2023年6月4日日曜日

生川 小持沢~武甲山 (沢登り)

 2023年の台風2号とそれに伴う前線がもたらした大雨は、通過した6月3日(土)時点で数十名の人的被害と二百戸近い住宅被害となりました。

被害に遭われた皆様には謹んでお見舞い申し上げます。

通過した週末は首都圏の主要河川も濁流となり、水辺のレジャーは憚られる状態ですが、普段水があまり流れていない場所ならば大丈夫では? とふと思い立ち、台風一過の好天に誘われて武甲山の下を流れる荒川水系・横瀬川支流の生川源流にある小持沢に出かけてみました。

国道299号線、横瀬町の生川交差点の丁字路を曲がって武甲山の表参道登山口へと走ると、正面の武甲山が見る見る大きく・高くなります。

途中に点在する石灰工場を通り抜けて、週末の登山口駐車場から溢れた路駐が続く武甲山御嶽神社・一ノ鳥居を通り過ぎ、そのままダートに変わった道を登って三本目の沢を渡る橋の手前にクルマを停めて入渓準備です。
橋名標記はありませんが、上の画像の右側の橋が小持沢に架かる小持橋で、左側のバリケードの道から入って行きます。

すぐに堰堤が見えるので二つとも右岸から巻くと、台風の水が大岩の中を轟々と流れる沢が始まります。

最初は右岸に径跡のようなものが見えますがすぐに消えて、右岸の枝沢を見ると、入渓して15分足らずで、倒木の向こうに最初の滝が登場します。

日差しのコントラストが強すぎて良く見えませんが、ホワイトバランスを高くして滝を白く飛ばすと、左下の少し苔が生えた大岩の下が空洞になっているみたいです。

シャワーを浴びながら近づいてその穴の中を覗くと、いつ外れるかわからなそうな微妙なチョックストーンが行く手を2方向に分けており、向こう側へと抜けれるみたいなので、早く通過できそうな左側へと潜ると右岸から滝を巻くことができました。

岩潜りの滝から5分少々で二段状の滝がでてきました。

上段の方の滝はキレイな滑滝です。
左岸から巻きました。(直登できそうだったのですが...)

滑滝を通過すると、すぐに落口がチョックストーンっぽくなっている滝が見えてきます。
スタートしてから30分以内のコンパクトな区間に、次々と主要なイベントがあらわれてきます。

台風の雨を排出中のチョックストーン滝は、予想通り滝行場と化しており、とても登れそうにありません。
でも近寄ってみると、

さすがに水流付近を登るのは無理だわ。
でも、落口に張り出した岩の右奥に隙間がありそうですね。
ちょっと覗いてみましょうか。

滝の飛沫を浴びながら岩の右奥を覗くと、、隙間を突っ張って登った先のチョックストーンの上に立てれば登れるんじゃないの?

というわけで、↓左側の隙間から這い出てきました。

すぐ次にある岩小屋付きのこれは、さすがに無理だろうな。

でも、左側にちょうど足を置けるバンドがあるから、とりあえずあそこに立って上を見てみようか。

というわけで、シャワーを浴びながら左壁を少し登って奥を見てみると...

ここも落口の右側がチョックストーン状になっており、その下の穴はさすがに抜けれそうにありませんが、その代わりに突っ張り棒のように丸太が挟んであります。
あの突っ張り棒につかまった後で更に足場として使えば上に行けるのではないでしょうか?

冷たいシャワーを我慢しながら、突っ張り棒の下の流れを目を凝らしてずっと見ていると、流れの下に何となくホールドらしきものが見えなくもありません。
あの辺をガバで持てれば、突っ張り棒に届くかも。
というわけで、ボルダームーブいっぱつ。
で、行けるわけがありませんでした。
最大の誤算は、画像を見てお分かりの通り、強烈な水圧でした。
踏み出してはみたもののその場にステイするのがやっとで、とても這い上がるどころではありませんでした。
両方の眼球を冷水で洗浄されながら、落ちまいと耐えながら退路を確保している間にも、容赦なく打ち付ける水がどんどん体温を奪い、たちまち筋肉が硬直。身動きができなるなる寸前に辛うじて撤退です。

