2016年12月30日金曜日

自家用車で登る百名山 ~その6~赤岳(積雪期ハイキング)


関東一円に一晩中雨が降り続いた12月27日の翌日に、八ヶ岳に行きました。

関東平野での雨は八ヶ岳山麓では雪だった模様です。


小淵沢I.C.を下りて八ヶ岳の鉢巻道路を行くとすぐに路面は雪と氷に覆われます。
仕方がないので、タイヤチェーンをつけてノロノロと走って美濃戸口へ。

どうせチェーンをつけたのだからと、そのまま林道に突入し、凍り付いた道を無理やり登って美濃戸に到着。

美濃戸の赤岳山荘駐車場からスタート。
雪煙が朝焼けに輝く阿弥陀岳の向こう側にある赤岳を目指します。


南沢沿いの登山道を行者小屋を目指して進みます。
山々や木々は昨晩降ったであろう粉雪を薄っすらと纏っています。


一時間少々進むと、登山道が開けてきて、いつもの岩壁が見え始めます。
まだガスが取れきっていないようです。


横岳周辺の稜線が良く見えるようになってきました。


美濃戸からゆっくり歩いて2時間くらいで行者小屋に到着です。
ここで早い昼食をとり、アイゼンを装着します。


雪化粧した森の上に、阿弥陀岳が相変わらず雪煙を吹き上げています。
まずはしばらくこの山を右側に見ながら、文三郎尾根を登って行きます。


樹林内の急登で一気に高度を稼いで行きます。
樹林限界を抜け出ると、先ほどまでは遥かに見上げていた阿弥陀岳と、その手前の中岳が、かなり近くなってきます。


そして左手には、目指す赤岳の西面が大きく聳えます。


こちらは北へ続く横岳周辺の山々。
空は徐々に晴れてきたのですが、山肌にぶつかる強風が雪に変わり、積もった雪を巻き上げるためか、粉雪がぶつかってきます。
そして、岩肌にもどんどんパウダーが撒かれていきます。


阿弥陀岳への登山道が分岐するところまで来ました。
風の通り道となっているのか、強風が吹き荒れます。


赤岳山頂へは、この岩場を右(南)から回り込む形で、岩の合間を進んで行きます。


風に煽られながら、よたよたと岩の間に逃げ込み、急登を進みます。


頂上へ向かう稜線が近づいて来ました。


右に目を転じると、権現岳へと続く稜線が見下ろせ、その先には南アルプスの山々が。


尾根の上に這い登りました。
無雪期であれば、キレットを経て権現岳へ向かう登山道が見えるはずです。



そして尾根の裏側には、甲府盆地を覆う雲の向こうに富士山がありました。


もうここから頂上は指呼の間です。
この壁の右端を這い登ると。。。



凍てついた祠が建つ赤岳山頂に到着です。
彼方には北アルプスが。



その左側の西方向には、阿弥陀岳の向こうに諏訪湖が。
さらにその先には乗鞍岳でしょうか。
左手に御嶽山、中央アルプスが続きます。


さらに左(南)には権現岳と南アルプスの山々


南東側に富士山



北側の赤岳頂上小屋の向こうの西上州・佐久方面には細かい雲海が続きます。


まさに360°の大展望!
ですが、寒いので早速来た道を引き返します。

強風は山肌に常に雪を供給し続けます。


行者小屋まで戻ってきました。


ここは南沢以外の全ての方向が高くて急な山にぐるっと囲まれています。




いま下ってきた赤岳が、午後の日差しに照らされて輝いています。


朝に積もった雪は相変わらず森にかぶさり、頂上では煙となって太陽を包んでいました。



●本日の反省
〇積雪が危なかった。
 前夜の思った以上の雪で、朝の道路の運転が少し危なかった。
 頂上付近は、急斜面に積もったばかりの雪が、中途半端に柔らかくて危なかった。
 帰りの凍った林道の下りの運転は、すごく怖かった。特に急な下りのヘアピンカーブが。

 しかしなが、自家用車を最大限に使用したことにより、八ヶ岳を往復7時間で日帰りゲット。

2016年12月28日(水)
美濃戸口→美濃戸(8:20)→行者小屋(南沢経由10:30)→(文三郎尾根)
→赤岳(12:30)→(往路引き返し)→行者小屋(13:45)→美濃戸(15:30)

2016年11月12日土曜日

小草平ノ沢 (沢登り)

