2025年2月6日木曜日

宝篋山・小田城跡・つくば道~筑波山 (ハイキング&ポタリング)

冬晴れが崩れつつある節分の日に、茨城県南部の2つの低山ハイクに出かけました。 

2か所のハイキングを結ぶ区間は自転車で走行し、
宝篋山ハイキング(小田休憩所から常願寺コース→極楽寺コース)
サイクリングロード走行(小田城跡見物とりんりんロードの一部を走行)
 →つくば道サイクリング(北条市街から六丁目石鳥居)
筑波山ハイキング(石鳥居から御幸ヶ原コース→白雲橋コース)
という順番に回りましたがその結果、ダラダラとやたら長い記述となってしまいました。
備忘録のつもりで書いた自分でも、途中からわけがわからん。

興味がある方は、それぞれの場所の観光協会の案内サイトを直接見ていただいたほうがいいですよ。

思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら

宝篋山

ハイキングの拠点となる宝篋山小田休憩所には、住所の「つくば市小田4544」を古いカーナビに入力しても到着できませんでしたが、最近のカーナビではどうなのだろう?
現地は、土浦北I.C.から国道125号線を下妻方面に6㎞ほど走った小田十字路を右折すると、すぐにでてくる左折の標識の100m先にあります。
ただ、休憩所に隣接する広い駐車場は早朝から混雑しており、休日の午前8時頃には満車となってしまいます。
その場合は小田の町中にある市営小田駐車場(小田3069)から1㎞弱を歩くことになります。(小田駐車場も早朝以外は空き待ちとなるケースがあります)

駐車場脇の農産物販売所から歩き始めると、すぐに常願寺コースと極楽寺コースの分岐となるので、今日は右の常願寺コースへ。
↑画像左側の、つくば周辺のどこからでも目立って見える大きなアンテナが立つ丘の上が宝篋山です。

道標は各所に親切すぎる頻度で設置されているので、安心して歩けます。

新池の畔を過ぎて害獣柵を過ぎると、間もなく径はシングルトレイルとなり、沢沿いとそうでない径に分岐しますが、両者はすぐに合流し、沢沿いを登っていきます。

先ほど分岐した極楽寺コースにつながる純平歩道を分けて尖浅間方面へと直進すると、傾斜が急になってきて、間もなくベンチが置かれた尖浅間に到着します。

特にどこも尖ってませんが、この石が尖りなのでしょうか。

尖浅間から緩やかな凹凸がある稜線を30分ほど行くと、平坦なミズナラ林となり、左から極楽寺コースが合流してきました。

山頂の手前で小さな空堀と土塁の跡があり、その少し上で宝篋城跡との標示があったので、右に入ってみると、先ほぼ横切った空堀が足下にあり、敵が攻めてくるであろう登山道の分岐がある平坦地が見下ろせました。

ただ、それ以外に城の遺構を感じさせるものは見当たらず、その代わり本丸には現代のパラボラ櫓が建っていました。

自然に元の登山道に合流すると、立派な天守閣アンテナが立つ山頂が目の前となります。

山頂からの展望は素晴らしいの一言で、筑波山・小貝川/鬼怒川沿いの平野と、霞ヶ浦方面の二方向が特に良く見えました。

日光連山は少し雲が懸かってます。

朝日を反射する霞ヶ浦。

土浦市街をアップ

その左は、今はトンネルで通過できるようになった朝日峠周辺の山々と、その先は石岡市・旧出島村方面。
山頂に並ぶベンチでは多くの人たちが朝ごはんを食べるべく、お湯を沸かしています。

展望を満喫したので、来た道を引き返して分岐を極楽寺コースへ。

極楽寺コースはところどころに小さなボルダーがあり、看板がつけてあるものも。

そして、登山道が何本か並走しはじめ、ところどころ網目状になっている場所も。
整備されすぎとの声もちらほら聞こえてくるのはこういうことか...

こちらのコースもイノシシ除け柵から出ます。

●想像してたのとイメージが異なる人気スポット?
公園ともハイキングともつかない2つの要素のフュージョンした、ここにしかない独特の雰囲気は何だろう?
立派な施設はなく、花が咲き乱れるわけでもないにもかかわらず、中途半端な道の駅よりも大勢集まってくる人たちは幼児から高齢者まで幅広く、やっていることも近所や知り合い同士の会合からトレーニングまで様々だが、ここが皆に愛されていることは確実に伝わってくる不思議な場所だ。
これはすごい。
いったい誰がどうやったらこうなったのだろう?

