2024年4月1日月曜日

自家用車で登る百名山 ~その37~ 武尊山(BCスキー;川場谷)

前々日の嵐が去って都心は7月上旬並みの夏日となり、3月に揺り戻した2024年の冬は完全に終わりを告げ、JANの雪崩情報も谷川地域はノーリスクとなりました。

積雪期限定の最楽ルートである川場スキー場がクローズしないうちに、久々の百名山ハントにお出かけしました。


川場スキー場7Fのチケット売り場で所定の登山届を提出しココヘリのIDを見せると、片道リフト券を¥1,700(うち¥500は返却時に返金されるデポジット、リフト下山者は+¥1,200)で販売してくれます。
コース外の雪が徐々に消えゆくスキー場のリフトを(B桜川とDクリスタルの)2本乗り継いで到着したトップが、最短・最速で登頂できるスキー場営業期間限定の登山口です。
先ずはリフトで中央の頂点を目指します。

リフト降り場の前は雪の急斜面なので、すぐにシートラ。アイゼンを装着して登り始めると、みんなのトレースは剣ヶ峰山に向けて一気に急登していきます。

剣ヶ峰山の細いリッジを過ぎて急降下してからしばらくは、岩やブッシュのでた尾根を上下していきます。

強風とガスの中を地道に登っていると、SCWのお告げ通り徐々にガスが取れてきました。

振り返ると越えてきた剣ヶ峰山が姿を現し、右下にはこれから滑ろうとする川場谷の全貌が見えてきました。。

山頂からコンスタントな斜度で落ちていくスロープを見ながら、標高差100m弱となる最後の急登を登りきると、リフト終点から約2時間で大賑わいの武尊山(沖武尊)に到着しました。

大展望を眺めながら、先ずは休憩。

剣ヶ峰山右隣のたんばら高原右手には真っ白な谷川連峰。
右の巻機山はまだ雲の中。

さらに右手の奥利根・尾瀬方面はまだ雲が残っていますね。

その右は白い白根山周辺の日光の山々。

そして、前武尊・家の串の山稜と往路の剣ヶ峰山の間には、川場谷源頭の大斜面が広がります。


さて、滑る分にはとても魅力的な川場谷ですが、問題は滑り終えた後にどうやって帰ってくるかです。
ガイドブックには剣ヶ峰下ノ沢を詰めると書いてあるものもありますが、出発したスキー場までの間には、この沢も含めてとても登り切れそうにない深い谷が三本横たわっており、どのようにルーティングするかに不安があります。
特に2023-24シーズンは3月頭まで積雪が極めて少なく、標高が高い場所で沢が割れてしまっていた場合の撤退も考慮しておかなくてはなりません。

偶然往路でお会いした武尊牧場を目指すという三名パーティが、川場谷を滑ったことがあるとのことなので、遠慮なく質問しまくったところ、大変丁寧に教えていただきました。…本当にありがとうございました。
川場スキー場のゲレンデは、上の写真の赤い矢印の裏側で、矢印の高さはリフトトップより50mほど低いくらいです。
緑矢印の白い部分が、リフトが終点前に一旦下る場所です。
今回は結果的に川場谷本流と剣ヶ峰上ノ沢が出合うオレンジ矢印のところまで滑ることができましたが、そこからゴールの赤矢印までは、剣ヶ峰沢と同下ノ沢を、枝沢を含めて横断しながら標高差300m弱くらいを登って行くことになります。
また、雪が少なく渡渉できない場合の退路は、一番手前の(上ノ沢左岸)尾根となり、最上部の1975m標点直下がやや急で細く、無樹木なのがちょっと引っかかるものの、その下の樹林までは安全と感じられます。
でも、「比較的確実に帰って来れるけど、そのあと剣ヶ峰に登り返さないと帰れないんだよね。できるんだったら剣ヶ峰を過ぎてから登った方がいいんだよね。」とのコメントでした。

なるほど。
それでは、ご意見を重視させていただきつつ、さっそく滑走開始。

高温でちょっと重たいものの、広さと落差が申し分ない、ちょうどよい斜度の斜面をばんばん滑ると、あっという間に山頂が遠のき、谷が近づいてきました。



途中から出現した、恐らく昨日の先行者と思われるシュプールと、着きつ離れつしながらブッシュの少ない谷底を滑って行くと、標高1630m付近からところどころ沢が割れてきたので、右岸の平坦なスロープに乗り換えて、さらに調子こいて滑って行きます。
帰路への不安を感じつつも、心にブレーキがかからず/時間はかかっても帰る方法はあるとの目論見もあって、止められません。
本当に困ったものです。

そして、標高1500mほどにある川場谷本流と剣ヶ峰上ノ沢の出合で、本格的に川が流れ始めたので、スノーブリッジで上ノ沢を渡渉して滑走終了としました。

ちょうどここで先行者のトレースも登り返していたため、スキーゲレンデへの復帰を期待して辿って行くことにしました。
トレースに従って、先ずは剣ヶ峰沢を渡るべく、10mほどの滝を見下ろしながら上ノ沢との間の斜面を登って行きます。

剣ヶ峰沢を横断して対岸の尾根に登って行きます。

稜線にだけ針葉樹が生えた細い尾根の裏側がゲレンデですね。
どこから越えるのかと思うほど側面が急な尾根を目指して、先行トレースは頭上に見える剣ヶ峰山から派生する岩壁の下の急斜面を横切って行きます。

