2021年5月10日月曜日

三浦半島ハイキング(葉山~三浦アルプス~乳頭山~鷹取山)

 昨年2020年に引き続き、コロナ禍のゴールデンウイークは三浦半島をハイキングします。

2020年は半島先端に近い三浦富士から畠山までの区間を歩きましたが、多くは街中の散歩となってしまったので、今年は起伏が多く車道が通っていない通称「三浦アルプス」と呼ばれている地域を中心に歩いてみることにしました。

※今回歩いたルートは、大部分が標高200m以下の低山ですが、地形が入り組んでおり、国土地理院の地形図に道の記載が曖昧な部分が散見されるのに加えて、ウェブサイトで入手できる地図には現在地の特定が困難なパンフレット程度の内容のものもあります。

特に森戸川源流部分では遭難騒ぎも発生していると聞きますので、現地に行かれる場合は、地形図・コンパスの携行はもちろん、GPSの使用をお勧めします。

また、現地の情報を発信している地元山岳会の信頼できる情報をよく理解いただき、十分な準備をされた上でお出かけください。

本サイトに記載されているコースのうち、前半部の田浦周辺までのコースは、二子山山系自然保護協議会さんが公開されている「二子山山系主要分岐図」が大変参考となります。同図は間違えやすい分岐の詳細と、現地に設置されている道標の番号が記載されており、現在地の特定に極めて有効です。


京急の逗子・葉山駅(又はJR逗子駅)から衣笠方面へ行くバスに乗り、「風早橋」バス停で下車します。
バス停のすぐ先の信号を右折してこの通りに入ります。

すぐに左側に教会の看板が出てくるので、折り返して教会への坂道を登っていきます。

急な舗装道路を登った先にある教会の建物。
ハイキングコースの入口は左脇にあります。

ハイキングコースに入ったとたん、鬱蒼とした樹林の中となりますが、尾根の上を10分ほど歩くと、突如視界が開け、すぐ上が好展望の仙元山山頂となります。

少々煙っているため箱根や富士山は見えませんでしたが、江の島までは一望できました。

海に突き出ているのは、裕次郎灯台があるあたりの島かしらん?


仙元山の山頂はバーベキューに興ずる人々で密状態でしたので、少し休憩しただけで奥へと続くハイキングコースへと進みます。

このコースは最も高いところでも標高200mをわずかに超える程度ですが、木々の間から前方に高い山が見えてくると、起伏が激しくなってきました。

ときには長い階段も登場し、数個の凸を越えて行きます。

平らな山頂にアンテナ施設が立つ189m標点に着くと、仙元山以来の海側の景色が開けました。

ここは地図に標点が記載されるのみの尾根上の凸ですが、何故か木が伐採され、下草も刈られて休憩しやすいように整備されています。
帰ってきてから調べてみると「ソッカ」とか「戸根山」という名前が付いた場所みたいです。海岸近くの海に浮かぶように見えるのは長者ヶ崎でしょうかね。

そのソッカを直進すると、径は森戸川の谷の入口付近へと下っていきますので、東京湾側へと尾根を進むには、一旦葉山方面少しだけ戻り、山頂西側の分岐を(葉山から見て)右へと行きます。
なぜか電柱が続く径はソッカの南側を巻き気味に通過していきます。

起伏がぐっと緩くなった尾根道は、クリーンセンターへの分岐を右に分けるとすぐに、この二俣となります。
直進する立派な径は実教寺へと降りていく径です。

三浦アルプス、乳頭山方面は、このタブノキにつけられている表示に従い、左へと入ります。

分岐を入った途端に、径は急に寂しく、藪っぽくなりました。

すぐに森戸川を指す怪しげな径を分けるので、ここは右へ。
入口が通行止めとなっているはずの森戸川へ行く径の方が立派そうですね。

クリーンセンターの分岐から藪っぽい道を歩くこと約10分で、地形図の167m標点「観音塚」に到着です。

そして、またまた森戸川へと下る径を左に分けます。

観音塚を過ぎると、それまで仙元山・二子山と変化してきた緊急用の看板が「上山口」ハイキングコースとなり、ますます藪っぽくなる小径が細かい起伏を連続させていくことになります。

