2022年6月20日月曜日

姥小屋沢 (沢登り)

関東が梅雨入りした10日後の金曜日に、何故か仕事が休みとなりました。
天気予報では梅雨の晴れ間となりそうとのことでしたので、半日程度の行程で行ける近所の沢におでかけしました。

ここは埼玉県飯能市下名栗にある有馬ダムのバックウォーター、名栗湖の少し上流の道路脇です。
下を流れる有馬川の砂防堰堤から落ちる水音がざあざあと聞こえ、ガードレールの隙間から川原へと続く踏み跡の先の樹間には対岸の沢から滝が落ちているのが見えます。

踏み跡を辿って堰堤の上に立つと、対岸に見える小滝がこれから遡行しようとする姥小屋(ウバコヤ)沢です。

平瀬を渡り、姥小屋沢の左岸についている明瞭な踏み跡を登って出合の滝を巻いて行きます。
この沢は両岸ほとんどが植林となっており、途切れ途切れですが、あちこちで作業用と思われる踏み跡が下りてきたり並走したりします。

序盤はさっそく小滝が連続してきます。
最初の2mは左の流側をシャワークライムして越えます。
釜の手前右岸に踏み跡らしきものが登って行っており、恐らく巻けると思います。

次の2mは左側の緩い傾斜の岩を行きます。

その次に出てくる4mはちょっと直登は無理そうですね。

このくらいのところまで戻ると右岸に明瞭な巻き径がついていました。

巻き終わったすぐ先には、似たような4mの滝があります。
間違って同じ滝の写真を載せたかと思うくらいそっくりですが、こちらは左岸脇を、登山道にも見えそうな踏み跡が登って行っています。

ぐっと近づいてみると、滝の左側の岩盤の左隅に小さな溝状の窪みがあり、簡単に上へと登れました。

序盤の滝を過ぎると、渓相は穏やかとなります。

ここは滝のようにも見えますが、太い木が横たわっており、容易に通過できます。

そのすぐ先には標識の様なものが落ちており、左岸側から降りてきた踏み跡が右岸の脇を行くようになります。
恐らく、かつてはここに渡渉点のようなものがあり、橋が架かっていたのではないでしょうか。

標高440mくらいで沢が右へとカーブするあたりから、倒木が散見されるようになってきます。

その先の430m付近で左岸から枯沢(恐らくインゼルだと思います)との出合には人工的にも見える平地があり、対岸には枯沢が二本合わさります。
ここから470mの右岸枝沢までは少々荒れ気味の平凡な沢が続きます。

そして、490mで右岸から小さな枝沢が滝で入ると、本流には、"連なる"というほどではありませんが数個の小滝がありました。

520m二俣は水量が多くて暗い左俣へと入ります。
左俣には、ほとんど崩れてしまっていますが、かつてはワサビ田だったと思わせる石積の痕跡が続きます。

標高620m少し手前くらいから沢は二手に分岐し、50mほど併流していきます。
並走する流れが離れていくところは、右沢が3段の滝となっており、沢の中間には昔作業場だったと思わせるビニールシートの破片が散らばる整地となっていました。

ワサビ田跡の最上部を通って左の沢へと入ります。

最後の二俣を過ぎると徐々に源頭の様相が強まり、標高750m少々で水が枯れて、上部に排水溝のようなものがついたコンクリート堰堤が見えてきたので、堰堤の上で装備を解除します。

排水溝の脇を少々登って行くと、大名栗林道にでました。

林道沿いはアジサイ科の花(ウツギとコアジサイ)が最盛期で、特にコアジサイは、この後登山道沿いにずっと続いて行きます。

大名栗林道を西(上流)側へ歩いて行くと、登山道の登り口がひっそりとあるので、登って行くと槙ノ尾山の山頂に到着しました。
林の中にある平坦な山頂は、「ウバゴヤ沢ノ頭」という別名がついているみたいですが、本当にそうなんでしょうか?


槙ノ尾山からは稜線上を緩やかなアップダウンを経て、20分もかからずに棒ノ嶺(棒ノ折山)に到着です。
この山は首都圏のハイキングのガイドブックに必ずといっていいほど掲載されている人気の山ですが、梅雨時、平日の山頂に居たのは3名でした。
周囲もどんよりと曇っていて、景色がよいのか悪いのかもよくわかりません。

クルマを停めた場所に戻るべく、名栗湖畔へと登山道で下山しますが、ここからの下りで棒ノ嶺の人気を実感することになります。
多くの方がご存じだと思うので写真では掲載しませんが、下り始めた途端に、表土流出のため木の根が張り巡らされた登山道となり、急坂に設置された丸太の階段も抜けたり空中に突き出したりしていました。
山の東と西で地質が異なるからではなくて、登山者が劇的に増えたためオーバーユース気味であるためと予想されます。

滑りやすい土の登山道を下り、大名栗林道を渡って白谷沢の登山道へと入ります。
白谷沢沿いにつけられた登山道は、急流の中を通り、沢登り気分が味わえるのが人気とのことですが、しばらくは平凡な登山道が続きます。

標高650mより下まで下って、ようやく「白孔雀の滝」の標柱がたつところからゴルジュが始まります。
このゴルジュは標高差だいたい150m弱で、距離は300mほどのように感じ、あっという間に通過してしまいましたが、急な箇所にはクサリが整備されており、沢沿いも足を踏み出したいところに濡れないように岩が置かれていて、特別な装備なしで沢登りの気分が味わえるとても便利なところだと思います。


ここには確か「天狗ノ滝」という標柱がありました。

道標がある広場状のところで急流沿いの径は終わります。

通過してきたゴルジュを振り返ります。
ここから下の登山道は沢のかなり上につけられており、下って行くと徐々に蒸し暑くなってきます。

間もなく名栗湖畔の登山口に降り立ちますので、上流側に向けて湖岸の舗装道路を歩き、出発地へと戻ります。


●2022年6月17日(金)
姥小屋沢出合前路肩駐車スペース (9:40)
→姥小屋沢遡行→丸太橋跡(標高425m;10:20)
→520m二俣(11:00)左俣→620m二俣(11:30)左沢
→大名栗林道 (12:07)→登山道→槙ノ尾山(12:53)
→登山道→棒ノ嶺(13:10~13:25)→権次入峠(13:30)
→岩茸石(13:50)→白谷沢登山道→登山口(15:00)
→ 駐車スペース(15:40)

●本日の反省
①棒ノ嶺へ行かなくてもよかった?
 成り行き上、有名な棒ノ嶺に登頂してみたが、これといって特徴があるところではなかったように感じた。
 大名栗林道にでたところで(槙ノ尾山方面にはいかずに)反対側に進みそのまま白谷沢を下るか北東尾根を下山するのが労力が少なくて良いと思う。
 いや、槙ノ尾山の下から仙岳尾根を下れば、下山後すぐにクルマに戻れたな...

②収穫無し
 上記でかなり否定的なことを書いたが、実は今回は林道脇に自生するイチゴの収穫が目的の一つだったが、全くあてが外れてしまった。
 しかも、道中の川からも何も得るものが無かった。
 手ぶらで帰るのもなんだと思い稜線まで登ってみたものの、案の定植林の中に収穫できるものがあろうはずもなく、棒ノ嶺に到着した時点で結構気落ちしていたことが、その後の感想にかなり影響したかもしれない...

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