2022年4月19日火曜日

大戸沢岳(BCスキー)

 2022年は4月に入ってから高温が続き、雪解けが加速されているとのことですが、積雪量が多かった今年は残雪もまだ多いだろう...ということにして、時期は遅くなってしまいましたが、残雪の尾瀬(というか会津)の山へ。

会津駒ヶ岳のお隣の山、大戸沢岳のスキールートに、山麓からのピストンで行くことにしました。


ここは国道401号線の南会津町と檜枝岐村の境界付近にある「下大戸沢スノーシェッド」の檜枝岐(尾瀬)側の出口です。
道路のこちら側の川とスノーシェッドの間にある舗装道路が除雪されており、たくさん駐車することができました。
向こう側にある何かの施設の横にある道を、スノーシェッドに沿って歩いて行きます。

何かの工事があるのでしょうか。例年雪に埋もれている道は沢まで除雪されていました。

ごうごうと雪代が流れる下大戸沢の脇の残雪の先端から登り始めます。
最初は残雪が途切れない小さな沢型の中を忠実に遡ります。


沢の対岸にある雪解けが進む三岩岳の南東尾根の南面を見ながら登って行くと、雪に覆われた中ノ沢が見えてきます。
山全体は一見真っ白ですが、沢沿いに目を凝らすと、かなり上部から底雪崩により茶色くなった斜面が続いています。
沢底が雪崩れたわけではなく、側壁が崩れているのだと思いますが、沢沿いを滑るのはちょっとやめておいたほうが良いかもしれません。

時折急登を交えながら尾根を忠実に登って行くと、標高1350m付近から傾斜が緩やかとなったので、1386m標点付近で三岩岳の稜線を眺めながら大休憩します。

再び少し急登すると、今度は比較的明瞭な凸となっている1553m標点を越えます。

ちょうど1553mのところから、大戸沢岳北東尾根の東側の小沢を数名のパーティーが滑り降りてくるのが見えました。
撮影しようと思ったら、あっという間に足下の桑場小沢へと消えていきました。


1553m標点の少し先から、大戸沢岳山頂付近までは一気の急登となります。

尾根上にの疎らな樹林がなくなるあたりからは、左右の沢型の上部の雪面にはクラックやコブ/シワ状の変形が入るようになります。

下から見ていた時には、このクラックが割れてこちらに崩れてこないかと心配していましたが、近づいてみると明らかに沢に向けて落ちる方向に割れているので、先ずは一安心して尾根状の一番高いところを行きます。

正面に見える数本のシラビソの塊のところで、急傾斜は終わり、尾根上の雪原となります。

滑走のみを目的とする場合は、ここが登りのゴールとなります。

私は、大戸沢岳に初めてきたので、一応山頂に行ってみることにします。

極めて緩やかな数回の上り下りの後に、特に目印の無い山頂に到着しました。

正面には伊南川(檜枝岐川)の谷を隔てて、帝釈・南会津の山並みが押し寄せます。
右手(南西~南東)の遠方には尾瀬から日光の山々が並びます。

駒ヶ岳との間にある下ノ沢の源頭は雪が割れて今にも底雪崩が起きそうです。

背後の樹林の向こう側には、駒ヶ岳~中門岳へと続く純白の稜線の上部が見えます。

その右(北西)の先は越後・会越の残雪豊富な山々です。

中門岳へと続く稜線からは、御神楽沢源頭へと降りていくシュプールが見えます。
いつかは滑ってみたいところですが、クラックの下めがけて滑りこむのは危ないですね。
あのクラックは毎年全層で崩れる場所です...

それでは、景色を堪能したところで、往路を引き返すことにします。

バキバキに亀裂の入った(恐ろしや...)南東尾根を見下ろしながら平坦な稜線をゆるゆると滑走し、正面に三岩岳が広がったところから登って来た尾根に向けて滑走開始です。

無木立の巨大バーンの中の好きなところを、気の向くままにがんがん滑ります。

引き続き樹林の尾根を滑って行きます。

往路で一旦下りとなった1533mの凸は右から巻きますが、勢いに任せて下ると、雪庇に阻まれて尾根に帰れなくなるので、高度のロスを極力抑えて...

1386m標点も右巻きですが、こちらは尾根が滑る人の方に曲がってきてくれるのですんなり復帰。

そこから少し滑ると、出発したスノーシェッドの出口が見下ろせるようになりました。
あと標高差450mほどの滑走でしょうか。

明瞭な樹林の尾根上でブナ林のスラロームをしながら、標高1100mほどで尾根がなんとなく二手に分かれるところからは、雪が残った中間の沢型をそのまま滑って行きます。
ところによっては残雪が狭く、落ちてきた枝が敷き詰められているところもありますが、沢型はそのまま下大戸沢沿いへと導いてくれます。

除雪された道に下りないように尾根を回り込んで、スノーシェッド出口の脇へと滑って行きます。
下の写真のところから5mくらい雪が切れていまたので、数歩だけ歩いて出発した場所へと戻りました。

●2022年4月17日(日)
下大戸沢スノーシェッド (8:45)→大戸沢岳東尾根
 →1386m標点(10:55~11:10)→大戸沢岳(13:45~14:15)
→往路滑走→下大戸沢スノーシェッド(15:10)

