2025年あけましておめでとうございます。
新年最初の登り初め?は、昨年末に行った伊豆山稜線歩道の残りの部分です。
前回は日没タイムアウトで2割くらい車道歩きだったので、その区間も含めて車道は歩かずに完結するぞ!!と意気込んで出かけたのですが...
沼津市と伊豆市の市境、県道18号(修善寺戸田)線と127号線(西伊豆スカイライン)の交差点にある戸田峠には大規模な駐車場が整備されています。
富士山は雲に隠れていましたが、ガスの合間から江浦湾・内浦湾と沼津の街が見下ろせました。
100mほど先から笹の中のまっすぐな径を登って行くと、達磨山に到着。
今日はこんな感じで並走する舗装道路と交互に歩くことになります。
駐車場の反対側の小さな丘(古稀山の一つ手前の凸)の上で、駿河湾側の笹薮の薄いところをかき分けると展望が開けました。
そして、またまたスカイラインを数十メートル歩いてから登った丘の上が古稀山でした。
隣接する丘よりも低いのにここだけ名前がついているのは、展望のおかげでしょうか?
振り返ると、達磨山の山頂はまだ煙っているものの、富士山は顔をだしてくれました。
古稀山からは延々と続く笹の原を行きます。
但し、残念ながらここから南側の稜線歩道では、魂の山まで富士山の展望は無くなります。
(県道の舗装道路上ではちょくちょく見えますが...)
と思ったら...
笹原の真ん中を横切っているスカイラインが稜線歩道と一旦共用になります。
時折開ける進行方向の山並みを見ながら、延々スカイラインを歩くとようやく標識を発見。
(山頂からの展望はありません)
棚場山から先は展望が無くなり、県道西天城高原線に沿えども路上に出ることは無く、樹林内を歩いて行くことになります。
木の階段を一気に下った棚場山トンネル南側に石柱の立つ吉奈峠。
目の前には県道をくぐる動物保護目的と思われるカルバートがありますが、鉄条網付きのフェンスで隔離されておりカルバートをクライミングしなければ県道とは行き来できません。
吉奈峠から20分ほどで、行き倒れた乞食夫妻の慰霊とされる南無妙法蓮華経石碑がある南無妙峠。
吉奈峠から20分ほどで、行き倒れた乞食夫妻の慰霊とされる南無妙法蓮華経石碑がある南無妙峠。
棚場山から魂の山への取り付きまでの区間で県道に往来できるのは南無妙峠を含めて4~5か所くらいでしょうか。
馬酔木やヒメシャラ、ネズミモチの混合林に時折植林が混ざります。
県道脇の植林にひっそりとある土肥峠。
ただ、ここも横にあるカルバートから上の県道へのガードは固く、標識によるとここをくぐって持越温泉バス停まで3.8km歩けとのことです。
ちなみに、標識が指す持越温泉に無事着けてもバス便は1日2本程度(もしかすると平日のみ?)なので過度な期待は禁物です。
土肥駐車場の少し北側の路上に出ました。
さて、車道に出たのは良いものの、西伊豆の稜線上には出発した戸田峠しかバス停が無い。
戸田峠から天城峠(の30分下にある天城峠バス停)までの30km近い区間の多くを車道やその横を歩くにもかかわらず、アクセスできるのは唯一船原峠だけで、そこでもバスは峠の下をトンネルで通過していくので、トンネル出口付近の大曲茶屋まで3kmほど下らなくてはならない、という長野県南部や飛騨地方もびっくりの辺境の地だった。
というわけで、県道近くの土肥駐車場にあらかじめデポしておいたチャリンコに乗って戸田峠へと帰るのだが、2時間歩いてきた船原峠には10分もかからず到着したものの、そこから達磨山の肩までは標高差350mの登り返しが待っていた。
還暦を過ぎるまで生きてきて一度もここに来なかった理由が納得できた。
公共交通機関で入山する方は、稜線まで迎車可能なタクシー会社を確認しておいた方が良いかもしれません。尚、ルートほぼ全域で電波は通じます。
●とはいえ、伊豆山稜線歩道は魅力に満ちた素晴らしいトレイルだった。
多くの火山地形を次々と越えて行く間に登場する、富士山と駿河湾・西伊豆海岸線の展望、明るい笹原、ブナの原生林をはじめとする多様な樹林、適度なアップダウンと良く整備された径。
今回天城峠と戸田峠の間を2回に分けて歩いたが、若くて体力に余裕がある時期に一気にスルーしてみたかった。欲を言えばその先の天城連山まで。
稜線上に全く水場は無いが(なんなら宿泊装備を含めて)こっそりデポしておくところはいくらでもあるので...