三浦アルプス周辺の尾根道は、ほぼ例外なく単調な様相が否めないのですが、観音塚から乳頭山までの区間は特にひたすら単調なので、道標くらいしか説明するものが見当たりません。
なので、ほとんどが道標の写真となり、径の様子はどんどん省略していきます。
見るのも飛ばしてください。

これは観音塚と森戸林道終点分岐のほぼ中間にある新沢バス停への分岐。
森戸林道終点分岐は面倒くさいから載せませんが、176m標点(この点は登山道は通っていない)の少し先(横須賀側)にあります。

そしてここが159m標点。

その少し先の鞍部で、またも新沢バス停への分岐。


そして、見通しの効かない単調なアップダウンを歩き続けること約20分で、突如視界が開けます。

吹き抜ける風が心地よい高圧線の下は、ソッカと乳頭山の間では唯一の快適な休憩ポイントです。

そして高圧線を境に、径は俄然歩きやすく、かつ平坦となりました。

勢いに乗って、あっという間に山口小学校への分岐に到着です。
ここは「茅丸」のすぐ近くです。
地形図には小学校への径も茅丸も載っていませんが、登山道が東西から南北方向へ折れ曲がる箇所で、そのすぐ南側に接する標高210mの傾斜の緩い凸が茅丸です。

ハイキングコースからなにやら踏み跡が登っていく211m標点には今回行きませんでした。

畠山からの径が合わさると、すぐに乳頭山に到着です。


山頂からは、木々の間に長浦湾と手前を走る横横道路が見えました。


乳頭山を北へと下るとすぐに、分岐「FK1」です。
森戸川源流部へ下っていく高圧線のある直進方向には「×」と表示してあるので、ここは東逗子駅の→に従い右折します。

間髪入れずに分岐「FK2」です。
もう終わりにしてJR田浦駅から帰りたい人は田浦梅の里へと下る右へ。
もっと先に進んで東逗子駅や京急田浦駅方面まで進みたい人は直進します。
すぐ脇にあるマウンドの上からは追浜の埋め立て地にある工場群が見下ろせます。


径の脇には白い花がところどころで咲き乱れています。
ゴマギかガマズミかはよくわかりませんんが、これらの花は途中でも咲いていたものの、東京湾が近づくにつれてぐっと数が増えました。


登山道は平坦で整地されているので、どんどん飛ばしていけます。

この38番標識(遭難事故が起きています 注意してください)は、直進せずに右下の岩の切通しの径へと下ります。

するとすぐに植林となり、分岐「FK3」が森戸川・東逗子駅方面の左へ行くように促します。
私は更に先へと進みたいので正面右を選択しました。
しかし、この「FK」標識は何の目的で設置されているのでしょうか? この標識以外にも間違えるとやっかいな分岐はあるのですが....

「FK3」を直進した、左手に白赤稲荷への小径があるこの辺りは、ちょうど横横道路のトンネルの上を越えて行く位置にあり、両側から自動車の走行音が聞こえてきます。
(田浦の)4丁目・5丁目への下山路を右に分けると、径は横横道路の逗子I.C.に向かって進んでいきますが、このあたりから、二子山・三浦アルプスのエリアから外れる格好となり、ルートの表示が急にお粗末なものに変わっていきます。
ですので、ハイキングコースを外れたくない方は、田浦の町に下りるか、先ほどの「FK3」を東逗子駅の方へと向かうことをお勧めします。

ここから先は、市街地が接近してくるため、ゴールとする鷹取山までは宅地と山林が入り組む中の微妙な径を拾って進むことになり、このブログも分岐点の紹介に近い内容となります(ここまでも分岐の道標ばかりでしたが...)ので、ご了承願います。

径からは見えないI.C.の喧騒が近づいてくると、右下の山林が工事で大きく切り開かれており、径も付け替えられています。

工事個所の迂回は、この「桜山線No.4」の鉄塔をくぐった先すぐを右へ行き、

緩く下ったすぐ先を右折して右の植林内を行きます。

迂回し終えて右側の径から出てきました。
左の通行止めが昔の径です。
ここからは迂回してきた工事個所が見渡せます。

工事の迂回を過ぎて少し行くと、Y字の分岐があります。
道標は、写真左側に見えている腐りかけた小さなものしかありません。
右が港が丘・京急田浦駅方面で、神武寺・鷹取山方面は左です。