●本日の反省
・雪質が完全にザラメとなった最高の環境で、絵にかいたスキーの山の山頂から、標高差1200m超を一気に滑り降りることができました。
・前後して登っていた方が、クマにあったとのことです。
 そろそろ対策をして登る時期になりました。


2022年4月10日日曜日

守門大岳(BCスキー)


十数年ぶりの雪量となった2021-2022年シーズンは、4月に入ってからの週末の天候も上々で、絶好の春スキーの年となりました。
2回目の週末に目指すは豪雪の山、守門岳です。

小出I.C.から国道290号線を走ること30km弱。守門岳へと分岐した道のどん詰まりにある南魚沼市二分(にぶ)の路上には守門岳を目指す人たちの長蛇の縦列駐車が続いています。

5年ほど前のGWに来たときは、閑散としていて路上駐車などする必要はなかったのですが、いつからこうなったのかと思いながら、除雪終了点まで舗装道路を500mほど歩いてスタートです。

連日の5月中旬並みの高温で締まった雪の上をツボ足で歩いて行きます。

豊富な残雪があるため、蛇行する舗装道路のショートカットも問題なく、積雪期のノーマルルートを、多くの登山者とともに進みます。

616m標点の少し下くらいの林道跡から左手を振り返ると、519m三角点がある大平の平坦な開拓地が見えます。
帰りは樹林密度が高い往路の尾根よりも、あちらから下った方が楽そうですね。

明瞭なトレースに導かれて、長峰手前から左側の小尾根に乗ると、只見方面の山々と破間川沿いの盆地が見えるようになってきました。

そして、長峰から続く尾根上の道路からは目指す守門大岳が正面に望めるようになります。
標高は右側に連なる守門岳周辺の峰々ほど高くはないものの、ひときわ目立つ姿は「大岳」という名にふさわしいです。

標高差20mほどを一旦下った保久礼避難小屋からは、しばらくの間、疎林の斜面を登って行きます。

保久礼から40分少々のところにあるもう一つの避難小屋を過ぎると、徐々に樹林が無くなり、視界が開けてきて背後に越後平野が広がります。

右(西)側には魚沼丘陵、頚城丘陵といった里山が波打つように続きます。
はるばる登って来た長峰の白くて緩やかな尾根と、その斜め左先に続く大平の平坦地が見下ろせます。

樹林がなくなってから山頂までの標高差300mほどは、麓から坊主頭の様に見えた真っ白なドームを一気に登って行きます。

山頂に立ったとたんに、東側にある只見の白い山々(正式名称は越後山脈?)が一気に目に飛び込んできました。

北側はすぐお隣の中津又岳の向こうに川内、下田の山々。

こちらは南側に連なる守門岳(青雲岳~袴腰)の峰々。

その右手には越後三山です。

それでは、登って来た越後平野・日本海に向けて滑り出しましょう。

最初は一番凹凸の少ないコウクルミ沢方向に、多くのシュプールに混じって滑り降り、すぐにトラバースして登路の尾根に戻ります。

そして、反対側(北側)、母川の谷の大斜面へと滑り降ります。


こちら側に劣らず雄大な中津又岳の斜面を正面に見ながら、谷へと一気に下る間は、周囲の景色が大きすぎて自分の大きさと動く速度の感覚が失われる時間でした。

谷底に到着してからは、振子状のスロープを、先行するトレースを追いながらちんたらと滑ります。
…重力に身を任せて回廊を進む感覚。

最初U字型だった谷は徐々に開けてきて、やがて保久礼の避難小屋の前にでます。
融雪による小穴が開いたところはいくつかあったものの、豊富な残雪で全く心配ない谷下降でした。

小屋からは、一旦少し登り返して往路を戻ります。

長峰からは、往路の谷を少し右下に見ながら、高度を節約してトラバース気味にツリーランし、谷底に下りてからはそのまま凹地を滑って、大平の平坦地にでました。
平地では200mほどスケーティングが必要ですが、(写真には写っていませんが)青い色の納屋の向こう側を回り込むと、雪に埋まった舗装道路のヘアピンカーブをショートカットでき、そのまま下って行くと小沢をスノーブリッジで渡って橋の手前で往路に合流します。

5月中旬の気温と陽気で雪質は一貫してザラメ。
遥かに望む山頂から1時間半の幸せな世界から現実に戻ります。

●2022年4月9日(土)
二分除雪終了点(7:40)→長峰(9:05)
→保久礼小屋(9:30)→キビタキ避難小屋(10:15)
→大岳(12:00)→滑走(母川;12:05~)
→保久礼小屋(12:30)→往路引き返し→二分(13:40)

●本日の反省
上部の大雪面を登りなおして、もう一本滑った方が良かったか?
うぅ~ん。微妙ですね。
確かに、母川の谷底へと下る滑走が一番快適で良かったのですが、そのまま帰ってきてみて良いと感じたところは、なんだか旅をしている様な気分を味わえたことでしょうか。
ちょっと的外れかもしれませんが、大斜面~谷底~展望の尾根~樹林~春を待つ里山といったストーリーのような展開がありました。




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