違う人の多さに違和感を感じたのだが、あれは「宇治上神社」を目指す人たちだったみたいだ。
 この神社、名前が微妙に異なるが、どう違うんだろう?

2022年5月4日水曜日

自家用車で登る百名山 ~その34~ 火打山(BCスキー;惣兵ェ落谷)

4月下旬の笹ヶ峰への道路開通を機に、例年になく残雪が多いという2022年、妙高の火打山へスキーに行きました。

豪快なコースとして定番があるものの、途中のスノーブリッジ有無によりリスクが大きく左右される惣兵ェ落谷に、影火打の方向から滑りこむのが目標です。

ここは妙高市笹ヶ峰の火打山登山口です。
道路が通行可能であれば、季節を問わず、ここが火打山への最短ルートの起点となると思います。
駐車場が満車となり路駐が恒例とのことでしたが、駐車場が2割くらい空いていたのは前夜に降った雪がうっすらと積もっている影響でしょうか。
ちなみに、降雪はあったものの到着する午前7時前には全てシャーベット状となっており、夏タイヤでやってくることができました。

登山口の小屋も、周囲に雪が積もっていなかった昨年とは違い、残雪は十分です。

先ずは、最初のマイルストーンである黒沢橋目指して、極めて緩やかな樹林の中を登って行きます。

ほとんど傾斜を感じず、あまり登った実感がないのですが、歩き始めてから1時間半ほどで、標高差250mほどの黒沢橋(黒沢出合)に到着です。

橋の上から上流を見ると、沢はかなり開いていて雪解け水がごうごうと流れています。

そのとき登って来た地元の人たち何人かの意見を聞いて、黒沢沿いには入らずに、夏道沿いに登ることにします。

黒沢からの登山道は十二曲がりという名前がついている通り、このコース一番の急斜面で、昨夜の低温で固くなった残雪の上に数センチの新雪が積もった状態で、非常に表面が軟弱、かつスリッピーとなっており、クトーをつけてスキーで登っている人たちは結構苦闘していました。

登ることに割り切り、ブーツにアイゼンを着けて、シートラして尾根の上に到着です。

ここから先の尾根の上は通常雪で覆われているそうですが、何故か登山道がついている尾根の上部はブッシュが出ており、雪が残る黒沢側の側面を巻いていくことになるため、引き続きシートラにアイゼンのまま続けて登ります。

見下ろす黒沢には誰か入ったのでしょうか?

標高1950mより下くらいで傾斜が緩くなり、ようやくシール登行ができるようになります。
自分はこの先の黒沢岳西側のトラバースを警戒して、引き続きシートラで登りますが、その必要はなかったことが後でわかります。

標高2000mを過ぎると、急に傾斜が緩くなり、周囲が開けてきます。
この辺りを富士見平と呼ぶのでしょうか。
前方にちょこんと頭がでている半分雪面の山が黒沢岳ですね。

右手(東)には、それまで樹間からちらちら見えていた三田原山方面が見渡せるようになりました。

登って来たルート方向を振り返ると、とても雰囲気の良いところです。

左手斜め前方に見える高谷池ヒュッテの大きな屋根に向かって、黒沢岳をトラバースしていく途中からは、山々を覆っていた雲が晴れて、焼山や火打山も見えてきました。

トラバースの最後で登山道はヒュッテに向けて下りとなるので、スキーに履き替えて、想像していたよりもはるかに巨大な高谷池ヒュッテに到着です。
ここまで4時間半。

ヒュッテの前でお昼ご飯を食べながら振り返ってみた黒沢岳の西側トラバースです。

さて、ここからは湿原の先に頭を出した火打山を目指して、平坦なルートを行きます。

天狗の庭を過ぎたあたりから、徐々に稜線の南側に取り付いて、山頂手前の2310m凸に向けて斜登行していきます。

登りついた2310mからは、それまで見えなかった日本海側の景色が目に飛び込んできました。

前方右手(北)の火打山北尾根から後方(南東)の妙高山までの展望。

火打山は威圧的に聳えているようにも見えますが、距離的にはもう指呼の間です。

頂上直下を登るにつれて、北に続く尾根が見下ろせるようになり、背後のこれまで通って来たルートの展望を遮るものがなくなると、山頂に到着です。
スローペースなのか、それとももともとこんなもんなのか、6時間以上を要しての登頂です。

