2022年2月7日月曜日

三浦半島ハイキング(披露山公園~長柄桜山古墳~阿部倉山・二子山~中尾根~畠山~上山口棚田)

2022年の2月上旬は、凄まじい寒波がやってきました。
北陸や上越の山々が豪雪に見舞われる間は暖かい関東の日差しの中でのんびりハイキングします。

ただ、今年は寒気と風速がことさら激しく、関東でも通常の年の様な快晴と視界良好な状態にはなかなかなりません。

2020年の3月に新逗子から現在の駅名に変更された京急逗子線の終点、逗子・葉山駅からスタートです。
南口を出て直進し、逗子の宅地の中をさまよいながら街の西側を目指します。

逗子開成中高校の中を通り抜けながら、大きなアンテナが立つ山へと進んでいくと、披露山公園へと登るトレイルが始まり、登りきると駐車場のある山頂に到着です。
今回歩いた道以外にも、公園への道は複数ある模様で、かなりテキトーに歩いても到着できそうな気がします。

駐車場の少し先にある広場には、小動物を飼育しているいくつかの檻と、円盤型の展望台があり、展望台の上からは西側に広がる湘南海岸の絶景が見渡せます。

江ノ島の奥にある富士山は4合目付近まで雲がかかっています。
この日はついに全貌を拝むことはできませんでした。

展望台から見下ろすUFO型のサルの檻の向こう側からは、葉山港がある南側が見下ろせます。

逗子海岸は手前の丘に隠れて見えませんが、三浦半島の海岸線と、沖に浮かぶ大島がよく見えます。

こちらは港の左手に続く田浦方面への平地と、これから歩いて行く三浦半島の最北部の山並みです。

それでは、あの山々を目指して、先ずはこのハイキングコースを下って行くことにします。

浪子不動への径は、谷の中を下って行きますが、事前のイメージとは異なり、高い木に覆われておらず、日差しがよく差し込みます。
明るい谷を15分ほど下っていくと、不動の建物が立つ海岸に降り立ちます。

国道134号線を少々歩くと、逗子海岸の北端に到着しますので、砂浜を歩いていくことにします。

田越川の河口に架かる橋を渡った信号を左折し、すぐ先の小さな表示を右折すると住宅地の中に蘆花記念公園があります。

園内の上部にあるクローズしてしまった資料館の裏手から急坂を登り、長柄桜山古墳群へと向かいます。

登りついたところには2号墳の前方部があり、上に登ると、江ノ島の向こうに富士山が望めました。

もう一つの1号墳は、背後の後円部の先を尾根沿いに500mくらい行ったところにあり、整備工事中でした。

三段になっている後円部のすぐ下には葉山桜山団地の住宅地が広がっています。

少しの間住宅地の中を歩き、森戸川沿いの長柄へと、長い階段を下って行きます。

県道311号線の川久保の交差点を通過し、セブンイレブン葉山町長江店の裏手から、正面に見える阿部倉山を目指していきます。

この石碑や庚申塔がたくさん立っているところが阿部倉山の登山口で、すぐ上にある六地蔵から急登一気で、植林に囲まれた阿部倉山山頂に到着です。

阿部倉山から東側は、生育する植物の密度が一気に濃くなり、森戸川源流部の装いを呈してきます。

その名の通りツインピークとなっている西側の凸を過ぎて一旦下ると、三角点がある方の二子山の山頂周辺が見えてきました。

三角点と巨大アンテナ塔が立ち、家族連れの歓声が響く山頂には木製の小さな展望櫓があり、金沢や追浜方面が遠望できます。

反対の南側は、これといった特徴のない三浦半島の深奥部の山並みの遠くに湘南国際村の丘が見えました。

二子山山頂からは、一旦林道跡を下り、「ふたこやま28」のプレートを右へと入ります。
この28番の横には「ず-10」の案内標柱があり、さらに下っていくとすぐにでてくる「ず-9」の案内標柱もこれまた右折すると、径は涸沢沿いに下り、森戸川上流の中沢に降り立ちます。

森戸川(中沢)に突き当たったところには、左を差して「うなぎ淵」なる標識がありました。
なんだろな?

水量の乏しい川を歩いて、うなぎ淵の方向にちょっと行ってみましたが、少々進んだだけではそれらしいものは見当たりませんでした。
「うなぎ淵」を見ることが目的であったら、もう少し気合を入れて進んだのでしょうが、粘着性の水がちょろちょろと流れる沢に期待しすぎるのもよくないと、「椿尾根」の標識があるところですぐに引き返しました。

この川の源流域一帯は、見た目が房総の沢をさらに小規模にして、かつ水流を止めたような外観なので、篤志家以外は楽しんだり、自然の美しさを感じたりするのは難しそうなところです。

さて、引き返して中沢を下ります。
崩れた斜面からトラロープで川原に降り、河原に降りたり斜面に乗ったりの径を少し行くと、左岸の尾根の突端に意味ありげな踏み跡が下りてきています。

