2020年8月10日月曜日

シンナソー (沢登り)

 午前中に北秋川上流の月夜見沢を遡行した同じ日の午後に、近くにあるシンナソーを登ったときの記録です。

月夜見沢の記録はこちら


ここは都道205号線を払沢の滝入り口からどんどん奥へと入っていったところにあるバスの終点。藤倉バス停付近です。
都道はバス停入り口の先で右にカーブして藤原の集落に向けて山を登っていきますが、直進する北秋川沿いの道路の先は、このカーブミラーが立っていて、ガードレールの裏側は北秋川が流れています。
一番手前のガードレール脇から、電柱のワイヤーにつかまりながら降りると、、、

川の向こう側に小滝が落ちています。
これが浅間尾根へと真っ直ぐ突き上げる小沢、「シンナソー」です。

入り口の小滝を登ると、すぐ奥に同じような小滝があります。

それを登ると、またその上には次の小滝が。

ということが何度も繰り返されます。
次の滝の上にも新たな滝が、見通せる範囲で続いています。

こんな感じで、どれがどの滝で、どう登ったかは、いちいち覚えていられません。
ただ、総じて傾斜が緩く、適度なホールドがあるため、難度はボルダー7級前後の様に感じます。
あと、この写真には水源のホースが写っていますが、上流のどこかで生活用水を採っているものと思われ、しばらくはこのホースと一緒に登ります。(どこかでふと気づくとホースは無くなっていました。)

傾斜がユルい個所はノーハンドで登れるので、どんどん勢いよくダッシュするうちに、息が上がって足が攣ります。

一連の小滝をクリアした最初のゴルジュの出口に登場するのが、この三段10mの滝です。
自分には二段にしか見えないのですが、ガイドブックによると三段とのことです。
左岸側に巻いた跡がついているので巻こうかどうか迷いますが、そちらは登った先がグズグズっぽくて危険な様にも感じられるので、思い切って水流沿いを登ります。

お。上半分を拡大してみると、なんとなく二段にわかれていましたね。
やっぱり三段だ。
核心部は中段で、下段をクリアして安定した場所に立った状態では落ち口付近の左にあるガバホールドに手が届かないため、そこまでの1メートルちょっとをどうするかです。
10年ほど前は、ちょうど良い位置を送水用のパイプが横切っていったため、お世話になりA0で登った人がたくさんいたみたいですが、なくなった今は、基本足を突っ張り気味にして体を持ち上げます。(もっと正解がああるのかもしれませんが、私はそうしました)

三段10mの上は左岸が崩れてきており、少しの間伏流となります。

そして、この二条の滝から2つ目のゴルジュ状が始まります。

この連瀑帯は、先ほどのものよりも開放的で、傾斜もずっと緩いです。

先の方に2つ目のゴルジュで最も滝らしい、黒い滝が見えてきました。

左岸側から巻くこともできそうですが、流れの左脇を登ることができます。
水流が空中にあるためハングしているように錯覚しますが、傾斜はそんなにきつくありません。
ヌメリに注意さえすれば、ホールドは豊富です。

その後も小滝が続いたのちに、徐々に渓相は狭く、急になり、最後の連瀑帯へと突入していきます。

沢の流れが狭い樋状となると…

この沢最大の落差となる三段15m滝が見えてきました。

傾斜の緩い最初の下段が比較的手前にあり、簡単に越えていけます。

この滝も核心部は中段で、細い凹部に流れが集中しているところにカラダを突っ込んで、水を浴びながら登ります。
水流を浴びますが、暑いので気持ちいいです。
最上段はどうやって登ったのか忘れましたが、中段よりは簡単だったはずです。

15mの大滝を越えると、滝場も終わりに近づいてきます。
下の写真の上段の滝が、どこからでも登れそうなのですが、ヌメっていて多少トリッキーでした。

流れの左端が正解であることに気付けば難しくありません。

だんだんと流れが細くなり、倒木が増えてきます。


このナメ辺りを最後に滝は終わり、倒木が散乱するツメとなります。

ただ、標高790mの二俣まで来るのにそんなに時間は要しませんでした。
この二俣は、正面の水量が多い方ではなく、ほとんど水が流れていない左へと入りました。
ちょうど休憩を終えて出発した先行パーティーが左端に小さく写っています。