●2025年2月1日(土)
宝篋山小田休憩所(7:15)→常願寺コース
→尖浅間(8:05)→極楽寺コースとの分岐(8:30)
→宝篋山(8:40)→極楽寺コース
→宝篋山小田休憩所(9:40)



小田城跡・りんりんロード・つくば道(ポタリング)

大混雑の宝篋山小田休憩所駐車場から移動してきた市営筑波山麓小田駐車場も、空きスペースは一台分のみでした。
ここから自転車でスタート。

駐車場から数百メートル離れたところに、サイクリングの休憩所を兼ねた小田城跡歴史ひろばの案内所があり、建物の横をサイクリングロード「つくば霞ヶ浦りんりんロード・旧筑波鉄道コース」が通過しています。

サイクリングロードの土浦方面を見ると河川堤防の様な土手が見えますが、これが小田城跡で、堤防の様に見えるのは土塁です。
土塁に一か所穴が開いており、中がトイレとなっています。
重要文化財をブチ抜いてトイレをつくったのか?と思いきや、この穴は廃業した筑波鉄道の軌道跡でした。

かつての筑波鉄道は、正方形の本丸跡の対角線を突っ切っており、その線路跡を利用したサイクリングロードは、復元整備後の城内を避けて、正方形の2辺にあたる土塁と堀沿いに走っています。

土塁の上に登ると、本丸跡の向こうに先ほど登った宝篋山が良く見えます。

宝篋山から北へと続く山並みの向こうには、これから目指す筑波山も。

東側と南西側に堀を隔てて隣接する曲輪も合わせて、旧城域の約半分ほどが復元整備されており、城郭跡の間を土浦に向けてサイクリングロードが伸びて行っています。

さて、筑波山を目指すべく、りんりんロードを北へと走ります。
まっすぐ伸びていくサイクリングロードの正面に見える丘の麓が、つくば道の起点となるつくば市北条です。
国道125号線の高架をくぐると、右側を指す小さな標識に従って排水溝とも小河川ともつかない水路沿いを走り、蔵が散見される閑散とした北条の町中に出ました。
この家並みのどこかにつくば道の起点があるはずなのですが...

北条大池がある方向の道端に意味ありげな石碑を見つけたので、路地を進んで大池に行ってみます。

茨城県の観光サイトによると、この大池が旧登山道であるつくば道の入口とのことですが、代わりにあるのは馬頭観音の碑。

ただ、ここは関東ふれあいの道の「筑波山めぐりから旧参道へのみち」の終点となっており、すぐそばにある平沢官衙遺跡に立派な駐車場が整備されています。
登山に使えるかはわかりませんが...
遺跡手前の芝に書かれた「50-50」は、文化財防火訓練を兼ねた芝焼のときに書かれたもので、ちなみに、昨年は「アレ」の予想を裏切って「SDGs」、一昨年はブラボーだったそうです。

それでは、「筑波山めぐりから旧参道へのみち」で筑波山を目指します。

平沢官衙遺跡前の道路を緩やかに登って行くと、やがて北条の町の方から合流してくる県道139号線は、田井郵便局前のT字路を右折して筑波山に向けてまっすぐ登って行きます。

ぱらぱらと古い建物が並ぶ神郡の集落は、つくば道が「日本の道百選」に選ばれた理由の一つとなったところですが、自転車は一瞬で通過。

桜川を渡った先の臼井集落から、徐々に坂道の勾配が急になってきます。
↑おじゃましてトイレが使える観光協力の家「鮭川家」

市営駐車場がある石鳥居から先は、ヒルクライム愛好家のドマゾに高評価の急登となりますが、一般市民はここで脚力の限界となるため、チャリをデポして徒歩で歩き始めます。

●2025年2月1日(土)
◆自転車
市営筑波山麓小田駐車場(10:00)
→小田城跡(10:02~10:30)→北条(10:40)
→北条大池・平沢官衙遺跡(10:50)
→神郡(11:10)→六丁目の石鳥居(11:25)