Y字に見えた分岐は、よく見ると変則的な三俣で、中央の径は上にある電波塔に向けて尾根を登っていきます。
一番左側の径が、植林の中を沼間に向けて下っていきます。

下りきって舗装道路にでたところです。

舗装道路は、水道施設の横を通り、途中横須賀線を見下ろしながら横横道路の高架下へと下っていきます。


県道24号線(横須賀逗子線)に出たところの信号にあるコンビニの横の道路を登っていきます。

横横道路をくぐって登った先の住宅地の上に立つ二連の鉄塔が目標です。

鉄塔の下にある篠山公園を入ると切通しがあり、ここを京急田浦駅へと抜けると行きすぎで、

左手の工事用モノレールの下をかいくぐって急な階段を登っていきます。

二連の鉄塔からは、一転して急降下となり、モノレールと並行に歩いていくと、

右手が少し見晴らせるところで古い住宅地の最上部にでるので、正面の藪っぽい径へと直進します。

犬に吠えられながら山道を登り、突き当りを(鉄塔とは逆の方向に)右折。

次のY字を左へ行くと、右下に湘南鷹取3丁目の宅地が見下ろせるようになります。

進行方向の山上に鷹取山の岩塔が見えてきました。

暗い森を抜けると、鷹取山の山頂広場近くに飛び出します。

展望台の上に登ってみましょう。

追浜方面

歩いてきた三浦アルプスの方角。

展望台の立つこの岩壁の左側から神武寺駅へと下ることにします。

今日は、一瞬住宅地に下りたものの、半日ほぼ山の中を歩きました。

ところどころで鎌倉方面を見下ろしながら...

神武寺まではあっという間でした。

むしろ長かったのは寺から駅までの方でした。

お疲れ様でした。


思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら


●2021年5月9日(日)
風早橋バス停(12:10)→仙元山(12:30)→ソッカ(13:00)
→観音塚(13:30)→大桜(159m標点;14:25)
→上山口分岐(15:05)→乳頭山(矢落山;15:20)
→沼間坂上(16:20)→鷹取山(17:00~17:20)
→神武寺(17:35)→神武寺駅(18:10)




2021年4月28日水曜日

自家用車で登る百名山 ~その32~ 至仏山(BCスキー)

 冬期間は通行止めだった尾瀬の入口である鳩待峠への道路は、2021年春は4月23日に開通となりました。

5月中旬以降からは一般車通行止めとなり、連休中は混雑するため、連休前の短い期間のみ、自家用車で峠まで行けると思い、わざわざ平日に休みをとってでかけたのですが....


朝7時すぎに鳩待峠と大清水の分岐である戸倉に到着すると、さっそく鳩待峠の駐車場は満車との看板が道路に掲げてありました。

やっぱり同じことを考える人はたくさん居るみたいで、かなり出遅れてしまいました。

戸倉の駐車場(乗用車1日¥1,000)にクルマを停め、入口に停まっているシャトルバスにこれまた片道¥1,000を支払って乗り込みます。

シャトルバスは、満員(8名)の乗客を乗せて、鳩待峠の駐車場に到着です。

この時期のバス停は駐車場までで、ここから上にある休憩所(登山口)まで舗装道路を歩きます。ちなみに、朝いちばんで乗り込んで峠に駐車する場合の料金は一台¥2,500みたいです。


シャトルバスを降りて2分ほど歩いた休憩所前にある登山口です。
正面奥が尾瀬ヶ原への下り径で、至仏山へは左の雪の斜面を登っていきます。

右手の樹間に本日の目標の至仏山を見ながら、春の良く締まった雪の緩斜面を登ります。
随所に登山道を示す赤布が設置されており、大人数が残したトレースとともに、迷う心配は全くありません。

歩き始めて1時間弱で1867m三角点手前の急登を過ぎると、周囲の樹林が徐々に薄くなり、真っ白な至仏山が全貌を現わすようになります。

樹林を完全に抜け出ると、眼下に尾瀬ヶ原が見下ろせるようになりました。

先ずは目の前に立つ至仏山手前の、あのピークを目指すことにします。
地図には小至仏山と書いてありますね。

小至仏山手前で山頂を右手に巻くトレースを離れて小至仏山に立ちます。
奥の至仏山がすぐ横に見えます。

そして、めったにない珍しい(と思われる)快晴の下に絶景が広がります。

至仏山の右(南東)斜面の先には尾瀬ヶ原。その向こうに尖った燧ケ岳、その左手は会津駒ヶ岳をはじめとする山並みでしょうか。

登って来た背後には白根山、皇海山などの日光・足尾の山々。

そのさらに右には中央奥の赤城山。右手前へ武尊山、笠ヶ岳が続きます。

お、武尊山の左上部にひょっこり顔をだしているのは富士山でしょうか。

さて、小休止の後は目の前の一面の雪原を滑ることにしましょう。
ちょうど尾瀬ヶ原の右隣、中央の丘の上部がハゲているのは横田代?それともアヤメ平でしょうか。
こっちの方向にスタートです。

