2025年1月13日月曜日

竜ヶ岳・三湖台・富士風穴 (ハイキング)

 2025年の新年第2弾は、山梨県富士五湖周辺のハイキングです。

快晴だったので日の出目的でお出かけしたのですが、目的は数時間で達成してしまったため、追加で2か所。一日に3つの2~3時間ショートハイキングとなりました。


■竜ヶ岳からのダイヤモンド富士

元旦に横浜港に初日の出を見に行きましたが、何と太陽は首都高速道路の上、林立するコンテナクレーンの間から一分ほど遅れて昇ってきました。

それにしてもすごい人出。
ちゃんと陸地から昇ってくる太陽を見ようということで、最近ちょくちょくネットで情報が露出するようになった「ダイヤモンド富士」を見に、休みの日の朝が快晴となる日を選んでみたところ、成人の日の三連休初日となりました。

山梨県富士河口湖町の本栖湖畔にある駐車場。Googleマップの「本栖湖駐車場売店」自販機の前にクルマを停めて湖畔の舗装道路歩き、随所にある竜ヶ岳登山道を指す標識に従って右折して遊歩道、右手の登山道へと進みます。

木段のつづら折りで、登山道の取り付きを標高差200mほど登り、1135m付近の凸まで来ると周囲が明るくなりました。
ちょうど日の出時刻となる6:52頃ですが、太陽が富士山頂の仰角の分だけ高度を上げるのにあと50分少々ありますので、間に合うように/山頂で待ちすぎて凍えないように、ペースを調整しながら登ることにします。

一旦下って5分ほどで休憩舎のある石仏。
仏様は後ろの小さな木製の檻の中。
よく整備されたスイッチバックの登山道で、ここからまたぐんぐん高度を上げていきます。


山頂が近づくにつれてだんだん傾斜が緩くなってきました。

石仏の休憩舎がかなり下に見下ろせます。

富士山の右は夜が明けてくる駿河湾

反対側は青木ヶ原樹海の向こうに御坂山地と西湖。

右から湖畔コースを合わせると、緩い傾斜の径は凍てつき、10分ほどで山頂に到着しました。
日の出までもう少し時間があるので周囲を見回してみます。

富士山の右の平地は加島平野っていうんだっけ?

その右は高デッキ(左)と雨ヶ岳(右)

そして南アルプスはちょっと山頂部に雲が残っていました。

南部の拡大…笊ヶ岳(左)~赤石岳~悪沢岳~小河内岳(右)

北側の白根三山や甲斐駒。
南アルプスの右側には八ヶ岳が見えましたが、少し樹木と重なるので、そちらはまた後で。

そしていよいよです。

撮影する人々。
今日は30人前後くらいでしょうか。もうちょっと多いかな。
見すぎると網膜が焼けそうなのでこれくらいにしておきます。

下山する途中で八ヶ岳が良く見える場所がありました。
(左奥は車山、右手前は茅ヶ岳)

その右の奥秩父。金峰山(左)から北奥千丈岳、三宝山、雁坂嶺(右)くらいまで?

御坂山地

拡大すると、王岳(左)~鬼ヶ岳~十二ヶ岳~黒岳(右奥)

黒岳から続く三ッ峠の稜線が河口湖畔に向けて徐々に下って行きます。
手前に見える西湖右側の丘が、この次に行くことになる足和田山で、その右の麓に河口湖の手前にちょっとだけある家並が鳴沢村でしょうか。

河口湖の右側で富士山の裾野に半分隠れているのが富士吉田で、その背後の前列尖がりが杓子山。
その後列左が今倉山で右が平坦な御正体山。その右の遠方にはピラミッド型の蛭ヶ岳から丹沢山塊が続きます。
丹沢の右下の裾野樹海に隠れて見えるのが山中湖だとすると、その後ろは石割山?
ダイアモンド富士だけの山かと思っていましたが、稀にみる大展望の山でした。
下りの登山道でも続々と登ってくる人達とすれ違いました。

駐車場まで往路を戻ります。

●2025年1月11日(土)
本栖湖駐車場(6:00)→竜ヶ岳登山口(6:18)
→石仏(7:00)→湖畔登山口分岐(7:30)
→竜ヶ岳(7:40~7:55)→石仏(8:30)
→本栖湖駐車場(9:15)



■三湖台・足和田山(五湖台)

本栖湖駐車場から30分のドライブで、お隣の鳴沢村にある紅葉台に到着しました。
国道139号線の鳴沢氷穴と県道71号(富士宮鳴沢)線交差点の中間にある「紅葉台」の標識を入り、木曽馬牧場の建物から先のダート道を標高150mほど登った終点にある無料駐車場(奥にあるレストハウスの屋上展望台は有料)は、普通乗用車でも問題なく標高1135mに持ち上げてくれます。

脇にアンテナが立つ林道跡をユルく10分ほど登ると「三湖台」の展望スペースに到着します。

目の前には西湖と向こう岸の御坂山地がどーんと広がります。

二つ目の湖、本栖湖は先ほど前に居た竜ヶ岳の麓に見えました。

三湖台なので、西湖と本栖湖の間にあるはずのあと一つは...

