2023年8月12日土曜日

前川 大滝沢(沢登り) 後半:大滝上から

 山形県米沢市の滑川温泉を流れる前川の支流、大滝沢の遡行記録です。

滑川大滝を巻いて登ってきた前半はこちら

滑川大滝の上から引き続き遡行していきます。

滑川大滝の上にある10m滝を登ると、一旦平凡な流れとなりますが、5分も行かないうちに小滝とナメがほぼ連続して続くようになります。

最初の4mは、右岸にある桟道のような水平テラスから巻きました。

滝の上はまた舗装道路の様なナメとなります。

ナメが途切れるとプールと小滝、そしてまたナメといった感じで、飽きることなく続きます。


左岸から岩盤が朱色のホラノ貝沢が出合う少し先からは、ナメ滝の落差が一段高くなり、5m前後のものが断続的に続くようになります。

乾いた岩盤のフリクションが効くようになってくるので、ほいほいと岩を登って行きます。

これは右側の木につかまってよじ登ります。

登った上は広いナメで、先にも小滝が続きます。

ここも登ってというようなスロープが完備されていました。

まだまだあるよ

奥のヒョングリ滝は、目前まで近寄ると右岸の巻き径があります。(もっと手前からも巻けそうです)

ヒョングリ滝の落口から上流を見たところです。

どこから登ったっけ?

右脇からだっけ?

この10mくらいの滝は右側の階段状から登りました。
落差5mを越える規模の滝はこれが最後となります。
ここまでの滝は、落差はあるとはいえ、基本的に歩いて越えるものが多かった一方で、この滝から上は比較的身体能力を使う(とはいってもクライミングを要するようなものではなく)アスレチックなものが増えてきます。

最後の10m滝の落口から上流を見ると、何となくそのことがわかるような小滝群の連打となっています。

連続する小滝は、へつったり、

泳いで取り付いて脇の細流沿いに這い上がったりと、その場の見た目の判断で越えて行くことになります。

一気に越えてきた連瀑を振り返ります。

その後も、造形美があるのかないのか/直登するにも巻くにも体力を求められる渓相となります。
小さなナメや滝を一つ一つ見ると、関東近郊にあれば結構な評価となるのかなと思う光景がある一方で、既に渓谷の造形美を満喫してお腹一杯の状態だと、失礼ですが感動もちょっとグレードダウンしてしまいます。

そして、上に吊橋の残骸が渡る鉱山跡の様なところからは、ますます状況が過酷となりました。

泳ぎを要したり、直登で這い上がるには少々骨が折れる一方で、巻く場合は巨岩の合間を這い上るような状況の連続となります。
いや~、朝一番の元気な時に来ると楽しいのでしょうが...
既に意識が下山に傾きかけたところで、ちょっとしんどくなってきました。
まあ、年齢の影響がすべてだとは思いますが...

そして、いつしか滝もなくなり、沢が巨岩で埋め尽くされてきます。

標高1290mほどで正面から左岸枝沢が合わさる頃には、頭の中は脱出のことで一杯で、数百メートル先に右岸から合わさる桶木沢がとても待ち遠しくなりました。

やっとのことで滝で落ちてくる桶木沢に到着。
出合付近の小滝を登って、廃道となった登山道に向かいます。

小滝を登ってすぐのところにある、この金属の残骸の少し先に小さなピンクテープがあるところで装備を解除します。
ワイヤーケーブルが出てくると行きすぎです。
この付近の登山道跡はほとんどが笹で覆われており、刈払いの痕跡が残る足下を確かめながら笹を漕いで進むことになります。
余裕があれば700mほど上流にある潜滝を見物しようかと思っていましたが、現地に着くとそんな目論見もどこへやら、即帰路へと向かいます。

うっかり足を踏み外すと並走する桶木沢に滑り落ちていくような足場から始まり、進むにつれて徐々に径を覆う笹の量が減ってきました。

ネコノ沢を横断するころにはすっかり普通の登山道に近いコンディションに回復し、滑川温泉の行楽客が登ってくる大滝展望台に到着します。

涼しい広葉樹の森を滑川温泉へと下ります。

そして、この吊橋を渡ったら、なんとそこは福島屋の敷地の中で、旅館の建物内を通らないと外に出られませんでした。橋の通行料¥200を払って...
あれ~、10年ほど前は直接外に出れたような気がしたんだけどなぁ。
忘れてしまった。


●本日の反省
飲料水は余裕を見て持って行こう。

 この川の水は錆臭くて飲めないと言われてはいたが、支流全てでそのようなことはないだろうと甘い考え抱いていたところ、本流以外の全ての沢も同じような金属臭を持っていた。
 ある程度の現地調達も期待して最初に持って出かけたミネラルウォーターを1リットルに減らしたが、水泳で体温を冷やせるとはいえ、夏の炎天下ではそれなりの消費量となり、帰り道に余裕を持とうと思うと、最後の方は途中の枝沢ごとに飲料水難民?状態に片足を突っ込みそうになった。大事には至らなくてよかったが...

