2018年4月8日日曜日

石棚沢・ヤビキ沢 (沢登り)

寒波が到来して高い山々に雪が降る晩春の週末。沢登りの足慣らしに西丹沢の初級者沢に行ってきました。


西丹沢ビジターセンターをスタート。


ビジターセンター横の橋で東沢を渡りすぐ右折。
ウエルキャンプ場の管理棟の横の工事用道路を東沢の右岸に沿って歩きます。

道路は切り返しながら最初の堰堤の肩まで登ると、流されて消滅。


川原を少し進むと対岸に作業道跡が見えてくるので渡渉し、車道の跡を進みます。


間もなく左岸から、最初の堰堤が見える石棚沢がガレで合流するので、ここに入ります。



堰堤は1つを除き、普通に歩いて通過できます。
この崩れた堰堤の間を通ると、


左岸から五右衛門沢が入ります。


この二段の堰堤の下の段だけが、這い登る必要があります。
右端をチムニー登りで通過。


二段堰堤のすぐ先の右岸から壊れた堰堤で入る杉山沢。
右俣のザレが崩れた本流へ。


ザレを過ぎてすぐのところがゴルジュの入口です。


水が流れ出すここから入渓。


少しの間、水量が少なく、緩くて簡単な小ゴルジュが続きます。




浅くて小さな水たまりもありますが、入ると冷たいのでヘツるとそこそこの難度でした。





この辺りになってくるとそろそろ終わり。


間もなく標高900m付近の沢が左にUターンするところになります。
この突き当りを左にカーブすると、


二段の滝があり、上の黒い滝を越えると、


すぐ上が925m二俣です。
左へ、


本流の左俣には黒い滝。


その先すぐに水は涸れてゴーロが続きます。


標高1000m付近で登場する4mの涸れ棚。


左隅を枯葉をかき分けながら登ります。


すぐ上の1020m二俣は左へ、


次は右。


今度は左。


そして、1085m二俣となるので、右へ。


二俣すぐ先で沢が左曲するカーブからは左岸に隣の沢が見下ろせます。
そのカーブの先は岩盤が増えてメインの石棚が迫ってくる予感。


最初の4mは右端から。
奥に大きな岩壁が垣間見えます。


そして、続く5mの先には大棚20mです。


山稜の名称ともなる堂々とした岩壁です。
来るまでの道中で、ここから剥離したと思われる巨岩が散在するのを見てきた経験が、一層威圧感を高めます。


後になって写真を見ると大した事なさそうかもしれませんが、目の前で見るリアルに圧倒されてしまいました。
トップロープでもと思い、ロープは持ってきたものの、とても登る気がしない。

迷わず左岸の木立から巻きます。


傾斜の緩いところを安易に巻いていたら、大棚の落ち口よりもかなり高くなってしまったので、慌てて沢に降下します。

そして、本日のメインはそこにあった。。。


楯に亀裂が並ぶ最後の関門、10m涸棚。

ガイドブック(「丹沢の谷200ルート」山と渓谷社)によると、左側がⅢ級とのことだが、あのちょっと傾斜のユルいところをブッシュ目指して登るのか?



他に取り付けそうな場所も見当たらず登り始めるが、取り付いてみると、見た目に違わず浮石が多い。
ひとつづつ確かめてみるが、人の腕やノートパソコンくらいの大きさの岩が結構ぐらつくし、たまにカパッととれたりする。
慎重に確かめていると、岩に体温が吸い取られて手がかじかみ、危うくタイムアウトとなる直前でどうにか登り切ることができました。
かろうじてセーフ。
これが初級者用とは。。。
実際初級者が登れたのだから、そうなんだろうけど。。。


10m涸棚の上はすぐに土の沢となる。
夜に成長した霜柱が溶けだして泥田のようになっているので、低くて簡単に登れる右岸の尾根に乗ります。


右岸尾根は傾斜も緩く、ブッシュも生えておらず、快適に登れます。


登りやすいところを登って行くと、沢はだんだん東側に離れていき、右に入るはずだった1315m二俣もあんなに遠くに。。。


尾根はやがてヤビキ沢の左岸尾根と合流して一層太く、歩きやすくなります。
バリエーションルートとなっているこの尾根を下れば、楽に帰れるじゃん。
あまりの歩きやすさに、計画時には思いつかなかったアイデアを実行してみたい衝動にかられますが、届け出てないので計画通りに登山道を下らなきゃ。

