2019年12月11日水曜日

小櫃川・キンダン川 (沢登り)

首都圏ではピークを過ぎた紅葉を求めて、関東で最も落葉が遅い房総半島へと沢ハイクにでかけました。


七里川温泉と清澄山を結ぶ清澄養老ラインの札郷トンネルの南側出口付近にクルマを停めてスタートです。


トンネルすぐ脇の広場からコンクリートの階段を使って川へと降りることができますが、さっそく倒木が通せんぼしているので乗り越えます。


手すり付きの豪華な?階段を下るとそこはもう小櫃川の川原です。


降り立った小櫃川。
実際に川の上に立ってみると各氏がWEBにアップされている写真のイメージを越える平坦かつ壮大な水面です。


平らな岩盤のところどころに、水中落とし穴があいています。


両側の樹林ぎりぎりまで一杯に広がる川の縁を歩いていくと、、、


すぐに右岸から川廻しからの水が流れ込んできます。
上を走る県道の下を貫通する長いトンネルです。


期待していた紅葉はほとんど枯葉に近く、落ち始めていました。



直線の流れをどんどん遡っていきます。



入渓から15分ほどで、白岩温泉の真下の位置に到着しました。
右岸にある温泉のほうから階段が降りてきています。
流れはここで右折します。


すぐに左岸からキンダン川が流入してきますので、ここを右に入ります。


キンダン川に入るとすぐに、温泉の取水施設と思われるものからホースが川を渡っていました。
温まってみようと近寄りますが、蓋がされていて触ることはできませんでした。


引き続き少々歩いて、川が右折した少し先の右岸上部に何やら見えてきました。


明瞭な踏み跡を数メートル登ると、、、


上はキンダン川の川廻しのトンネルでした。


いままで遡行していたキンダン川が写真右手の方から大きく蛇行してトンネルの反対側にやってきています。


あっちの方に流れ下って行って、さきほど登って来たところへ行きつきます。


トンネルを後に遡行を続けます。


川はところどころで枝沢を落としながら、蛇行を続けていきます。





うららかな秋の日に上空から降り注ぐ落葉が川原を埋めていきます。



標高160m付近の右岸にあるポンプ小屋の前には下流域で唯一の倒木の集積がありました。
簡単に越えることができます。


基本的には単調な川原歩きですが、ところどころに平滑なナメ床があらわれます。


標高160m付近で流れが右カーブするところの左岸には東大演習林の看板が立っていました。


看板の前の流れは白いナメです。




白い岩盤のナメが目立つようになると、間もなく標高165m付近で左岸から枝沢が2本続けて入ってきます。


こちらは2本目の枝沢。
水量は両方とも本流の半分くらいです。


キンダン川に入ってから1時間近く歩いてきましたが、まだ名物のゴルジュ地形は現れません。




ここからナメの傾斜が若干強くなり、いよいよそれらしくなってきます。


徐々に両側が狭くなってきて....



本格的な函状の地形となりました。
ここは水面に周囲の風景が反射してわかりにくいですが、腰くらいの深さでしょうか。


なので、左岸をへつり気味に通過します。
前評判とは異なり、岩盤が滑りにくいので、フェルト底のグリップが良く効きます。


ここからしばらくの区間が回廊内を進む感じで、最もキンダン川らしい光景となります。





この岩塔が190mの左岸枝沢です。


塔の右側が小さなナメ滝でやってくる枝沢。


左側の本流を進んでいきます。




まだまだナメが続きます。



緑の側壁とサラサラと流れるナメ床は、房総半島の沢らしい風景である一方で、この川でしか見られない風景でもあります。




写真で見る限りは気温と水温の低さが感じられないので、なんだかジャングルを探検しているみたいですね。





この沢のハイライトであるナメのゴルジュは、規模と水量が少ないものの、結構長い距離続きます。




さて、楽しんでいるうちに、そろそろ遡行終了点である池ノ沢歩道との出会いが近づいてきました。
が、その前に倒木が激しく集積した場所が現れました。


倒木を乗り越えてみると、結構な水量が堰き止められて堀のようになっています。
ガイドブックやSNSの情報によると、腰より深いところは無いはずなので、たぶんすぐに通過できるでしょう。