●2023年8月10日(木)
滑川橋(8:45)→三段15m滝(9:00)
→滑川大滝(9:40)→右岸高巻き
→落口(10:25)→ネコノ沢出合(11:00)
→ホラノ貝沢出合(11:15)
→幅広6m滝(11:35)→8mヒョングリ滝(11:50)
→12m滝(12:05)→鉱山跡吊橋(12:25)
→桶木沢出合(13:15)
→桶木沢登山道横断点(脱渓;13:15~13:30)
→滝展望台(14:40)→滑川温泉(福島屋;15:00)




2023年8月11日金曜日

前川 大滝沢(沢登り) 前半:滑川大滝まで

 例年お盆休みの幕開けとなる祝日「山の日」は、首都圏を起点とする移動が大渋滞となるので、毎年敬遠していましたが、今年は前日から休んで一足お先に遠出します。

暑くてまともに仕事する気もないしね。

行先は初級者が日帰りで入ることができる渓谷としては本邦随一の茗渓、山形県米沢市の大滝沢です。

福島市から国道13号線で米沢を目指し、ちょうど中間くらいにある東栗子トンネルを抜けた先の右カーブを左折し、県道154号線に入り、T字路を右折して232号線を途中から峠駅へと左折。
峠駅手前の貸別荘のT字をこれまた左折して、滑川温泉と姥神温泉があるどん詰まりへと向かいます。
ちなみに、福島と米沢を新栗子トンネルなどで結ぶ東北中央自動車道は、早くて超快適ですが、峠付近で降りる場所がなく、通り越して米沢まで行ってしまいます。


ここは滑川温泉(福島屋)の200mほど手前にある滑川橋です。
橋の真下が前川と大滝沢の出合いとなっているので、付近の空きスペースに駐車して適当なところから沢に下り、右俣の大滝沢に入ります。

大きな岩が点在する沢を15分も歩くと、最初の滝となる三段15m滝があります。

最下段滝の左側にある古い針金が残る細長いテラスをトラバースして左の流側を登って行きます。

この辺から右側に移動したっけな?
登る滝が多くてどこから登ったのかをあっという間に忘れてしまいました。
まあ、現地で見るとすぐにわかると思います。

落口の先にあるナメ滝の上には広々とした岩盤の空間が広がっていました。

緩やかにカーブするオレンジ色の舗装道路の途中に小滝と釜が点在していきます。

三段15m滝から大滝までの間は、増水していない限り困難な箇所は無く、歩いてよし、振り返ってよしといった空間が続きます。

徐々に沢の幅が狭くなってきて、一面のアスファルト舗装が崩れてくると、奥に大滝が見えてきます。

遡行を開始してからここまで1時間くらいでした。

落差80mとのことですが、もっとあるように見えますね。

そばに寄ると圧巻です。

お約束通り滝に打たれてみます。

大滝は右岸の踏み跡から巻きます。
先ずは突端に木が生えた岩塔目指してその右のルンゼを登って行きます。

踏み跡は登山道くらい明瞭で、ぐんぐん高さを稼いでいきます。

下から見えた岩塔の木の付け根からこんな感じで見下ろせ、ここで滝は見納めとなります。

その後も明瞭なれど灌木が少々邪魔くさい踏み跡を喘ぎながら登っていくと、樹木が開けて短いトラバースとなります。

下を見ると急傾斜の滑り台が先ほど巻き始めたあたりへと続いています。
難しくはないものの、慎重さを求められる2回のトラバースの後に、なおも樹林を登って行くと、水の音が聞こえてきて大滝の落口に到着しました。

一段下に見下ろす釜から大滝本体が始まるみたいです。

落口の上は、見下ろしているものを含めて2つの小滝と10mの滝があります。

左右どちらからも登れそうな10m滝の上から、引き続き遡行を続けていきます。
一旦休憩した後、残り3分の2くらいの遡行を続けます。



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