2020年4月19日日曜日

道志山塊 (ハイキング)

非常事態宣言が出されてから一週間が経過した週末に、「近くて人に会わない」をテーマにお出かけしました。
本当は雪が積もった山奥が該当するのですが、前日の土曜日は全国的に気温が低下し、荒れ模様のお天気で、大量の積雪があったところはリスクが高いと考え、県境を越えてすぐのところにある道志村の北側の山々としました。

赤鞍ヶ岳(朝日山)、菜畑山、今倉山、赤岩(松山)、二十六夜山と続けて歩きます。


道志村役場の駐車場は、役場の前を通る国道413号線の向かい側にあり、付近に店舗や民宿以外の施設がないためか、休日はほとんどクルマが停まっていません。
役場から国道を山中湖方面へ少々歩くと、赤鞍ヶ岳の登山道入り口の表示がありますので、右折して舗装道路を登っていきます。


車道は富士山を見ながら、カーブして登っていきます。
このすぐ先で動物除けのフェンス扉を開けて、中へと入ります。
以降案内は完備しており、標識が破損している「ブドウ岩の頭」以外は、地図を見なくても歩けました。


振り返ると、出発した役場周辺の集落が見下ろせます。
横浜では葉のみとなった桜は、ちょうど散り始めで、もう少し標高の高い道の駅周辺では満開状態でした。


フェンスを通り、カーブを2つほど曲がると、林道の左に登山道の入り口があり、長く続く急登がはじまります。
最初は檜の植林の尾根を登ります。


標高1,000メートル弱のところで一旦平坦となる入道山付近からは、自然林へと変わり、更なる急登となります。


稜線にでて、もう一つの赤鞍ヶ岳(東隣にある通称「ワラビタタキ」)からの縦走路を合わせると、傾斜が緩んだ快適な径となり、すぐに赤鞍ヶ岳(朝日山)に到着です。



稜線にでてからは、常に真っ白な富士山が展望できますが、写真に撮ると木が邪魔でどこにあるかわかりませんね。
人間の目は「富士山が見たい」と思うと、手前の枝は見えなくなるようにできているみたいです。
あと、静止した状態ではなく、歩き(近景が移動し)ながら遠方を見ると、遠景が見えやすいのかもしれません。


ここからは、先で南曲する山並みに視界が遮られるため、富士山とは一旦お別れとなります。
稜線の北側に昨日積もったと思われる雪を見ながら稜線上を西へと行きます。


アップダウンしながら続く稜線の最初の凸の「岩殿山」は木に巻いた赤テープだけが目印です。


稜線は上下しながらだんだんと下り基調となります。


標高を下げて片側が植林となる「道志口峠」(本坂峠)。
道志村の戸渡からの登山道が合わさるはずですが、気づきませんでした。
先のことに気を取られていたからでしょうか。。


道志口峠から少し登った「ブドウ岩ノ頭」は、標識が破損して落下していました。
ここで登山道は大きく左(南)へと切り返します。
まっすぐ西へ行くかすかな踏み跡に入らないよう注意しましょう。


南へと曲がった登山道は下りとなり、見る見る標高を落としていきます。
この下りは、標高差にして200mもないはずなのですが、急降下のあとに「コルについたかな?」と思うと、更に下りが続くような思わせぶりなもので、実際の数字以上にインパクトがありました。
そのたびにこれから向かう菜畑山が高くなり、圧迫感が増えていきます。


最低鞍部付近では、右手にこれから進む先にある山々が聳えます。
どれが何という山かはわからないのですが、これから追々わかていくでしょう。


ここからは菜畑山への登りとなります。
今回のルートは、基本的には日差しに溢れた稜線漫歩とも言うべき、のんびりハイキングができる稜線なのですが、最初の稜線までの取り付きと、このブドウ岩ノ頭と菜畑山の間だけは少々趣が異なり、体力トレーニングとなります。


目の上の稜線が近づいてきたと思うと、間もなく視界が一気に広がりました。


菜畑山の山頂は、出発した役場の裏山以来、初めて富士山への視界を遮る木立が途切れる場所でした。


昨日の四月の雪を頂いた富士山です。


正面に見えるこの山は畔ヶ丸でしょうか?