と思って安易に左岸沿いに突っ込んだら、意外と深い上に底に堆積した泥に足がどんどん埋まり、たちまち胸まで水没してしまいました。
一瞬引き返そうかと迷いましたが、足が埋まって身動きが取れなくなってしまうと一大事と感じたので、慌てて水深の浅そうな場所を駆け抜けて対岸(右岸)の浅瀬に一旦避難です。
一息ついてやって来た方向を振り返ると、ここ以外に両岸逃げ場がなく、通過したところ以外はかなり深そうです。


先を見ると、右岸側は浅そうなので壁沿いに行ってみようと思いましたが、たちまち泥のなかに足が埋まっていきます。
強行突破してみたい衝動に駆られますが、先が見通せずどこまで続くかわからないため、途中で進退窮まるリスクを考えて躊躇していると、


今立っているところの上が小さな岩盤のルンゼ状となっているのに気づいたので、ここから退避してみることにしました。


ルンゼは一か所手がかりの無い平滑な面がありますが、落ちてもどうせ下は泥沼なので、大事には至らないでしょう。

一発ボルダームーブで登り、下を振り返ります。
まさに難攻不落のお堀....


足場が安定したところで体制を立て直そうと、ほんの少し登ったらそこは植林でした。
迂闊にもGPSを水没させてしまったので、何とか現在地を特定して脱出しなくてはなりません。
(下の写真の左下から這い上がってきました)


今居る場所の地形と、途中までの現在地確認の記憶、それにここで作業をした造林担当者がどうやって来たかの推測をもとに脱出経路を検討します。

その結果、たぶんここでしょう。(あくまで推測です。行かれる方は現地での状況判断と自己責任でお願いします。)

※2021年3月追記: 
 その後、2021年2月に同川を遡行された方がヤマレコにアップした記録によると、倒木で堰止まった手前に表示ができており、補助ロープなどを辿って池の沢歩道まで行けたとのこのとです。
自己責任で行ってらっしゃい!


さて、そうとなったら、池ノ沢歩道が通る300m凸であろう方面を目指して尾根を登ることとします。


途中で下を見ると、足下の垂壁の下に泥田のキンダン川が横たわっています。


植林と自然林が交錯する斜面を、踏み跡っぽいところを辿りながら登ると、、、


歩道に出ることができました。


あとはひたすら歩道を辿り、四方木直前でロストしたものの、何とか「ふれあい館」の裏に到達し、県道に出ることができました。


●本日の反省
①安易に泥沼にハマってしまったことに尽きる。
 冷静に状況を見れば、泳がずに簡単に水線を進めるわけはないことは一目瞭然なものを、「深いところはない」という事前記録調査バイアスに囚われて安易に突入してしまった。
 これから行く人は、突入せずに右岸の弱点を探して事前に回避しましょう。
 どう行けばいいかは知らないけど....

②罠に注意/イノシシに注意
 四方木に下山すべく池ノ沢歩道を目指していると、林の中を四つ足の黒い物体が高速で疾走していくのが見えた。
 あんなのに正面から突然出くわしたら、ただでは済まないだろう。
 防御策は持っていても、速やかに使えなければ意味はない(と思う)。
 また、恐らくではあるが、歩道を外すと罠に当たらない保証はない環境であるにもかかわらず、四方木に到着する直前で歩道を見失ってしまい、単距離ではあるが藪を漕いでしまった。
 またしても安易に踏み跡を外す悪い癖がでてしまった。
 (これはそろそろ何とかしなくては....)

2019年12月9日(日)
清澄温泉跡(札郷TN南口;9:20)→小櫃川遡行→
キンダン川出合(9:50)→キンダン川遡行→
165m左岸枝沢(11:00)→遡行中断(12:05)→
300m凸(12:40)→池ノ沢歩道→四方木(13:00)




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