悪沢岳、赤石岳の下あたりに右から張り出している尾根の裏側にあるはずですが...
見えませんね...

御坂山地北部の稜線に少し隠れますが、白根三山もとてもよく見渡せます。

そして背後は富士山。

白草流しや小御岳流しなど、富士山の中では急峻な地形が並ぶ北斜面。

それでは、足和田山(五湖台)に向けて稜線を進んでいくことにします。

緩やかにアップダウンする尾根上には、東海自然歩道と林道の残骸が時に合流しながらほぼ並走しており(どちらを歩いても歩きやすさは似たようなものでした)、小一時間ほど歩くと足和田山のすぐ手前で貯木場跡と思われる平坦な広場に出ます。

広場の先の分岐を、ポールの間から左側の径に入ると、上から喧騒が聞こえてきて、すぐに展望台の立つ足和田山の山頂となります。

山頂の展望台に上り、お約束の5つの湖を見ようとしますが...
見えるのは足下の河口湖だけで、右奥にあるはずの山中湖は樹林どころかそもそも尾根の陰の方向です。

西側の三湖も全て手前の山の裏側で、本栖湖脇の竜ヶ岳すら樹林の陰でした。
うぅ~ん。
あらかじめわかっていたこととはいえ、この山のサブタイトル「五湖台」って、なんとかなりませんかね。
期待を持たせる名前が現状を現していないことを書いているウェブサイトは「富士の国やまなし」くらいで、そこでも「五湖全部は望めない」と河口湖1つしか見えないことはぼかされた表現となっています。
ちょっと昭和の風俗店のようなネーミング...


それにしても好天の三連休初日は50人を超える人々が山頂にあふれています。
どうやってここまで来たのか知らないけれど、短い展望台の階段の上り下りがおぼつかない高齢者もいるぞ。
それに、みんなやたら大きな声で話すが、そうしないと聞こえないのか?

喧騒を避けるため、途中にあった広場まで戻ってお昼ご飯にしました。

時折樹間に西湖を見ながら往路を引き返します。

落葉した樹林が美しい尾根の道路は、静かで日差しがぽかぽか暖かく、のんびり歩くのに最高でした。

●2025年1月11日(土)
紅葉台(9:45)→三湖台(9:55)
→足和田山(五湖台;10:50)
→紅葉台(11:50)




■富士風穴・大室洞穴・眼鏡穴・神座風穴・本栖風穴

二ヵ所ハシゴしてもまだ午前中だったので、最後にもう一丁。
今度は少しワイルドなところに行ってみます。

精進口登山道が県道71号(富士宮鳴沢)線を横切る地理院地図の1101m標点のところにある数台分の空地にクルマを停めて、すぐ奥のゲートから、登るというほどの傾斜はない登山道を登って行きます。

溶岩の上に絡みつく木の根を見ながら5分ほどで富士風穴の石柱があるので、右に入るとすぐに巨大な穴が開いていました。

穴の縁に少年(赤矢印のところ)が一人ぼーっと座っていたので声を掛けてみると、S大の探検部員で、仲間が洞窟に入っている間、外に待機している係とのことでした。

少年が座っている場所から穴の中に降りてみることにします。

穴の底の側面から始まる洞窟は、通常装備で入れる場所まで往復一時間くらい。
その先は這ったり上り下りをしながら複数のルートがあるとのことでした。
尚、この洞窟は天然記念物であるため、立ち入る際には富士河口湖町役場に入洞届が必要です。

というわけで、洞窟の入口で引き返して登山道を先へと進みます。

すぐに精進口登山道は左折していくので、直進してすぐ先にある次のゲートを通過すると、周囲の溶岩は、道を外れるとすっぽり落ちてしましそうなくらい隙間だらけとなります。

そして、かつては植林作業道だったと思われる道が不明瞭となってきたころに、次の大室洞穴の表示が見えてきました。

矢印に従い森の中の廃道を行くと、ちょっと行きすぎて慌てて戻ったところに洞穴がありました。
周辺全体が崩落しており、どこが入口なのかわからないので近寄ってみたところ、穴の奥から何かが動めく音が聞こえた(様な気がした)ので、慌てて立ち去りました。

元の道型に戻り先へと進むと、今度は眼鏡穴があります。
が、この穴は他の天然記念物のような石柱の表示が無いため、勘を働かせて見つけることになります。
ヒントは、大室洞穴側から行くと径のすぐ右側にあり、道が太くなりカーブしているところまで行くと行き過ぎです。

ちなみに道が急に太くなるところは、左折した先がこんな感じです。

間違って行き止まりとなり、慌てて引き返しました...