左俣に入ってから標高20mほど登ると、またすぐに二俣となるので、ここも(正面の稜線近くが切り立っている方ではなく)左へと入ると、間もなく沢型はなくなってきて尾根上まで残り僅かとなります。
そのまま沢の延長で窪みを進んでも、左側の平坦な尾根に乗っても、どちらも大差ありません。

登りついた先は、浅間尾根と藤倉を結ぶ登山道の860m付近で、標柱が建っているところでした。
先行パーティーの更に前を行っていたカップルが標柱の脇で装備を解除しています。

ここからはほとんどの人が出発地の藤倉バス停へと下ると思いますが、私は浅間尾根を下って払沢の滝入り口へと向かうことにします。
写真左奥の不明瞭な登山道から浅間尾根に出てきました。

緩やかな尾根の側面に、最小限の傾斜となるように作られた登山道が続きます。

一般的なガイドブックに頻繁に登場するこのルートは、ハイカーとして一度歩いてみたいとかねてより思っていましたが、ここだけのためにわざわざ出かける気が起きないうちに長い年月が経過してしまい、今年のこの季節となってしまいました。

事前情報バイアスがあるのかないのか、どことなく古道の風情が感じられる径です。

浅間嶺の手前で、北側が伐採されて視界が大きく開けている場所がありました。
手前に見下ろせる、稜線上に人家があるのが尾根通りの樋里周辺、その奥にある御前山へと左上していくのが湯久保尾根でしょうか。


視界を広げると、御岳付近から左奥の三頭山の方角まで見渡すことができます。
都心から僅か数時間でここに来ることができますが、あちこちと山上まで広がる東京の生活空間は、多摩丘陵以東の住民にとって、まさに別世界です。

すぐに浅間嶺休憩所に到着。 休憩せずに展望所へと向かいます。

休憩所から数分登ると展望所です。
表示は「浅間嶺」なのですが、「浅間嶺」はここではないみたいですね。
どこにあるのでしょうか。
また、事前の評判ほどは見晴らしが効かないように感じられたのは、先ほどの伐採地からの展望を見た直後だったからでしょうか。

何と、そば処「みちこ」(瀬戸沢の一軒家)は、商い中でした。
この時は、いつも営業しているものだと思って通り過ぎたのですが、帰り路に検索してみたら....

その代わり峠の茶屋は営業していませんでした。

道は既に浅間尾根を外れて時坂へと向かっています。

何も考えずに舗装道路を道なりに歩いていたら、時坂峠を通る登山道を外れてしまっており、目の前に突如、浅間林道沿いに広がる時坂の家並みが見下ろせました。

このトイレ脇の標識から、先ほど見下ろしていた集落の中を下っていきます。

ところどころで林道をショートカットしながら下っていくと、最後は階段から林道に出て、

すぐ先にある払沢の滝駐車場の奥に出てきます。


同日午前中(月夜見沢)の記録はこちら


●本日の反省

特にありません。

お盆前の週末に出かけた一時間半の沢登りでしたが、前後に別の予定を入れることにより、充実した一日となりました。

払沢の滝に到着して、人の多さにびっくり。それまでに歩いてきた場所の特殊性(どっちが?)を実感しました。

駐車場待ちのクルマが都道にまで並ぶばかりでなく、帰り道も橘橋信号起点に渋滞。その先も五日市駅付近(たぶん)を先頭に荷田子手前まで大渋滞だったので、甲武トンネル経由で帰りました。

コロナ期の東京西部は要注意。


●2020年8月9日(日)

藤倉バス停(11:40)→入渓(11:45)

→(シンナソー遡行)

→3段10m滝(12:00)→3段15m滝(12:30)

→脱渓(13:10)→(浅間尾根登山道)

→浅間嶺展望台(14:25)→払沢の滝(15:50)



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