脱出は、振り返ってすぐ左に見える根っこの岩からです。
ちなみに、この2つのチョックストーン滝は、どちらも左岸から簡単に巻けると思いますよ。

左岸を巻いてきて、落口から見下ろします。
さぶいよ

チョックストーン滝のすぐ上の小滝からは、渓相が突然変わって、広くて緩やかな川床がのんびりと続きます。

小さなインゼルのようなところもあるよ。
でも、カラダが芯まで冷え切っており、とてものんびり歩いていられません。

体温を取り戻すべく、足を痙攣させながら速足で登って行きます。

815mの三俣までの30分ちょっとの間に、右岸から枝沢を2回ほど合わせます。

地面まではなかなか届かないものの、頭上の樹木には、秩父盆地で30℃に迫る気温となったこの日の日差しが照り付けています。

さて、体温が上昇してだいぶ落ち着いてきたところで、815mの三俣に到着しました。
左俣は小持山山頂の東側に突き上げる沢、右俣は登山道近くにある持山寺跡付近を水源とする枝沢です。
体温低下ですっかり意気消沈してしまった今は、作業径に最も簡単に出ることができるノーリスク・ミニマムワークの中俣以外の選択肢はありません。

中俣に入ると源流の雰囲気がぐっと濃くなりました。

キレイな縞模様の地層もでてくるよ。

三俣から15分ほどの標高910m付近で、左岸枝沢出合と呼ぶべきか微妙な二俣となります。

水流があって川床が低い左俣を覗くと小滝が見えており、その先で小持山山頂に向かって左カーブしていきますが、早く作業径と出会うべく涸れた右俣を行くために、ここで沢装備を解除することにしました。

涸れた右俣を登るとすぐにピンクテープの作業径が横切ります。
ちょうどここだけ水流が復活するので、ここで沢装備を洗うことができます。
また、作業径を示すピンクテープは、下の二俣から植林内を見上げても発見することができます。

作業径を右へ行くと3分ほどで持山寺跡の平坦地が見えてきました。
クルマを出発してから二時間。小持山の山頂を目指さないのであれば、お手軽な短時間コースです。
途中の滝で変なことを考えさえしなければ、難所が無い、初心者も安心して遊べる難度でした。
さて、だいぶ気力と体力が回復したので、せっかく来たついでに武甲山に行ってみることにします。
ここから武甲山山頂までは、地図ではすぐ近くなのであまり意識しなかったのですが、麓からここまでとおなじかそれ以上の標高差があります。

整備された登山道でシラジクボを経由して登って行くと、林床にバイケイソウだけが残ったキレイな針葉樹林となります。

橋立鍾乳洞へと下る裏参道の分岐から植林を抜けると、あっという間に多くの人々が昼食休憩している山頂直下の広場に到着しました。
持山寺跡を出てから一時間かからずの到着です。
登山道は早いなあ。

広場のすぐ上にオオカミの狛犬が居る武甲山御嶽神社があります。

こんな高い山の上に立派な神社をどうやって作ったのでしょうか。
神社裏手にある第一展望所という名前の付いた山頂に行ってみます。

山頂フェンスのすぐ向こう側が、石灰岩を切り出した鉱山の敷地でした。
かつてここを重機が走り回っていた時代であれば、立派な神社くらい簡単にできるな。


そして山頂からの展望は、聞いてはいたものの/写真で見たことはあったものの、想像をはるかに超える絶景です。

眼下の横瀬と秩父の町を踏みつぶせそう?なくらいの高度感です。

あまりに急激な麓との落差がピンと来ず、国道の脇に見えるUBE三菱セメントの工場(↓画像右下)がそれだとは気づかずに、もっと遠くを探してしまいました。

日向山の山腹に広がる「あしがくぼ果樹公園村」も、こんなに直下にあるとは思えず、違和感満載です。

展望を満喫した後は、一ノ鳥居から続く表参道と呼ばれる登山道で下山します。
人気かつ地元の信仰を集めるためなのか、お昼を過ぎても多くの人が登ってきます。
ちょっとオーバーユース的なところもありましたが、丁目石をはじめとする整備が行き届いて、効率よく標高を消化できる便利な登山道で一気に帰着。
最後の急傾斜の舗道道路はヒザに来ました。

