2019年9月8日日曜日

自家用車で登る百名山 ~その25~ 甲武信ヶ岳(釜ノ沢西俣;沢登り)後半

前半から続く

さて、ここからは両門の滝の左側の方の滝を右岸から巻いて西俣に入っていくことにします。


二つの滝を樹間から見ながら、滝の左側についている立派な踏み跡を登ります。
登山道並みに立派だなと思いながら右上へと登ると、落ち口の下の崖上で突然消失してしまいました。


行き詰った踏み跡よりも一本上の踏み跡を登ると、西俣を見下ろすここにやってきます。
沢へ降りる踏み跡は急傾斜ですが、ジグザグに踏み固められており、歩いて下ることができました。


西俣の滝の落ち口すぐ上に下降してきました。


上流側の函状地形はすぐ先で左折しています。


そこを左に曲がったところからナメがはじまります。
入り口の背丈ちょっとの釜滝は、倒木が立てかけてあるので簡単に越えられます。


岩盤を水が滑り落ちてきます。


振り返って上から見ると、釜ノ沢の地名通り、釜が続いています。




少し小振りですが、釜とナメが続きます。


登りにくそうな滝は、見てすぐに巻くルートがわかります。
西俣の滝はみなそんな感じです。








しばし続いたナメはこの辺りで一旦終了となり、容赦の無いゴーロへと変わります。


倒木も交えた瓦礫のようなゴーロです。


1830m二俣の先まで、こんな感じで、見通せる範囲全てがガレの谷となっています。


途中1760m二俣手前付近で河岸に林道跡のような平坦地があるのと、1830m二俣の下で左股枝沢がしばらくインゼル状に並走すること以外は、全く特徴がないのが特徴なゴーロで、要所で欲しくないところに限って倒木が重なっています。


ガレが一段高く重なった標高1830m二俣を、倒木を潜りながら超えると、、、


ようやく水流が復活して、ガレが消えました。


しばらくは、ナメ滝を登るとナメが続き、すぐ先にも滝が見える光景が続くこととなります。




トポ図では右岸枝沢のどこかに30m滝がかかっているとのことですが、本流から発見することはできませんでした。


これは1890mの二俣。
傾斜の緩いところを直登したり、右岸の土斜面を巻いたりしていきます。


千畳のナメほど洗練された美しさはないものの、小滝とナメが連続し、その中を一気に高度を稼いでいきます。







最後のナメと感触を味わっていると、まだまだ続きます。




同じ写真を何度も掲載しているのではと思えてくるころに、ナメも終わりに近づき、


この先で、2060mの変則三俣となります。


三俣(見ようによっては二俣?)は、左折して唯一水が流れるこの左俣へと入ります。


そして右の岩から落ちてくるこの流れを登ると、


標高2090mでガレと倒木に埋まる最後の二俣となります。
ここはどちらに行っても大丈夫な様な気がしますが、早く登山道に出れた方が良いと思い、左俣を選択しました。


倒木が邪魔をしますが、冷静にルートを選ぶと、面倒ではあるものの苦闘が必要な程ではありませんでした。


稜線が指呼の間ですが、ところどころで水が湧いてきます。


沢型も登る傾斜も徐々に緩くなるに従い、周囲の森も奥秩父らしく端正な様相となってきます。


そして林床が石楠花で埋まると空が近くに見えてくるようになりました。


左前方の稜線が一番低いあたりを狙い、水師の西側のコル付近の登山道に到着です。
ここで沢装備解除。


森の中の登山道を水師に向けて登ります。



水師山頂の少し先にあるザレの上で展望が開けました。


これから向かう甲武信ヶ岳(左)と木賊山(右)が並んで見えます。
二つとも登頂しないと帰れないかと思うと、かなりトホホな気分です。
稜線上のトレッキングが目的であれば、適度な斜度の登り下りなのでしょうが、既にメインイベントを終えた帰り道となると、感じ方も相当違ってくるのでしょうね。


急遽目的を百名山ハントに切り替えて、無理にモチベーションを高めて甲武信ヶ岳へと登ります。
背後に清里方面の山々が現れたら、山頂はもうすぐです。


夏の終わりの日曜日午後の甲武信ヶ岳山頂は、事前のイメージとは異なり、登山者二人だけのひっそりとしたところでした。


富士山は見えませんでしたが、金峰山へと続く奥秩父縦走路を見渡すことができました。
その右下には、先ほど越えて来た水師が。その左側には釜ノ沢源流の樹海が見下ろせます。


その左側の尾根は鶏冠山でしょうか。
東側(向こう側)は下山路の戸渡尾根も含めて、雲に覆われています。


甲武信小屋から登り返した木賊山から西沢渓谷へは、もうほとんど下りのみとなります。


ただ、この下りが足腰には悪かった....
特に上半分の赤茶けたガレは、過去に通った時にはあまり記憶になかったのですが、執拗に続いて脚力を奪いに来ました。




西沢渓谷の観光客が引き上げた遊歩道を逆方向に進み、ヌク沢で装備を洗って、出発地に帰ってきました。


●本日の反省
 計画段階からそれなりの強行軍とわかってはいたが、想像通り疲れた。

  •  東俣と比較して良いところ/良くないところがそれぞれだと思うが、10年近く前に遡行した東俣の記憶がほとんど消滅しており、比べ様がない。

 まあ、いまさら比べても仕方ないが....


 思い起こすと、東沢入り口のテントから甲武信ヶ岳山頂まで全く人に会いませんでした。
 静かな奥秩父の茗渓を満喫できました。少し長いですが、、、

2019年9月1日(日)
西沢渓谷入り口駐車場(5:10)→鶏冠沢出合(5:50)
→山の神(6:45)→東沢遡行→釜ノ沢出合(8:30)
→両門ノ滝(9:25)→西俣遡行→1830m二俣(11:10)
→1890m二俣(11:25)→2090m二俣(12:18)
→水師の西のコル(12:55)→甲武信ヶ岳(14:00)
→甲武信小屋(14:15)→戸渡尾根→徳ちゃん新道
→西沢渓谷駐車場(17:40)

前半はこちら





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