ひょいひょいと4~5回くらいターンすると、あっという間に山頂下を横切るトレースを突っ切って大斜面の中央に出ます。

雪の一枚バーンは、少し(標高差200mほど)下ると、徐々に針葉樹の先端がひょこひょこ頭を出すようになります。

小至仏山の山頂から標高差300mほど滑ったこの辺りで一旦ストップ。

アヤメ平よりも少し低いくらいの高さですかね。
ここからもう一度登りなおすことにします。

小至仏山の右側にある至仏山めがけて平坦で微妙な起伏のある雪の中を登っていきます。

山頂の標高差50mほど手前で振り返ると、右の小至仏山から左下へと続く先ほど滑った大斜面が一望できました。

至仏山の山頂は、平日にもかかわらず大賑わいです。

山頂からは今まで見えなかった奥利根から越後の山並みが一望です。

左側から拡大してみます。
眼下に見える湖は奥利根湖(八木沢ダム)、その奥は谷川岳周辺でしょうか?
中央左奥は浅間山ですね。

その右手は、巻機山周辺の越後の山々。

さらに右は魚沼の山々から尾瀬の奥に連なる平ヶ岳まで、真っ白な山々が連なっていました。

そしてその反対側が、今までずっと見えていた尾瀬・会津から日光・足尾にかけての山々です。

めったにない好天で絶景を堪能したので、そろそろ帰ることにしましょう。

山頂の尾瀬ヶ原側はどこでも滑れる巨大斜面ですが、今度は少しスピードを上げてみたいのと、ゴールの鳩待峠に近いとの理由で、登って来た左(南東)側の斜面を滑ります。

横に見ていた小至仏山があっという間に遥か頭上へと遠ざかりました。

途中からワル沢の右岸尾根に入るべく、右側寄りに滑っていきます。

下るにつれて木が多くなってくるので、ターンも短めとなります。

当初はワル沢とオヤマ沢の中間尾根を滑走するつもりだったのですが、樹林が濃く、雪面の多い方へと滑っているうちに、ワル沢沿いに追いやられてしまいました。
沢が割れているところがあるので、極力近寄らないように雪の多い場所を選んで滑って行きます。

右岸の木々の隙間が空きはじめたところで、平坦な尾根に乗りオヤマ沢(南)側へと切り込むと、すぐにオヤマ沢の渡渉点となりました。
写真手前の中州の様に残っている雪の上を無事渡り、対岸の斜面を登ります。

ちょうど山の鼻への電線が沢を横切る真下でした。

雪の上を少し登ると、山の鼻から鳩待峠へ向かう登山道を人が歩いているのが見えました。

滑り降りてきた大斜面を木々の間から見ながら、ハイカーの後をついて鳩待峠に向かいます。

登山道を10分少々歩いて鳩待峠に到着です。
渡渉してから10分もかからないと思っていたのですが、標高差700m超を一気の滑走と、最終盤の樹林内急回転の連続で、思った以上に足にきていたみたいで、最後の登りはヘロヘロでした。

鳩待峠でシャトルバスを待つ間に撮った今日の滑走面です。

2つ並んだ平坦なピークそれぞれから、中間にある斜面を滑りました。

戸倉を出たときは本当に雪があるのかを心配していましたが、雪解けが早いといわれる今年でも残雪たっぷりで、絶好の天候により、雪質も最高のザラメとなり、この上もない好条件で滑ることができました。
休日に来たら、すごくこんでるんだろうなぁ。


●2021年4月27日(火)
鳩待峠(8:10)→小至仏山(10:10)
→滑走(ワル沢源頭)→登り返し(10:25)
→至仏山(11:40~11:55)
→滑走(ワル沢周辺)→オヤマ沢横断(12:30)
→鳩待峠 (12:50)



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