2019年9月2日月曜日

自家用車で登る百名山 ~その25~ 甲武信ヶ岳(釜ノ沢西俣;沢登り)前半

笛吹川源流の東沢・釜の沢を遡行する日帰り旅です。
釜の沢は途中の「両門の滝」で東俣と西俣に分かれますが、沢登りの人気ルートである東俣に比べて、どちらかというと印象が地味な西俣を辿っていくことにします。

前半は、東俣との共通となる登山口から両門の滝までの間です。
西俣のみを参照される方は、後半をご覧ください


山梨県山梨市にある西沢渓谷の入り口から出発です。
西沢渓谷入り口駐車場にクルマをとめて、同渓谷の遊歩道と同じルートを歩き始めます。


車道が終了して歩道となる前にある田部重治の顕彰碑。
自分が生まれるより遥か昔のことなのでわかりませんが、その昔教科書にも載っていたとされるこの先の渓谷の素晴らしさが記載されているそうです。


顕彰碑からすぐの吊り橋を渡りながら、奥に聳える鶏冠山と、これから遡行する東沢を望みます。
川原にはポツンと一張りのテントと、焚火の煙が見えます。
前を通過したときに尋ねると、昨日鶏冠谷左股を遡行した人たちでした。


吊り橋を渡ってすぐのここから、ロープの脇を抜けて遊歩道と別れ、東沢沿いにすすみます。


東沢への道は一般登山道と遜色ないくらい整備?されており、すぐに川原を通る道と山際の道に分岐します。
今日は川原を通って鶏冠谷との出合まで来ました。
ここで左岸へと渡ります。
靴が濡れるかどうかの微妙な水量なので、ここで沢靴に履き替えて渡渉し、対岸の踏み跡を進みます。


東沢の左岸に続く径は、登山道のような立派なもので、要所にはロープやワイヤーが設置されており、安心して歩くことができます。


東沢を見下ろしながら行きます。


東沢へは滝で落ちる清兵衛沢を、滝上で渡ります。
ずっと「せいべい」だとおもっていたのですが、「きよへい」だったのですね。
両門の滝までは標識もよく整備されていました。


ホラガイの出口(遡行する側から見ると入り口)で径は一旦川原に降ります。
今年の夏はこの周辺の沢内で死亡事故が相次いだらしく、道中あちこちに沢の中を下降しないようにとの注意書きが見られました。


立派な踏み跡は急登でホラガイを巻いていきます。


あまりに勢いよく登っていくので、鶏冠尾根への踏み跡ではないかと不安に思ってしまいますが、そんなことはありません。


やがて沢のそばまで降りていきます。
高巻きが終了して最初に沢へと降りられるところから、川原歩きをはじめます。
すぐに下の写真のところで少し左岸を巻き気味に進みますが、それ以外はずっと川原歩きとなります。


それにしても、この沢のあらゆる情報は「山の神から入渓」と書いてありますが、一度も「山の神」を目にしたことがありません。
なんでだろ。
最も踏み跡が濃いところを通っているはずなのですが....

少し行くと「洞門」の標識があります。
向こうの方にある穴のようなところのことでしょうか。


近寄って中を覗いてみます。
この穴は蛇行をショートカットするような位置にあり、あわよくば通り抜けたいところですが、向こう側の出口が登れるかの確証がつかめません。


なので無難に左岸から回っていきます。


今度は右岸から「乙女滝」が落ちてきます。
東沢はここから右へUターンします。


そしてすぐにこの大壁で反対側にUターン。


左岸に巨大なナメが見えてきます。


鶏冠山からダイレクトに落ちてくる「東のナメ沢」でした。


東のナメ沢の先は、少しのゴーロの後に、左岸の縁を歩いて通過する淵があります。


斜めの岩盤を歩いているうちにツルっと滑って流れて戻って来たという話を聞くところですね。


なるべく傾斜の緩いところに足を置けばそんなに難しくはありません。


ただ、最後のここは岩の段差めがけてエイッと踏み出した方が良いですね。
水量が多い時は、精神的なプレッシャーに負ける人もいるかもしれませんね。


あとは右岸にわたって、また川原を行きます。


流れが直線となると、先に岩頭が見えてきます。


岩頭の下の右岸には、「西のナメ沢」が流れ込みます。
こちらのナメ沢も、遥か上までナメが続いて見えます。


晴れていれば水面が紺碧となるのですが、今日は薄い水色です。


釜ノ沢出合への蛇行には、ところどころに青緑色の縁があります。





そして、しばし川原を行くと、正面の岩に赤いマーキングがあり、左岸から沢が流れ込んでいます。
これが釜ノ沢です。


釜ノ沢に入ったとたんに魚留滝が見えます。


関東周辺で登山をされる方なら一度とならず見たことがある画像だと思います。
以降両門の滝までは同様に露出が多い風景の写真となります。


少し角度を変えてもう一枚。


ここは左側の岩盤の弱点から巻き始めます。


こんな感じです。


釜となっている落ち口を横に見ながら、沢に降り立ちます。


右上から沢が流れてきている岩盤を登ると、「千畳のナメ」がはじまります。




有名なこのナメは、大変美しいところですが、そんなに長くはなく、振り返ると屈曲している入り口が見える程度の距離です。


奥の左折するところは傾斜が増して滝状となっています。


標識では三段ノ滝となっていました。


ここから下を振り返ると、こんな感じです。


この滝も右岸側から巻いていきます。


巻き終わって沢に戻るところの少し先でナメが終わっているのが見えます。


三段ノ滝は、上から見るときれいな三段となっていました。


すぐ先からは枝沢が崩れたみたいな巨岩の上を越えていきます。


すぐに野猿ノ滝。


右岸を巻いていきます。


川原を15分ほど歩くと両門の滝に到着です。
ここからは、ノーマルルートを離れて左側の西俣に入ることにします。


後半へと続く

行程や地図も後半に記載します。

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