2021年5月25日火曜日

スッカン沢・桜沢 (沢登り) 前半:スッカン沢下降

2021年はゴールデンウイークが終わる間もなく、本州の上には前線が停滞しはじめ、梅雨入り宣言は出されていないものの、実質的には梅雨同様の天候が続きます。
ワクチン接種もなかなか捗らず、お出かけしにくい環境が今しばらく続きそうです。

 長いルートで悪天候に見舞われた時の痛手を考えて、歩行距離がとても短く、しかも遊歩道とほぼ完全に並走している栃木県矢板市・八方ヶ原を流れる鹿股川のスッカン沢と桜沢に行ってきました。

まずは、最初にスッカン沢を下降したときの記録です。

この後に遡行した桜沢の記録はこちらです。


ここは矢板と塩原温泉を結ぶ県道56号線がスッカン沢を渡る橋の上です。
橋の塩原側から、沢沿いに雄飛ノ滝へと続く立派な遊歩道を使ってスタートです。
遊歩道入口の対岸に10台少々停めれる無料駐車場があり、立派な看板も設置されていました。

駐車場で沢支度をしてから遊歩道を下ること約数分。
下の写真の小さな橋の手前から、すぐ下を流れるスッカン沢に入渓しました。
もちろん、スタートの橋の下から沢を下ってもOKです。

入渓した場所のすぐ下流で沢は急流となって落ちていきます。
なので、右岸から巻いて下に降りることにします。

右岸には小さな枝沢が流れており、テキトーなところから枝沢に下りて、出合へと下っていきます。

本流に戻ったところで一枚。
濡れることを厭わなければ、流れの左側をクライムダウンできないこともないかな?

小滝の周囲はこんな感じです。
下の写真左側に写っている小沢から巻いて降りてきました。

小滝の下で沢が狭くなっているところを通過すると、右岸から水が滴り落ちる下流側の廊下状の地形が見通せます。

沢の両岸から庇(それとも高速道度の防音壁?)の様に張り出した軒先から、雨垂れにしては激し目の量の水が落ちてきます。

少し下ったところから、通過してきた沢を振り返ります。
水が落ちてくるのは遊歩道と反対の右岸だけですね。
両岸がハングしているのは変わりませんが、下るにつれて徐々に河原が広くなってきました。

河原が広がってからも、右岸側からは断続的に水が落ちてきます。

そして、水が落ちる岩壁は徐々に高く、右奥へと広がっていきます。

それにつられて、右岸から水が流れてくる方向に入っていくことにします。
何本かの小さな流れが落ちてきており、その先では…

木々の向こうに大きな滝のようなものが落ちるのが見えてきました。

視界が開けたところに出ると、何条かの流れが落ちてきている広い岩壁でした。
ちょうど愛好家の方が写真撮影に興じています。

邪魔にならないように近寄り、全体を撮影すると、こんな感じでした。
パノラマの画像処理がうまくいかず、中央の少し右が出っ張っているように写っていますが、実際はほぼ平坦な屏風状の壁です。

部分ごとに撮るとこんな感じですね。
この滝の岩壁は、標高820m前後の右岸の少し奥まったところにあり、遊歩道の看板の地図には、そのあたりの枝沢を指して「素簾(それん)の滝」と表示してあります。
ちなみに、ヤマレコで「素簾の滝」を引いても、出てくるのはこのすぐ下のスッカン沢にある淵の写真で、「山の駅たかはら」のトイレ付近にある古い案内板でも本流にある様に表示されているので、いったいどこのことだろうと思うのですが、地元ではこの岩壁のことをそう呼んでいるものと思われます。

さて、素簾の滝の沢が流れ込むあたりから、スッカン沢は何となく水と接する石の色が白くなってきたように感じます。

沢底が白いためなのか、それとも水質が変化したのか、何となく水面が青みがかって見えるようになります。

スッカン沢を下り続ける間も、右岸の森の所々では岩壁から水が落ちてきているのを垣間見ることができます。

そして、あちこちにカツラの大木が立っています。
早朝の雨に濡れた新緑が鮮やかで、まるで森が黄緑色のビロードを纏った様に感じました。

そしてすぐに、水面が水色に見える小さな淵に到着します。
そういえば、最近はこの沢の水が青く見えることからSNSなどでは「スッカンブルー」なる言葉が定着しつつありますが、現物を直接間近で見る限りは、青白色の絵具を少し垂らしたくらいの感じで、固有名詞が付くほどのものではないように見えます。
最初は曇天のせいで色がくすんで見えるのかと思っていましたが、帰宅してから他のSNSの写真などを見せていただいているうちに、どうやら”ブルー”の呼び名には撮影後の画像処理の影響が大きいのではないかと感じるに至りました。