踏み跡を少し登ると、通せんぼするトラロープが張ってあり、立入禁止の古びた看板がありました。
ここが「中尾根」登山道(ではなくて廃道)の入口となります。

森戸川の中沢と南沢の中間を乳頭山に向けてまっすぐ登る中尾根は、入口の警告とは裏腹によく整備された歩きやすい径で、かつての登山道の名残なのか、要所に現在地番号が張られた看板が設置してあります。
但し、時折急な崖の上を通過することがありますので、転落には要注意です。

ここは、中沢と南沢を結ぶ径が交差する十字路の六把峠で、乳頭山へは直進して登って行きます。
(上の写真は峠を南沢側から撮ったもので、森戸川から乳頭山を目指す場合は左から右へと抜けます)

さらにもう一度、中沢と南沢への径が(今度は変則斜め状に)交差すると、徐々に傾斜が緩くなり、空が広がって鉄塔の下に出ます。

最初の鉄塔の下をくぐり、作業径の階段を登って行くと、乳頭山直下にある2つ目の鉄塔、東京南線1・2号線の34鉄塔となります。

鉄塔すぐ先の遭難事故注意(FK-2)看板で田浦・東逗子方面からの正規登山道に合流します。
坂のすぐ上が乳頭山山頂です。

冬型の気圧配置の今日は、本来であれば青空が広がるのでしょうが、強い寒気のためなのか、ずっと渋い空模様です。

山頂の木立の合間からは、東側の金沢八景から横浜へと続く海岸線や、横須賀港の展望が広がります。
のんびり眺めたいところですが、三浦半島の代表的なハイキングコースのためか、人がぐっと増えてきて少々落ち着かないのが難点です。

さて、先へと進みます。
乳頭山から南へと少々下ると、畠山への分岐があるので、左折して畠山へと向かいます。

左折したとたん、またまたハイカーはぱったりといなくなり、ひとりぼっちの径を行くことになりました。
畠山周辺のトレイルは、途中少々アスレチックな個所や崖上などの2~3か所で展望が開けるところがあるものの、変化に富むというよりは、ザ・三浦半島といった感じの、見通しが効かない藪の径です。
ただ、立派な標識がしっかり完備されており、迷うことはありません。

乳頭山から30分少々の単調な上り下りで、畠山に到着です。

東側の樹間から横須賀・富津方面が見渡せます。
手前の猿島や、東京湾と浦賀水道の境界上に点在する海堡群が見えます。

それでは、南側の下山川沿いの里へと下って行きましょう。

登山道は竹林のすぐ先で木古庭集落上部の車道にでて、県道27号線の不動橋交差点へと下って行きます。

不動橋の信号の向かい側の川沿いの道路が不動滝への道で、県道沿いの山里を見下ろしながらアップダウンしていくと、10分ほどで不動滝があります。
滝の前は園芸屋さんの金属壁で視界が遮蔽されており、あまり霊験あらたかといった感じはしません。
水量は、三浦半島では随一かと思いますが、他の地域であれば、まあ普通の小滝といった感じで、この小さな半島にあるからこそ感じるご利益かもしれませんが、とにかく、枯れずに流れていただけるのはありがたいことです。

さて、上山口の棚田を目指して、田舎道をさらに進んでいきます。
大沢という小沢に沿ったここを下っていくと...。

規模は小さいものの、棚田が広がっていました。
ただ、見える角度が今一つで、説明されなければ平凡な単なる草の斜面に見えてしまいます。

お、こんな小さいたんぼもあるぞ。

あっという間に棚田は過ぎ去り、下の杉山神社まで下ってしまいました。

「棚田」だとわかる角度から見るべく、反対側の公民館前の道から上部に登り返してみることにします。

上を通る車道まで登っている間に一転雲行きが変化し、下山川の谷が霧に覆われたと思う間もなく、雪が降り始めました。

雲の切れ間から青空が覗く状況で15分ほど降った通り雪?は、すんなり最初から棚田を見下ろすここに来ていれば巡り合わなかったであろうくらい、あっという間に過ぎ去ってしまいました。
雪の後には夕空が広がりました。

帰りのバス停までは迷走して車道を遠回りしてしまいましたが、棚田からすぐに帰るには、県道27号線(横須賀葉山線)の上山口小学校前のバス停に行くのが便利だと思います。
それぞれのバス便は1時間に1本ほどですが、逗子駅行きとその逆方向の衣笠や汐入行きの複数の路線が通るので、行きたい駅を選ばなければ10分も待てばどれかのバスがやってきます。

思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら

●2022年2月5日(土)
逗子葉山駅(10:00)→披露山公園(10:35)
→浪子不動(11:00)→逗子海岸→蘆花公園(11:35)
→長柄桜山古墳(11:45~12:05)→阿部倉山(12:45)
→二子山(13:25)→森戸川(13:45)→中尾根(14:00~)
→六把峠(14:30)→乳頭山(14:50)→畠山(15:25)
→不動橋(15:45)→不動滝(15:55)
→杉山神社(16:25)・上山口棚田→新沢バス停(17:05)





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