炎天下が続く中、奥秩父に納涼にでも行こうと思い、午前8時前から30℃に迫ろうという勢いで気温が急上昇する秩父盆地をクルマで走っていると、7月13日に発生した国道の崖崩れで「大滝から先へは通行止め 三峰神社・山梨県へはいけません」の表示が出てきました。
ちょっと面倒だけど、大血川沿いの林道で三峰に抜ければ何とかなるさ と思っていたら、贄川で地元自治会と国土交通省の検問に止められてしまいました。
「太陽寺に修業しに行くんだけど...」と見え透いたウソを言ってはみたものの、当然お見通しで、「国道が使えない間は、その道は地元生活者優先なので遠慮して!」と、丁寧だが妥協ない姿勢での一点張りだったので、仕方なく引き返します。
国道140号線(秩父往還)を熊谷方面に走っていたら、武州日野駅の近くでそば処「和味」の看板が目に入り、かつてコロナ禍の暑い夏にその地を訪れた記憶が蘇りました。
まだ営業開始していない蕎麦屋の先にある十二天神社の駐車場にクルマを停めて、明ヶ指のたまご水・カツラの標識に従い、森の中を下って安谷川を渡り、人気のないキャンプ場を通過して、川原の「たまご水」に到着。
少し水量が多めなのでしょうか、猛暑でも生温くなっていない清冽な水が流れる川原を、時折プールに浸かりながらのんびりと遡って行きます。
遡行開始してから一時間少々で、左岸から小沢が入ると、すぐ先で最初の「通らズ」、第一ゴルジュに到着しました。
がんがん泳いでいきます。
が、手掛かりまで到達できずに押し戻されました。
ここで沢装備に変更して、すぐ上流にある桂の大木から入渓します。
が、手掛かりまで到達できずに押し戻されました。
日差しが当たる岩の上で休憩して呼吸を整え、もう一度挑戦。
ということを4回ほど繰り返しましたが、泳いで到達できる場所はどれも変わらず、体力が消耗してくるのと、計画外の行動で防水対策してなかったザックの重量が増加してくるのとで、泳いでの通過をあきらめます。
ここは前回来た時も同様に通過できず、延べ10回以上水泳での敗退を繰り返したことになりました。
というわけで、左岸のバンドから巻きます。
ゴルジュの奥が見通せるところまで来ると、下に降りるヒモがでてくるので、4年ぶりに再度お世話となって、泳いで着くはずだった場所に降り立ちました。
ここから先は泳がずに通過できます。
通って来たバンドと下ったヒモを振り返り、
その先の小さなプールの小滝でゴルジュはおしまいとなります。
少しの間岩盤の流れを行くと、
コケ玉のような大岩の先くらいから人の気配がするようになったかと思うと、浅いゴルジュ状に入って行きます。
このプチゴルジュは左岸のすぐ上に人が通過できそうな広いバンドが続いており、そこへと登るロープもありますが、今日くらいの水量であれば簡単に中を通過できます。
正面遠方に高い二段滝が見えてくるところでプチゴルジュは終わり、左岸のトラロープで上へ登ると、先ほどから見えていた高い滝の枝沢との出合に到着しました。
右の洞穴みたいな流れが本流で、ここから二番目のゴルジュが始まりますが、先ほどの水泳の疲労が残っていたため、中は通らずに、枝沢の滝との間にある岩の上を通過。
その先すぐで第二ゴルジュ核心部の二条滝となります。
ここは4年前水流にはじき返されて正面突破できなかった場所ですが、なんだか釜が土砂で浅くなっているではありませんか。
放置されたボルト抜きを横目に進んでいくと、足が着かない距離は2m足らずで、あっけなく岩に到達。
水中を探ると、ちょうどこの場所に楽勝で立てるスタンスを発見。
コケのフリクションで登りました。
すぐ先のシマシマの岩壁を通過したら、第3ゴルジュが見えてきました。
滝の脇にも、ここを歩いてくださいといった足場がありましたが、
ここはたしか奥の小滝まで足が着いて歩けたはず...
と思って突っ込んだら、深くて全然足が着かなくなっていました。残っていた体力は全てここに注入。
残るは脱渓場所までの巨岩川原歩きです。
ここはすぐ横を歩いていけますが、意味のないヤツメウナギ泳法で通過。
右岸から滝の枝沢が落ちてくると、そろそろ終了点が見えてきます。
正面の小沢が脱渓する左岸枝沢で、本流は左折していきます。
残るは脱渓場所までの巨岩川原歩きです。
左折の先は...
こんな感じで、一時間の林道歩きに備えたクールダウンポイントとなってます。
ちなみに、ホールドが多い右壁を足側としてブリッジで行くことができました。
正面の枝沢を50mほど行くと、秩父併用林道のガードレールが見えてきました。
11:00開店でラストオーダーが13:30と、なかなかレアな営業で、沢登りのついでに行くには入店が高難度です。