首都圏にも本格的な秋が訪れ始めた文化の日の飛び石連休の谷間。
シーズンを締めくくるため、近場の沢登りにでかけました。

表丹沢県民の森の先にある林道ゲートからスタート。



西山林道との合流点を左折すると、ほどなく二俣に着き、登山道がはじまりますが、昔あったはずの堀山の家へ登る登山道の標識がありません。

周囲を見回すと、「危険です」という標識が木にくくってありました。

先に進むのもなんだか気が引け、勘七ノ沢を経由しようかとも思いましたが、既に正午を過ぎており、あまり遅くなってもいけないので、この看板の脇からしばし旧登山道?をすすみます。


ほどなく登山道が小草平ノ沢を渡るところに到着。



いきなり5mの滝から遡行がはじまります。
水の勢いのためか、オーバーハングしているような錯覚を覚えますが、手前側の右壁に猿梯子のようなスタンスが続いており、簡単に登ることができました。



最初の滝を登ると、3連続の滝が見えます。

3つとも全て左側から快適に登れます。


倒木が多い谷の中を少し進むと4mの滝。
流れの左側をどこでも登れます。


谷が狭まる中をどんどん進みます。


この4mは水流で濡れない様に左側の足場が無いところに誰かが木を立てかけておいてくれたみたいです。
2本両方使わせていただきクリア。


4mと3mの二段の滝は左右どちらの壁でも快適に登れます。


現れる滝を次々とぐいぐい登ります。



このチョックストーンを越えようとして左下に潜り込むも、石の天面が外傾しており、しっかりしたホールドもなく断念。
でもチョックストーンのすぐ左側に大きなスタンスがあり、難なく通過できます。


この滝を過ぎると、間もなく標高730mの二股で、右側(左岸)から連続して2本の枝沢が合流します。



2つ目の二股の左股(本流)にあるのが、この沢の最難6mの滝で、流れと交差しながら右側を登りますが、落口手前のハーケンが打ってあるあたりでホールドが細かくなり行き詰ります。


仕方がないので、右側に逃げて滝の上へと抜けます。
ちょうど下の写真の手前にある岩の右を這い上がって来る感じです

が、この場所から上へと抜ける踏み跡が、岩の上に泥やザレが中途半端に付着して滑りやすいです。
ここでスリップしたら、あの浅い滝壺まで転げ落ちて、また一からやり直し。。。

安全な場所までへっぴり腰で泥壁を登ります。
このスリップ壁が本日の核心でした。


二股から上は大きな滝もなく、水流も徐々に細くなります。


両岸が植林となり、沢の水が涸れたら、正面の稜線に大倉尾根を行きかうハイカーの姿が見えてきます。


左上には木立の間に「堀山の家」も見えてきます。


入渓後80分で堀山の家に到着です。
大倉尾根は平日なのに、飛び石連休の狭間のせいか下山していく人が途切れずに通過していきます。


ここからは小草平ノ尾根の”危険な”元登山道をのんびり下ります。
注意喚起の看板はありますが、尾根を素直に辿れば問題ない状態で、途中所々に登山道を逸れない様にロープも張ってありました。

平日なので仕事の電話が何本かかかってきてしまったので、途中休み休みのんびり下山です。
入渓点を通過して帰路を戻りました。


表丹沢県民の森(12:00)→二俣→小草平沢出合い(12:30:入渓)
→(小草平ノ沢遡行)→740m二股(13:00)→堀山の家(13:50)
→(登山道)→二俣(14:45)→県民の森(15:00)

●本日の反省

1.下調べ不足の上、出発が遅かった。
 掃除と洗濯をしてから横浜の家を出たのが午前10時過ぎ。
 秦野の市街地と国道246号線の横断で渋滞に巻き込まれ、歩き始めたのがお昼すぎでした。
 もう少し心にゆとりがあっても良かったか。

 5年ぶりの塔ノ岳周辺登山で、最初は西山林道から行こうとしたところ、ゲートが閉まっており進めず、慌てて試行錯誤の末、県民の森に到着しました。
 帰ってから調べてみると、西山林道はずいぶん前から通行止めだったみたいです。
 小草平尾根の登山道もなくなってるし。。。

 二俣のすぐそばまで車でやってきて、10分ほどで入渓という大昔のイメージのままやってきてしまいました。
 もう少し事前の下調べをしましょう。(調べていたら来なかったと思いますが。)

2.秋も深まる中で水かぶり
 特に水をかぶるところもないので、安易にユニクロのフリースを着て登り始めたが、滝が簡単に登れるので、ついつい調子に乗って直登を繰り返すうちに、シャワーをもろに浴び続け、服がびちゃびちゃに。
 フリースがずっしり重く、冷たく体にのしかかりました。
 好天なので良かったですが。。。

とは言うものの、非常に楽しい沢でした。
全ての滝が登れ、途中で登れなくなってもすぐ横を簡単に登れ、しかも登る場所ごとにお好みで様々なムーブをとれる滝が、途切れることなく続くこと1時間とちょっと。
こんなルートが、アプローチを含めても3時間で楽しめ、神奈川県に住む人なら、家から半日で行って帰って来れる。
ヒルの居なくなったこの時期に、手軽で大満足です。