まあ、今いるところも計画外なんだけどね。

尾根はヤビキ沢右股源頭の白ザレの横を通ります。


ここからは大方面が望めます。


ここからは下山に向けて登りすぎない様にしながら、なだらかになった石棚沢の源頭を横切って南方向にトラバースしていきます。


張り巡らされた鹿柵の間を抜けていくと、


柵の資材置き場があり、テシロノ頭方面から下りてくる登山道にでました。


鹿柵で守られた巨木の下で靴を履き替えます。


荒涼とした石棚の光景とは対照的な長閑な樹林の中を、箒沢公園橋目指して登山道を下ります。


公園橋を渡って県道にでます。
先ずは前半戦終了。


さて、今度は癒し系の沢に向けてビジターセンターから再スタートです。


ツツジ新道を檜洞丸方面へと進みます。
ゴーラ沢出合いまでのツツジ新道は、ところどころ終わりかけのミツマタの花が残ります。



ゴーラ沢出合いの川原にでて左岸から合わさるゴーラ沢の覗くと、二段の大きな堰堤がああります。


両岸が急そうなので、この堰堤は登山道から巻くことにします。
東沢を渡渉し、登山道のコンクリート階段を登って、続く急斜面を行くと、斜度が緩くなるあたりで右側になんとなく踏み跡っぽいところがあります。
ちょうど堰堤から水が落ちる音が聞こえるあたり。


上の方の堰堤真横に下りていく尾根の上流側の窪地を下って降りてきたところが、


ちょうど堰堤の上でした。


ここからしばらくはゴーラ沢のゴーロを歩いていきます。
少し行くと最終堰堤。右岸に踏み跡あり。



ゴーロの沢が右にカーブすると少し両側が切り立ったところがあり、
これは振り返って見たところ
それにしても、この沢のゴーロは、結構大きな岩でも平気でグラグラ動くので、ちょっとコワい。

さらにに行くと、ゴーラ沢とヤビキ沢の出合いとなるので右に入ります。
右奥に見えるゴルジュ状の地形はヤビキ沢右岸に入る枝沢

ヤビキ沢に入るとすぐにこのナメがあります。


でも、このナメはここから見えるところだけで、すぐ終わります。


さらにゴーロを進むと、いよいよ見えてきました。


西丹沢を代表する?ナメがはじまります。


ヒタヒタと岩盤の上を進むと、


すぐに終わります。
ここって、入口から見通していたところのすぐ上じゃないかしら。。。


あっという間に終わってしまったので、990m二俣(変則三俣)の滝まで行ってみることにします。
左俣(写真手前の右俣も数えると四俣の左から2本目)が滝で落ちているので行ってみます。


10mの二段滝。




さて、時間も遅くなったので、ここで引き返すことにします。

往路に登ってきたナメをくだります。



夕陽を受けたゴーラ沢のゴーロは白く輝いていました。



夕暮れのビジターセンターに戻ってきました。





●本日の反省
①計画が甘い
 ガイドブック記載ルートの単なる組み合わせから抜けられず、計画段階でヤビキ沢の左岸尾根を下る検討を思いついていなかった。
 結果、二本の沢をつなぐのに大回りして登山道を下った。
 まあ、登山道の方がかなりリスク低くて安心だし、石棚山稜はそれなりに美しいところで良かったが。

②そもそも欲張り過ぎ
 一日で西丹沢の初級沢2本に行ったが、終わってみた実感は「ゴーロ歩きで満腹」だ。
 それぞれ見所が多かった(とは言っても満載と言うほどではない)が、いかんせんゴーロの割合が多すぎた。


2018年4月7日(土)
西丹沢ビジターセンター(7:00)→東沢沿工事道→石棚沢出合(7:25)
→石棚沢遡行→775m二俣(7:50)→925m二俣(8:40)→1085m二俣(9:15)
→白ザレ(10:40)→登山道1401mピーク付近(10:50)→板小屋沢ノ頭
→箒沢公園(13:00)-(県道)
→西丹沢ビジターセンター(13:20)→(林道・ツツジ新道)
→ゴーラ沢出合(14:10)→ゴーラ沢遡行開始(14:20)
→850mヤビキ沢出合(14:55)→ヤビキ沢遡行→990m三俣(15:15)
→往路引き返し→ゴーラ沢出合(16:20)→西丹沢ビジターセンター(17:00)

2018年3月15日木曜日

自家用車で登る百名山 ~その17~西吾妻山(積雪期ハイキング)




ここは福島県北塩原村の裏磐梯にある五色沼自然探勝路。
え? タイトルと場所が違うって?
まあいいじゃないですか。
今回はこうでもしないとすぐに終わっちゃう内容なもんで,,,


探勝路の一方の入口にある、柳沼ほとりの裏磐梯物産館からスタート。
物産館は冬季クローズですが、駐車場は除雪されており、トイレと休憩スペースは解放されています。

柳沼は一部を除いてほぼ全面が凍結。


柳沼を過ぎて奥へと進むと、次に青沼があらわれます。
無雪期は綺麗なシアンブルーの水なのですが、青く見えないのは季節の影響か、曇った天気のせいか。


遠くの方にいるガイドツアーから「この青い色はアルミニウムによるものだ」との解説が聞こえてきますが、青いか?


次はすぐに遊歩道の反対側に、るり沼が見えてきます。
るり色だからか。るり色ってどんな色だっけ?


