2018年7月1日日曜日

火打石谷 (沢登り)

2018年のの梅雨はあっさり明けてしまった。
夏本番を迎えて、規模の大きな沢で長いルートにも行けるはずだが頭は切り替わらず、照り付ける夏の日差しの中を、近郊の釣りも可能な奥秩父の一番手前にある火打石谷へ行ってきました。


国道411号線青梅街道を丹波山村から甲州市方面へ数キロ進んだところにある余慶橋からスタート。
橋の奥多摩側に左右それぞれ数台の駐車スペースがあります。


岩岳尾根への登山道の起点ともなっている橋の奥多摩側・上流サイドから川原に下りて、先ずは丹波川本流を遡行します。


丹波川は橋のすぐ上流がゴルジュ状となっています。


水が両岸一杯の滔々とした流れを、腰まで浸かって遡ります。


ゴルジュを越えたら、トンネルのような滑瀞谷が左岸から入ります。


明るい日差しの差し込む丹波川とは別れて滑瀞谷へ。


滑瀞谷は両岸が切り立っていますが、水量はさほどなく、川原を歩いて回廊を通過します。


滑瀞谷はすぐに小常木谷と火打石谷に分かれます。
出合では火打石谷に木の橋が架かっていました。


下流を振り返ると、左岸から径が下ってきています。
余慶橋からはじまる岩岳尾根の登山道が大高巻きをしてここに降りてくるのでしょうか。


火打石谷は小さなナメ状の流れからはじまります。


2つほど簡単に越えることができる滝があり、



標高750m付近から谷が徐々に狭くなり、ゴルジュ状の地形を行くようになります。




裏を通り抜けて左岸のロープを登って行く5mの滝。


次の12mは左岸から簡単に巻くことができます。


12m滝を越えると、瀞が目立つようになります。
竿を出してみますが、反応はありません。
先行者の足跡が1つあるので、その影響でしょうか。



このコーナーを左に曲がると、


かつての難関12m滝があります。


左岸の湿ったルンゼを登り懸垂で沢に戻るという記録が多いですが、


右岸に立派な巻き道が見えるので、こちらへ。


巻き道を登り切ると、対岸に垂れるロープが見えます。
あのルンゼを登ると、あのロープで降りるのでしょうか。
なんだかロープの起点まで行くのも大変みたいです。


右岸の巻き道は、この木の根をクライムダウンして沢に戻ります。


小滝やナメを越えて行くと、




続く淵の先を曲がったところに、


割と傾斜の急な8mがでてきました。


釜の右側を通って流れの右に取りつきます。


傾斜はありますが、事前情報通り、ガバホールドが豊富でした。


次は隠れた最難関ともいわれる簾状8mです。


ガイドブック(「東京起点沢登りルート120」山と渓谷社)には落口のこの段差はショルダーを使うとありますが、肩を借りれない一人の時はちょっと厳しく、180㎝くらいの身長が欲しい所です。


残置をアブミにして越えようとしますが、足元が不安定でひっくり返りそうになり、慌てて敗退です。
せっかく登った滝をクライムダウン。


下に降りて冷静に見回すと、左岸を小さく巻けそうだったので、一番緩いギャップに取りつくと、越えることができました。
ボルダー7級くらいでしょうか。落口へと斜上してクリア。


8m滝の上はしばらくの間ゴーロとなります。
この辺りで先行者の足跡が消えて無くなりました。どこへ消えたのだろう?


標高980mくらいでゴーロは終わります。


快適な小滝が連続するようになります。




連続する滝は徐々に大きく、急になってきて、


この上段の二条の滝は、


安易に中央に取りついたら途中で行き詰り、セミになってしまいました。
危うい所で流れを渡って左から越えます。


すぐ上は6m。
中段のハング気味のところは、左足がガバスタンスに上がればあとは簡単でした。
奥の広い空間が通称”幻の大滝”と呼ばれるところです。


6mを越えたすぐ上の小滝を登ると、


右岸枝沢の40m滝の下に出ます。
雨が少なかったとはいえ、梅雨明け後すぐでこの水量だから幻なのでしょうか。


本流の小滝を越えると、



すぐに30m大滝があります。
こちらは水量豊富で堂々とした滝です。


これは登れないので左岸の踏跡から巻いていきます。


一番明瞭な踏跡を辿って行くと、


ロープの必要を感じるところもなく、大滝の上にある滝も2つほど一緒に巻いてしまいました。


要所の通過は一段落したので、どんどん沢を登ります。
標高1200mくらいから左岸に岩壁が続き、壁が途切れるあたりに、


ガレ沢が一直線に降りてきます。
この枝沢を登ってショートカットで帰ることにしましょう。


この枝沢は200mほど登るとだんだん急になり、ところどころルンゼ状に見えるところもでてきますが、特にクライミングの技術は要りません。


標高1500mくらいで詰めの様相を呈して来るのでテキトーに歩きやすい所を登ると、


熊倉山の北側にあるコルで登山道にでました。
ここで沢装備解除。


熊倉山山頂までは登山道を行き、その先は熊倉尾根(熊倉山の南尾根)を下りました。


熊倉尾根は、急な箇所もありますが、踏跡が続いており、水源林の標柱も打ってあるので迷うことなく青梅街道脇の山の神の碑(道路脇でキノコ販売をしているところ)に降りるはずだったのですが、何故か降り立った先はクルマを停めた余慶橋でした。


