関東以南が例年より一週間ほど遅い梅雨入りとなった2021年の6月下旬に、本州で唯一梅雨入りしていない東北へとハイキングにでかけました。
東北最南部の福島県南会津地方を目指します。
同じ日の午後に行ったお隣り只見町の布沢川大滝沢の記録はこちらです。
たしかこの湿原への道は台風被害で長らく通行止めとなっていたような気がします。
クルマで近くまで行けるのであればと思い、湿原への道を右折すると、冬が明けて開通してからまだ一か月も経っていないタイミングでした。
立派な舗装道路を数キロ走行して、ボランティアが常駐する平日朝から満員御礼の湿原入口に到着です。
駐車場から5分くらい登山道を登ると、さっそく一番手前にあり、3つの湿原の中で最大の大谷地の入口に到着です。
谷地の中に白と赤の花が点在しています。
両側が広く開けた、水路が並走する平坦地の左側の森に入って大谷地はおしまいとなります。
木を通り抜けた先にはまた平地が広がっており、訪れたこの日の中では最もワタスゲが多いゾーンとなっていました。
森を抜けて、最も北にある最後の湿原である水無谷地へと向かいます。
森の中で木道が左折すると視界が開けてきました。
そして、ところどころで両側から樹林がせり出してきているため、完全には分断されていませんが3つの小さな湿原が点在するような雰囲気を持っています。
というわけで、出発してきた駐車場へと戻るべく、引き返します。
帰路は、これまで背にしていた太陽を正面から浴びた湿原が、往路とは少し異なる雰囲気を醸し出します。
思えば、原野に続くこの空の広がりは、北日本特有の自然景観で、関東以南ではあまり見られないもののような気がします。
この時期約一か月間の湿原の基調となるワタスゲの合間に、コバイケイソウの白とレンゲツツジのオレンジ色が点在して、続いています。
基本的な彩りは、こんな感じで、場所ごとに微妙なバリエーションが加わっていきます。
木道沿いに細長く続く湿地を行くと、谷地の中央部で両側がぱっと広く開けてきて、梅雨入り前の青空が広がってきます。
ところどころで、ミツバツツジ、ウラジロヨウラク、ニッコウキスゲやヒオウギアヤメが異なる彩を加えます。
湿地は一旦狭まり、木道が右にカーブすると、最後の広がりを見せます。
大谷地を出たところで突き当たる林道を、次なる白樺谷地へと向かうべく左へ進みます。
ちなみに、反対側の右へ行くと出発した駐車場へと戻ります。
3つある湿原(谷地)のうち、大谷地のみが一方通行で、帰路は林道を歩いて周回することとなります。
大谷地から先の2つの谷地は、そこへと続く林道を含めて同じ道を往復します。
というわけで、路傍に咲くニガナを見ながら、東側が開けた林道を歩いていきます。
すぐに出てくる白樺谷地の看板を右折して林の中の木道を行くと、すぐに視界が開けて、最も平坦な白樺谷地に入ります。
東西に細長い白樺谷地は、中央部で少し樹林が張り出してきており、軽く分断される形になっています。
水無谷地は3つの谷地の中で最も傾斜が急で、地形のメリハリがあります。
両側への広がりが乏しく、樹林が近い一方で、谷地中央部の木道沿いには水路が続きます。
この辺りまで来るとそろそろ湿原の北端となり、径は森の中を登って昭和村側の駐車場へと続いていきます。
東京を通り抜けて4時間で異国に来たように感じるのは大げさでしょうか。
さて、本来の目的地であるお隣の只見町へとクルマを走らせる途中で、南郷の宮床湿原の様子を見てみました。
帰路の林道の脇には、駐車場のすぐ手前にブナの二次林の中に続く「ぶなっこ遊歩道」なる径がありました。
この遊歩道は足下に木道が完備されており、クモの巣も張っておらず、とても快適でした。
国道289号線から401号線が分岐する南郷スキー場の脇からスキー場のゲレンデを登る道路(「さゆり荘」の前の道路です)を行くと、湿原の入口に到着します。
木道をどんどん行くと、東側には結構残っていました。
周回登山道に出て、時計回りで戻ります。
登山道を15分も登ると、湿原を周回する径に到着するので、今回は時計回りに進み、途中のここから湿原内を突っ切る木道へと入ります。
木道は本当に円形の湿原のど真ん中を突っ切っています。
駒止湿原よりも標高が低いここのワタスゲは、もうほとんど終わってしまったみたいですね。
振り返ってみたところです。
やっぱり遠くの方はあんまり咲いてないや。
この後は、恵の森へと向かうべく、只見町の布沢へと向かいます。
布沢川大滝沢の記録はこちら。
●本日の反省
本日はまだ終わっていませんが、お昼過ぎまでぶらぶら寄り道をしていたため、この後のスケジュールが...
●2021年6月18日(金)
・駒止湿原:駐車場(南会津町・針生側;8:40~10:55)←→水無湿原(往復)
・宮床湿原:湿原入口(11:45~12:30)←→湿原木道(往復)