●本日の反省
増水時の無謀な滝登りに注意
 簡単に巻ける滝を無理に登ろうとして危うく低体温症になりかけた。
 気温も水温も比較的高く、濡れても寒いだけだろうと思っていたら、大量の水がラジエーターの様に体温を奪い、見る見る筋肉が硬直。力を入れようとしても動かなくなっていくのが実感でき、すぐに歩けはしたものの、その後の回復も思いのほか手間取った。

 今回遡行した小持沢は、お隣を流れる大持沢とセットで遡下行されることが多い様だが、台風後の水量と(恐らく)似たような場所だろうというイメージを理由に小持沢の遡行だけにしておいたところまでは正解だったが、そこにヘンな余裕が嚙まされるきっかけがあった様にも感じる。(多分最初から2本の沢を遡下行すると決めていれば滝登りなんてしなかった)
 大持沢に行ったことはないので無責任なことは言えないが、小持沢の利点は途中で(持山寺跡へ)脱渓できることと、そこからすぐに短時間で下山できること。それと武甲山に近いことだと思う。
 武甲山からの展望は素晴らしかった。飛行機以外でここまで市街地を急角度で見下ろせる場所は関東ではほかにはないのではないだろうか。

●2023年6月4日(日)
小持橋(入渓;8:30)→小持沢遡行
→600m右岸枝沢出合(8:40)
→岩潜りの滝(8:45)→640mスラブ滝(8:55)
→670m三段滝(9:00)
→740m右岸枝沢出合(9:25)
→815m三俣(中俣;9:45)
→標高920m(脱渓;10:00~10:20)
→持山寺跡(10:30)→登山道
→シラジクボ(10:50)→武甲山(11:20~40)
→小持橋(13:00)




2023年5月29日月曜日

別府地獄めぐり

 梅雨入り前の週末に、有休をつなげて別府観光です。

九州は仕事で何度か行ったことがあるものの、観光では初めてです。

なので、定番中の定番。世界を代表する観光地で地獄めぐり。

別府湾の奥に広がる別府には福岡空港から高速バス「とよのくに号」で2時間ちょっとです。
下の画像で下に見下ろせる道路が大分高速道路で、左の道路沿いが別府湾S.A.、中央部の海岸が地獄めぐりの地に近い別府観光港。右の平地が別府駅周辺です。
別府行きの高速バスは、国内線ターミナル又は地下鉄の福岡空港駅から、無料のシャトルバスで国際線ターミナルに移動すると、1時間半くらいの頻度で博多からやってきます。
バスは全席指定の予約制で、旅行した2023年の春にはハイウェイバスドットコムでWEB回数券を購入すると、片道×4回分が¥9,200となり、偶数人数で往復する場合はかなりお得(というか全ての公共交通の中で最安)です。

別府では温泉の噴気孔のことを「地獄」と呼んでいるそうで、街中の各所にある噴気孔を回れば「地獄めぐり」と言えますが、最もポピュラーな「地獄めぐり」は、別府地獄組合が運営する7か所の観光地化された地獄で、¥2,200/大人の共通券で全部入ることができます。
ちなみに、個別に入場すると何円かは忘れました。

それではさっそく「龍巻地獄」からスタート。

龍巻地獄は、約40分毎に噴出する間欠泉で、何もなければ熱水を30mほど噴き上げるとのことですが、残念ながら飛び散らないように4メートルほどの高さで岩で抑えられています。

事前にWEBに乗っている写真を見たのですが、静止画だとなんのことだかわかりませんでしたので、動画をちょっとだけ。

龍巻地獄のすぐ隣は「血の池地獄」です。

売店の中を抜けると、湯気を吹くトマトケチャップが溜まったような池があります。
よくよく見ると、赤いのはお湯ではなく池の底に溜まった泥のようにも見えます。
7か所の地獄のうち、龍巻地獄と血の池地獄の2つだけが、他とは少し離れた場所(野田)にあり、公共交通機関を使うと少々時間の制約が生まれます。

全ての地獄には十分な規模の駐車場があるので、この時は全箇所をレンタカーで回りましたが、バスのみを使用する場合で半日未満という時間制約があるときは、鉄輪(かんなわ)にある残りの5か所のみか、その中の代表的なものを見物することになります。

それでは、鉄輪に移動して「かまど地獄」から。

ここは完全なアトラクション施設ですね。

他の地獄に色や形を似せたミニチュアの地獄がそろっていました。

さすがに龍巻地獄に相当する間欠泉は無いので、その代わりにガイドのおじさんが熱水に向けて線香の煙を送り、水蒸気を煙に変えて見えるようにするアトラクションをやっていました。

かまど地獄の道路を挟んだ向かい側には「鬼山地獄」があります。

ここも100℃近い水蒸気が噴出しており、周囲が煙って見えません。

ただ、熱湯の噴出はここだけで、実質はワニの展示場所です。
ワニはたくさんいましたが、撮影し忘れました...

