2018年7月15日日曜日

入川本流 (沢登り:途中敗退)

梅雨明けが異常に早かった2018年の夏。
海の日の連休を利用して兼ねてからの目標であった荒川源流の釣行に出かけました。
例年であればまだ水温も上がらず、水位も安定しない可能性が残るのですが、猛暑の今年なら大丈夫。
と思って出かけたのですが。。。


入川渓流観光釣場からスタート。


赤沢谷出合に向けて森林軌道跡を行きます。


赤沢谷手前の取水施設を過ぎると、眼下の入川本流が轟々と流れます。
何か水量が多いような気もしますが..


赤沢谷出合で見下ろす入川も全体が白く泡立っており、何となく流速も早く感じられます。
偶然同じ時間に入山した、奥秩父の高名なガイド、Yさんのパーティーと「やっぱ、水量多いね」と言葉を交わします。
彼らは途中まで登山道を使用して金山沢出合いへ下り、本流を渡って大荒川谷を遡行する計画とのことで、ここから入川に入るのは自分だけみたいです。


ちなみに、これが前年秋に撮影したほぼ同じ場所の画像です。
比較すると、水面の白い部分の割合が随分違うような。。。


ただ、これは帰った後で比べてみてわかったことで、現地ではあまり深く考えずに、とりあえず入渓してみることにしてみました。
難所には全て巻径がついていることがわかっていることと、何といっても入渓者が自分だけなので、釣果を独占できるのではという誘惑が大きかったことによります。

それでは源流の碑を見ながら、入渓。


出だしの少しの間は左岸に残る古い登山道の残骸を行きます。


踏跡はすぐに消滅するので、沢に下りますが、なんか河原がありません。


ポイントとなる淵も泡立っており、試しに針を入れてもすごい勢いで戻ってきます。


事前にWEBで見た他の方の写真では、皆さんこの大岩の上を歩いているみたいですが、全く近づけません。
仕方なく、流れの弱い左の壁沿いを泳いで石の左の隙間をチムニー登りで這い上がりました。


川幅一杯の雄大な流れですが、川幅が狭くなるにつれて深くなり、最後は泳ぎます。


要所の突破も渡渉もいちいち泳いで行きます。


体力的には非常に疲れますが、一方で深い森の中を滔々と流れる澄んだ水は魅力的でもあります。
でも、ここはまだ序の口くらいのところで、巻道もついていません。


標高970mくらいのところで沢がUターンするくびれたところでは、左岸に突き出てくる尾根に踏み跡がついているみたいで、登山道へエスケープするかを迷いますが、もう少し進んでみることにします。