そして地形図の径は1280m標点を迂回して進んでいくように記載されていますが、何も考えずに歩いていると、1280m標点のすぐそばまで来てしまいました。
次の目的地である神座風穴に向けて方向修正します。

しかし、道を外れると何があるかわかりません。
どこを歩けば安全なのかが不安になって来たので、なるべく大きな岩や太い木に足を置きながら歩いて行くと、木の根元が黒くなっていたので、近寄ってみたら井戸の様な深い穴でした。
うっかりこんなのに落ちたらイヤだなあ。

幸い穴のすぐ横に表示があり、正規ルートに戻れました。

そして神座風穴は立入禁止のロープが張られていました。

ロープの外側からだとよく見えないので、違う方角から見てみようと迂回したら、そこにも落とし穴が。
↑この穴の脇を通過するのですが、中を覗いてみると足を置く下は空洞で、見回した範囲では四方に空洞が延びて行ってるように感じられました。

ロープの外側から一番見える場所でこんな感じでした。

さて、残る一つの本栖風穴に行くために大室山の北裾を巻いて行きます。

径は踏み跡程度で標識は無し、たまにピンクテープありといった感じで、本栖風穴に向けて続くのかと思っていたら、突如Uターンして往路のゲート方向を目指し始めました。

なので、数百メートルほどワープ。

道が途切れたのはこのためかもしれません。

ただ、立入禁止のロープから続いていた踏み跡は、何故か大室山の北西斜面を登り始めます。

なので、またまた軌道修正して風穴に向けてショートカット。

ありましたね。
でもここも立ち入り禁止でした。

看板のところからは穴が見えにくかったので、周囲をぐるっと回ると、ロープの外側で一番見やすいのはこのあたりでした。
これで大室山北麓の主だったところは全部行けたかな?

遊歩道を通ってクルマに戻ります。


思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら


●2025年1月11日(土)
精進口登山道 県道71号線横断点(12:20)
→富士風穴(12:25~12:30)
→精進口登山道分岐(12:35)→大室洞穴(13:00)
→眼鏡穴(13:10)→神座風穴附蒲鉾穴(13:30)
→本栖風穴(14:20)→県道71号線横断点(14:45)


●本日の反省…凍結した登山道での転倒注意
 竜ヶ岳の山頂が近づき登山道の傾斜が緩くなると、登山道の路面が凍結しはじめた。
 それまでも凍結してはいたものの凍っていたのは土壌だったが、山頂付近のほんの200mほどの区間では、一旦液体となった水だけが凍結したいわゆるブラックアイス状態となっていた。
 そのときは「下りはちょっと滑りやすくなるかな」と思ったが、いざ下る時になると、短い距離を過ぎれば問題なくなることがわかっているだけに、ザックに入れてあるチェーンスパイクを装着するのが面倒となり、”注意していれば大丈夫だろう”ということで、注意以外の対応は何もせずに歩きだしたのだが、登ってくる登山者とすれ違う際に、その注意が足下とは別のところに飛んでしまった。
次の瞬間、絵に描いた通りの、柔道の大外刈りを食らった状態で登山道に一本取られた。
唐突なことだったので受け身を取る暇もなく、その代わりに背負っていたザックが受け身の機能を発揮した。
使わずに中にあったチェーンスパイクのゴム部分がショック緩衝の一役を担ってくれたに違いない。
凍結した道は必ずザックを背負って歩こう。
もとい、安全を確保する装備は適切なタイミングで使用しよう。


■オマケ(鳴沢氷穴・富岳風穴)

精進口登山道沿いの5つの洞窟を見学しましたが、当然の如く中に入れるものはありませんでしたので、その埋め合わせをすべくお金を払って観光施設の洞窟に入ってみました。
入場料はどちらも大人¥350で、営業終了一時間前までなら共通券を¥600で販売しています。

先ずは鳴沢氷穴

狭い狭い。

氷穴からクルマで2分(歩くと15分)の富岳風穴は、駐車場から奥へぐんぐん歩いて行くとチケット販売所があります。

こちらは氷穴と違って一本の穴を往復します。あと屈んで通る様な狭いところはありませんでした。

入口は階段が整備されていますが、雰囲気は樹海にあったものと何となく似ていますね。


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