鬼山地獄の入口前の「みゆき坂」のすぐ下には「白池地獄」があります。

これが白色かは主観によって分かれるところかと思います。
池以外には淡水魚の小規模な水族館がありました。

残るは「海地獄」と「鬼石坊主地獄」の2か所です。
この2つは、かまど地獄から見て白池地獄とは反対側の、坂の上側に2つ並んであります。

海地獄の茅葺屋根の入口を入ると、大きな緑色の池があります。
この色が海なのか?と思いますが、この緑色の池の奥。上の画像の左端にちょっと煙が上がっているところが海地獄です。

血の池地獄やかまど地獄と同様、売店の中を通り抜けたところに地獄がありました。



入口の方にある緑の池との位置関係はこんな感じです。

ちなみに、海地獄の園内には、売店と反対側にこの赤い地獄もありました。

赤い地獄のそばには蓮を育てている温室もあるよ。

最後にお隣の鬼石坊主地獄です。


庭園風の園内には泥の中からポコポコお湯が沸きだす池が4か所ほどありました。
観客も少なく、最ものんびりできるところでした。

ちなみに、地獄めぐり7か所のうち、国指定名勝なのは鉄輪の海地獄と白池地獄、野田エリアの龍巻地獄、血の池地獄の4か所。
足湯があるのは鉄輪の海地獄、かまど地獄、鬼石坊主地獄と野田の血の池地獄の4か所でした。

鉄輪の5か所は、交通の便が比較的良いのと、300mくらいの範囲に固まってあるので、回りやすいです。
博多や福岡空港から高速バスでやってくる場合も、白池地獄のすぐ裏にある国道500号線の「鉄輪口」バス停で降りることができます。
別府駅から一番わかりやすいのは、西口の3番乗り場から1時間に2本ほど出るサファリ線(行先はAPU、サファリ、仙人田など)で15分ほどです。(行先と所要時間は異なりますが、東口からも複数の路線があります)

下車するバス停は、鉄輪か海地獄前ですが、海地獄前で下車した方が下り坂なので楽ちんで、一番下にある白池地獄からそのままみゆき坂を下り、名前がいでゆ坂に変わったところにある「地獄蒸し工房 鉄輪」で食事をするのもいいかもしれません。

ただ、地獄蒸し工房も、周辺の観光施設と比較するとかなり良心的ではあるものの、いわゆる観光施設のカテゴリーに入り、地獄蒸しの体感が主となります。

なので、一番安いコースで済ませてから地獄蒸し工房を出ると、目の前に「鮮魚店の居酒屋」なるお店が。
思わず引き込まれてみると...
「お魚自慢」の看板に偽りなし。
メニューには揚げ物が多いですが、鮮魚を注文しましょう。
外れることはないと思います。

さて、ここからはオマケです。

別府駅から鉄輪を通り過ぎて、サファリ線のバスをそのまま乗り続けると、APU(立命館アジア太平洋大学)の1つ前に「十文字展望台前」というバス停があります。

展望台の看板に従って5分ほど歩くと、

アンテナ群の先に大展望が開けました。

日本夜景遺産なるものに登録されているそうで、夜に来ることができればもっと良かったかも。

ついでに夜景スポットをもう一つ。
別府駅から徒歩15分くらいのところにある別府コンベンションセンター(B-Con Plaza)内にあるグローバルタワーです。

別府公園を挟んで市街地とすぐそば。
一人¥300で地上100mからの展望が手軽に体験できます。

さっき居た十文字展望台の方や鶴見岳も間近に見えるよ。
3月~11月は夜9時まで登れるそうです。
北浜のホテルから歩いて夜景に見来れたな...

家に帰って来て週末が過ぎたら、何と西日本は梅雨入りしてしまいました。
最後の晴れ間だったのね。

●行った日:2023年5月26日(金)


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