山は深まり、渓は美しくなります。


中小屋沢出合が見えてきました。



中小屋沢は右岸から滝で落ちてきています。


さて、ここからが本番なはずです。


うへ。これは全然ダメだ。
水洗トイレみたくあっという間に押し戻されます。


左岸を巻き気味に行きますが、狭くて速い流れが続きます。


水線付近を行くのはあきらめ、巻き始めます。


おー すごい。


巻き終えて降りてきました。


でも、なかなか沢の中を通してもらえません。


ここは右岸を巻きます。




すぐ上にあるここも穏やかそうに見えたので泳いでみますが、あっさり押し戻されます。


左岸を巻いて梅干しの種みたいな岩のところに降りてきました。


下を見ると、たったこれだけの距離を15分近くかかって巻いてきたことになります。
トホホ。


なかなか容赦してくれもせんね。
この辺で足がつってきました。


もうそろそろ金山沢出合いが近くなってきましたが、いい加減くたびれてきたので、1050m付近の右岸枝沢が滝で落ちるあたりから、エスケープを考え始めます。


多少流れも穏やかになった様にも見えるのですが、


左岸の踏跡を登ることにします。


踏跡を辿ると尾根上の地形で立派な踏み跡に合流するので、そこを直登していくと、登山道にでました。
最後は登山道と金山沢をつなぐ踏跡を登って来たみたいです。


あとは登山道をたどって柳避難小屋まで。
本日はここで終了することとして、小屋の周りで釣りをして、5名の釣り人と一夜を共にしました。


翌朝は登山道を川又へと帰るだけとしました。
しょんぼり😞


下界は夏休みの始まりです。



●本日の反省
あわよくば真ノ沢まで通して遡行して稜線まで・・・
と思っていたのですが、目的の2割も達しないうちに敗退です。
柳小屋付近ではほぼ平水に近かったので、小屋までは登山道を使用すれば計画達成だったかもしれませんが、一方で水量豊富な入川本流のダイナミックな流れは、それはそれで一見の価値ありでした。
本流での釣果はなかったけど。。。

2018年7月14日(土)
入川渓流観光釣場(7:25)→赤沢谷出合(9:00)-(入川本流遡行)
→中小屋沢出合(10:25)→金山沢出合(13:30)→
登山道(金山沢出合下降点)(12:40)→柳避難小屋(13:50)
7月15日(日)
柳避難小屋(6:30)→(登山道)→金山沢下降点(7:36)
→小屋跡(8:20)→赤沢出合(8:10))→入川渓流観光釣場(10:00)

2018年7月1日日曜日

火打石谷 (沢登り)

2018年のの梅雨はあっさり明けてしまった。
夏本番を迎えて、規模の大きな沢で長いルートにも行けるはずだが頭は切り替わらず、照り付ける夏の日差しの中を、近郊の釣りも可能な奥秩父の一番手前にある火打石谷へ行ってきました。


国道411号線青梅街道を丹波山村から甲州市方面へ数キロ進んだところにある余慶橋からスタート。
橋の奥多摩側に左右それぞれ数台の駐車スペースがあります。


岩岳尾根への登山道の起点ともなっている橋の奥多摩側・上流サイドから川原に下りて、先ずは丹波川本流を遡行します。


丹波川は橋のすぐ上流がゴルジュ状となっています。


水が両岸一杯の滔々とした流れを、腰まで浸かって遡ります。


ゴルジュを越えたら、トンネルのような滑瀞谷が左岸から入ります。


明るい日差しの差し込む丹波川とは別れて滑瀞谷へ。


滑瀞谷は両岸が切り立っていますが、水量はさほどなく、川原を歩いて回廊を通過します。


滑瀞谷はすぐに小常木谷と火打石谷に分かれます。
出合では火打石谷に木の橋が架かっていました。


下流を振り返ると、左岸から径が下ってきています。
余慶橋からはじまる岩岳尾根の登山道が大高巻きをしてここに降りてくるのでしょうか。


火打石谷は小さなナメ状の流れからはじまります。


2つほど簡単に越えることができる滝があり、



標高750m付近から谷が徐々に狭くなり、ゴルジュ状の地形を行くようになります。




裏を通り抜けて左岸のロープを登って行く5mの滝。


次の12mは左岸から簡単に巻くことができます。


12m滝を越えると、瀞が目立つようになります。
竿を出してみますが、反応はありません。
先行者の足跡が1つあるので、その影響でしょうか。



このコーナーを左に曲がると、


かつての難関12m滝があります。


左岸の湿ったルンゼを登り懸垂で沢に戻るという記録が多いですが、


右岸に立派な巻き道が見えるので、こちらへ。


巻き道を登り切ると、対岸に垂れるロープが見えます。
あのルンゼを登ると、あのロープで降りるのでしょうか。
なんだかロープの起点まで行くのも大変みたいです。


右岸の巻き道は、この木の根をクライムダウンして沢に戻ります。


小滝やナメを越えて行くと、




続く淵の先を曲がったところに、


割と傾斜の急な8mがでてきました。


釜の右側を通って流れの右に取りつきます。


傾斜はありますが、事前情報通り、ガバホールドが豊富でした。


次は隠れた最難関ともいわれる簾状8mです。


ガイドブック(「東京起点沢登りルート120」山と渓谷社)には落口のこの段差はショルダーを使うとありますが、肩を借りれない一人の時はちょっと厳しく、180㎝くらいの身長が欲しい所です。