その左手には、真っ白ではありませんが、雪を抱く丹沢の山々が続きます。


振り返ると、これまで辿って来た稜線が木々の間から望めます。


ここから二十六夜山までは、明るい稜線の日溜りハイクとなります。
これまでも日溜りのハイキングではあったのですが、行く先に長く急な登りが無いことがわかっているので、精神的にも随分と楽になってきます。
菜畑山から赤岩ノ頭までは、この稜線の標高が最も高くなる区間ですが、大きな上り下りがないため、普通に歩いても二時間ほどで通過できます。


でも、富士山の写真を撮ろうとすると、写っているのかがよくわかりませんねえ。


わずかなアップダウンを登り降りしていくと、水喰ノ頭の少し先で、一か所だけ木立が途切れて視界が広がるところがありました。
左下の道志の谷が富士山へと向かって延びていきます。


時折聞こえてくる道志みちを走るバイクのツーリングの音を聞きながら、今倉山への登りを行きます。


誰も居ない今倉山の山頂。
道坂峠を経て御正体山への登山道が合流します。
ここから御正体山って、結構距離があるような気がするのですが、行く人は居るのでしょうか?


ここかはら、雪の量が増えてきます。


最高点の御座入山(今倉山西峰)を過ぎた西ヶ原でも、道坂峠からの登山道が合流します。


この辺りは登山者も多いのか、雪の上に足跡が増えてきます。
靴を濡らしながら赤岩へと登て行きます。


最後の岩を越えると、


一気に360°の視界が広がり、赤岩の上に立ちました。
絶景が広がります。


ざっと周りを一周見回すとこんな感じです。


それでは、正面の富士山から順に時計回りで眺めて行きましょう。

山頂部に雪が残る御正体山(左)と、鹿留山・杓子山(右)の奥に見える富士山はまさに秀麗です。


その左側は桂川の谷を挟んで三つ峠。


さらに右には大菩薩の山々の奥に奥秩父の山が続きます。


そのまた右には、左に大岳山が目立つ青梅・奥多摩。
手前は高畑山をはじめとする中央線南側の山々が、こんなに低かったっけというくらいの高さで見下ろせます。
その右は今朝スタートした道志山塊の東側の山並みでしょうか。


そして、隣の今倉山と丹沢の山々です。

まさに、四方絶景。それぞれの方角だけ見るのであれば、他にもっとよい場所があるかもしれませんが、一度に全部が眺められるのはここだけです。
しかも、舗装された県道から一時間少々で到着できる好立地。

しばしゆっくりしたいところですが、たまたま山頂に山好き(というか話好き)のおじいさんが居て、話しかけてきます。
「ここはいい景色ですねえ」
ええ、ここまで素晴らしいとは思ってませんでしたよ。と相槌をうつと、、、
「ただね。一つだけ欠点があってね。南アルプスが三つ峠に隠れ見えないんですよ」
(口には出さずに)ふうん。南アルプスが見たいんだったら、わざわざここまで来なくとも甲府盆地に行けばどこからでも見れるんじゃないの?
「黒岳っていう山ご存じです? ここからは三つ峠に隠れて見えないんですけどね、そこからだとね、、」
と言いながら、ザックから山の写真をプリントした紙を取り出して近寄ってきます。
おやおや、自分の山の知識を発表したかったみたいですね。
あまり付き合いすぎて濃厚接触となっては本日の目的とは逆になってしまいます。

先を急ぐのでと言いながら、「昼めしは食わないのか?」と引き留めるおじいさんを振り切って稜線を先へと下ります。


径は緩やかに、ときたま急に下っていきます。


階段と手すりがでてくると、間もなく林道へと降り立ちます。


林道近くから見る本日最後に登る二十六夜山です。


舗装された林道の対岸にある階段から、二十六夜山を往復します。




四方を木に囲まれた山頂ですが、富士山の方角だけ伐採されており、よく眺められます。
赤岩とほぼ同様の景色ですが、標高が低くなったためか、手前の山々が相対的に高く見えます。


富士山の展望だけであれば、舗装された林道から15分くらいで到着できるここだけでも良いと思います。
ただし、林道のゲートは結構厳重で、通り抜けるにはバイクでもよほどの工夫が必要ですが。
でも、それを言いだすと、富士山を見るだけであれば、富士吉田や河口湖周辺のどこでもよくなりますね。


帰路は林道まで引き返し、そのまま舗装された林道を下ります。
林道はそれまで歩いてきた稜線の山腹をなだらかに下っていきます。


花々が咲き乱れるにはかなり早いですが、林道沿道の木々には春の装いがはじまっていました。




林道のゲートから県道24号線を200mほど登ると、道坂トンネルです。


●本日の反省
一番いいところには人が多い。
赤岩以外では誰にも会わなかったのに....
人に会わないことを目的とするのなら、魅力を感じる人が少ないところか、もっと人が行きにくいところを選ぶこと。

●2020年4月19日(日)
道志村役場(7:20)→入道山(8:00)→朝日山(8:45)
→ブドウ岩ノ頭(9:30)→菜畑山(10:35)
→水喰ノ頭(11:00)→今倉山(11:50)
→御座入山(12:00)→赤岩(12:20)
→二十六夜山(13:30)
→(二十六夜山東側コルより林道を下山)
→道坂トンネル(14:30)

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