●本日の反省
下りで迷った(たぶん)
熊倉尾根の1106m点から先で水源林の標柱を見失い(というかその先にあるのかどうかも不明)、テキトーに南南東に向けて下って行くと、植林の中のスイッチバックの作業径に行きあたったので、そのまま降りて行ったら、山の神ではないところに降りてしまった。
ただ、この作業径は標高880mくらいで尾根を右に回り込みトラバースを開始したので、このとき”違うな”とは思ったが、割とよく手入れされていたので辿ってみると、尾根上の地形で岩岳尾根への径に合流した。
途中で消えた沢中の足跡と共にちょっと不思議な日だった。


2018年6月30日(土)
余慶橋(9:00)→(丹波川遡行)→滑瀞谷出合(9:15)
→小常木谷・火打石谷出会(9:45)→(火打石谷遡行)
→12m大滝(10:30)→30m大滝下(12:25)
→(1250m二股右に入り熊倉山北コル目指す 13:15)
→登山道(熊倉山北側コル 14:15)→熊倉山(14:35)
→熊倉尾根(熊倉山南尾根)を下山→余慶橋(16:10)


2018年6月29日金曜日

柄沢山 (BCスキー:敗退)

2ヶ月以上の長きにわたり、このブログの更新が滞ってしまいました。
この間を思い出せば、早春の好天と気温上昇による早い雪解け、平年よりも20日以上早い梅雨明けの気配も感じられるが、自分はこの間ずっと、その早い変化に気付けず、後手に回り続け、求めていた季節が去った後に余韻すら感じないまま季節を一つまるごと見送ってきた。

今日からそんな春と初夏を思い出してみよう。
柄沢川の第2堰堤上から、沢の露出した上流を見る。

時は2018年4月21日に遡ります。
南魚沼市、清水の国道291号線の除雪終了点。
例年であれば路肩に雪の壁があっても不思議ではないこの時期に、あと10日くらいで田植えがはじめられそうな残雪の少なさです。


しかし、豪雪地帯の上越国境稜線にはまだまだ大量に雪が残っているに違いないと期待して、スキーをシートラして徒歩でスタート。
本当は最初からシール歩行のつもりだったのだが。。。

農地が終わるところにある給水タンクから、ようやく地面が雪で埋まってきます。


しかし、残雪の上を滑走するはずだった柄沢川の谷は、雪解け水が流れる普通の川に。


仕方なく蛇行する林道を進みますが、途中で断続的に雪が溶けきって地面が露出しています。

1km少々で最初の堰堤。
山の斜面は雪が残っている面積の方が少ない。。。


さらに奥へと歩き、林道の終点となる第2堰堤に到着します。


ここまで来ると山の斜面も雪で覆われてきますが、まだ滑走するには程遠い残雪量です。


堰堤上に立ち上流方面を見ると、水流上の雪渓は消失し、沢の水が轟々と流れています。


河原へ降りて渡渉点を探しますが、見える範囲でも長靴を脱いで数回の渡渉が必要となる模様です。
加えて、稜線は窪地以外は既に相当量のブッシュが露出しており、稜線上に立てるかも怪しい状態。


これでは苦労して先へ進んでも、目的の山スキーはままならない可能性が高いです。
というわけで、開始早々敗退決定。

でも、せっかく遠くまででかけてきたので、奥只見方面の残雪状況を確かめてみることにしましょう。

六日町を通り抜け、小出からシルバーラインに入って銀山平へ。

越後駒ヶ岳の登山口の一つである石抱橋から望む駒ヶ岳。


ちなみにこちらは前年同日の同じ場所からの写真です。
こちらは昨年よりは雪が少ないものの、遜色ないくらい残っていますが、あと1~2週間ほどで雪面が寸断されるところがでてくるかもしれません。
ちなみに銀山平のトンネル出口から登る日向倉山は、既に滑走できるほどの残雪はありませんでした。


仕方が無いからシルバーライン終点にある奥只見丸山スキー場でスキーの練習をして帰ろう。
丸山スキー場は雪が豊富に残っており、韓国人スキーヤーに交じって練習して帰りました
スキー場対岸の南会津の山々はさすがに上越よりも雪は豊富そうでしたが、ゴールデンウイークまでスキーツアーを楽しめるかとなると微妙。
何故か未丈ヶ岳山頂周辺だけが真っ白な雪で覆われていました。

●本日の反省
完全に出遅れた。
あまりに早い雪解け。というかここまでの環境変化に気付けず、スキーシーズンを開始しようとのこのこやってくる自分もどうだろう。。
1枚目のパンケーキは焼くのを失敗するという言葉もあるらしいが、2回目のあるなしを含めて最初から考え直さねば。。。

2018年4月21日(土)
清水(8:15)→(柄沢川沿いの林道)→第2(最終)堰堤(9:50)
→(スキー滑走)→清水(10:15)

New

北横岳 (ハイキング)

 2024年秋分の日の振替休日は、三連休で一番の晴天となったので、北八ヶ岳にでも行ってみようと、朝8時前に麦草峠に到着したら、とっくの間に駐車場は満杯でした。 確実にクルマを停めることができる場所にさっそく転戦です。 冬は「ピラタス蓼科スノーリゾート」となるスキー場のゴンドラは、...

Tips