2016年11月6日日曜日

小中川 ヒライデ沢 (沢登り)

飛び石連休となった11月3日の文化の日。
天気が回復するとの予報だったので、ほぼシーズン最後の沢登りに、足尾にでかけました。
気温、水温とも相当低いはずなので、膝から上は濡れることがないとの目的で、足尾山塊の東側にある初心者向けのヒライデ沢を選定しました。


袈裟丸山の折場登山口が出発点。


舗装された立派な林道を5分ほど小中方面に歩くと、折場橋に到着します。
この橋の下を流れる、砂防ダムが連打されているのがヒライデ沢で、右岸に残っている踏み跡を辿って遡行を開始します。


5つ目の砂防ダムを超えると、すぐに緩やかな滝が連続します。


滝は、水が流れている岩が黒い所は滑りやすく、その上に落ち葉が載っていると、バナナの皮のようにツルツルですが、そこだけ注意していれば全て中を登ることができます。


小さなゴルジュ状の地形も見えてきます。


滝も出てきますが、どれもすぐ脇を簡単に登れるものばかりです。



入渓早々から続いた滝場は、枝沢が滝で合流する1250mの二股で終わります。


その後は、引き続き滑があらわれます。





滑が断続的ながらもしばし続くと、伐採地なのでしょうか、傾斜の緩い左側(右岸)が明るく開けてきます。


明るい沢の中を進むと、1310mの二股に到着します。
双方が急流で釜に注いでおり、左の本流を進みます。


そして、沢のハイライトはこれで終わってしまいました。
以降は、それまでのほぼ2倍の時間を単調な河原歩きに費やすことになります。


ごく稀に急流や滝状の地形がでてきますが、どれもインパクトに欠けており、あまり印象に残りません。
これは1450m二股直下の滝で、ここを右股に入って終了しようかどうかが悩ましいところです。


右股は稜線までまだ150m近い標高差があり、ヤブ漕ぎとなった場合のリスクと、稜線に着いてしまったら(小丸山にすら登らず)そのまま下山してしまいそうなことを考えて、本流を進み続けることとします。

沢は傾斜が緩やかで、広々とした林の中をチョロチョロと流れます。

山々の中を今年最初の木枯が轟々と音を立てて通り過ぎて行きます。
ガサガサと突然草木が揺れる大きな音は、木枯らしが通り過ぎるものなのか、上空を飛ぶ飛行機なのか、沢の脇の藪を自分が揺らす音なのか、それとも笹原を疾走する動物なのか?


標高1600mの微かな二股を右に入り、注意して進むと、すぐに右の稜線方向から踏み跡の様な細い流れが見つかります。
ここで靴を履き替えて、小さな流れを北へと辿っていくと、すぐに林が途切れて、登山道と見紛う様な獣道が交錯し始めます。
笹の背丈が低い所を選びながら、コルに向けて獣道を辿っていくと、袈裟丸山の登山道に到着です。

こちらは獣道とは間違い様のない立派な道。


せっかくなので袈裟丸山(前袈裟丸山)に登って行くこととします。
たぶん次に来る機会は無いしね。

頂上へ向かう途中で、下りてくる二人組の女性に「シャッター押してください。二人で写っている画像が撮れなかってので・・・」と頼まれました。
天気の良い祝日なのに、出会ったのは結局彼女たちだけでした。
鋸山方面?

赤城山

日光方面の山々

上空の雲の色が暗くなると、強風の中に今年初めて見る白い粉が舞い始めます。

風花の散る中を前袈裟丸山の山頂に到着。


寒いのと視界がないのとで、早々に退散。

遠くに関東平野を見ながら帰路につきます。


小丸山より望む袈裟丸山連山

賽の河原
もうすぐ登山口

登山口まであと少しのところにある草原の下に、本日遡行したヒライデ沢(恐らく折場橋で出合う)の支流が望めます。
短くて楽そうだし。 詰めもなさそうだし。。
こちらの方がなんとなく面白そう。
(強風でブレまくりの画像のみ)


もうすぐ夕暮れ。
ここに秋が終わる日がやってくるのも近そうです。



2016年11月3日(木)
折場登山口(9:45)→折場橋(9:55)→ヒライデ沢遡行
→1250m二股(10:30)→1310m二股(11:00)→1450m二俣(11:50)
→1655mコル(登山道:13:00)→前袈裟丸山(13:30)
→小丸山(14:20)→賽の河原(15:00)-弓の手新道
→折場登山口(15:40)

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