高温で重くなってずり落ちた表層の雪に消されたトレースをたどって、

剣ヶ峰下ノ沢とその枝沢群を横切ると、

クライマックスの尾根取り付きとなります。
下の画像の左上の低いあたりの裏がもうゲレンデです。
トレースのついている場所がなんかやばそうなので、下側のもう少し緩斜面から取り付いて、なるべく木のそばを登って行くと、背後には横断してきた下ノ沢側面のデブリ急斜面が見渡せました。
いやー、間違ってあっち側に深入りしなくて本当によかった。
トレース様々で感謝ですね。

尾根上の針葉樹林にたどり着くと、反対側の目の高さにはリフトが動いているのが見え、下からはゲレンデの歓声が聞こえてきました。

振り返る武尊山・川場谷側は対照的な静けさでした。

ゲレンデを滑って、チケット売り場に帰着報告。

●2024年3月31日(日)
川場スキー場TOP(9:15)→剣ヶ峰(9:40)
→沖武尊(11:10~11:35)
→川場谷滑走(標高1530m剣ヶ峰上ノ沢出合まで;12:00~12:25)
→剣ヶ峰下ノ沢右岸(1685m標点)尾根の1785mからスキー場ゲレンデへ(13:50)


2024年3月16日土曜日

東谷山(BCスキー)

 2月に都内で夏日を記録した温暖な2024年冬は、もう冬が終わったかとあきらめかけていた月末から寒波がカムバック。

上越の山々には2週間ほど断続的に積雪があったので、ここがチャンスとばかり、何故か今まで縁がなかった三国峠付近の東谷山に行ってみることにしました。

湯沢町三俣の国道17号線、かぐらスキー場のみつまたステーションから1kmちょと三国峠側にある貝掛温泉入口の路肩に広く除雪された場所でスキーを履きます。

ガードレールに沿って歩いたすぐの大ヘアピンカーブから一旦国道を離れ、その国道の橋の下をトンネルでくぐり、並走する橋を渡ってそのまま林道を登って行きます。

東谷山の西北西尾根に乗ったところで、この尾根を忠実に登って行くと、標高1400m付近で西南西側の二居峠から登ってくる尾根に合流して、南側の谷川連峰の景色が見えるようになりました。

二居峠方面からやってきた大勢のハイカーのトレースに並んで、緩やかな尾根を標高差150mほど行くと、東谷山の山頂に到着です。

谷川連峰~三国峠方面~苗場山の白い山並みが一望できました。

登って来た先には、この時期ハイカーに人気の日白山へと尾根が続きます。

その右は、万太郎山~仙ノ倉山~平標山の真っ白な稜線。

三国峠とその遠方の白砂山、佐武流山などを経て、

苗場山や神楽ヶ峰へと続きます。

さらに魚沼丘陵の丘や越後山地まで、巻機山方面を除いてぐるっと見渡せます。
山頂で、2日連続ここに来た方や、昨日神楽ヶ峰を滑った方々と会話しながら一服です。

ちなみに、低気圧通過直後の昨日は、神楽ヶ峰は夕方一瞬雪が雨に変わったのの、東谷山は日中絶好のパウダーコンディションだったとのことでした。
一方で、日本雪崩ネットワークのこの地域の雪崩情報(TL)は、降雪が全くない今日だけが危険度1(低い)で、若干冬型となる前日と翌日は2(留意)でした。
場所は変わりますが、昨日は危険度2だった白馬の小日向山北東斜面で雪崩による負傷者が発生する事故が生じました。
…まさにコンディションの良さとリスクは比例する。

それでは、何も考えずに目の前の斜面に突入です。
ちょっと重めですが十分に快適なパウダーを、標高差150mほど一気に滑走します。

が、滑り込むはずの清津川の谷が眼下には見えて来ず、何故か右手の樹間から北東にある八海山方面の景色が見えてきました。
あれ?
間違えて一つ右隣の北斜面を滑ってしまっていたみたいです。

このまま滑って行っても三俣に行くスキーのルートではあるのですが、全く心の準備ができていおらず、慌てて左へと方向転換して、当初予定だった北西面へと方向転換しました。

ただ、北/北西面の間の尾根は地形が若干複雑かつ斜度もそれなりにあり、表層雪崩が散見されていたため、途中で斜度が緩い尾根を選んで登り返すことにしました。

結果、滑走した高さをほぼ登り返して、山頂まで100m足らずのここから、北西面に合流です。

こちらも傾斜・雪質共に申し分ない良好な斜面でしたが、道間違いで出遅れた分、多くの人のシュプールが入り乱れていました。

山スキーのためにある様な樹林ルートを標高差350~400mほど滑ると、徐々に傾斜が緩くなり、ブッシュが目立ってきました。

ブッシュをかわしながら、最後は障害物を避けながら小沢の底を滑って行くと、左手に往路の林道が見えてきました。

登りに使ったトレースを滑って到着です。

●本日の反省
 ルートミス。
 勘違いや地図見間違い以前のノーチェック。完全なボーンヘッドでした。これはやばい。

 クルマに戻って装備を解除したら、もう一つの懸案だった貝掛温泉日帰り入浴の受付終了時刻でした。
 また来ようね。

●2024年3月15日(金)
貝掛温泉入口除雪スペース(8:15)
→西北西尾根→東谷山(11:05~35)
ルートミス(北面滑走)・登り返し(11:40)
→標高1480mから滑りなおして西北面滑走(13:00)
→貝掛温泉入口(13:40)





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