なので、さっそく画像加工用のエンジンで手を加えてみます。
使用したのはアドビの”Lightroom”無料版で、プリセットされている「ビビッド」の変換をすると、薄乳白色が鮮やかな青色に変わります。

下に比較サンプルを載せておきますね。
上の写真がデジカメ画像そのままで、実際に自分が肉眼で見たものにとても近いと感じる色。
下がビビッド処理したものです。
これ以降、「スッカンブルー」を表現するため、青色の水面が写る7枚の画像に同じ処理を施しましたので、ご覧になる際は、実際の青色は3割~4割引きくらいとお考えいただき、実物に過度に期待を膨らませない様、お願いいたします。

それではさっそく、ビビッドな一枚。
ちょっと青い面積が少ないですね。淵の水面をクローズアップしてみます。

さすがアドビ!
じゃなくて、スッカンブルー。
呼称と画像の乖離がぐっと縮まりましたね。

淵のすぐ下には仁三郎の滝があります。

落ち口から下を覗いてみます。
クライムダウンできるかはちょっと微妙ですね。

なので、すぐ目の前を通る遊歩道に上がります。

薄い踏み跡がついている斜面を高低差5mほど登った遊歩道から、安全に滝見物です。

仁三郎の滝から遊歩道を一分ほど下った先には、雄飛の滝を見下ろす展望スペースが設置されていました。
ここからは、深い谷へと落ちていく雄飛の滝の上部だけしか見ることができませんので、足下の谷底に下りて、下から眺めてみたいと思います。

遊歩道をさらに下ると、立派な橋に到着します。

橋の上から眺めたスッカン沢の上流です。
あの奥に雄飛の滝があるはずです。

橋を渡った対岸(右岸)から川原に降りて、雄飛の滝へと向かいます。
遊歩道は橋を渡った橋上で通行止めとなっているので、ここから先は自己責任となります。
(もちろん、これまで通って来た遊歩道以外の場所も全てそうですが、)

橋から見下ろせた青いプールのすぐ先の岩壁で、またもや右岸から水が落ちてきています。

右岸の岩から滴るところは素簾の滝と同じですが、ここはかなり落差が大きく量も多いです。

この岩壁はハングしており、沢も半分は岩がえぐられた中を流れているため、沢の上に水が容赦なく降り注ぎます。

慌てて対岸に避難して、落ち口を見るとこんな感じでした。

右岸から降り注ぐ滝の下からは、すぐ先に雄飛ノ滝が見えます。
何の目的かは知りませんが、大昔から左岸側に防護ネットが張ってあります。

落石防護ネットが不粋と思われるときのために、写らないようにアップでもう一枚。
本日最大の滝を見物した後は、先ほどの橋まで引き返し、さらに下流へと下って、500mほど下流で合流してくる桜沢を遡行することにします。

橋から桜沢までは、立ち入り禁止の遊歩道を使用します。
これは橋のすぐ下流側にある柱状節理の岩です。(薙刀岩という名前らしいです)

薙刀岩のすぐ左隣には、ハリネズミのような柱状節理があります。
この岩は固有名があるのかしら?
ここから崩れてきた柱状節理の破片が遊歩道の上に載ったり、階段を一部壊しているのが通行止めの原因みたいです。

柱状節理から先は普通の(通行止め中の)遊歩道を歩いて、桜沢にやってきました。
正面に見える並んだ滝で遊歩道は終わりますので、滝を登って遡行していくことになります。

後半の桜沢遡行に続く


●2021年5月23日(日)

雄飛橋駐車場(9:00)→入渓(9:10)→スッカン沢下降

→820m右岸枝沢(9:55~10:05)→仁三郎の滝(10:25)

→遊歩道経由雄飛ノ滝(10:45)→(スッカン沢下降・遊歩道経由)

→咆哮霹靂ノ滝(11:15)→桜沢遡行→途中雷霆ノ滝手前で遊歩道を歩行

→雷霆ノ滝登攀し上部枝沢より遊歩道へ(12:30)→山の駅たかはら(13:35)

→(以降自転車)県道56号線→おしらじの滝駐車場(13:50)

→おしらじの滝(14:00)→雄飛橋駐車場(14:25)




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