続いては弁天沼です。
ここも鮮やかなライトブルーの水なはずですが、ほぼ全面凍結しています。


どこか溶けてるところはないかうろうろ探しますが一面真っ白です。
ここが沼だという解説が無ければ、雪に埋もれた畑みたいです。
雪も激しく降ってきたので、そろそろ引き返すことにします。


せっかくなんで、雪の無い時期には通ることができない弁天沼の対岸を通っていきます。


さらに青沼と弁天沼の間にある水路に沿って歩きます。



この辺の水は、るり沼→青沼→弁天沼の順に流れているみたいで、この3つの沼の色は何となく似通っているのはそのためなのでしょうか。


***
さて、一夜明けた翌日。
前夜に雪が積もった小野川湖畔の道を通り、グランデコスノーリゾートへ。
自家用車の利便性をフルに発揮させ、さらに平日の空いているゴンドラで標高1000メートル超まで一気に登ります。


ゴンドラを降りたら右手に少し下って第4クワッドリフトに乗り、分厚い雲の中へ突入。


リフトを降りたところから、前夜雪が積もった林の中を登って行きます。


新雪でトレースが隠れていて見えませんが、それっぽいところを選んで歩いていくと、埋まることなく、夏と同じような感覚で歩いていけます。


標高1800mくらいから、徐々に木が小さくなり、視界も狭くなってきました。


標高1843mのポコからは、標高差100mちょっとで西大巓の山頂になります。


ガスの中からひょっこりあらわれた道標の杭。
ここが西大巓か。


西吾妻山とのコルへと下ります。
特に目印がない中をひたすら一番低いところへ。


コルからは背丈の低い林の中の緩い勾配を登ります。


登って行くと平地みたいなところに出て、林がなくなってしまいました。
単に木があるところまで視界が届かないせいか。。。
山小屋が埋まっていなければ目印になるのですが。。。


ガスの中から突如現れた西吾妻小屋。
デカっ。
大きすぎてカメラのアングルに入りきらないぞ。
全体を写そうとして後ろに下がると、真っ白で何も写らないぞ。


でも、これで現在地が特定できたので、東南東300mにある西吾妻山の頂上まで一気に進みます。


平坦な山頂部に到着。


さて、頂上はどこかな?
なんか目印とかないのかしら。


山頂の目印を探してあっちこっちウロウロします。
どっちに進んでも何もないまま下って行ってしまう。
ここって本当に吾妻山なのか? 小屋の東300mで標高2035mって、ここしかないと思うんだけど。。。
百名山なんだから、記念撮影用の何かあるでしょ?
なんにも無いと今日の写真全部、リフト降り場の横で撮りましたって言われてもわかんないじゃん。


念のためスマホを起動してみますが、圏外だとなかなか現在地が出てこないのか、待ってる間に体が冷え切ってきます。
おっ。一応山頂に居るみたいだぞ。
でも、この山は「モンスター」があることで有名なはずですが、これがそうなのかな?
八甲田や八幡平のと比べると随分貧租だけど、昨日の好天で溶けちゃったのでしょうか?
それとも、やっぱりモンスターがある本物の山頂に到着していない??


何か釈然としませんが、これ以上粘っても展開が期待できそうにないと判断し、来た道を引き返すことにします。

西大巓の頂上では3人組のバックカントリースキーヤーとボーダーがちょうど滑りはじめるところでした。
先頭が4~5回ターンするとガスの中に消えていきます。
「お~い、見えるかぁ?」
「う~ん。どうだろ?」
仲間を見失わず/追突せず(^ω^)・・・


リフト降り場に戻ってきました。
どこでも埋まらずに歩けたのは、バックカントリーの人たちがたくさん滑って表面を堅くしてくれたこともあるかもしれません。


下りのクワッドリフトは乗れないので、ゲレンデの端を歩いてゴンドラ乗り場(というか降り場)まで戻ります。
向こうに見える磐梯山も今日は標高1500メートル以上は雲の中。


●本日の反省
 今度は登頂不明。
 妙高山の山頂誤認、巻機山の未確認、白根山の立入禁止に続いて、今度はロスト?
 登るたびに登頂率が下がって行く。。。

2018年3月11日(月)
 グランデコスノーリゾート(9:15)→ 第4クワッドリフト終点(9:45)
→西大巓(11:00)→西吾妻小屋(11:30)→西吾妻山(11:45)
→往路引き返し→西大巓(12:30)→第4クワッドリフト終点(13:20)
→ゴンドラリフト終点(下山:13:30)

New

北横岳 (ハイキング)

 2024年秋分の日の振替休日は、三連休で一番の晴天となったので、北八ヶ岳にでも行ってみようと、朝8時前に麦草峠に到着したら、とっくの間に駐車場は満杯でした。 確実にクルマを停めることができる場所にさっそく転戦です。 冬は「ピラタス蓼科スノーリゾート」となるスキー場のゴンドラは、...

Tips