筑波山

石鳥居から登り始めたつくば道は、往時は御師集落としてにぎわったと思われる(ものの、ところどころに空地が目立つ)古い民家の家並みを登って行きます。

道路が石段へと変わると、観光協力の家、謎の古民家空間「つくば椿庵」。

旧筑波郵便局を過ぎるとすぐに、バスが通る県道42号(笠間つくば)線を渡り、またまた階段を上って神社の門前町へと入ります。

社殿の前を左へ行くと男体山への御幸ヶ原コース。右が女体山への白雲橋コース。

関東ふれあいの道を兼ねる御幸ヶ原コースは、ケーブルカー乗り場の案内に従って進み、宮脇(山麓)駅の手前右の鳥居から入ります。
登山コースはケーブルカーの右側横を並走して登って行きますが、時折走行音は聞こえるものの、車両を見ることはほとんどありません。

ケーブルカーが交差する中間地点にMINANO HUT(ミナノヒュッテ)なる休憩舎があり、そこで線路が見えるようになります。

その先さらに登って行くと、登山道はトンネルの上を通って線路の反対側となり、

男女川の標識で靴に泥がつくと、岩の急斜面となり、

最後は木の階段を延々登って、ケーブルカー終点の御幸ヶ原に到着します。
「筑波山めぐりから旧参道へのみち」はここでおしまい。
男体山の頂上は標高差70mほどのすぐ上なので、先ずは男体山に登ります。
が、その前にちょっと寄り道。

男体山へ登りはじめてすぐの広場状の場所を左折して、広場の中から右へと続く自然研究路に入ります。

男体山頂の50mほど下をトラバースする(とはいっても結構アップダウンがある)研究路を10分ほど行くと、立身石という大きな岩があり、上に登ると、

崖の上に立って平野を見下ろすことができます。
直下に見える平野に並ぶ2つの丘の間から、まっすぐこちらに向かってくる道が、通って来たつくば道。
丘の向こう側の麓の家並みが北条ですね。

少しアングルを引くと、左側には宝篋山頂のアンテナが見え、走ってきた場所が一望できます。

左側はロープウェイ駅がある女体山と、その向こうには霞ヶ浦。

右側の筑西方面の景色は男体山からの方が良く見えるので、行ってみます。

立身石から研究路をほんの少し進むと、迂回路と表示された径が右側に急登していくので、その迂回路の階段を上ると、すぐに先ほど分かれた山頂へ行く径と合流し、5分ほどで神社が立つ男体山に到着します。

立身石ほどは足下が切れ落ちていないので高度感は下がるものの、同じような展望が広がります。

筑波連山で最も西にせり出しているため、下妻、古河、結城など県西部全体が見晴らせますが、モヤが掛かっているのが少々残念。

研究路の迂回路は、すぐ下のアンテナの建物の左脇から続いて行き、5分ほどで研究路に合流します。

自然研究路は、春先にはニリンソウやカタクリなどが咲き乱れる自然豊かな場所ですが、2月は見どころに乏しく、急斜面を横切っていくコンクリートスラブと階段が続きます。
造設時には水平だったであろう足場や桟道が、徐々に斜面の傾斜方向に傾きつつあり、ここが凍結したら、さぞコワいだろうなと思いながら歩いて行くと、四阿が建っているそばにある「大石重ね」に到着しました。
願い事が叶うパワースポットとのことですが、叶えるためにはあらかじめ神社でそれ用の石を購入してこなければなりません。

大石重ねで研究路は切り返して、北斜面をトラバースしていきます。

溶けた雪が再凍結するツルツルの登山道を通り、再び御幸ヶ原に到着。
最高峰の女体山に向けてアンテナの方へと登って行きます。
御幸ヶ原と女体山の間は筑波山中で最も往来が多いところで、多くの行楽客が行き交います。

途中の茶屋前にある、せきれい石。

もうちょっと先のガマ石

女体山直下でロープウェイ駅からの道が合流してきます。

標高877mの筑波連山で最も高い山頂は、ほぼ360°(実質的には270°くらい)の大展望でした。

北へと続く加波山、雨引山と、桜川沿いの関東平野

その右側は、梨と梅、キウイフルーツの里、八郷盆地。

東側のロープウェイ山麓(つつじヶ丘)駅の方向は、恋瀬川沿いの平野と霞ヶ浦北部沿岸に開けた石岡市街。

南側のつくば市、関東平野方面を見渡せる岩の上の侵入禁止ロープ脇は何故か人気で、撮影待ちの行列が絶えません。

さっきまで居た男体山。
無事筑波山に登頂できたので、帰路につくこととします。

下山路の白雲橋コースは、「天の浮橋」という名前がついた小さな橋の下にある倉庫の脇から下りていきます。
ちなみに、「天の浮橋」(あめのうきはし)とは...
宮崎県や淡路島にもおなじ名前のものがあるそうですが、どっち側が現実世界で反対側はどこなのでしょうか??

