それならということで、会越の豪雪の山へとでかけました。
県道385号線の除雪終了点である大自然館からスタート。
無雪期は道路である広い雪面をつぼ足で進みます。
ここから目指す浅草岳は見えませんが、破間川の対岸にある守門岳はまだ雲の中です。
ヤジマナ沢沿いの登山道に入るところからシールを装着して、古い林道をショートカットしながら上っていきます。
ヤジマナ沢の左岸尾根下部は植林が混じります。
標高が1100mくらいのところから、植林を抜け出してブナの巨木の林を行くようになります。
北側のヤジマナ沢対岸にある尾根は夏の登山道がついているのでしょうか。
しばし並行しながら登ります。
標高1245mの台地に着いたところには崩れかけた雪庇が。
通り過ぎた雪庇を振り返ります。
徐々に雲底が高くなってきたように感じます。
南側の尾根を見ると、どこも雪庇が連なっています。
今自分が立っているところも、北側から見るとこんな感じなのでしょうか。
少しずつポロポロと落ちています。
少し青空が見えてきましたが、標高を上げるに従い、どんどん風が強くなってきます。
強風が運んでくる霧が木の小枝に凍り付いていきます。
だいぶ青空が広がってきて、行く先の稜線が見通せるようになりました。
稜線上を先行する登山者が小さく見えます。
早くも降りてくる人もいます。
振り返ると、守門岳も完全に姿を見せました。
嘉平与ポッチを目指して緩やかな稜線を登っていきます。
登山者とスキーヤーが続々と登ってきます。
嘉平与ポッチに向けて斜面が急になる手前の標高1440m付近には、ちょうど風を避けられる吹き溜まりがありました。
ここからは樹林はほとんどなくなり、吹き曝しとなります。
さあ、嘉平与ポッチを目指してどんどん行こう。
嘉平与ポッチの右肩を巻くと、前岳が聳えます。
ポッチのすぐ先には雪庇が張り出していますが、これを反対側から見ると、、、
かなり空中に張り出していますね。
後続の方の中には結構空中を歩いていた人がいたみたいです。
気を付けましょう。
前岳に立つと、鬼が面山の反対側にある崖が視野に入ってきます。
その向こうには魚沼の山々が連なります。
行く手には田子倉湖を見下ろします。
鬼が面山を横に見ながら、
山頂を目指します。
山頂は近そうにも遠そうにも見えます。
前岳から強風に煽られて、よろけながら20分以上かけてようやく浅草岳山頂に到着しました。
来た道を振り返ります。
その右手は守門岳。
その右側の山頂北側には早坂尾根という傾斜の緩い尾根が台地上に続きます。
直前を先行していたスキーヤーはここを下るそうで、一緒に行くかと問われますが、強烈なアゲンストの風とクラストした雪面にモチベーションが喪失しており、ありがたくお断りさせていただきました。
手前側の川内・下田山塊はよく見えますが、その先の飯豊方面は強風の雲の中みたいです。
会津の山々。
そして田子倉湖。
鬼が面山。
ぐるり一周大変よく見渡せました。
さて、往路を引き返すこととします。
振り返る浅草岳山頂。
雪庇の前岳に着くと、
これも見納めとなります。
ポッチで少し上り返すため、シールを着けたまま滑走していきます。
ポッチの少し手前から左側のムジナ沢へとドロップできるポイントがあり、往路の見た感じではもしかすると行けそうにも思ったのですがどうでしょうか?
北岳方面は一面の雪原で、滑ると気持ちよさそうですが、よく見ると雪庇の合間が意外と狭く、雪質が不安定な時期はルート取りが難しいように感じます。
そして、ムジナ沢へのドロップポイントでは結構雪庇の落下が始まっていました。
ムジナ沢とは反対側のヤジマナ沢の左岸斜面も結構雪庇の崩落が始まっており、しかも所々に全層雪崩を予感させる亀裂や瘤状の変形も見られます。
この時期であれば怪しいところは落ちてしまっていると思っていたのですが。....
シールを外し、欲張らずに往路の尾根を引き返すこととします。
この雪庇の左側のなだらかな方斜面を滑走していきます。
疎林内を直滑降・時折ターン。
メローな斜面が終わり、植林に突入すると、樹木の間隔が一気に狭まるので、必死こいてがりがりターンします。
もうすぐ林道。
標高が低い場所では、ヤジマナ沢の対岸斜面は一気に融雪が進んでいます。
林道跡をところどころ上り返して、
県道の橋との合流点に滑り降ります。
到着。
●本日の反省
・事前に予想できなかった強風で、北斜面を滑れなかった(滑る気力がなくなった)。
・事前の予想通り晴れて気温が上昇し、沢の中を滑れなかった(滑らない方が良いと思ってやめた)
ただ、これだけの好天に恵まれてノーマルなルートで山頂を往復できたのだから、欲を言うのはやめておこう。
ヤジマナ沢左岸尾根は、往路の引き返しで、広いバーンやスティープな斜面はないものの、山々を旅するクラシカルな山スキーの気分が感じられる好ルートだった。
特に樹林限界から下は、ようやく春を迎えた札幌近郊の山々の雰囲気が感じられ、久々に山スキーの原点に還った?
自分が歳を取ったからそう感じるのかも知れないが。
2019年4月6日(土)
大自然館(8:30)→林道終点(9:04)→嘉平与ポッチ(11:35)
→前岳(12:00)→浅草岳(12:22)→前岳(12:40)
→嘉平与ポッチ(12:47)→林道終点(13:35)
→大自然館(13:50)
→前岳(12:00)→浅草岳(12:22)→前岳(12:40)
→嘉平与ポッチ(12:47)→林道終点(13:35)
→大自然館(13:50)