2024年5月25日土曜日

釈迦ヶ岳・八方ヶ原 (ハイキング)

 栃木県矢板市にある八方ヶ原は、5月の良い時期に「山の駅たかはら」をピンポイントで訪れたのみ(しかも目的はお隣の那須塩原市の滝巡り)で、その時周囲にたくさん居たハイカーや行楽客がいったい何を見物しに来ているのだろう?と不思議に感じていました。

そこで、今回は「八方ヶ原」https://happyhappo.net/に焦点を絞って行ってみることにします。
まずは釈迦ヶ岳登山から。

県道30号線(関谷街道)の泉交差点のT字路から県道56号線(八方道路)をひたすら登って行くと、学校平の「山の駅たかはら」の100m少々手前で左折して大間々台へと登る道路があります。
休日は混雑するから利用は避けてと書いてある道路を登って行くと、小間々駐車場から上はツツジの原となっていきます。

終点となる大間々台の駐車場には展望台があり、普通車枠がちょうどいっぱいとなった平日の駐車場とフェンスに囲まれたツツジの群落が見下ろせました。
赤いヤマツツジとオレンジ色のレンゲツツジがポツポツと咲いていますが、駐車場で作業していた職員の方によると、今年はこれでほぼ満開の状態で、昨年と比較すると非常に少ないとのことです。
ちなみに、非公式なウワサによると、ここのツツジ開花は奇数年が豊作となる傾向があるらしいです。

それから、大間々台から上はツツジの生育そのものがぐっと減ってくるので、花を見るならここから下がおススメです。

それでは、駐車場の端にあるトイレの裏からスタート。
今日は山麓の矢板や大田原の町では30℃を超える真夏日となるそうで、10:00を過ぎたここもギラギラと日差しが照り付けて気温がぐんぐん上昇してきました。

なので、登って行く2つのコースのうち、日差しが少なそうな「林間コース」を選択しました。

コースは全て森の中にあり、道半ばほどで沢を渡ってからは緩い尾根状の植林~自然林を登り、八海山神社というところでもう一つの「見晴らしコース」と合流しました。

神社から10分登って矢板市最高点を過ぎた先からは下りとなり、そこで大入道からのコースを合わせます。

この分岐を30秒ほど登ったところが剣ヶ峰です。

剣ヶ峰から樹間に見える釈迦ヶ岳までは、弓なりに続く尾根上をアップダウンを繰り返しながら行くことになりますが、ピークハント的には非効率なこの尾根は樹林がとても美しいところでした。

初夏の日差しの中、芽吹きが進んだり、緑が濃くなっていく木々の中を緩やかに上り下りしていく、まさに稜線漫歩。

釈迦ヶ岳が近づくと最後の急登となりました。

裏側にスキー場がある明神岳とその山並みを振り返りながら、ロープの急登を何か所か登りきると、鶏頂山への分岐が出てきて山頂の台地に到着です。

分岐から緩く登って行くと、すぐに高原山神社が立つ山頂に到着。

出発した八方ヶ原

山麓の牧場

先に続く西平岳

西側には山頂に大きな建物が見える鶏頂山
駐車場から2時間ちょっとで満喫できる大展望です。

帰りは同じ道を引き返します。

剣ヶ峰と矢板市最高点を登り返して...

八海山神社からは青空コースを下ります。

青空コースの上部は石ころだらけですが、名前の通り晴れていれば青空が一面に広がるであろうところで、登って来た釈迦ヶ岳や山裾の展望が良いです。

標高1450mほどまで下ってきてミツモチへの古い分岐表示があるあたりからは森の中となり、右下からやってくる林道を見下ろすと、やがて登山届の鳥居で合流します。

数少ないツツジを見ながら林道を行くと、遠くで駐車場のクルマが光るのが見えてきました。

●2024年5月24日(金)
大間々駐車場(10:10)→林間コース
→八海山神社(10:55)→矢板市最高点(11:05)
→剣ヶ峰(11:20)→釈迦ヶ岳(12:20~30)
→剣ヶ峰分岐(13:30)→矢板市最高点(13:40)
→八海山神社(13:50)→見晴コース
→登山届ポスト(14:30)→大間々駐車場(14:40)



■その他の八方ヶ原
八方ヶ原の周遊マップに描いてあるところにいくつか行ってみました。

●先ずは県民の森管理事務所のそばにある宮川渓谷遊歩道。

森林展示館の駐車場のすぐ横にある「創造の滝」です。

創造の滝の下にも遊歩道は続きますが、すぐ下から伏流してしまい、「反省の滝」は涸れていました。また、更に下には五条の滝なるものもあるように書いてありますが、遊歩道そのものが通行止めになります。

「創造の滝」から県道272号(森矢板)線を挟んだ上流には「傾聴の滝」があります。

●赤滝鉱泉の横を流れる中川の上流には「赤滝」があります。
が、残念ながら2024年の5月にはこの滝への道路が土砂崩れ通行止めで、行くことができません。
土砂崩れの現場は滝よりも下流の赤滝鉱泉側なので、中川に架かる県民の森の橋からバリケードを越えて行くことになりますが、自己責任となります。

●最後は周遊マップの枠を外れて、山縣有朋記念館。
県の文化財と日本遺産(それって、何だっけ?)で、明治の長州藩閥・陸軍のドンで総理大臣も務めた山縣氏の遺品が展示されていますが、歴史や山県有朋の功績はあまりわかりません。(文化的な情報だけなら記念館のHPや一般的な歴史資料の方が役に立ちます)
ここの「売り」は田舎の家に遊びに来ているアットホームな感じ(実際に誰か住んでいる?)と、学芸員の淹れてくれる一杯のコーヒーでの他愛無いおしゃべりの時間です。

閉館後、この地の開拓に着手した当時を記す手書きの展示資料の記憶を頼りに、当時の場所にあるであろう神社や水源の谷を閉館後に散策したところ、一瞬130年前にタイムスリップしたような感覚に捕らわれました。
過去へと呼んだのは、幾多の戦争で生き残り近代日本の礎を築いた偉人と、その人が開拓者に分譲するために建てた農場の小さな別荘とのギャップだったのか、コーヒーの香りだったのか。


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