残置をアブミにして越えようとしますが、足元が不安定でひっくり返りそうになり、慌てて敗退です。
せっかく登った滝をクライムダウン。


下に降りて冷静に見回すと、左岸を小さく巻けそうだったので、一番緩いギャップに取りつくと、越えることができました。
ボルダー7級くらいでしょうか。落口へと斜上してクリア。


8m滝の上はしばらくの間ゴーロとなります。
この辺りで先行者の足跡が消えて無くなりました。どこへ消えたのだろう?


標高980mくらいでゴーロは終わります。


快適な小滝が連続するようになります。




連続する滝は徐々に大きく、急になってきて、


この上段の二条の滝は、


安易に中央に取りついたら途中で行き詰り、セミになってしまいました。
危うい所で流れを渡って左から越えます。


すぐ上は6m。
中段のハング気味のところは、左足がガバスタンスに上がればあとは簡単でした。
奥の広い空間が通称”幻の大滝”と呼ばれるところです。


6mを越えたすぐ上の小滝を登ると、


右岸枝沢の40m滝の下に出ます。
雨が少なかったとはいえ、梅雨明け後すぐでこの水量だから幻なのでしょうか。


本流の小滝を越えると、



すぐに30m大滝があります。
こちらは水量豊富で堂々とした滝です。


これは登れないので左岸の踏跡から巻いていきます。


一番明瞭な踏跡を辿って行くと、


ロープの必要を感じるところもなく、大滝の上にある滝も2つほど一緒に巻いてしまいました。


要所の通過は一段落したので、どんどん沢を登ります。
標高1200mくらいから左岸に岩壁が続き、壁が途切れるあたりに、


ガレ沢が一直線に降りてきます。
この枝沢を登ってショートカットで帰ることにしましょう。


この枝沢は200mほど登るとだんだん急になり、ところどころルンゼ状に見えるところもでてきますが、特にクライミングの技術は要りません。


標高1500mくらいで詰めの様相を呈して来るのでテキトーに歩きやすい所を登ると、


熊倉山の北側にあるコルで登山道にでました。
ここで沢装備解除。


熊倉山山頂までは登山道を行き、その先は熊倉尾根(熊倉山の南尾根)を下りました。


熊倉尾根は、急な箇所もありますが、踏跡が続いており、水源林の標柱も打ってあるので迷うことなく青梅街道脇の山の神の碑(道路脇でキノコ販売をしているところ)に降りるはずだったのですが、何故か降り立った先はクルマを停めた余慶橋でした。


●本日の反省
下りで迷った(たぶん)
熊倉尾根の1106m点から先で水源林の標柱を見失い(というかその先にあるのかどうかも不明)、テキトーに南南東に向けて下って行くと、植林の中のスイッチバックの作業径に行きあたったので、そのまま降りて行ったら、山の神ではないところに降りてしまった。
ただ、この作業径は標高880mくらいで尾根を右に回り込みトラバースを開始したので、このとき”違うな”とは思ったが、割とよく手入れされていたので辿ってみると、尾根上の地形で岩岳尾根への径に合流した。
途中で消えた沢中の足跡と共にちょっと不思議な日だった。


2018年6月30日(土)
余慶橋(9:00)→(丹波川遡行)→滑瀞谷出合(9:15)
→小常木谷・火打石谷出会(9:45)→(火打石谷遡行)
→12m大滝(10:30)→30m大滝下(12:25)
→(1250m二股右に入り熊倉山北コル目指す 13:15)
→登山道(熊倉山北側コル 14:15)→熊倉山(14:35)
→熊倉尾根(熊倉山南尾根)を下山→余慶橋(16:10)


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