女体山からクサリで下り始める岩の尾根は、いわゆる筑波山のハイキング登山を代表するスポットで、固有名がついた斑レイ岩の巨石が続きます。

祠が内蔵された意味ありげな岩は、名称標記に気付かなかったかも。
それぞれの岩のうんちくはこちらから

神罰下ると書かれているが、「屏風岩」はどれ?

大小の岩の間をくぐる北斗岩。だっけな?

裏面大黒(りめんだいこく)

出船入船(デフネいりふね)

国割り石(くにわりいし)

陰陽石(いんようせき)

母の胎内くぐり は、看板のところから左奥の隙間を通って、

こっち側に通り抜けます。

胎内くぐりから急な岩場を下ると、

高天原(たかまがはら)。
隙間を登ると上に稲村神社が立っています。

ちなみに、高天原看板の横に稲村神社と表示された階段がありますが、途中でなくなってました。

弁慶七戻り(べんけいななもどり)

この角度が浮遊感MAXかな。

女体山から30分ほどで奇岩のコースは終わり、休憩舎の立つ弁慶茶屋跡地でつつじヶ丘へと下る「おたつ石コース」が分岐します。

引き続き白雲橋コースを右へ下ると、岩だらけの径は徐々に植林へと変わり、

酒迎場分岐で迎場コースを合わせると、立派な階段の遊歩道となり、鳥居の立つ登山口に降り立ちました。
鳥居をくぐると、右手すぐの方向に筑波山神社が見える門前町となりますが、そのまま道なりに下って行くと、バス通りを横切ってチャリを停めておいた筑波駐車場の石鳥居にでます。
ブレーキを過熱させながら急坂を一気に下って、小田の町まで往路を引き返します。

●まさに定番コース
関東の初心者日帰りハイキングを扱ったメディアなら、デジタルであれ活字であれ、必ず登場する筑波山を初めてハイキングしてみた。
観光地でもあることから登山目的以外の人たちも気軽に行き交う道は、カジュアルな出で立ちの若者も多くまさに種々雑多で、普段はアウトドアと無縁の人も多かった。

その中で、山頂付近を登っていた小学校低学年くらいの子供が、遅れているお父さんに向かって、「お父さん!そんなところに立ち止まっていたらみんなの邪魔だよ。休む時はちゃんとどけなきゃダメだよ!」と大声で叫んでいる家族連れに出合った。
汗だくでバテバテのお父さんは、高齢者でもメタボでもなく、ぱっと見はガテン系の精悍な容姿だったが、すれ違う時にボヤく小声が偶然耳に入った。
「いや~まいったな、ハイキングってのをやる人はみんな、こんなところを平然と登っていたのか...」
まいったところが(他の登山道や、職場や家庭ではなく)筑波山のハイキングで本当に良かった。

●2025年2月1日(土)
◆徒歩
→筑波神社(11:45)→御幸ヶ原コース
→中茶屋跡(12:20)→男女川(12:40)
→御幸ヶ原(13:05)→自然研究路
→立身石(13:15)→研究路迂回路
→男体山(13:30)→自然研究路
→大石重ね(13:50)→御幸ヶ原(14:00)
→女体山(14:20)→白雲橋コース
→弁慶茶屋跡(15:00)→酒迎場分岐(15:35)
→白雲橋コース入口(15:40)
→六丁目の石鳥居(16:00)
◆自転車
市営筑波山麓筑波駐車場
→小田駐車場(16:35)


New

小布施まちなか 閑散期ウォーク

長野市郊外に位置する小布施町は、20世紀末の上信越道全通以降、近隣を代表する観光地となりましたが、地元では昔から小布施といえば栗。 長野県北部の企業の手土産は、必ず竹風堂か小布施堂、甘精堂のお菓子詰め合わせで、自分も長野県の企業とのお付き合いを通じて小布施の栗を知りました。 栗の...

Tips