南側を見下ろすと、乙見湖の方にこれから滑走する谷が見えます。
中央に平坦に舌状に伸びていく尾根の右側のU字の谷が惣兵ェ落谷です。

滑走開始場所に向けて、影火打を目指してブッシュの中を下って行きます。

滑り始めるあたりを見ると、ちょうど影火打の北斜面から、アマナ平方面を目指して滑り始める人が見えます。
いつかは滑ってみたい、笹倉温泉まで標高差2000m近くある憧れのルートです。

自分が滑るルートの全貌が見えてきます。
既に2名の先客が滑って行った模様で、最後に遅い時間となった自分は、コル付近からトラバースしているトレースと同じ要領でエントリーすることにしました。

それでは、斜滑降で大斜面の中央に入り、滑走開始です。

傾斜が急な上部は新雪が溶け切っておらず、ちょっともさッとした印象の手ごたえでしたが、惣兵ェ落谷が眼下に現れるくらいからは、重ためではあるものの、違和感のない雪質となり、障害物の無い斜面を自由に滑って行きます。

右岸に続く嘉平治岳の雪庇の尾根を見上げるようになると、谷へと入って行きます。
谷へは、左岸から幅広い林道が埋まっているかと思うような入口が用意されており、中に入ると見下ろしていたときのイメージそのままに、廊下の様に続いています。

影火打を振り返ると、滑って来た大斜面の左(西)にあるこの沢の源頭部は大規模に地面から剥がれているのが見えます。

そして谷を下る途中も、底雪崩で茶色くなった側面の下にはブロックや倒木が転がっています。
のんびり立ち止まらない方が良いかもしれません。スピードに任せて滑り抜けていきます。

標高1550m付近で、垂直に近い側壁が全面的に雪崩れて廊下状となるところからは、先行トレースに従って左岸の斜面を斜滑降していきます。

そしてそのまま左岸から合流してくる鍋倉谷との段丘の上に到着しますが、ここからが最大の不安であった鍋倉谷の渡渉を考えることとなります。

鍋倉谷の上流方向に行けばスノーブリッジは出てきそうですが、対岸に渡った後の斜面はどこも全層雪崩の跡でズタズタです。

仕方なく、下流側へと流れに任せて行ってみると...

なんと惣兵ェ落谷との出合だけが、すっぽり雪で埋まっていました。
但し、広い出合の雪面の上には人の頭くらいの幅のクラックが何本か走っています。
(下の写真で足跡の様に見えるのは全部亀裂です)
この雪が落ちてしまうと、とても厄介なことになりそうなので、上を一気に直滑降。
可能な限り短時間で、極力勢いを失わずに対岸に滑り登る感じで滑り抜けました。

対岸の安全な場所までそそくさと登った後から振り返ります。
このブリッジはいつまで架かっているのでしょうか。先ずは自分の時に残っていて何よりでした。

鍋倉谷の左岸に渡れば、あとは単調な帰路を消化していくこととなります。
傾斜のほとんどない平地を、なるべく弥八山の裾野に沿いながら、雪質がザラメとなりよく滑るのに助けられながら、ゆるゆると下って行きます。

底に雪が残った小沢を下り、少しの平地を横切ると、林道跡に出ました。
ちなみに、台地上から林道へは、下の写真の小沢を降りましたが、正解はもう一本東隣にあるちょっと深い方の沢です。
…林道上の1256m標点の上流側3本目(写真はそのすぐ横の4本目)で、そこより上流側の沢は、中を水が流れていました。

さて、林道に降り立ったところですっかり終わった気分になったところが大間違い。
最後の徒歩が試練の時間となりました。
4km近くある除雪されていない林道は、ほぼ全区間が登りで、所々で雪が途切れているため、スキーを担いで歩くしか方法はありません。
また、雪の下が空洞となっているところを踏み抜くと、一日の疲労が溜まった足ではリカバーできずに消耗していきます。

黒沢を渡る橋のところで、やっと除雪された舗装道路に到着しますが、笹ヶ峰はまだ500mほど先(しかもここも登り)でした。
一時間の林道歩きで、滑った沢のことなんて忘れてしまった...

●2022年5月3日(祝)
笹ヶ峰駐車場 (6:55)→(登山道沿い)→黒沢出合(8:30)
→富士見平(10:25)→高谷池ヒュッテ(11:20)
→火打山(13:10)→影火打コル(13:30)
→滑走(14:00~惣兵ェ落谷)→鍋倉谷出合(14:30)
→林道出合(15:15)→笹ヶ峰(16:15)




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